ダンサーも人間である件 治療院訪問赤裸々日記

Table of Contents

順番的には1月8日の「バレエの立ち方できてますか?先行予約特別イベント」(まーなんて名前の長いこと!)の赤裸々日記が必要なんですが、そっちは長くなりそうなのでこっちを先にアップします。

 

治療院に行った話なのでちょっと言葉が難しいです。

お膝にウサギの顔をかこーう!という言葉は9,10歳の子供たちに発しますが、大人にはそうやってお話しません(あ、したわ。)

 

教師のためのバレエ解剖学講座というのはDLSで行っているセミナーの中でもかなり古株なのですが、そちらは様々な特典がついてきます。

例えばFBグループでの復習やライブ質問会、リピーター用セミナ―への先行予約。

そして外部ではオファーを出していない、スタジオ訪問も内部ではやっています。(9月のスタジオ訪問の様子を書いた赤裸々日記はこちら

会場で勉強して終わり!だったら普通のセミナ―と一緒になってしまうからさ、私の考えている教師サポートはもっと継続的なんですよ。(教師の質が上がれば、ダンサーの質も上がり、私の仕事が減る!!笑)

 

今回は新体操選手の治療院として名高い、両国にあるたばる針灸整骨院にお呼ばれされてきました。

田原先生はかなーり前からDLSを応援してくださっていて、国家資格の持ち主で、しかも治療院院長なのに毎回DLS教師講座の解剖学を受けに来てくれています。

彼にとっては簡単な内容のはずなのに!!

 

そんな素敵な人柄で、周りの方々へすごく優しく対応してくださる田原先生は、DLSセミナーでも人気者。

ペアでなにかアクティビティをやる場合は皆が静かに狙っています・・・笑

 

ダンサーへのサポートにも力を入れてくださっているとの事で、私も元生徒を送ったりしておりまして。

こういう関係ができると海外にいて多くの人からケガについて相談される身としては嬉しいのです。

ほらさ、メールで痛みの相談とかくるけど、私が文章で診断できるわけないじゃんって言うことね。

へんな気功師じゃないから、メールでポジティブエナジー送りますよーとかしませんから。

 

治療家とダンサー、選手との壁

院内勉強会だったのですが、外部からの参加者も何人かいました。

驚いたことに、ダンサーやバレエ教師、そして新体操選手など、いつもは院に通っている人達が参加者としていたのね。

これは正直驚きました。

 

なぜならば。

先生とつく人達は自分ができない事をさらけ出すのが苦手。

当たり前ですよ、ビジネスやっているんですから。

そういう人達にとって、患者さんが参加してくるというのは気持ち的にちょっと・・・な部分があったんじゃないかな?って思ったの。

 

でも皆仲良しそうでした。

これは日頃の信頼感がなければできない技です。

でも、これが出来るってすごいんですよ。信頼感というのは相手が自分より上の時に生まれるのではありません。

相手が一緒に考えてくれている、という姿が見えて信頼になるのです。

 

それに気づかないと、いっつも「先生」と「患者」になり、痛みがなくなれば去っていきます。

通いづらくなったら来なくなります。

「先生」には替え玉がいっぱいいるからです。(バレエ教師でも同じ事がいえます。)

 

でもね、「信頼できる先生」となると別なんですよ。

その人のためならお金をだします。その人に会うならば新幹線にも、飛行機にも乗っかります。

他の友達に自慢したくなります。

これが口コミって奴で、3か月予約が取れないって奴です。

 

結局は人間であるダンサー

とまぁ、褒めちぎっていても意味がないし気持ち悪いので笑。

私が思う課題は、治療家が理解しなければいけないのは「ダンサーだって人間である」という部分です。

ただし、精密なマシンのようで、ずるの天才である人間です。

だから普通の人なら「ここまで」という部分をもっと精密に見る必要があるし、ずるをしていないか細心の注意を払う必要があります。

 

例えば、今回私が説明したエクササイズは治療院で働いている人達は知っていました。

でも見方が違う。

 

例えば、バレエの立ち方ブックにある「四つん這い手脚上げ」。

これを知らないトレーナーはいない。

 

ではこれをどうやってダンサーに使うか?

