何度注意しても出来ない生徒の攻略法

突然ですが、昨日の夜は何食べましたか? おとといの夜は? 1週間前の晩御飯、覚えてますか?   1週間前の晩御飯はカレーをたべて、 次の日もカレーで、その次の日はカレーうどんで・・・って人と、食事日記をつけている人は置いておいて、 多くの人は1週間分の晩御飯の献立をすべて記憶してるって、できないと思います。   もし、あなたのクラスに、3年も4年もレッスンに通ってくれてて、 「いつも同じこと注意してるのに、ぜんぜんよくならないんです」 って生徒がいた場合。 「もう、言いたくありません!」ってなる気持ちは分かります。   確かに同じ注意をクラスの中でずっと言い続けるって、言ってる方にとっては苦痛ですよね。   でもね、例えば「今」の自分が生徒になったとして、 レッスンの注意を10個されたら、10個覚えておくことってできますか?   (バレエに関する)記憶力はいいほうだって勝手に思っている私でも無理です。 やろうと努力はしますよ。 でも、1個ずつ順番に直してるうちにアンシェヌマン終わっちゃうでしょ?   軸の大腿方形筋の意識を常に持っていたら、動かしている方のつま先は抜けるし、 上半身を大きく使おうとしたら、胸椎7番から動かす、っていうのが出来なくなる。   体の事を知っていて、バレエの基礎を知っている私でも、です。 だって体に入っていないから。 頭で分かっても、体で出来ないって事。 同じ注意を繰り返す 解剖学ではなくて教育法だったり、運動生理学の分野になるのかもしれないけれど、…

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ポーデブラ、足の1番と大人の責任。

2020年の一発目は冬期バレエ講習会でした。 今年も20名のダンサーたちがお正月返上で模擬バレエ留学を体験しにきてくれました。 毎年ツッコミどころはたくさんありますので笑 それを赤裸々日記として記事にしているので今回も。   皆ね、頑張ってくれていましたよ! DLSキッズや去年の冬期バレエを受講してくれた子達は初日から、前回のダメ出しを考えている姿が見えたし、 3日目から成長が見えた子、最終日に花咲いた子など、その子達それぞれのスピードで上達していくのが見えました。   冬期バレエは4日+発表会なのでアドレナリンでどうにかなる部分もありますが、 もしこれがサマースクールのように1か月とか行われていたら遅咲きの子達はもっと変化が見えるかもしれないし、 逆に体力、集中力、そして過去のケガが戻ってくるなど新たなチャレンジも見られるかもしれません。   でもさ、みんなが夢見ているバレエ留学って1か月以上だよね、っていうか1年ー3年…それ以上の子もいる。 そしてバレエ団に入ったら、リタイアするまで毎日踊る生活。 確かにプリンシパルになれば毎日は舞台に立ちませんけど、そこに行く前にコールドをやらなければいけないんだから、 それこそ毎日2,3種類別のリハをこなしつつ、夜はパフォーマンスの日々が続きます。   だから4,5日の4科目で疲れていたら、留学なんて夢のまた夢ですよ、ってこと。 それを知ってもらいたいからこの企画をしています。     腕の運びって知ってます? 毎回だけれど、今回も顕著に見えたのが、ポーデブラが出来ない。 (ポールドブラと日本語で言われるかもしれないけど、Port de bras と書くので英語読みだとポート デ ブラ。トはTだからほとんど聞こえない)   特にブラバー、1番(アンナバン)を通れない子達の多い事!! このような基本的な腕の運びは、ちゃんとしたバレエ教育では足の5番ポジションを練習する「前」、足を90度以上に上げる「前」に練習しているはずなんですよ。  …

