レッスン中の骨盤を安定させるために

骨盤引き上げて、タックにしないで、ダックにしないで おしりの筋肉使って、おしりの筋肉固めないで 腹筋使って、おなか入れて、コアマッスルで…   バレエレッスン中に骨盤周りの注意をされないことはないと思うのですが、 正直混乱しません?   さっきは骨盤が後ろに逃げていると言われたけど、今度はタックにするなと言われるし おしりの筋肉を使えと言われて頑張っていたら、足は動かないし。 これらの注意は結局レッスン中、動きの中で骨盤を安定させろ、というときに使われるんですね。   この記事では、骨盤を安定させるってどういうことなのか? どうしたら骨盤が安定して踊れるのか?ということについてお話していきましょう。 骨盤の復習 話をこれ以上進める前に、骨盤って何か?の復習とどうしてダンサーにとって大切な知識なのか?をささっとしておきましょう。 骨盤とは3つの骨でできている骨の塊でしたね。 背骨の一番最後となる仙骨&尾骨と、股関節を作る骨の1つである寛骨(腸骨+坐骨+恥骨の3つのセクションがある)骨でできている部分。 つまり上半身と、下半身のちょうど真ん中にあって、両方に影響します。   →背骨の復習+詳細はこちら →骨盤の大切さを深く見る記事はこちら   だからレッスン中に骨盤を安定させるってとても大切になってくるのよ。 体幹の安定(スクエアが正しく保てる) 背骨の安定(上半身が自由に使いやすくなる) 重心の安定(バランスが取りやすくなる) 股関節の安定(ターンアウトがしやすくなる) 大腿骨の安定(軸足、動足も安定しやすくなる) 膝関節の安定(膝関節を作る骨の一つである、大腿骨が安定するから) List…

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背骨の構造とカーブについてダンサーが知っておきたい事

*このブログは2013年に書かれたものを2020年に大幅加筆修正しました。   バランスをとったり、ターンをしたりする際にとっても大事な事、それは「軸をとる」こと。 軸をとるってバレエだけの特有な言い回しなのか私にはわかりませんが、軸になるところは名前の通り軸足と、背骨、つまり胴体のセンター(中心)になるところです。   レッスン中に聞く「引き上げなさい」という注意もあいまいな言葉ではありますが、大体は背骨を引き延ばす、という事を指していると思われます。 (思われます、って書いた理由は先生によって意図する事が違うから。)   バレエダンサーならだれでも知っているワガノワバメソッドで有名なアグリッピナ・ワガノワは バランスの源は、背骨にあります といったそうです。   でも、背骨っていったいなんでしょう? みんな、解剖学を勉強していなくたって背骨がどこにあるのか知っていると思います。 背中を丸めたら出っ張るし、指でもごつごつした部分をかんじることができるでしょう? コンテのフロアワークをしていたら床にぶつかるからよく分かる、 っていう人もいるかもしれないね。 (そうそう、コンテのテクニックが強ければ床に体がゴツ!とぶつかる事はないんですって。ま、それはまたほかの機会にお話しましょう。)   でも、脊柱はいくつの骨からできているでしょうか?と聞かれると分からないし、首はなんとなくわかるけど、どこからが腰?と思ったりすることはありませんか?   バランスの源である背骨を頭の中で漠然と…何となく…ではなく精密に頭の中で思い描くことが出来たら、 バランス系のテクニックを含むダンスステップのすべて、軸や強い体幹が必要なテクニック全てを向上することが出来るはずだよね。 背骨の個体の形を研究 背骨っていうのはたくさんの骨が集まって出来ています。 個体、つまり背骨という骨のカタマリを作っている積み木はこんな形をしています。 背骨の場所によってサイズがちょっと違うんだけど、だいたい 椎体(ついたい・body)というボディになる部分 横突起(おうとっき・transverse process)というクリオネの手が2つ…

