身長が低いとプロになれませんか?

毎年春に行われていた(コロナのため今はできない)キッズセミナーのフィードバックシートに書いてあった一言を今日は考えていこうと思います。 悩んでいる子もいるだろうし、キッズセミナ―に参加する子達の年齢ではお母さん、そして先生も知っておいてほしいので是非読んで下さい。 ダンサーに求められるもの これはカンパニーやバレエ学校によって違います。 ただ、傾向、というのはあります。 昔私が踊っていた時は細いダンサーが好まれる傾向にありました。 90年代から2000年最初のほう。 スーパーモデルなんていうのもあって超!細いというのは大事。   ただ、これはもう古い考え方です。   最近のローザンヌでは細すぎると落とされます。 オーディションにはドクターチェックや、体力テストがついているカンパニーもあります。 筋肉質なダンサーが美しい、とされるカンパニーもありますし、 個性がある体、バックグラウンド(人種)をサポートすべきだという動きもみられています。   (ただし、日本にこういう考え方が入ってくるのは海外の10年後とか言われることがあるので、まだみんなの周りには古い石頭大先生が生きているかもしれません…)   傾向として、やはり身長の高い子達が求められるのは確かです。 海外の普通身長、というのが日本では身長の高い子、というようになる場合が多いから。 165cmは欲しい これが、どのオーディションでもいわれる言葉です。 (この記事を書いている2017年は。2027年は知らないよ)   新国立もこのあたりだと聞いていますし、今の子たちにとって165㎝はそんなに大きくないし、小さくない。 つまり、アベレージ(平均的)になれるのでそこらへんから、と。 私は170㎝なのでその問題はありませんでしたが、そうではない子は履歴書にちょっとサバを読んだりもしてました。   すごく踊りが上手でも、見てもらわなければいけません。 つまりね、オーディションに呼ばれるためには、向こうが募集している枠にはいる必要があります。…

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THE見た目。DLSカンフェレンス バレエ留学のホンネより

毎年1月に行われているDLSカンフェレンス。 カンフェレンスって言うのは、まー会議とかそういう意味。 皆で集まって、テーマにそってお話しましょ♡って感じなアットホームなイベントです。 お茶やお菓子、ゲームやプレゼントなんかもあるけれど、情報は大事。   今回のゲストは米田ひろみ先生で、実際にお子さんを留学させた親目線、準備しておきたい事などをお話していただきました。 目から鱗の情報ばっかりだったし、最後にやった自己分析テストでは大人もアワアワしてたしね笑   やはり、ただテクニックとか運とかでなくって、留学というものは考えなければいけない事がある。 毎年、新しい生徒達が入学して、退学、卒業していく姿をみて、そう私も思います。   さてカンフェレンスでお話した内容はカンファレンス参加者しか知らないけど、そこから面白かったトピックを1つ選択し、今日はプロの世界と見た目についてお話しましょう。   美しいことは大事である まーなんて年明けそうそう、非難が集まりそうだけれど。 大事なんですよ、これ。   生まれながらにしての美しさだけでなく、気品や優雅さ。 そう言ったらもっとわかりやすいかしら? 何百人といる中で輝くためには必要ですよね。 お化粧や髪の毛について、説明した記事は既にあるので、今回は飛ばしますが、 →メイクとオーディションとプライドと →舞台でのプレゼンテーションを上げる4つのヒント   ダンサーってただ踊る人だけではなく、「舞台に立つ」「人に見られる」職業なんですよね。 お姫様だったり、妖精だったりの役を踊るわけで、やっぱり「普通の人」じゃないんだよね。 目を引くっていうのかな、カリスマ性があるっていうのかな。 見た目に気を付けるって大事よ 特に疲れてきたら、気を抜いたらいつもの癖が出てしまうんだから、意識を持つ、自分を客観的に見る練習は毎回のレッスンで必要だと私は思います。  …

