リリースとストレッチの違いとバレエダンサーが知っておきたいこと

DLS歴が短くても、私がストレッチ大好き人間ではないということは殆どの人が知っていると思います。(100%そうではなく、ボディコンサークルでも指導してますが、白黒つけた方が分かりやすいんだろうね、だったら「嫌い」のカテゴリで結構です)   レギュラーさんになったら、愛さんの前でストレッチとダイエットは口が裂けても言えないだろうし、 この前終わったばっかりの家族で学ぶダンサーのケガシリーズに参加してくださった保護者の皆さんにも、 良かれと思って子供に推奨していたことが、ケガのリスクを上げてしまうという事実をお話しました。   でもさ、ストレッチはダメでもリリースはいいの? (小声でぼそっと)リリースって何?と思わず呟いてしまった方々に朗報です。 今日は「ダンサーにとっての」ストレッチとリリースの違いをお話していきましょう。   *長いです! 読むのが苦手な方はオニカツで同じ内容を会話形式でご紹介していますので、そちらをどうぞ。 言葉の定義 「ストレッチ」も「リリース」も英単語なんですよね。 よって、ストレッチ=椅子に両足を載せたすプリッツでもなければ、リリース=ヤムナボール、というわけでもありません。 まずは、言葉の定義を辞書で調べてみましょう。 ストレッチ Stretch 引き伸ばす、引っ張る ピンと張る (道など)が続く お金や食料を長く持たせる リリース release 解放する 自由にする 緩める (新商品を)発売、公開する   オニカツライブでは以下のようにイラストを書いて説明しました。 どっちがストレッチで、どっちがリリースか分かる?…

Continue Readingリリースとストレッチの違いとバレエダンサーが知っておきたいこと

長座で腰が丸まってしまう

ちびっこのバレエレッスン。 まずは床に座ってつま先をポイント、フレックスの練習をしましょう! OOちゃん、背中を丸めないで。   何度言われても背中が丸まってしまうおチビダンサー。 何をしたらいいでしょうか?     この質問は2015年に教師のためのバレエ解剖学講座を始めてからインスタライブをやり始めた2020年2月まで、 バレエの先生からコンスタントに聞かれる質問です。 ながーい答え(しかも鬼の愛発動警報付き)になってしまうので、 セミナ―会場やライブでお話していたんだけど、あまりにも質問が来るのでブログにまとめます。   なんで長座? そもそも、おチビ達になんで長座をさせるのでしょうか?   それに答えられないバレエの先生は長座エクササイズ系を全て辞めましょう。 分からないものは指導出来ませんから。   バレエではお背中を伸ばさなければいけないからです。 ハムストリングスの柔軟性が大事だからです。 デヴァンで背中が丸まらないように指導したいからです。 このような答えが出た人は3歩前に進み2歩戻ります。   バレエでお背中を伸ばす練習です でもそれって「座って」練習するものですか?   立つことによって、 バーとの距離を勉強できます。 自分の重心を感じる事ができ…

Continue Reading長座で腰が丸まってしまう

6歳の子がダンスクラスでのスプリッツで半身不随に

  ショッキングな題名ですよね、クリックしてもらいたいから私が作ったんじゃないですよ。 元記事はasia oneという英語のニュースサイトで、2019年10月24日に出されました。 英語で読みたい人はこちら。 こちらの記事の題名をちょっと優しく書いただけです。   実際の記事名はこちら   直訳すると 「6歳の中国の女の子が、ダンスの先生にスプリッツをさせられて、半身不随に」 になります。 forced into=やらされる、という意味。   私の感情をはさまず、最初から最後まで英文と一緒に読んでいきましょうか。   For one mother, her daughter's dancing dream turned into her worst nightmare after…