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バレエレッスン、最大限に使ってますか?パート2

パート1では、レッスンを最大限に使うためのヒントとして、 ウォームアップ、バーレッスン、センターレッスンでできることをお話ししました。   やってみてくれましたか? レッスンの後の疲れ具合とか、汗の量、そして次の日の筋肉痛などに変化が出ているはずです。 ね、同じレッスンをしていても、効果が違うよね。 例え、バレエを趣味でやっていたとしても、みんな上達したいのよ。 そして上達するならば早く上達したいじゃない? 時間やお金の無駄にならないためにも、バレエレッスンを最大限に使いたいものです。   今日はその続きで、アレグロ、ポワント、そしてクールダウンを見ていきます。 アレグロ 2014年だったかな?メルボルンフェスティバルでシルヴィ・ギエムがメルボルンに来ていました。 その間オーストラリアンバレエ団でレッスン、リハを彼女とチームはやっていたそうですが、カンパニーのお友達にきいた事。 それは彼女は全てのグループで、全てのアンシェヌマンをやっていた。   アレグロは移動が多いので小さめのグループでおこなわれがちです。 ということは待ち時間が増えます。 つまり、レッスンを最大限に使うための時間がたくさんあるわけ!   簡単な方法としてすべてのグループで踊る、もしくは4グループあったら、最初と2番目で行う、 という事はできますが、これは場所があれば、の話。   ない場合、アレグロの中に入ってるステップをその場所で何度も練習する、 アレグロの音楽に合わせてカフライズや片足プリエなどを繰り返し筋トレに使う(他のグループを見る時間もできる) ポーデブラだけ行う、 などができます。   また、上級者、オープンクラス向けですが、つま先強化のためにデミポイントシューズでアレグロを行う、なんて手もあります。 つまり、バーレッスンやセンターではフラットシューズで足の裏の感覚、使い方を練習し、…

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バレエレッスン、最大限に使ってますか?パート1

週に何回レッスンに通っているか? という質問は色々なところで使われます。   例えば、バレエ学校のオーディションやワークショップで聞かれることもあるし、 ケガすると治療家から聞かれるはず、トレーナーにつく時も聞かれているはずです。   ただ、誰も聞かない事。 それはレッスンの質。 もちろん、質が低くても週に5回レッスンに通うことでできる強さ、というのはあります。 だけどね、どうせ時間を使うんだったらレッスンを最大限に利用して上手になりたいもの。   この前スキマ時間を使ってバレエ上達を考えてみたけれど、今日はレッスンを最大限に使ってバレエ上達を考えてみましょう! ウォームアップ ウォームアップの大切さは何度も何度も書いていますから分かっていると思うけれど、 レッスン上達のためにも大事だって事はあまり知られてないかも。   例えばウォームアップで正しい筋肉を感じることができると、レッスン中に正しい体の使い方を意識することができます。 つまり、同じレッスンでも正しいところを強化していくことができるわけ。   ウォームアップでしっかりと体が動くように準備しておくと、バーレッスンから体の可動域をしっかりと使いこむことができます。 可動域、つまり動く幅が大きくなれば大きくなるほど、筋肉も使うし、運動量も上がる。 スタミナ向上、筋力向上、そしてダイエットにもお得です。   ウォームアップをしっかりと行うメリットはケガを防ぐことでもありますよね。 ということは、ケガで100%踊れない、という時間を短縮してくれます。 これを逆に言うと100%レッスンに参加できる可能性を最大限にあげてくれる。 嬉しいですよね。   もう一つ、当たり前だけれど忘れがちなこと。 それはウォームアップは運動です。ってことはね、1日の運動量も上がるって事。…