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スカラーシップ?コンクール??バレエ留学のヒミツ

毎回プロを目指すダンサー向けのセミナ―を行うと聞かれる「スカラが出ない」という言葉。 よく聞いていると、バレエ留学は コンクールに出場 ↓ スカラーシップをもらう ↓ バレエ学校に留学 と考えている人達が多いのですね。   バレエ留学ってもちろん、その過程で行われることも多いです。 大きなコンクールではよくある道ですが、本当にこうやって留学している人達が殆どなのか?というとそうではないんですよ。 留学だけでなく、プロ契約も含まれるし、ジュニアスクールからプリプロフェッショナル、と呼ばれるカンパニー研修でも見られる道をいくつかご紹介します。     オーディションツアー 大きなバレエ学校の場合、国の中、もしくは海外でオーディションをやって回ることがあります。 オーストラリアの場合、シドニー、メルボルン、なんて都市を回るアメリカのバレエ団・カンパニーがあるほど。 バレエだけでなく、ディズニーのダンサーのオーディションも世界各国の都市でこのように行われています。   この場合、書類審査、実際にレッスンを受ける、という流れになり、その後コールバックが来た人達が、次のステージに進みます。つまり現地オーディションに行ける、って事なんです。 ここではスカラなんて出ません。 それよりも第一次を合格することにみんな必死。 多くの人数が集まるこのオーディションプロセスでは、どれだけ輝けるか、記憶に残れるか?が大事になってきます。   学校でのオーディション ただ今うちのバレエ学校では駆け込みオーディションに追われています。中堅どころ、もしくは小さなバレエ学校の場合、学校が都市を回ることはありませんが、学校がホリディになるときにオーディションを開始します。 この場合、書類審査の後、日にちを言われ、その時にバレエ学校に来て個人レッスンをします。 見られているのは、今までどんなレッスンをしてきたか?そしてその時に言われた注意をどのように解釈し、直していくか? 体の動きもそうですが、小さな学校の場合、この子が本当に学校に合っているのか?なども見られます。 その年によってオーディションに参加する人の数がかなり左右するのはこの形です。…

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リハーサル生活を覗き見してみました オーディションシリーズ番外編

ただいま、私の働いているバレエ学校では、 年末公演のための準備があわただしく行われています。 いつもは我らが校長先生がディレクターとして作品を監修しているのですが、 今回は特別にMaina Gielgudという方が振り付けをしてくれています。 彼女は日本では有名ではないのですが、元オーストラリアンバレエ団のディレクターを始め、 様々なプロフェッショナルバレエ団で作品を作っている凄腕です。 日本のバレエ団ではどうだか分かりませんが、 海外では、作品を作る人、つまり振付家がキャスティングをすることも多く、 そこで気にいられればいい役をもらえるだけでなく、 キャリアアップのステップになることも。 →wikipedia(英語)に彼女のページがありますよ笑 それだけ有名人   彼女は今までバレエ学校レベルのダンサーと仕事をしたことがなく、 彼女のリハーサルの様子は、まさにプロのダンサーの世界を覗き見している気分になります。 今日の記事では、そんな経験を皆さんにもしてもらえるように、 時系列にリハーサルの様子を追ってみましょう。   リハーサル初期 去年の年末試験で、ゲスト試験官として彼女が来ていました。 その時から、生徒たちをピックアップしていたようです。 いきなり!を手に入れるために。 という記事で書いたように、チャンスはどこに落ちているのか分からないのです。 どんな子にどんな役を渡すか? 全体的なレベルは? なんてことをチェックしていたようですが、 幼いダンサーの卵にお気に入りの女の子を発見! 彼女が使いたい、ということで、急遽新しい役を作ってしまったほどです。 年齢的には彼女は足りないし、身長だって、テクニックだって お姉さんダンサーにはついていけないけれど、何か光るものがあったのでしょう。…