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ダンサーの腹筋事情 2nd Edition eBook

ダンサーの頭の中には、腹筋最強説というのがあると思います。 何それって思った?   腹筋が弱いからアラベスクが上がらない 腹筋が弱いから外モモばっかり使っちゃう 腹筋が弱いから早い動きの軸足がブレる 腹筋が弱いから私はダンサーになれないんだーーーーーーー   腹筋最強説を信じるダンサー達はダンゴムシとなり、必死に背中を丸める腹筋を繰り返します。 毎日50回、いや、100回! でも腰が痛い… やっぱり腹筋が弱いから腰が痛くなっちゃうのね!   何を隠そう、私も踊っている時は腹筋最強説を信じておりましたよ。 太ももの筋肉は鍛えたら太くなるけど、腹筋はウエストが細くなるからやらないといけない…? 筋肉ってそんな都合よく場所によってサイズが変わるんでしょうか、という素朴な疑問は置いておいて。   そんなダンサーの腹筋事情を解剖学、レッスン注意、そしてエクササイズの視点からお話する 「ダンサーの腹筋事情 eBook 2nd Edition」が出来ました。   2018年に出された腹筋事情eBookをより分かりやすく、見やすく、そして大幅に編集した2nd Editionはダンサーの腹筋事情「だけ」に特化した電子書籍です。   読者さんからのフィードバック 下向き腹筋の重要さがわかりました。 「バレエの立ち方できてますか?」本を読んだ時には、他のエクササイズに比べると下向き腹筋の難易度が低く思えたため、そこまで重要だとは思っていませんでした。 (難しいエクササイズの方が辛い分効き目もすごいという思い込みがあります...) でもeBookで下向き腹筋について一章割いて書かれていてなぜ大事なのか理解できました。…

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バレエ解剖学入門編パート5-7 授業ビデオ

  レッスンも、学校もお休みでつまらない!と思っている子供達向けにお送りしたバレエ解剖学入門編。 子供、っていっても現役ダンサーや、教師&大人バレエトレーニーさん(大人でバレエレッスンを受けている方々をDLSではトレーニー「トレーニングする人」と呼んでいます)まで様々なバックグラウンドの皆に楽しんでもらえてとても嬉しいです♡   パート1から4、中間試験の方を見ていないかたは、そっちを先に見てね。 このページでは後半部分、パート5-7からテスト、そしてテストの答えまでをアップしてあります。 忙しくってそれどこではなかった方、インスタなんてハイテク過ぎてついて行けなかった方々。 ここで1クリックで見られるよ!   既にビデオは見たからテストをしたいという人は一番下までスクロールしてね。 DLS特別授業 バレエ解剖学 パート5 骨盤と股関節 授業 応用エクササイズ 1)1番ポジションウエイトトランスファーで骨盤の前の三角形が正面とパラレルのままで重心移動してみよう 2)坐骨ファインダープリエで骨盤の前の三角形を変えないまま股関節から大腿骨を動かしてみよう 3)空気椅子で骨盤の前の三角形と背骨カーブを意識したまま股関節だけ動かしてみよう ★愛さんヒント★ 骨盤は背骨の一番下であり、股関節を作る骨の一部でもある、とっても大事な部分。 骨盤の前の三角形を意識してエクササイズやレッスンをすることで、重心も安定します。 甘く見られがちなので、自分の中の「鬼の愛」を招集して厳しくやってね。 DLS特別授業 バレエ解剖学 パート6 大腿骨と股関節の動き 授業 応用エクササイズ 1)ヒップフリーinデヴァンで大腿骨の屈曲(flexion)を感じてみよう 2)ソフトボール腸腰筋で腰椎から小転子についている大腰筋を意識して大腿骨を屈曲しよう 3)下向き足クロスで骨盤の前の三角形を地面につけたまま大腿骨を伸展(extension)しよう。   ★愛さんヒント★ 脚を高く上げたい!と思っているダンサーはたくさんいると思う。 股関節の動きを感じることで骨盤をずらさずに、大腿骨を動かすっていう感覚を育てることが出来るよ。…

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バレエ解剖学入門編パート1-4 授業ビデオ

インスタライブ(IGライブ?どっちの方がカッコいい?笑)にてコロナ休校の子供達向けにバレエ解剖学入門編のパート1から4までをお送りしました。 自分の体がどうなっているのか分かると、踊りやすくなりますよ! そうそう、内容のテスト&答え合わせまでございますので、ちゃんと授業のように受けてメモしてね。   ライブは24時間で消えてしまうので、授業風景をyoutubeにも残しました。 忙しくってそれどこではなかった方、インスタなんてハイテク過ぎてついて行けなかった方々。 ここで1クリックで見られるよ!   テストのダウンロードはこちらから バレエ解剖学テスト DLS特別授業 バレエ解剖学 パート1 骨格&球関節 予習 人間(大人)の骨の数は? 背骨の数は? 骨格のお仕事を2つあげてみよう! 球関節の場所を4つ 股関節を作る骨を2つ 肩関節を作る骨を2つ 授業 応用エクササイズ 1)坐骨ファインダーを「体幹骨格」と「体肢骨格」を意識してやってみよう! 2)上向きポーデブラを、上腕骨だけ動かしてみよう 3)骨盤ステーボライザーを、大腿骨だけ動かしてみよう ★愛さんヒント★ エクササイズでじっくりと骨を感じて脳みそに理解させておくと、レッスンで感じやすくなるよ! DLS特別授業 バレエ解剖学 パート2 背骨について 予習   授業 応用エクササイズ…

