ダンサーのケガ:足底筋膜炎

Table of Contents

 

fascia1

 

 

この前筋膜について記事を書きました。

今日は筋膜の怪我で有名な「足底筋膜炎」についてお話ししようと思います。

(音声で聞きたい人は一番下へ。ポッドキャスト・YouTubeで再生できます。)

 

ちなみに私のコンピューターは私と同じく日本語が苦手なので

あしそこきんまくえん、

とタイプしないと漢字が出てきませんが、

 

読み方は

そくていきんまくえん

だそうです。

 

この怪我が何なのか?

という説明よりも

ダンサーだったらどうしたらいいのか?

何が原因なのか?

にフォーカスをおいていきます。

 

なぜか?

それは他の怪我と同じですが、自分で勝手に診断されちゃ困るからです!

インターネットですこし検索すれば、たっぷりいろいろな情報が出てくる事でしょう。

 

マッサージ、インソールなど、色々なアイデアがあると思います。

ですが、今年の始めにいた生徒のように、

筋膜が痛いのだとおもってマッサージしていたら、筋膜が切れちゃった!

という事もありますし、(彼は8週間以上足が使えませんでした。)

 

インソールも少し間違えると症状を悪化させます。

(このところは教師のためのバレエ解剖学講座でお話ししますね。)

 

かかとの痛み、足の裏の痛み=足底筋膜炎、だと思われる方が多いですし、

残念ながらそのように診断される事が多いですが、

しっかりとトレーニングされている若いクラシックバレエダンサーであれば、

この怪我をする確率が非常に低いです。

(なり易いジャンルとしてタップダンス、フリースタイル・・・が挙げられます。)

 

アキレス腱炎もそうですが、足底筋膜炎も、バレエダンサーにはなりにくい怪我だというリサーチがあります。

アキレス腱に痛みがあるから。

つま先をのばしたときにアキレス腱あたりが痛いから。

ということで安易にアキレス腱炎だ!と言っちゃう人が多いですが、

そーでもありません。

 

同じように足底筋膜炎も、

かかとが痛い。

足の裏が痛い。

かといって本当に足底筋膜炎か?といったらそーでもありません。

 

かかとって、成長期でも痛くなる事があるし、ジャンプの着地で酷く打った場合、骨が打撲する事もあります

(コメントが来たので。英語ではこれをbone bruiseといい、日本語では骨挫傷といいます。

挫傷って言葉には広くみると打撲も含まれるんだけど、骨にはならないって言われたので。

でもね、イメージしやすいだろうし、英語だとbone bruiseで本当に打撲なんだけどね)

学校に履いていく靴が合っていない、という事や、アーチの怪我の場合もあります。

 

 

とは言っても、100%確実にその怪我になる事はないっ!とは言い切れないので

ここらへんは、しっかりと専門家に見てもらってください。

 

 

足底筋膜炎のあだ名はjogger’s heel.

つまりマラソンランナーなど、長距離を走る人によくなります。

普通の人(という言い方は失礼かもしれませんが)だと、

 

  • 40代以上
  • 肥満
  • 扁平足や、老化によるアーチの低下
  • 固いコンクリートの床で立ち仕事

 

などが挙げられます。

 

ね、普通のダンサーだと当てはまらなそうでしょう?

正しくレッスンが出来ていれば、毎回つま先をのばすたびに足裏のアーチを鍛えているはずです。

ひどい肥満で踊っている人も少ないでしょうし。

 

  • 大人バレエトレーニーさん*で、昔デパートの立ち仕事をしていた。

という方はなる可能性があります。

*DLSでは大人でバレエレッスンを受けている方々をトレーニー「トレーニングする人」と呼んでいます。

 

他のパターンとして、

現役時代に足底筋膜に負担をかけながら踊っていた人が踊りをやめて、

体重が増えたり、運動量が減ったり。

またはもう一度バレエに復帰しよう!というときに古傷が。。。!となる事はあります。

 

 

若いダンサーで、足底筋膜炎になる場合。

 

1)足の裏、そしてふくらはぎが固く、ジャンプの着地で脚が使えていない(=筋力不足)

2)ターンアウトで嘘をついている

3)床が固いところで沢山ジャンプのあるリハーサル

4)重心が後ろに落ちすぎている

 

などが主な原因になります。

 

脚の裏、ふくらはぎが固い、脚全体の筋力が弱いと、着地の振動が酷くなります。

ターンアウトで嘘をついていると、アーチを落として踊っている事になります。

重心が後ろに落ちていると、正しい筋肉が使えません。

ということで1番、2番、4番が、上にあげた原因に当てはまるのがお分かりでしょうか?

 

3番は自分ではどうしようもない事が多くあります。

お仕事は休めませんし。

そのときはセルフケアに徹底しましょう。

強い体、筋肉はショックを吸収してくれますから、体作りも大切です。

 

 

公民館などでバレエスタジオを経営する人は十分注意してください。

コンクリートの床の上にリノを敷いただけでは太刀打ちできない事があります。

 

 

特に練習量が多い子たちを受け持つ場合、細心の注意が必要です。

体が強くなく、筋肉、筋膜も成長中であれば弱くなります。

そしてしっかりターンアウトが出来ていなかったり、ジャンプの着地をしっかりできる筋力がなければ、

かなりの負担が体にかかっています。

 

 

お稽古程度だったらいいですが、プロを目指すならばしっかりしたトウシューズを!って思いますよね。

床も同じ事が言えると思います。

 

 

こんなあたりをカバーしておけば、

ダンサーにおける足底筋膜炎はカバーできたと思います。

 

 

重要な事。

なにか変だな?と思ったら専門家に見てもらいましょう。

ダンサー専門が探せない場合、このエリアのけがは長距離ランナーを治療する人たちの得意分野です。

 

 

 

P.S.

足底筋膜炎。炎症、だと昔は思われていましたが、

最近の研究で炎症ではない事が分かり、英語での表記が変わったほどです。

ここは別にダンサーなら知らなくて大丈夫です。

ただ、お医者さんに炎症を押さえる薬をもらったら、セカンドオピニオンが必要かもしれない、っていう程度。

 

今回の文章を音声で聞きたい人はこちらから

Youtubeにもありますよ!

 

Happy Dancing!

ai

Share This Post

Facebook
Twitter
LinkedIn