ポワントボールの記事で、ジェスチャーレッグと軸足について少し触れましたが、
今日はそれをもう少し掘り下げていこうと思います。
これはただ今怪我をしている日本人留学生のMちゃん向けです笑
フィッシュ、という足の形を知っていますか?
逆かまあし、と言われることもありますね。
かま足は?
アライメントの面だけで考えたとき、
第二中足骨は膝蓋骨と同じ方向を向き、
足首の真ん中を通っている。
というのが解剖学的な考え方です。
もちろん、足の形とかによって変わってきますが、基本となるライン、という事で。
ここで出てくる質問。
でもプロ達のつま先はそうなってないじゃない!
写真を例に見てみましょう。
上げている足のつま先ったら、完全に違う方向をむいているじゃない!!
そうなんですよね。
これがジェスチャーレッグと、軸足の違いです。
ジェスチャーレッグ、つまり動かして「魅せる」足先ではある程度の「遊び」のエリアがあります。
これはラインをより美しく見せるため。
そしてよりターンアウトしたように見える錯覚のためです。
軸足ではこのような捻りを使ったら怪我します。
特にジャンプの着地では何かが壊れるでしょう。
ためしに写真をまわして見ましょう。
こんな足でポワントホップしたら大変なことになるでしょう!?
という事で、先ほどの写真をもう一度見てみて。
彼女の軸足はというと、つま先と膝の向きが一緒になっていますね。
そしてジェスチャーレッグのほうのみ、コントロールして使っていることが分かると思います。
このコントロール力。
これが、フィッシュの足を使って綺麗に見せる秘訣です。
これが出来ないまま、または教わってこなかったときに、
軸足を捻ってたつ、という癖がつくことがあります。
これは、アルファベットを教えないままつなぎ文字を教えるとか、
道路法を教えないまま運転を教えるとか、
ルティレを教えないままピルエットをはじめる、だとか
そういうレベルの間違いです。
基本があるから崩せるのであって、最初から崩してしまったら意味がありません。
そして「正しい使い方」という白紙の状態に戻ってくることが出来なくなるため、ケガにつながります。
ではどうしてジェスチャーレッグは少し捻ってもよくって、軸足はダメなのでしょうか?
それは体重がかかるからです。
よくよく考えると。
クドゥピエのラップポジション。
これも、ジェスチャーレッグのほうだけで練習するでしょ?
でも5番ポジションで足首を捻りましょう!なんて練習は絶対にしませんよね?
足先にはジャンプしたときに体重の4倍の重さがかかると言われます。
グランパドシャのように、ジャンプ+体重移動がかかる場合は、
ジャンプにもよりますが体重の5,6倍!
そんな中で、こんなに足首を捻っていたら、何かが壊れると思いませんか?
特に体の出来ていない子供にいきなりフィッシュを教えるのはとても危険!!
そして使い分けるように指導するのもけっこう難しい・・・
ちなみにつま先を伸ばしたいっ!と思っている方々、
このフィッシュのポジションをしたままでつま先を完璧に伸ばすのはとても難しいです!
ですので、つま先をしっかり使えるように筋肉を鍛えてからフィッシュのほうが見た目が良くなりますよ?
なのでまず最初に、
- 正しく床を使う。
- 正しくつま先を伸ばす。
- 正しくターンアウトする。
という事の練習をしてからフィッシュしませんか?
ダンサーの怪我するエリアが脚、特に下肢に集中していることを考えても
より強いつま先を作るデミポイントシューズの作り方eBookを参考にして、
強い足先を作ってくださいね。
もちろん、ダンサーの足セミナーでもより深く勉強できますよ!
Happy Dancing!