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解剖学バレエが普通の時代へ

  11才まではトウシューズは履かなくていい!(YAGP)の記事、というのを書いたのは2017年10月30日。 ちょうど1年前くらいですね。   今年のYAGP日本予選もありましたし、最近強く感じている事である 「解剖学バレエが普通」になりつつある状況を書いてみようと思います。 (AKA ほーら言った!オンパレードの記事笑)   立ち方の本がベストセラーになる これ自体、変なんですよ、自分が著者なのに言うけど笑 2016年にオファーを貰って、立ち方について書きたい、と言ったときの編集長の顔と言ったら!! こんなのが売れるのか?というのはこの本を作るにあたってかかわってくれた全員(私も含め!→おい)が感じたことです。   でもなっちゃいました。 ま、狭い世界でのベストセラーだけどさ。 未だにスタンスワークショップはすぐに定員になります。   これは、みんなが疑問に思っていた(けど声に出せなかった)部分の現れだと思います。 その後のターンアウト本では、某バレエ用品やサンが大きく取り上げてくれるよう、 全国各地のストアにメールを送ってくれたそうです。 ということは、お店側、ものを作る側も必要性を感じてくれた証拠だと勝手に思っています。   *応援してくれたみなさんどうもありがとうございます! 消費者のパワーってすごいよね。だから第二弾、第三弾と続くことが出来ています。   年齢別に選べるバリエーションが分かれている これも最近は普通になりましたが、昔は違ったし、 今でも地方の小さい(といっても日本コンクールの規模はすっごく大きいが…)コンクールではまだ取り入れられていませんね。   ただ、これも解剖学バレエなんですよ。…

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ダンサーのケガ 坐骨神経痛

  普段のペンギン歩きはいけないよーというお話をかなり前にしました。 コンクール会場での威嚇ポーズだけでなく、 (分かる?バレエやってますよアピールのためになんだかひどくターンアウトしてあるく人達笑) この注意、バレエ学校の生徒達にもかなりの頻度で言わなければいけないんです。   足首の内側がプリエすると、ポワントすると、ジャンプの着地で痛い。 足首の外側がプリエをするとつまる感じがする。 親指の関節が硬くて、ルルベが上がりきらない。 外反母趾が酷くなってきた気がする。 なんだか膝が痛い こういう人は今すぐペンギン歩きを辞めましょう! (ってかみんな、やめましょう!)   梨状筋症候群ってなに? 今日は梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)というものをご紹介します。 名前だけでひいたひとが何人かいますね。 漢字すら読めないし、難しそうだし、聞いた事がないってことは私には関係ない!?   座骨神経痛。 これだったらどうでしょう? 聞いた事、ある?   座骨神経痛、という大きなカテゴリーの中の一つが梨状筋症候群なんだ、と思ってください。 プロでばりばり踊っている人や、若手のダンサーには多く見られない傾向はあるのですが、 長時間教えをしている元ダンサーや、自分のレッスンをしながら普段は座って働いている大人ダンサー、などに見られる事はあります。   そしてその理由の一つはペンギン歩きのせいだったりします!   座骨神経ってなんだ?…