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オーディション 教師、両親編

  オーディションシリーズはこの前の感情編で終わりにしようと思っていたのですが、 先生と親御さんの目線からも見なければいけないトピックだと思ったので もう一つ書きます。 (んでもって番外編も書いちゃいましたので、それは後程・・・)   オーディションの準備について書いた記事 オーディションに失敗したとき 理論編 オーディションで失敗したとき 感情編   バレエ学校入学のためのオーディションであろうが、 カンパニーのためのオーディションであろうが。   これは、オーディションされる側と、する側の2つだけしか存在しません。 教師、親、というのは、 オーディションの前後は関与できても オーディション最中はどうしようも出来ません。   オーディション前:無駄な期待をかけない 誰々ちゃんは上手くいったから。 去年は10人受かったから コンクールで下位だった子も入っているから なんて、勇気や自信を出してもらいたくてかける言葉は役に立ちません。   ダンサーにオーディションは付いて回る、というのは シリーズで何度も書きましたが、 審査される、という事に慣れてもらう事、 オーディションという「経験」を勉強してもらうのが目的です。   よって、オーディションへのメンタル準備や、…

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オーディションでうまくいかなかったとき 感情編

  オーディションシリーズになっちゃいましたね。 オーディションで気を付けたいことを書いた記事はこちら オーディションでうまくいかなかったときの理論を書いたのはこちら。   でもね、オーディションで落ちた理由が運だった、 というのを 「あーそっかー。じゃ次にいこう!」 という心を持てる人って多くないと思うの。   オーディション失敗 = 私はダンサーになれないんだー とか、 オーディション失敗 = 完全自己否定 とか、 時々見られるのが オーディション失敗 = 体型のせいにして、摂食障害 とかね。   バレエ学校のオーディションをした人は知っている通り、 オーディションの時に少しくらい太っていても 入学許可は出ます。 そのあとに、もう少し軽くなった方が、踊りやすくなるよ、 とかはいわれますが。   逆にフォトショなんかで少し細く見せた写真で失敗したケースは たくさんありますよー笑   写真と本人が違う、とか、 オーディションの時の体型ではないっていって 落とされたり。…

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オーディションでうまくいかなかったとき 理論編

オーディション、ということは、全員が全員、スポットをもらえるわけではないですね。   それは理屈では分かっているけれど、 いざ、自分が落とされた立場になると難しいもの。   毎年、バレエ学校ではかなりの人数を落とします。 その様子を見ていて気が付いたことは、上手な子が必ずしも受かるわけではないということ。   私も2016年冬期バレエ講習会のオーディションで、何人かNo,といわせてもらいました。 ごめんなさい。   その中には、将来の才能がある若いダンサーもいたし、 ある程度踊りが完成しているであろう、という人もいました。 ということで、オーディションで落とされる理由を考えてみました。 規格外 一番最初にくるのが、これ。 規格外。   どういうことか?というと、バレエ団は特に決まった見た目、というのがあります。 こうやって書くと、体重の事かしら?って思われるけれど、体重は変えられるのです。 それよりも身長。   コールドバレエでは一人だけずば抜けて大きい子や、小さい子は使えません。 大きい子の例として、私と同期だった女の子。 175cm以上の長身に、すごく大きな足のサイズで、ポワントで立つと180cmを超えてしまっていました。   すごく上手でね、ローザンヌでも決戦に行ったりしたけれど、役をもらうのが難しかったみたい。 彼女はそのあと、コンテに強いカンパニーに変更し、 男の子が踊る役を初めて女の子が受け持つ、などという活躍をしています。  …

