ポワントを早くから履いてしまう子供のケア

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ポワントを早くから履いてしまう子供のケア

自分が経営しているのではないスタジオで、ポワントを早くから履かせている。

どうしたらいいですか?

これが、今日のテーマです。

 

そういう子供たちのアシスタントをしている、もしくは他のクラスで指導している、という場合、何に気を付けてあげたらいいか?を考えてみました。

先生の悪口はなし

これねー難しいってのは分かります。

子供が泣きながらストレッチさせられてたり、7さいなのにポワント履いてたり。

それは間違ってます。ええ、間違ってますとも!

ただしね、「あなたが」そのお教室で働くって決めたのだったら、生徒が混乱するような事は言えません。

 

生徒さんや親御さんに相談されたら、説明することはできます。

例えば、まだトウシューズを履くには幼い気がする・・・と言われたら

「IADMSという団体は12歳からのポワントを勧めているみたいです。ここからダウンロードできるので読んでみて、○○先生と相談してみてはどうでしょうか?」

でも、これは結構厳しいかも。

 

つま先を伸ばすストレッチしている時に足首の後ろが痛い・・・と相談されたら

「私はお医者さんではないですが、ストレッチで痛いのだったら一度ストレッチを休憩してみてどうなるか?チェックしてみたらいかがですか?それで解決したらOKだし、

痛みがなくならないようだったら専門家にみてもらったらいかがでしょう?

OO先生にケガしているみたいなのでストレッチはお休みするという旨を伝えておきますね」とか。

 

特に田舎の場合。

踊る環境が整っていなくて、そのスタジオに通う OR バレエを辞めるというチョイスしかない事があります。

もちろんケガするリスクは忘れちゃダメだけど、踊らなかったらダンサーにはなれないし。

ダンサー自身、そして親御さんたちも賢くなる必要があるので、DLSを読むように勧めてあげてもいいかも。

(ほら、私が先生のやる事に対して文句を言ってるのと、雇われてる人が言うのでは受け取り方が違うじゃない?嫌われるのには慣れてるし笑)

賢くレッスンプランを作ろう!

もしポワントを早くから履いているのだったら、変なつま先の癖がついているかもしれません。

→裸足でタンジュ、プリエなど最初のバーレッスンをやって癖を発見する

言われているだけでなく、自分の目で見えるって言うのは若いダンサーを指導するのに手っ取り早い!

そして見た事がポワントレッスンでイメージできるようになってたら、そのクラスを受け持っていなくてもプラスになったって事だよね。

 

足の裏の使い方がイマイチ、もしくは分かっていないかもしれません

→レッスンの最初に足の裏の説明、エクササイズから始めてあげる

足の裏の感覚は少しずつレッスンで育てるんだけど、それが出来ていないのならば、しっかりと指導してあげなきゃ。ただ、その為には指導者も分かってないといけませんけどね。

エクササイズで筋肉を感じてから、毎回つま先を伸ばすたびにその筋肉を探しに行く。

イメトレと実際トレーニングを両方混ぜてレッスンをさせてあげて、鍛えてあげましょう。

 

トウシューズで立てるほどの軸足の強さがないかもしれません

→片足プリエで停止する、ゆっくり基礎で脚の筋肉を育てる

正しく、ゆっくりとした片足プリエは軸足を育ててくれます。

特にプリエで止まる。これもポワントになってきたらとても大事です。

特にポワントホップではプリエの形で止めますから。

 

うまくポワントで踊れないから、へんな肩の癖がついているかもしれません。

→ポーデブラ、エポールマンなどを徹底的に指導する

変な癖がつきやすい肩や首。変な癖がつく前に、正しい癖を入れてあげる必要がありますよね。

そしてこの部分はやり過ぎ、ってないから徹底的に!指導してあげて下さい。

 

トウシューズでコンクールの練習を毎日やっている(ほんとーにこれはやってないで欲しい!!)