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片手バーVS両手バー 使い分けの方法

片手バーVS両手バー。 なに言ってるのかさっぱり分からない人がいたらメールください。 どうやってDLSを探したのか知りたいです笑   さてさて。 今日はバレエ教師の方からいただいた質問、片手バーと両手バーどこからはじめたらいいのか分からない、というものについて。 すっごくシンプルに言ってしまうと 両手バーからでございます。 で終わっちゃうので、バレエレッスンでのバーの使われ方、エクササイズ的にみる方法、そして自主練の時の使い分け(もしくは指導の時のヒント!)という感じでこのトピックを見ていきましょう。 バレエレッスンでのバーの使われ方 私はバレエ史専門でないので深いことはお話できません。ご注意ください! という免責を書いておいてからはじめましょっか。   ルイ14世がバレエをやってて足の5番ポジションとか作っていた時にはバーレッスンはなかったようです。 その後、バレエダンサーを作る学校が色々な国でできて、そこでテクニックを育てるものとしてバーレッスンが活躍したみたい。 だから、どんなバレエのシラバスをみてもバーレッスンが入っています。 シラバス、っていうのはプロのバレエダンサーを育てるために作られたシステムだからね。   シラバスについての深い話は既にしているので、気になった人はそちらを読んで下さい。   うちの校長先生(彼女についての記事はこちら)はACBシラバスというのを作った人。 ACB=the Australian Conservatoire of Balletの略でうちの学校の名前です。 ワガノワメソッドをベースにしていますが、ワガノワでは扱われない3,4歳のダンサーがレッスンにくるオーストラリアやアジアのために、若い子たちのレッスンまで書きこまれています。 彼女によると、最初に両手バーではじめるのは当たり前だけれど、 シラバスの途中で新しいステップが出てきたら、両手バーに戻るように作られている、といっていました。  …

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肋骨を閉めると引き上げを忘れちゃう…2つの注意を一度にこなす練習

バレエ学校の生徒から質問をもらいました。 最近の注意はもっぱら肋骨を開くな、と背骨の引き上げ。 それは分かっているんだけれど、そして頑張っているんだけれど、悩みは 「肋骨を閉めると引き上げを忘れちゃう、引き上げると肋骨が開いちゃう!」 といいうもの。   よくあるよねー 他にはつま先を伸ばせとひざを伸ばせが一緒にできない、とかさ、 肩をおろすとポーデブラを大きく使えが一緒にできない、とかさ。 ターンアウトすると曲がっちゃう膝とかね。   色々だけど、今日は肋骨と背骨の引き上げにフォーカスを絞ります。   肋骨と背骨と解剖学を復習。 まずは肋骨を閉める、と引き上げ、って素晴らしく深くつながっているから、そこを確認してみてね。 肋骨を閉める!ってどういうこと?という記事には肋骨を閉めるっていう事を解剖学的に説明しているほか、 バレエダンサーに見られる問題を書きました。 そこに書いてある「引き上げるという注意が分かっていない」というのが原因な人も多いですから。   理論が分かったら実践。 理論が分かったら、注意を意識することが出来た、って事だよね。 先生の言葉への理解が深まり、意識もしやすい・・・ だけどできないのはなんでだろう?と考える必要があります。 レッスン注意を「意識してもできない」ってどういうこと?という記事を使って、自分がどのレベルにいるのかを確認してください。 この記事に書いてある点を応用しながら今日の答えを探していきますが、各レベルのソリューションは元記事に書いてあるのでそっちを参考にしてくださいね。   レベル1 レッスン中の注意が理解できていない 肋骨VS背骨でみると、上で説明した記事の理解ができていたら、 レベル1である「レッスン中の注意が理解できていない」って事はないでしょう・・・ と思いたいけど!!…

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バレエを踊っているとレッスンを休みなさい、といわれることがたくさんあります。病気の時、具合の悪い時、ケガしているとき、痛みがある時・・・レッスンを休みなさいと言われる理由と、どうしたらいいのか?を考えていきます。そして治療家・トレーナーやバレエ教師が休みなさいという前に考えたいことも書きました。