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ダンサーのオーディションについて

2016年冬期バレエ講習会は、写真と書類審査がありました。   写真オーディション、というか、 写真をオーディション書類とともに送る、というのは当たり前なのである程度みんな知っているかな?って思っていたのですが このようなところって日本では勉強しないんだった!って、 みんなから写真をもらった後に気づきました。   プロのダンサーを育てる学校なので、普通のアカデミックな勉強はないのですが、うちのバレエ学校では、勉強の一部に オーディション書類の書き方と、カバーレターの書き方があります。   今や、バレエ学校のスタッフとして写真審査の様子を毎年見ているし、留学を目指す人向けに一応ルールみたいなのを書こうと思います。 これが、絶対!ではないけれど、参考になったら嬉しいです。   顔写真 サマースクールだろうが、オーディションに行くための書類だろうが、 顔写真というのは必要です。   日本で履歴書の顔写真、というとパスポート写真のようなものを考えますが、 バレエダンサーの顔写真は「ダンサーのための」顔写真です。 つまり、カンパニーレベルのオーディションならば、プログラムの顔写真のようなものを指します。   バレエ団のウエブサイトにいくと、カンパニーメンバー紹介のページがありますので、それを見ながら研究するといいでしょう。 生徒の場合は、お団子頭が無難ですが。   笑顔が固い、緊張が見える、というのはおおきなNG。 写真ごときで緊張していたら、舞台で踊れるのかしら?!って思われてしまいますよ。   この人と一緒に仕事がしたいな、この子を教えたいな、と思わせるような笑顔、 自信がある姿が必要です。 ライトにも気を付けて。…

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メイクとオーディションとプライドと。

バレエ学校の試験に対しては何度も記事にしています。 私の働いているバレエ学校は、毎年何人ものプロダンサーを送り出していますが、 それでも規模で言ったら中堅どころ。   大きなバレエ学校になると、最終学年の試験に 様々なバレエ団のディレクターが見に来ることは知っていますよね。 つまり、試験だと思って挑むよりも、オーディションだ、と思って挑んだほうがいいんです。   そこでオファーが来る人も多いし、 その前に既に契約が決まってしまっている人もいます。 17,18歳で将来を左右する踊りを踊り、 そのプレッシャーに負けないだけの精神力を作らなければいけません。   これね、バレエの世界では当たり前なんだけど 普通の学校で言ったら高校2,3年生。 将来何がしたいか分からない、 とか、 大学受験が終わって遊ぶぞーなんて思っている子達の年齢で、 ディレクターと話し、契約書を読み、色々なところを一人で回ってオーディションをするのです。   という事は、毎年行われる学校の試験は、 オーディションの練習、って考えられますよね。   振付を覚える、注意を体に入れる。 なんて事はもちろん、   テクニックを完璧にこなす。 集中力を切らさない。 なんてところも練習できます。  …

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バレエ学校から拒否されたら・・・

*このブログは2015年に書かれたものを、2020年5月により読みやすいフォーマットへ編集しなおしました。     ラッキーな事に、日本のバレエスタジオには入学試験というものがありません。 誰でもバレエを始められる、習うことができる…それって素敵★   たとえ将来バレエと全く関係のない仕事に就くとしても、 クラシックバレエの音楽が分かったり、ストーリーが分かったり、そして姿勢が良くなるなんて言われていますよね。     バレエ「学校」は違います。 オーディションがあります。   がしかし、ビジネスとして行っているバレエ学校では誰でもとります。 生徒数=収入 となるからです。 (日本からの生徒はお金になるから、留学しても日本人クラスに入れられて内容は本場とは違うなんてことはよくありますし、International studentsは法的にも現地の子より高い料金を支払わないといけない、となっている国も多くあります。)   ですが、大きなバレエ学校、就職率が高いことを売りにしている学校ではそうはいきません。 オーディションに受かって入れた!としても 留年させられる子 退学を要求される子 というのが出てきます。   子供もそうだけれど、親が慣れていない「拒絶」。 このようなシチュエーションで、親として何が出来るのか? 今日の記事ではダンサーの拒絶について考えてみたいと思います。 バレエ向きな体じゃない、と言われたら? バレエ学校から(オーディションで)「体がバレエ向きでないと言われた」というのが一番多くありますね。  …

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