*今日のブログ内容は2月25日に行われたFBライブの復習・エキストラ記事です。
ライブに参加してくださった皆さん、どうもありがとうございました!
録画ビデオはDLSフェイスブックページにあります。見ていない人はこちらをクリック!
毎日いっくらストレッチしても効果が出ません・・・っていう記事覚えてます?
そこで
- 確かに本当に短い筋肉は硬く感じる
けど
- 弱い筋肉は硬くなりやすい!
- 弱い筋肉はすぐにギブアップしてパンパンになりやすい!
って話をしましたね。
そういう人の場合、ストレッチするんじゃなくって筋トレするとその筋肉が柔らかくなります。
まだ読んでいない人はそっちをどうぞ。
その記事では筋肉にフォーカスをおいたけれど、今日は関節にフォーカスをおいてみますね。
DLSの最初の方の記事で言葉の意味を説明していますが、それをしっかりと理解しないと
今日の記事の意味がわかりませんからおさらい。
- 骨と骨がぶつかるところ=関節=動きが生まれるところ
- 筋肉=動きを作るもの
関節が動かない=筋肉が硬いだけではない!
筋肉と違って、関節は骨と骨でできています。
関節は動く方向、動く角度(可動域、文字通り動きが可能な範囲)というものがあるのね。
そしてこれは骨格の一部にもなるので、人によって少し違います。
また靭帯の長さも個人差があるし、年齢や生理週間(つまりはホルモン)、そして過去の怪我によって違います。
片足捻挫ばかりしているダンサーでは、右と左の足首の動く範囲が全然違うこともあります。
関節のデザインされた方向じゃなければ動かない!
当たり前ですが、当たり前にされていないことがあるので!!
足の親指を例にとりましょう。
ダンサーにとってしっかりと曲がる親指=高いルルベになるので、非常に大事です。
ここで親指はまっすぐに曲がって欲しいんですが、外反母趾などでは斜めに曲がることがあります。
それを直さず、ルルベが高くならないから!ってルルベで甲出ししていたら関節の痛み、怪我につながります。
親指の関節が腫れたり、痛みが出たりするのはそのせい。
んで、残念なことにそういう痛みを体が発しても「私は外反母趾だからしょうがない!」って言うだけで終わりにしちゃっている人が多いのね。
親指の方向を考えるだけでそのような怪我や痛みからバイバイできるのに。
(んでもってトウセパレーター入れただけで治る人もいる。)
動かない方向に動かす、ということは解剖学を知らない人が形だけ真似してストレッチ指導する時によく見られます。
そっちに腕は動きませんよ!というところでホールドしちゃうとかね。
関節の可動域を広げる=脱臼することではないですから。
ちなみにそういうことをやっていると、痛みによる反応で、筋肉が膠着します。
逆効果だし、第一危ないし!!
防御作用で動かないこともある
関節の噛み具合が浅いと動きやすい=脱臼しやすいなどの問題があるってことは既にご存知だろうし、
DLSでは体の柔らかい生徒は筋トレをたくさんしないと危険です、っていう記事を書いていますよね。
関節の可動域が大きい人は、普通の生活をしていても筋肉を多く働かせなければいけません。
そうすると、疲れやすくなるし、怪我もしやすくなる。
時々、そのようなことから、体が防御作用で筋肉を硬くしていることがあります。
それを無理やり柔らかくしたら、ほぐし過ぎたら、一時的に動けるように感じるけれど、
すぐに元に戻る、もしくは怪我につながります。(だって防御してくれるものがなくなっちゃったから!)
ちなみに1年前くらいにすごくいいマッサージを受けたんですよ。
それが終わって、靴を履いたら・・・腰椎がずれたのは私です。
踊ってたときにすべり症など、腰椎の怪我をしていて、それを守るためにコアを鍛えなければいけないんだけれど、
来日セミナーの準備とかさ、忙しくて甘く見てたの。
で、マッサージ受けたら一気にずれました。(んで動けなくなりまして、タクシーで帰りました・・・)
防御作用で硬くなっている場合、防御しなくても大丈夫、ってわかるだけのコントロールやトレーニング、リハビリをやらないと逆に危険です!
何かが挟まっていることがある。
関節=骨と骨がぶつかるところ、って言いましたね。
時々骨と骨の間に何かが挟まっていることがあります。
例えば、足首の三角骨。
それを考えず、もしくは理解せず、無理やり伸ばすと
- 挟まっているものが壊れる=怪我
- 挟んでいる骨たちが傷つく=怪我
- 挟まっているものが炎症を起こす=怪我
につながります・・・
本当にあった話。
プリエが深くできないから練習していた生徒。
で、足首の前側が挟まった感じがしていたんだけど、ストレッチすれば治ると思って、プリエの練習を続ける、と。
そしたら足首の前の部分が炎症を起こし、腫れて、もっと挟まっちゃった、と。
それの繰り返しで結局2-3週間バレエを休まなければいけない怪我につながったこともがありました。
関節が動かないのは、それなりの理由がある!
ただ体が硬い!とか努力が足りない!とか、生まれつき!とか。
そういうものだけでなく、関節が動かないのには理由があるんです。
だから1つのエリアを柔らかくするには様々な方法があります。
- 硬い筋肉をターゲットにしたもの。
- 動きを止めている筋肉が硬くならないように、反対側をやるもの。
という基本的なストレッチ原理の他にも、
- 関節の動く方向をしっかりと考えて、その方向に動かす、だとか、
- 動きにくい方向の反対側をあえて動かすことによって、関節自体に油をさす、だとか。
- 防御作用で硬くなっているのならば、その根元にある問題を解決する
- 年齢で硬くなっているならば、それをサポートする長期プランを考える
- 手術の後硬くなっているのならば、手術の内容と考慮しながらリハビリする
など、いろいろな方法があるんです。
セミナーに参加してくれた子の一人に、片方の膝が伸びない、って悩みのダンサーがいました。
理由は・・・そっちの足の方が長かった!
どうしてか?と思ったら骨盤が曲がっていた!
ということで、それらを直したら、膝が伸びました。
伸びないから、ってぎゅーぎゅー膝関節を押していたら彼女の場合、怪我につながったでしょうし、1番ポジションでたったら、結局曲がったままだったでしょう。
ビデオの最後にお話させてもらったこと。
「ストレッチで美しく見えることがダンサーのゴールではないです。
舞台で美しく見えることがダンサーのゴールです。」
だからね、頭を使って、安全に(じゃないと舞台に立てないし!)ストレッチしてください!
DLSのセミナーには、このようなストレッチについてお話しているクラスがあります。
つま先エリアのストレッチ、甲だし、そして挟まった感覚・・・などを詳しく知りたい人はダンサーの足セミナー。
そして、安全にストレッチを指導するためのベースになる、解剖学マニアのための教師のためのバレエ解剖学講座はこちらからチェックしてくださいね。
お会いできるのを楽しみにしています。
Happy Dancing!