2016年も残り少し。
バレエ学校の年末試験も終わり、年末公演に向けてのリハーサルがどんどん増えてきました。
うちの学校では年に2回試験があるのですが、そのたびに記事に書けそうなことがたくさん浮かびます。
(んでもって、書くことがたくさん過ぎて間に合わず、どんどん忘れていきます・・・あーあ)
今回の試験では特に目についたので、今日は踊りのザツなダンサーについて考えてみましょう。
ちなみに私の幼い時のビデオを見ると、踊りのザツさがよく見えます・・・
誰か、こういう事を教えてくれればよかったのに、なんて責任転嫁をしつつ、将来のダンサーのために書き綴っておきませう。
踊りのザツなダンサーは動けますし、踊れます.
回れるし、飛べます。
だけどなんだか乱暴だし、雑だし、なによりもオーディションに通りにくいです。
コンクールは選曲によってどうにかできるけれど、基本を見られるオーディションではアラがみえまくり。
コンクールに出なくてもプロになれるけど、オーディションをしないでプロになることはないんだから、しっかりと考えておきたいところですね。
(そう、コンクールにでなくてもプロになる人はたくさん!
特に若いころから才能のある子たちは、有名どころバレエ学校に入学しているのでコンクールなんて出ていません。忘れない様に!)
特徴1)バランスはとりっぱなし
先ほどお話したように、踊れちゃうわけだからバランスをとることはできるみたいです。
ただ、100%確実に、毎回に・・・ではなくてロシアンルーレット的にですが。
バランスがとれたとしても、しっかりとしたポジションに戻ってこなかったり、
変な形でバランスをとってたりします。
妙なポジションで止まっちゃうので、テクニックのなさが余計に目につくんですよね。
これはラインが崩れるという問題だけでなく、役柄に合わないガサツな踊りにもなってしまう。
バランスを取るべきでないところでバランスをとっちゃう、というのもよく見られる傾向。
これはね、群舞で踊る場合最低ですよ。
一人が崩れると、みんなの見た目が悪くなるんですもの。
バレエはチームワーク。自分勝手は嫌われます。
特徴2)ひざ関節、つま先のコントロールがない
ま、どの関節もコントロールがないのですが笑
特にこの2つは目につきます。
例えばフラッペやデベロッペでカコンっ!と蹴り伸ばす膝。
けりのばす、という衝撃はあるものの、そのあとやっぱり一瞬(もしくはそれ以上!)ひざが緩む瞬間ができてしまうのですよね。
ラインは崩れるし、見ている方は脱臼しないか怖いし、自分で自分のひざかっくんをしているみたいでバカみたいだし・・・
高く飛べるけれど、べらべらなつま先、なんていうものあります。
特にポワントでのアレグロでこれが酷くなってくるんですねー。
足の甲が高くなくても、しっかりと伸ばされたつま先はきれいに見えます。
特に早いジャンプの場合、甲を見せつけるよりも、強くまっすぐ伸ばされた脚のラインが見たいのだから。
特徴3)大きく踊ろうとして、逆に沈んでいく背骨
表情を大きくつけたり、感情移入したり・・・そういうのが悪いわけではないですが、
体をしっかりと引き上げておいた上で、その部分が欲しいわけで。
本人は大きなサークルポーデブラをやっているつもりでも、
見ている方は後ろに逃げた骨盤と、がっつり開いた肋骨を見ながら思うのです・・・
「踊り心はあるんだけどね・・・」
最近記事にしていた肩甲骨も肋骨の上に乗っているから、
大きくポーデブラを使っているつもりでも肩甲骨が飛びだしまくり!、動きまくり!なーんてことも。
ザツなダンサーにならないために。
ここまで書いてくると分かる通り、自分の体、踊りをコントロールできていないと雑なダンサーに見えるわけね。
これは、
- コントロールする力がない→筋力不足
- コントロールをし続ける事ができない→スタミナ不足
- コントロールするという事が分かっていない→理解不足
- 自分がコントロールできていない、って知らない→指導不足
- コントロールできないような難しいレッスンを受けている→テクニック不足・指導不足
などが原因になってきます。
逆にこの部分を直せば優雅で、ダイナミックでも繊細なダンサーになれるのです。
踊りがザツな子のプラスな特徴は運動神経がいいとか、コーディネーション力があるとか。
妙なバランスで回れちゃったり、飛べちゃったり、
手脚をふん投げて踊っていても、動けるんだから笑
それは大事な事ですが、そのような子こそ、基礎を気にしないで、派手な動きが好きだったりします(自分のこと・・・)
よって、先生方、暴れ馬な彼女たちをしっかりと調教してくださいね。
形だけで嘘がつけてしまう子達ですから、基本的な形だけをゆっくりと。。。だけしかやっていないと上手に見えちゃいます。
難易度が上がったときこそ、興奮しちゃって変な癖が出るんだから、そのような部分でしっかりと指導し、レッスンプランを作る必要があります。
簡単な動きだけれど、体重移動があるとか、
同じ動きを敢えてゆっくりやってみるとかで、出来ない自分を体感させてあげて下さい。
動けるからって難しいテクニックなどをやらせない事。ひどいケガに繋がるのもこの子達なんです。
ダンサーたちは、自分で自分をしっかりと省みること!
自分のレッスンをビデオでとり(今は携帯でできるでしょ!)こっぴどい姿をしっかりと自覚すること。
なんでもそうだけれど、癖を直すにはまず癖がある事を理解しなければいけませんからね。
最後にもう一度。
コンクールに出なくてもプロになれるけど、オーディションをしないでプロになることはない。
何のためにレッスンしているのかしっかりと考えて、頭を使って踊りましょうね。
(あ、これも私だ。)
Happy Dancing!