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絶対ストレッチをしちゃダメなわけじゃないんですからね

  2016年最後のストレッチ記事にします。(決意!) 何度も何度も・・・何度もストレッチ記事は書いてきていますがまだ質問が来るのでよくあるストレッチ質問に答えます。 様々なストレッチ記事もたくさんリンクを付けて探しやすくしてみました。   レッスン前にストレッチをやらせなかったら、いつやるんですか? レッスン前にやっていいですよ笑 ただ、ウォームアップとストレッチは一緒じゃないって覚えておいて下さい。 覚えられなかったら、スタジオの壁に貼って下さい。   レッスン前にやりたくないストレッチ 静的ストレッチ→同じポジションで止まっているストレッチ 意味のないストレッチ→何を伸ばしているのかよく分からないストレッチ! →ストレッチのDOとDON'T →そのストレッチ、役に立っていますか?   レッスン前にストレッチを取り入れる方法 軽くウォームアップ(スタジオまで早歩きなど)をし、伸ばしたい場所をストレッチ。 その後しっかりとウォームアップ。この時、伸ばした筋肉も含めてしっかりとウォームアップさせること。 レッスン レッスン後のクールダウン ストレッチ 注意事項:レッスンの後リハがある場合、もしくは2つ以上のクラスを受ける場合、4番までで終わりにすること。   →忙しいダンサーのウォームアップ →クールダウンについて   安全にストレッチをさせるのは教師の役目です。 ストレッチはエクササイズの一部。 スタジオでやらせる場合(もしくはお家でやらせる場合)しっかりと理解して、何をやっているのか説明できるようになってください。…

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教師の為のバレエ解剖学講座 マスタークラスって何?

    DLSでは2015年1月から「教師の為のバレエ解剖学講座」という講座をお届けしています。 これまでにたくさんのバレエ教師、トレーナー、治療家、現役ダンサーの方々が参加してくれています。 これだけの皆さんが指導のための解剖学を考えてくれているという事実、素晴らしいですよね。   この講座は名前通り、「教師のため」の「バレエ」解剖学をお話ししています。 ただの暗記じゃなくって、指導する時に見えるものを考えた解剖学。 生徒に起きやすい問題、例えばすごく体の固い子とか、逆にぐにゃぐにゃな子。 直しようのない変な形のポーデブラとか、側弯症とか、を先生の視点で考えていきます。   使えないもの、私がバレエ学校で10年以上働いていてみない、相談されない、なんてところはどんどん省いてます。 ほら、お医者さんを作るための講座でもなければ、試験に合格するための暗記でもないから。   そのかわり、沢山の生徒が怪我した部分だったり、問題があるところだったり、 オーディションや試験でコメントに上がる部分を選抜しています。   バレエ教師、ってひとくくりにしてもバックグラウンドは色々。 かなり難しい内容だと感じる人も多いので、オンラインコースで解剖学の基本を予習できるようになっています。 バレエ教師って、指導しながら、経営しながら、マーケティングしながら、振付けしながら、お母さんしながら!!! っていう何足ものわらじを履いている人が多いので、自分の時間で、自分のスピードで出来るようになっています。   っと。 堅苦しく書いてみたけど。 じゃ、マスタークラスって何よ? 解剖学は好きだ。 バレエを正しく指導したいっていつも思っている。 ブログや参考書も読むし、生徒にも進めている...   DLSの鬼の愛さんについて解剖学も勉強したダヨ。…

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ダンサーの腹筋事情 解剖学編

前回の記事で、何層にもに分かれている腹筋問題について書きました。   どうして、みんな腹筋がどこにあるのかわかっていて、学生時代から腹筋運動のやり方を知っているし、腹筋が大事だっていう理解もあるのに、腹筋が弱いと悩むのか? ここでは、何層にもなっている問題の一番最初、腹筋という筋肉の解剖学を見ていきましょう。 腹筋は4人グループ みんなが気軽に「腹筋」って呼んでいる子たちは、4つの筋肉でできています。おなかの皮膚に一番近いところから 腹直筋 外腹斜筋 内腹斜筋 腹横筋 という順番で、背骨に向かっておさまっているそうです。   もちろん、毎回くしゃみをするたびに筋繊維が絡まらないように、全ての筋肉たちは筋膜っていう膜に覆われています。   腹筋が筋肉痛の時にくしゃみをするととっても痛いの!体験したことありません? もしくはすんげー笑った時。 日常生活のふとした瞬間にも腹筋って使われているんですよね。     ダンサーはお医者さんじゃないので、筋肉がどの骨の何という出っ張りから始まって、どんな神経が通っていて・・・なんてこと知らなくって大丈夫。 どこにあるか?がだいたい分かると、どんなお仕事をしてくれる筋肉なのかが分かります。   どうしてかって? それは筋肉には絶対にスタートの点(始点、起始点などと呼ばれる)と、 終わりの点(停止点と呼ばれる)があるからです。   筋肉を収縮させると、スタートと終わりの点が近づき、その筋肉を伸ばすと、点と点が離れていきます。 だから、どこにあるか?が分かると、ある程度その筋肉のお仕事が見えてくるのです。 それをDLSでは「点と点原理」と呼んでいます。 腹直筋…

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