マッサージボールを柔らかいものに変えた理由

毎回私が来日する時にマッサージボールの大ってやつと小ってやつを持っていきます。

これらはバレエ学校の生徒達にも買ってもらっているアイテムで、最初はみんななにこれーみたいな目で見ているんですが(もしくは要らないっていう人も!)、年末が近づいてくると、そして学年が上がっていくにつれてすごく愛用するようになっていきます。

 

んでもって、日本人の生徒達が帰国するたびに「友達に頼まれたから3つ」とか買っていくので来日アイテムとして持って帰るようになりました。

 

マッサージボール大の使い方についてはこの記事をどうぞ

その他の佐藤愛お勧めアイテムはこちらの記事をどうぞ

 

2017年の春来日から、このマッサージボール小の固さを変えました。

柔らかくしたんです。

 

筋膜への理解が変わってきた

医学が進む早さ、すごさ、そしてメリットとデメリットをこの世界にいると感じます。

その中でも筋膜についての理解、そしてそれをバレエ界に応用していくことについては特にここ1-2年でおおきな変化を感じます。

 

2014年にイングリッシュナショナルやロイヤルバレエで働いていたスポーツサイエンティスト(っていう仕事があるのね)のセミナ―では筋膜をかなりの力でリリースする手順を使っていたんですが、

2017年頭で受講した世界各国のバレエ生徒や先生向けのワークショップを行っている人のセミナ―ではじんわり伸ばす、という手順が使われています。

 

もちろん、2人の治療、担当しているダンサーのレベルは違います!

一人は既にプロになっている人達(つまり成人。体が出来ている)で、様々なジャンルをこなす体作りをする人。

もう一人は成長期のダンサー、幼い子達を診る人でトレーニングよりも治療をする人。

だけど1-2年前くらいからは筋膜は個々よりもラインで、そしてじんわりと緩め、ダンサーのように緩すぎる人達は触らない!というのが主流みたいですし、私もそうやってます。

 

何が好きか、っていうのは人それぞれだし、「それが効く!」って信じること自体がすでによい影響になるって事は様々な角度で研究、証明されていますからね。

 

筋膜とバレエ

もちろん、ここらへんで勉強熱心なトレーナーさんや治療家さんは

「筋膜への理解なんて古くからありますよ!Thomas Mayerの本読んだことないんですか!?」って思うかもしれませんね。

↑これね。でも日本語バージョンで読んだことないです。私が持っているのは英語なので。

 

 

でもね、彼(そして彼自身の言葉です)は体が硬い人達を多く担当していて、

彼の筋膜理論は動きに制限がある人達を自由にするための知識だそうです。

 

ダンサーの場合はその逆。

体が柔らかすぎる人達、もしくは一部が非常に柔らかい人達。

その子達に筋膜リリースをすると、サポートしているものがなくなり、

踊りは下手になり、ジャンプは低くなり、ケガのリスクも大きくなります。

 

私は踊らなくなってかなーり経ちますが、後方筋膜ライン(ってのがあるんだな、ってだけ思っていて)を緩めたら、人間として使えなくなります(=歩けないほどの痛みが出る。)

私の体、そして今の生活習慣だと、こっちは鍛えなきゃいけない奴だからです。

 

その代わりサイドラインを緩めるとすっごく動けるようになります。

これが体の柔らかい人の特徴だそうです。

私でこのレベルなんだから、本当にぐにゃぐにゃな若いダンサーはめちゃめちゃ危険!

 

治療家トレーナープログラムでもお話していますが、ダンサーの場合、硬い場所を緩めると危険な場合があるんです。

ちょっとむずかしくなっちゃうんだけど、いつか記事にします。

 

筋膜リリースって言葉は様々なところで聞くけど、リリースしたらしただけGOODなわけじゃないです。

体にあるって事はそれなりの仕事をしていますから。

 

ボールの固さと日本人

もちろん、ボールがどうの、ツールがどうのではないんですよ。

そこにかけるプレッシャーの方が問題なのでね。

 

ただ、様々な人種(国籍)のダンサーと仕事をしてきた中で気づいたのですが、

  • 日本人は痛み=いい事している!って気持ちが強いみたいなのと、(そう教育されてきている)
  • 外からの情報が入ってきにくい(言葉の壁)、
  • 偏平足(フラットアーチ)が多い

という事を考えてボールを柔らかくしました。

 

フラットアーチの子達は足の裏が疲れます。

これはアーチの衝撃吸収がうまくいっていないからという他に、正しく足の裏が使えていない=筋肉が育っていないから、という問題があります。

つまりね、この子達に必要なのは足の裏を鍛えることであって、足の裏のマッサージではない事もあるのです。

 

また、正しく足の裏が使えていないという事は、足底筋膜にかかるプレッシャーも大きい。

その筋膜(とか筋肉グループ)に必要なのはぎゅーぎゅ―押すことではないんですよね。

 

その他に、セミナーで会った子達はボールのイガイガ青あざがつくほどごりごりマッサージをしていたのも見えましたしっ!

(青あざってさ、中で血管切れてるんだよ!?)