Continue Reading6歳の子がダンスクラスでのスプリッツで半身不随に

絶対ストレッチをしちゃダメなわけじゃないんですからね

  2016年最後のストレッチ記事にします。(決意!) 何度も何度も・・・何度もストレッチ記事は書いてきていますがまだ質問が来るのでよくあるストレッチ質問に答えます。 様々なストレッチ記事もたくさんリンクを付けて探しやすくしてみました。   レッスン前にストレッチをやらせなかったら、いつやるんですか? レッスン前にやっていいですよ笑 ただ、ウォームアップとストレッチは一緒じゃないって覚えておいて下さい。 覚えられなかったら、スタジオの壁に貼って下さい。   レッスン前にやりたくないストレッチ 静的ストレッチ→同じポジションで止まっているストレッチ 意味のないストレッチ→何を伸ばしているのかよく分からないストレッチ! →ストレッチのDOとDON'T →そのストレッチ、役に立っていますか?   レッスン前にストレッチを取り入れる方法 軽くウォームアップ(スタジオまで早歩きなど)をし、伸ばしたい場所をストレッチ。 その後しっかりとウォームアップ。この時、伸ばした筋肉も含めてしっかりとウォームアップさせること。 レッスン レッスン後のクールダウン ストレッチ 注意事項:レッスンの後リハがある場合、もしくは2つ以上のクラスを受ける場合、4番までで終わりにすること。   →忙しいダンサーのウォームアップ →クールダウンについて   安全にストレッチをさせるのは教師の役目です。 ストレッチはエクササイズの一部。 スタジオでやらせる場合(もしくはお家でやらせる場合)しっかりと理解して、何をやっているのか説明できるようになってください。…

Continue Reading絶対ストレッチをしちゃダメなわけじゃないんですからね

無理やりストレッチの考察

始めに(長いので笑) 無理やりストレッチ、つまりぎゅーぎゅーするストレッチだったり、 痛いところで止めるストレッチだったり、涙を流しながら伸ばすストレッチのことをここではお話ししていきます。   私がすごく大事だと思っているエリアなのでちょっと長くなってしまうのですが、 誰かの方法が悪い!とか悪者を作るための記事ではない事をまず最初に理解してください。 この部分、論争が起きることが多いので、できるだけ感情を取り払って書き綴っていきます。   解剖学的な事やテクニック的な事、そしてケガとストレッチについては腐るほど(笑)記事にしているのでお話しません。 ワガノワバレエのストレッチ YouTubeではワガノワバレエを始め、ロシア系のすごく痛そうなストレッチが紹介されています。 でもワガノワの子たち、上手じゃない?って事は彼らみたいに舞台に立つためにはあのストレッチを行えばいいんじゃないの?   そう思う人も多いし、そういう質問もあるので、ここでは一番有名なワガノワを例にとっていきます。 1)オーディションプロセス ロシア人だからターンアウトできる?という記事でも説明しましたが、すごい量のダンサーがオーディションにきて、年齢が上がるにつれてどんどん落とされていくのが、現状です。 つまり、元々体の柔らかい子だったり、才能のあると見込まれた子「だけ」、これらのストレッチを行っている、ということです。 町を歩いている人全員ができるのではなく、選ばれしものが、選抜された先生たちに指導されているという事実をお忘れなく。 ちなみにワガノワの先生たちは殆ど、その学校で生活し、ダンサーになり、指導についたエリートだという事もお忘れなく。 2)学校のレッスン内容 ストレッチビデオと同じような年齢の子たちのレッスンビデオを見てみると、素晴らしくスローなエクササイズを行って居るのが分かります。 年齢にもよりますが、あれだけストレッチしているのに、上げている足は90度以下です。 そして8カウント以上キープしています。 これは完全に筋トレです。 ストレッチする、という事は可動域を広げる、という事だけれど、その可動域を使う前に、筋トレをして体を作っているのが見られます。   クラシックバレエだけでなく、ロシアの伝統ダンスでも足腰を鍛える動きがたくさん含まれています。 コサックダンスを考えると簡単に頭に浮かぶと思うけれど、ふかーいプリエだったり、膝を曲げた状態でホールドする動きなど。 クラシックだけのクラスでなく、バーサタイルに体を使い、筋肉を育てているのが分かります。  …