バレエを「休みなさい」といわれたときにできること

バレエを踊っていると、レッスンを休みなさいといわれることが時々あります。 時々だって。 けっこうたくさんありますね。   今日はその理由と、バレエを休んでもできることをお話していきましょう。   もちろん、体調管理はダンサーの責任の一部です。 ケガを予防したり、病気にならない生活をするのも大事。 病気・具合の悪い時の「休みなさい」 病気や具合の悪い時にレッスンをすると本末転倒です。 はい、終了! では困るのでどうしてか考えてみてくださいね。 病気、つまり体が何かと戦っているとき(ウイルスなどね)、自分が自分のためにできることは 体を休めてあげて、早く具合がよくなることです。   長期にわたって休めば休むほど、筋力も落ちますよね。 だからレッスンに行きたいとか、リハーサルがあるから休めない、って思うかもしれない。 だけど、そのせいで体の修復が進まず、病気が長引いたらこまるでしょう?   また、他のダンサーにも病気がうつる可能性だって高いわけ。 レッスン場は密室だし、バーはみんなが触る。 ピルエットしながら鼻水飛ばしそうになった人、たくさんいるでしょ!?   他の人のために、そして舞台を成功させるためにも、自分が早くよくなる必要があります。 バカなことを言っていないで自宅待機しなさい。   具合が悪い時でもそうですよ。 貧血でバーレッスン中クラクラしちゃって・・・転んだ瞬間に脱臼、という生徒を見ました。 なんとなく調子が悪くて、体に力が入らない・・・体幹のコントロールができずグランバットマンで腰を痛めた生徒もいました。  …

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ロボットダンサーになるな!!

何か注意をするとすっごい勢いで首をふる生徒いません? または、はい!って元気よく返事をするとか。 その割に...何も変わっていない... ため息。     言われたことをやる。 注意をされるたびに、うんうん、とうなずく。 そんな素直さは大事です。   素直な行動力、という記事に書いた通り、 注意、というものは、その人を上手にしてくれるためにあるのだから、 注意されたことができるようになったら、 上達した、ってことですものね。   でも一生生徒でいるつもりがなかったら、これでは足りません。   よくカンパニークラスを受けている子たちが、 レッスン内容がよくない、とか 早すぎる、とかいうことがあります。   カンパニーレッスン・クラス、というものは、 「生徒」を「上達」させるためのレッスンではありません。   それは学校、スタジオの仕事です。 カンパニーレッスンというのは、 「プロのダンサー」 が 「ウォームアップ」のために、 「自分の体と向き合う」ために使うクラスです。…

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レッスン注意を「意識してもできない」ってどういう事?

最近、生徒たちから嬉しい報告を聞いています。   腹筋をエクササイズする、ってどういう事か感じられるようになった! 腸腰筋を使って足を上げるってレッスンでも出来るようになった! 骨盤のプレースメントが理解できて、回転が出来るようになった!   私の事みたいに嬉しいんですよねー こういうのを聞くと。   ただ、3日練習しただけでここまで来れる訳ではありません。 ここに到達するには長い努力が必要なのね。     今日は、 レッスン中に気をつけなければいけないって分かっていても出来ません。 どうしたらいいですか?   というメールの質問を見ていきましょう。   注意を直す、 っていうことはレイヤーになっているのです。 だから、自分がどこの段階にいるのか? が分かると何をしていいのか分かるようになると思いますよ。   レイヤーはこんな感じです。 レッスン中の注意が理解できていない場合があります。 注意を覚えておけない場合があります。 理解できていても体に繋がっていない場合があります。 体に繋がっていても、レッスンに繋がらない場合があります。 レッスンに繋がっても、舞台に繋がらない場合があります。…

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関節に乗っからない!?骨から動く!?バレエ注意の考え方

言葉の難しさ。 これってどの世界でもいえることですが、 特にバレエのような動きを言葉で伝え、教えてきた芸術では大きな混乱を招きますね。   いまさら聞けない 「ひきあげってなんなのさ」 (体には200以上の骨と600個以上の筋肉があるけれど、いったい何のこと!?)   だとか、 「筋肉を固めないで使う」 (筋肉を収縮すると固まるでしょう!?) だとか。   「脚の裏側からデベロッペ デヴァンしなさい」 (脚の裏側にある筋肉たちの主なお仕事は脚をエクステンションすること。つまり後ろに上げること・・・)   「腹筋を使って足をキープ」 (腹筋軍は股関節を超えないから、大腿骨に付着していない・・・)   なんていうのもそうです。 なまじ解剖学を知ってしまうともっと混乱することが出てきます。   引き上げ。 筋肉を固めないで使う。 お腹を使って脚を上げる?   これらについてはもう既に説明しました。 (引き上げについては筋肉の引き上げ、エネルギーの引き上げ、 骨の引き上げと関節の引き上げをお話しなければいけませんねー。)  …

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