 

こっちの子達にはまだ固いボールを使ってもらっています。

アーチの形や性格(傾向)も違いますし、何よりも私と学校で会うので、何か変だったら説明できるし、変えてほしい、って思ったらすぐに言える。

あと、授業で解剖学があるとかまー色々な理由はあるんですが。

 

混乱したら自分に戻れ

そんなことを言っても、生徒の中では、そしてケガの種類によっては強いプレッシャーでセルフマッサージして、と説明する事もあります。

混乱するでしょ?

ゴリゴリなの?じんわりなの!?

 

答えは…あなたの体次第。

そしてこれは

今日のあなたの体次第

という事なので、昨日とは違うかもしれない。オンシーズンとオフでは違うかもしれない。

ケガしていないで100%踊っている時と、ケガしてリハビリ中、レッスンはアレグロをやっていない、とかでも違うんです。

 

困っちゃうよね。

だからプロに診てもらう、とかトレーナーにつくって大事なんですが、そう出来ない場合はより自分の体との対話を大事にしてください。

 

やっている時の感覚だけでなく、その後踊ったらどうなったか?次の日のリカバリーはどうなっているか?などをしっかりと覚えておく。

そうすることで答えは出てきます。

聞く耳を育て、会話する力をつけて、様々な状況に対応できるように知識を増やす。

やっぱさ、ここに尽きるのですな。

 

私もみんなの体を聞く耳を育てるために日々勉強していきますから!
(2017年の9か月で20万円以上勉強、セミナーに費やしている事をこの前発見しました…どーりでいっぱい働いても貯まらないわけだ!笑)

 

追伸:今すぐやめなさい

ただ今、足の裏をゴルフボールでゴリゴリしている子達はやめなさい。

床にも悪いし、足の裏にも悪いです。

特に年齢が幼かったら、これが偏平足を作る原因にもなります(足のアーチは靭帯によって支えられているから!)

 

青竹踏みが健康にいい!とか言われた時代があったようです。

これもそうだし、ダイエット本とか全部に言えることなんだけれど、

対象にしている人間(年齢、職業、ゴール)が違うものをいくらやってもうまく行きません。

体壊します。

 

ほら、いくら卵がタンパク質としていい、って言っても卵アレルギーって日本の食物アレルギーの中で一番多いらしいですからね(28%の人があると言われる)。

その人達には向かないって分かるでしょ?

これは大げさな例ですが、成長期の体、ダンサーの体、リハビリ中の体って必要なものが違うということだけはお忘れなきよう!

 

Happy Dancing!

  • 佐藤愛著シリーズ



  • マッサージボールを柔らかいものに変えた理由”へのコメント

    • November 20, 2019 at 8:51 pm

      青竹踏み、良くなかったんですね。
      私今61才ですが、高校生の頃からずーっと踏んでました。確かに今も足裏アーチないです。元々運動神経が極端に鈍いのですが、なぜかバレエ続けてます。もしも運動神経よく生まれていたら、それなりに良いダンサーになっただろうなーと思います。青竹踏みやめようかな。柔らかいボール踏むのがベターでしょうか?

      Reply
      • November 22, 2019 at 8:15 am

        けいこさん、
        コメントありがとうございました。
        まず、ボールの柔らかさ云々の前に、そもそもどうして竹踏みをしているのでしょう?
        それをやる理由があるならば、年齢的に身体の成長期は過ぎているので竹踏みが悪影響になることは少ないかと思いますよ。
        (成長期、バレエ学校生徒への記事なので・・・)
        道具、方法、の前に、どうして?という必要性。
        そこから考えてあげてくださいね。

        Reply
    • April 4, 2020 at 12:16 am

      こんにちは、小5の娘がいます。
      急に学校や習い事もお休みになり、戸惑いや不安の日々ですが、こんな時だから普段は忙しくて出来てないことや身体の事に目を向けるチャンスにできたらと思います。
      マッサージボールについて以前からどの位の硬さがいいのかなと思っていました。踏む力や身体の状態によっても変わってくるのかもしれませんが、ゴルフボールでは硬すぎるのですね。
      会場でのセミナーも当分は難しい状況なのかと思います。
      日本で販売しているものでおすすめのマッサージボールがありましたら教えていただけると助かります。
      過去記事は目を通したつもりですが
      もしどこかで紹介されていたらすみません。

      Reply
      • April 6, 2020 at 8:11 am

        ご連絡ありがとうございます。
        そして過去記事まで読んでくださってどうもありがとうございます。

        もしレッスンもあまりないのであれば、今はマッサージボールは必要ありません。
        筋肉を使ったあとのリリース、となるべきなのに、筋肉を使う事が減っているからです。
        もしくは、テニスボールだったら体の小さいダンサーでも使えるサイズで、しかもラバーなので少し柔らかく筋膜を痛める可能性は少ないと思います。

        リリース、という言葉にあるように、筋肉の緊張がある場合の緩和ですので、まずは小学生、学校&習い事なしの今に必要か?
        そのほかに出来ることがあるのでは?と考えてみてくださいね!

        Reply

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