前回、アレグロを制するためにはアレグロをしっかりと理解しよう!
ということでアレグロの意味やサイズなどを見ていきました。
- アレグロとは早い音楽での跳躍。
- アレグロには大、中、小のサイズがある
- 大、中、小、というのはダンサーのレベルによって様々である
この3つのポイント、基本的だし、そんなの知ってるよ!といわれそうだけれど
じゃあ「アッサンブレ」ってプチアレグロ?ミディアムアレグロ??それともグランアレグロ??
今日はそんなことを考えながらアレグロの3つのサイズを深く考えてみましょう。
アッサンブレとは何ですか?
Assamble
「集める」「集合」という意味で基本概念としては「片足で踏み切って飛び、両脚で同時に5番ポジションに降りるパ」
である、とバレエ用語辞典には書いてあります。
ここで思いだしてほしいのは、ジャンプには様々な種類があるということ。
ここでいうジャンプ、はアレグロではなくって本当にジャンプ、つまり飛ぶステップ。
ジャンプの分析をしてみた記事に書きましたが、
人間の足は2本でしょう?ジャンプするにはこの2本のどちらか、もしくは両方で地面を踏み切って、
2本のどちらか、もしくは両方で地面に戻ってこなきゃいけないんです。
詳しくはそちらの記事を読んでください。
ということで、アッサンブレは5番から始まり5番に終わるけれど、
片足で踏み切って、両脚に戻ってくるパなんです。
パ=ステップね。
ということは!!
両脚で踏み切って両脚に戻ってくるステップよりも難しく、
片足で踏み切って片足に戻ってくるステップよりも簡単である・・・
筈です。
片足でケンケンするのよりも、両脚でホップするほうが楽でしょう?
また、片足で着地するよりも、両脚で着地するほうが簡単ですよね。
どうしてそれが大事なのか?
これが分かるとどこにアッサンブレを持って来たらいいかが分かるのです。
どこに持って来る?
そう、レッスンのどこに持ってくればいいか分かる
=プチ、ミディアム、グランアレグロのどこに割り当てればいいのかが分かります。
その前に・・・
アッサンブレには色々な種類があります。
私、全部は知りません。
先ほど上げたバレエ用語辞典に載っているだけでも36個。
そしてポワントでのバージョンは10個あると書いてあります。
今日のゴールはアッサンブレを使ってプチ、ミディアム、グランアレグロの理解を深めることだから
普通のアッサンブレ、つまりアッサンブレ ドゥシュー Assamble Dessusを見ていきます。
アッサンブレがグランアレグロになる場合
大きい方から順に見ていきます。
アッサンブレがグランアレグロになる場合。
それは片足ジャンプ踏切を練習して間もない生徒の場合です。
今まで1番、2番ソテを練習してきた。
シャンジュマンでジャンプしながら足を入れ替える練習もしてきた。
そのあとで始めてくるのがアッサンブレです。
アッサンブレをいきなり初級大人クラスでいれるのは避けたほうがいいのはこのため。
変な癖がつき、その後アレグロの上達を妨げてしまいます。
さっき書いたように両脚→両脚に見えるジャンプだけれど、
片足→両脚ジャンプなんです。
ということは片足フォンジュができていなければ飛べない。
練習として1番ポジションソテからクドゥピエへ着地、クドゥピエソテから1番ポジションへ戻る。
というものができてからでないとアッサンブレは難しい計算になります。
アッサンブレをミディアムアレグロで行う場合
片足ジャンプに慣れてきた生徒たちはアッサンブレをミディアムアレグロに入れることができます。
ここでのゴールはただステップをこなすだけではなくって
1)方向を変える(アンファセではない方向に着地)
2)空中で脚を集める
なんてことを始めるかもしれません。
何度も繰り返すことで体力、脚力をつけることがゴールかもしれません。
他の動きと混ぜ合わせることで振り付けを覚える力を作ることかもしれません。
アッサンブレをプチアレグロで行う場合
今までの流れを見たら分かるように、これは中級者以上向けのテクニックになってくるのがお判りでしょうか?
片足での踏切ができる
↓
跳躍力、正確性、着地をコントロールできる
↓
それが出来たらアッサンブレをプチアレグロで簡単にこなすことができるはずです。
特にここにアッサンブレバチュなどを入れてくる場合は、その前にしっかりとシングルがこなせているかチェックする必要があります。
どうしてこれが重要なのか?
上で書いたこと、メソッドに書いてあるわけではありません。
シラバスに載っているわけでもありません。
じゃあどうしてこんなことを説明しているのか?
それは、レッスンをトレーニングとして見た場合、このように順番を踏んで鍛えると自然にアレグロが強くなるのです。
ただし、教えている側がそのことに気づかず、自分のレッスンではアッサンブレをプチアレグロで行っているから、
というだけでレッスンに取り組むと、たくさんの生徒がアレグロ苦手症候群に陥るの。
(アッサンブレを教わったことがないというコメントを最近目にしました。それはまた全く違った問題だけど・・・アッサンブレをしないクラスってどうよ!?)
ステップを分析する理由は、安全に、効率よくレッスンをして、上達を早めること。
そのためには、自分が知っている、と思ったことを再確認してみる必要があるかもしれません。
前に挙げたように、アッサンブレには様々な種類があります。
基本の形がしっかりと出来ていないうちにアッサンブレ アンエリエールができるわけがなくって、
アッサンブレボレ、もしくはアッサンブレ ポルテの様に重心が移動するアッサンブレができるわけないんです。
今日のまとめ
ダンサーのレベルによって同じステップでもプチ、ミディアム、グランアレグロになりえるんだよ、ということを
アッサンブレを使って具体的に見てみました。
アレグロが苦手だと思っている人は特に、ステップを分析してどこで自分が躓いているのかを考えてみましょう。
!ヒント!
5番ポジションから軸足フォンジュで後ろ脚タンジュ アラセコンド、ジュッテ、ルルベ・・・
これを行っていて、骨盤が動いちゃったら空中でできませんでしょ?
もしかしたら、バーレッスンの確認が必要かもしれません。
続編、アレグロと運動能力 アレグロ大作戦 パート3も見てみましょう!
Happy Dancing!