→振り付け内で行っているテクニックを敢えて避けることで、休めてあげる時間を作る

いくら強くしたくても、しっかりと休めなかったら成長中の体には負担がかかります。

その場合、両脚バランスはやるけど、片足は極力減らすとか、ほかの部分にフォーカスを置いたレッスンを行う事ができるよね。

アレグロは少なく。その代わり、ワルツやポーデブラを入れてあげる。

バーとセンターの間にエクササイズをすることで、体は鍛えるけど足に負担をかけない、とか。

 

他のクラスで何をやっているか?が分かったら

1)やっている内容に間に合うだけの体を作る

2)やっている内容で負担がかかっている部分を休めてあげる

などという対処法を考えることができます。そして賢くレッスンプランを作り、指導してあげることでできる限りサポートしてあげることはできます。

 

(先生として、しっかりとエクササイズ、バレエステップ、解剖学への理解がしっかりと出来ている、というのが前提だけどさ。

正しいバレエスタンスの1番ポジション、5番ポジションとか、プリエでは何を見ているか?とか。)

いいお手本になろう

アシスタントだろうが、助手だろうが。

生徒達からしたら、もしくは親御さんからしたら、先生です。

だからね、そういうスタジオで働くんだったらそれなりの覚悟を決めたほうがいいですよ。

彼らがケガをしたら、大先生だけの責任じゃなくなります。

 

でも、中から少しずつ変えていくことはできるかもしれない。

だからいいお手本になってあげてください。

 

  • しっかりとウォームアップをする姿を見せる。
  • こんな勉強してきたよ、とセミナーやブログ(前に書いたけど、ローザンヌのサイトを紹介するとかね。)を教える
  • バレエの知識と解剖学をしっかりと勉強して、しっかりと説明できるようになる。

 

大先生は「私はこうやって踊ってきたのよ!」というプライドがあると思います。

そして長年、自分のやり方しか知らないのだと思う。

 

皆さんは知ってるでしょ?

私はそういうバレエの先生は存在しない方がいいと思ってるし、幼児虐待だとも思う(悪いって知っていて、やってるんだから!)。

もしくは指導者として勉強不足だと思う(勉強する方法はほんとーに色々なところにあるんだから!)。

しかも知ってて、文句は言うけど、何も変えない・・・ではアシスタントとしても、大人としても失格だと思う。

 

だから自分が賢くなるしかないんだと私は思うのです。

向こうが何十年の経験から、って言ってくるんだったら、こっちは何十ページのリサーチから、って言いかえす。

向こうが私はこうやってきた、って言ってくるんだったら、こっちはここから新世代を変えていく

生徒も知らなきゃいけないよ

だって、海外のバレエ学校=みんな解剖学的にレッスンをしている、ではないし、

振り付け家に言われたら、そのステップ(いくら危険だろうと!)やらないといけない。

どこかのコンクールレッスンで、ゲスト講師に摩訶不思議な事や意味の分かんない注意をいわれるかもしれない。

 

その時に、私やりません!って言えるのはかつてのシルヴィ・ギエム(マドモワゼルノン!)くらい、

最近だったらセルゲイポルーニン!?くらいかしら笑

他のダンサーはやるんですよね。言われたら。だって仕事だから

 

クルーズシップのダンサーは重い衣装で、寒い中、コンクリートの上で踊らないといけないかもしれない。

ミュージカル、キンキーブーツでは、スーパーハイヒールでバク転してるし。

 

だからこそ、ダンサー自身がスマートになる必要があるし、自分の体の声を聞く必要がある。

そして、大変な練習とバランスが取れるほど、体を鍛え、体をケアする必要があるですよ。

 

足のケアは非常に大事!

足の構造、ケア、シューズの合わせ方はどのジャンルでもある程度知っておきたいものだけど、特にクラシックバレエダンサーはポワントで踊るという職業だけにとっても大事。

そしてポワントクラスを指導する先生ならば知っていなきゃいけませんよ!!

→ダンサーの足セミナ―ではそういう事を勉強します。

次世代のバレエ界

そうやったスマートなダンサーが、次の世代を指導したとき。

少しずつバレエ界がよくなっていくって思うんです。科学とアートを混ぜ合わせて、長く踊れる環境へ。

進化ってそんなに早くできないから。

だけど少しずつ、少しずつ、草の根運動でもいいから私たちが今出来ることをやってかないとね。

 

そう思いつつ、私はDLSブログも、SNSも、そして殺人スケジュールでセミナ―をこなしてるの。

そして、今現役で指導している人達がより多くのダンサーをサポートできるように、教師講座にはオンラインサポートや、ライブQ&A、先行予約案内とかを送っているわけさ。

 

DLSで定期的に行っているDLSの教師のためのバレエ解剖学講座たちが、そのような次世代を作る懸け橋になってほしい。

そして、そういう夢を持っている人達と一緒にこの春勉強していけるのが本当に楽しみです!

 

Happy Dancing!

ai

 

 

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