バレエ学校の年末試験も近づいてきまして、リハーサルもいそがしくなり。
忙しい毎日が続くのがバレエ学校の最終学期です。
卒業生はこの忙しい時期、もしくは少し前からオーディションのためのDVDを作ったり、オーディション巡りをしていたり。
学校のカリキュラムだけでなく他の活動も必要になってきますので忙しさが増しますね。
バレエ学校を留学した子たち全員がプロになれるわけではありません。
プロになった子たち全員が1-2年で契約更新をしてもらえなくなる事もよくあります。
団員になってもみんながプリンシパルになれません。
こんなことを言っていたら、なんだかネガティブになっちゃいますよね。
だけれど、バレエ留学したらすべて花色!って訳ではないという事を知ってほしいと思っています。
よーく考えてみると、これって結構普通なんですよ。
高校勉強だけでは受験の準備ができるわけではなく(バレエ学校+プライベートレッスンとか、トレーニングとかが必要)
大学に入ったらみんな就職出来るわけではないですね。(バレエ学校に入ったから100%ダンサーになれるとは限らない)
就職しても、みんながみんなCEOや社長になれるわけでもないですね。(団員になってもソリスト、プリンシパルは遠い)
ただ、「バレエの世界では・・・・」というと難しく感じちゃうんですね。
この記事ではバレエ留学が終わってからどんな道があるのか(当たり前なのを含め)お話していきましょう。
ただ、可能性は無限大ですからね。
ここに書いてあること以外でもたくさんの道はありますよ。
またまた留学
これは年齢が若い子たちがよくやるケースです。
例えば、うちの学校では15歳くらいの子たちがフルタイムコースに入ってきて練習を続けます。
2年コースが終わってもまだ16,17歳の場合、その後他のバレエ学校最終学年に入ることも、研修生として入ることも可能です。
バレエ団がついている学校に入るとカンパニーで踊る経験もできたりしますし、
ディレクターの目に止めてもらえる、という事はもちろん、地理的にオーディションの多い場所にいれば、
卒業の年でオーディション巡りがしやすい、などのメリットもあります。
やむ終えなくこの道を選ぶ子もいます。
例えばホワイトロッジと呼ばれる英国ロイヤルバレエ学校のジュニアスクールから、シニアに上がることが出来なかった子たちとかね。
オーストラリアンバレエ学校のレベル5は全員おとされ、レベル6に来たい子たちは再度外部と混ざってオーディションしなおせ、という事もあったのは今年。
学校に入れば後はOKという事はないのですよ。
大学へ進む
クラシックバレエ学校は年齢の若い子たちを育てます。
それはこの世界で残るためには若い時にカンパニーに入る必要があるからです。
ただ、そうではないジャンルの踊りもありますよね。
卒業生の中には、大学にある舞踊コースを選び振り付けや、他のジャンル、指導法などを勉強する子たちもいます。
バレエのテクニックがある上で、ミュージカルシアターに進む、などという事もありますね。
オペラ座の怪人などではダンサーの役があったり、Catsでも踊りが多い。
日本では劇団四季に入っていないと、宝塚に入っていないと・・・という感じですが、
こっちでは「劇団」があるわけではないので、各演目毎にオーディションが開催されます。
その為にバレエという軸をもって、その上に声楽とかシアター系ダンスとかを学ぶ人達がいるって事です。
治療家・トレーナーに進む人達もここらへんに入ってきます。
日本人が海外で勉強を続ける場合、この道を選ぶと学生ビザが出るので(でるところを選べば・・・ですが)、
安心して海外生活を続けることができます。(それが目的ならば・・・だけど)
活動を始める
当たり前だけれど、自分で踊り始めちゃう人達もいます。
トレーニングは続けるけれど(オープンクラスに通う、もしくは卒業した学校にてレッスンを継続する)、
この前振り付けコンクールでうちの生徒が1位になりました。
来年パフォーマンスをさせてくれる、という賞金?がつきます。
衣装代、リハーサル費、舞台装置や会場費、マーケティング・・・そのようなものの援助がでるので、
彼女は自分の作品を世界に紹介することができます。
確かにこれは1回きり。だけれどここから道が開けたり、
コネクションができたり、もしくはダンスパートナーが生まれたりなどしていくかもしれません。
自分たちで活動をする人達にとって、コネクションはとても大事。
ちっちゃな舞台でも3-4公演行ったり、様々なべニュー(会場)を回ったりできます。
最初はお金にならないかもしれないけれど、(なのでこのような活動をする人達はだいたい指導をしていたり、バイトをしています)
youtubeで認められたり、バックダンサーとして読んでもらったり、フェスティバルの一部として踊ったり・・・
などに繋がることも。
ただ、これはビザがありませんので自分が住めるエリアで行う必要があります。
そして日本ではあまり見られないケースね。
クラシックだけでは足りないのもここ。フロアがバレエ用でないところで踊ったり、
クラシック衣装や郡部なんてない、イベントでは盛り上がる感じがよかったりなど・・・
だからバーサタイルなダンサーである必要がある、というのを2016年のカンフェレンスでお話しました。
指導に向かう
この道を選ぶ人も多いですね。
舞台で活躍したダンサーではないけれど、出来ない人の気持ちがわかる・・・とか
指導のための目やコミュニケーション力があるとか。
誰かの体を扱って、お金をもらうのですから、営業だけでなく指導への知識ももちろん必要です。
ここらへんは何度も教師用記事で書いていますのでとばしますね。
こっちではダンス教師として、オーディションに行き、学校の1コマを教えるとか、
オープンスクールでクラスを受け持つとかから指導者としての道が始まります。
自分のスタジオを持っていない、素晴らしい先生たちも多くいますね。
例えば、バレエ学校で教えている人達は自分のスタジオをもっていないわけですよ。
その代わり、色々なところで指導していたり、自分の踊りに時間が使えたり、
家族を育てたりしている人もいますね。
いかがでしたでしょうか?
バレエ留学をしてダンサーになれなかったとしても人生おしまいじゃないんだよ!てことを知ってほしくてこの記事を書いてみました。
2017年1月8日に行われるDLSカンフェレンスのテーマは「バレエ留学のホンネ」。
ここで書いたのはバレエ学校の後、ですが後ってことはさ、やっぱり留学しないといけないわけで笑
学校に入る前に必要な事、バレエ学校中に立ち向かわなければいけない壁などをお話していきます。
Happy Dancing!