四つん這いから片足をあげる前に絶対に重心が移動します。

その時の代償運動はどこにくるか?軸はどうなっているか?体のどこでずるをするのか?

しかも脚を上げてしまったら、それはキープする時の動きになるため別物です。

その前、脚が地面から浮く前に見てあげないといけない。治療家であればそこまで見る必要があるのです。

 

ちなみに当日私たちが見ていたのは、多裂筋優位なのか、脊柱起立筋優位なのか。そしてそこからくる弊害は?

(もちろん、当日このような言葉遣いはしませんでしたよ、そう言ってしまうとそこにしか目がいかなくなってしまうから)

 

このようなチェックはバレエの動きを知らなくてもできるンですよ!

デヴァンって何?って分からなくても、四つん這い=股関節屈曲位=そこで動きをつくるはずの大腿筋膜張筋が動いていない脚で働いていたらおかしいと思うだろ、と。

 

大腿筋膜張筋は左右働けば骨盤が前傾し、足が固定されていなければ内旋する。

バレエではターンアウト(外旋)が必要で、屈曲位で骨盤前傾したら脚は絶対に60度以上上がらないと分かるわけだから、ダンサーがそうやってエクササイズしてたらダメだってわかるでしょ。

 

ね、ダンサーだって普通の人間なんです。

だけど、それを見る目を作らないと治療はできない。

四つん這いでケガするバカはいません

でもダンサーは片足で踊り、重心移動をし、その中でケガします。

ですから、このシンプルな動きにみせた「ほんのちょっと」の癖は立って踊ったら大きくなります

疲れていたらもっと酷くなり、ケガしていたら、その時期が長ければ長いほど様々な工夫をして痛くない使い方を体が覚えてしまっています。

 

また四つん這いという形で、

  • 胸椎のカーブを見たら、肋骨を押し出して踊っているかどうか、
  • 肩甲骨のコントロールを見れば、ポーデブラの質が、
  • 軸の大腿筋膜張筋が抜けなければ、デヴァンで脚を上げたときに股関節が痛いのではないか、
  • 動く前に息を止めたら、力んで踊る癖があるのではないか
  • バランスをとるために、軸の足が地面から浮いていたら、ハムストリングスを固めて使う癖があり、早い動きでひざを伸ばし切るのは難しいのではないか、

 

など様々なことが見えてきます。

性格も見えます。

言葉で発した注意に対してどのように動くか、やどのような質問、感想を発するか、でも様々なことが見えてきます。

心理学のように見えますが、彼らが感じているもの(=ここではエクササイズ)を知るためには、彼らの脳みそがどのように動くのか?を見ていないといけないのです。

現場に必要な頭の良さ

あえて今回、このエクササイズではこれを見ています、という言葉を使わなかった理由は治療家の方々って頭がいいからです。

国家資格保持者ですからね、高校でもいいレベルで勉強しているはずですよ。

だいたいスポーツをするのが好きな人達が選ぶ職業でもあるので、文武両道できている人が多い。

 

つまりは。

言われたことをやるのは得意な人達が集まっている、と仮定できます。

(ちなみに私はダンサーはpeople pleaserで、細かい事に執着したがる傾向があるとも仮定しています。)

 

そういうバックグラウンドを考えたら、OOです。XXをして、と言ったらできる人達だけだと思うのさ。

それじゃ意味ないよね。だって型に当てはめる事になりますから。

 

 

ダンサーが頼りたくなる治療家になるには、バレエの動きやボキャブラリーを理解するのは非常に大事です。

でもね、その前にダンサーも人間で、ただし嘘がすごく上手な人達だからこちらの見る目が育っていないと騙されるわよ、って事をお忘れなく。

people pleaserー人を喜ばせるのがすきだから、見られていると頑張っちゃいますし、分からないなんて言ってきません。

細かい部分にこだわる奴らなので、しっかりと理論立てて説明しないとバカにされます(特に10代!)

 

彼らの仕事は舞台上で「演技」する人だからね、華奢な見た目とかわいい笑顔に騙されるなよ、ってことでございます。

 

Happy Dancing!

 

 

Share This Post

Facebook
Twitter
LinkedIn