Continue Reading無理やりストレッチの考察

ストレッチのDO&DON’T DO編

*この記事は2013年9月にアップされた後、より読みやすく最新情報にするために2020年に編集されています。 前回のブログでお話した、ストレッチ信仰、貴方もカルト集団の一員でしたか? 私はずっぽりストレッチ信仰賛同者でしたよ…遠い目。   前回のポストを読んで、 「私のスタジオでは誰も怪我していませんし、伝統的なストレッチで成果が出ています!」 という先生もいるかもしれません。   毎日ストレッチしても、体も硬いし、あちこち痛い。 足は低いし、つま先は伸びない きっと私はバレエに向いていないんだ! といってやめていく子供達はたくさんいるでしょう?   もしかしたら受験だからとか言い訳をしてくるかもしれないけど、 受験が原因だとしても、本当にレッスンが楽しかったら、そのあと戻ってくるもんね?   また、教師に痛みの話が出来る生徒、ダンサーがどれくらいいるかも疑問です。 昔、自分の先生に怪我の相談出来ました? 努力は痛みが伴うもの。だから痛いなんて言ってられない! 折角もらった役だもの、痛くてもリハーサル頑張らなきゃ! って思ったことありません?   「こんなこと、知らなかったです!」という声も聞きますので、そのような人たちに情報をお送りできて嬉し限りです。 まぁ、ストレッチをクラスの中で指導して、お金をもらっておきながら「知らなかった」っつーのはどうかと思いますが、 過ちを認めて、どこかでスタートを切らないといけないですよね。 どこそこの政治家みたいに頭を下げて、写真撮影して、そのあと同じことばっかり繰り返している、となったら別だけどさ。 今日は、日本の将来を憂うのではなく、どうやってストレッチするのが安全なのか。 という話をしてたんだよね。 ダイナミックストレッチはいいかもしれない もしするんだったら…

Continue ReadingストレッチのDO&DON’T DO編

ストレッチのDO&DON’T DON’T編

*この記事は2013年9月にアップされた後、より読みやすく最新情報にするために2020年に編集されています。   ストレッチ。 これは私にとって敵のようなものです。 ダンサーに何度説明しても聞いてもらえないので、私はダンサーのストレッチは信仰なんじゃないか!?と考えることも多々あり。 ストレッチ信仰 レッスン前のウォームアップはストレッチ!これで準備万端!! 友達に背中を押してもらって毎日痛みに耐えながらストレッチしています。そのうち体が柔らかくなるはず!! 小さい子供の体は柔らかいので、今のうちにたっぷりカエルのポーズで股関節を柔らかくしておきましょう! トウシューズを履いて踊りたいから、つま先をピアノの下に入れて伸ばしています! 1,2,3,4!弾みをつけてどんどん伸ばします!   恐ろしい!! とは言っても、私も踊っていたときはこれら全てをやっていました・・・ ウォームアップ=床に座ってストレッチ。 寒いときはヒーターの前を確保(だって体は暖かいほうがいいんだよね?)   かえるのポーズを見せびらかし、 部活ではイチッニーサーンッ!とめちゃめちゃ弾みをつけて(しかも後ろから友達が押しながらっ!!)ストレッチをしていましたねー。   あーあ。 でもダンサーは柔らかくないといけないんでしょ? 「ダンサーは体が柔らかい」これは事実だと思いますよ。 だけどね、バレエレッスンを受けてきたから柔らかくなるのか、柔軟性を作らないと踊れないのか? ここは考えるべきだと思うんです。   お習字行く前に、バランスよく字を書ける練習が必要? ピアノ習う前に、バイエルが弾けていなきゃいけない? 水泳習う前に、泳ぎ方を知ってる? 習い事の中で上達していく技術ってありますでしょ?…

Continue ReadingストレッチのDO&DON’T DON’T編