肋骨についてダンサーが知っておきたい事

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*このブログは2013年に書かれたものを2020年に大幅加筆修正しました。

 

今日の主役は肋骨!

肋骨なんて踊っているときにあまり考える場所ではないですが

  • 心臓や肺が入っている部分
  • 背骨の大部分に肋骨がくっついている
  • 腹筋や背筋がついている骨
  • 肩関節が乗っかっている部分

などなど、スタジオでこの場所をあまり注意されないとしてもすんげー大事な部分です。

 

この記事で「肋骨」といった場合は肋骨1本、1本であるRibではなく、胸郭(きょうかく)とも言われる鳥かご全体(Rib Cage)だと思ってくださいね。

一本ずつの説明が必要な時は肋骨の何番目、という形で番号で読んであります。

肋骨の構造を見てみよう

肋骨、って1つの骨で出来てるのではなく、沢山の骨が集まった部分なのね。

まずは、シンプルバージョン。

ダンサーだったらここまで知っていれば上出来よ!

  • 背骨の一部、胸椎(きょうつい)の1-12番の左右に骨が出ていて、
  • 1番から7番までは胸骨っていう胸の前の骨に。
  • 8番から10番までは軟骨で合流し、ひゅいーんと胸骨にくっつきます。
  • 11番と12番はかごの形にはならず、なんだか中途半端なところで終わっています。

 

そこまでは大丈夫そう?

ではここから難しいバージョンにいくね。

ここは興味がある人のみ。ダンサー、指導者でもここまで知っておく必要はないですし、

踊っている時に真肋と浮遊肋の違いを感じたらバランスがとれる、ケガが予防できるとかありません。

  • 胸椎(Thoracic Vartabrae) 1番から12番のところより肋骨が出ている
  • 1-7は真肋(しんろく・True ribs)と呼ばれ、肋軟骨(ろくなんこつ・Costal Cartliage)を介して胸骨(きょうこつ・Sternum)に付着
  • 8-10は仮肋(かろく・False ribs)と呼ばれ、肋軟骨で合流し、胸骨に付着
  • 11-12も仮肋なんだけど、その中でも浮遊肋(ふゆうろく・floating ribs)と呼ばれ、肋軟骨にはついていない

胸骨とレッスンで言われる注意

肋骨のかごを作る時に、右と左の肋骨たちをつなげる場所になっているのが、胸骨(きょうこつ・Sternum)。

この子もいくつか名前がありますので、知りたい人はどうぞ。

 

でも名前よりもレッスンで大事な事をいくつか。

  • 胸を広げて、胸を広く、と注意されたときは胸骨柄にライトが当たるイメージを持ってみて
  • カンブレデリエールでは胸骨体(きょうこつたい・)が天井の方へ。後ろに行かないこと!
  • 肋骨を開かないで、胸張りすぎ、と言われたときは剣状突起(けんじょうとっき・)が地面の方を向いているか再確認。
  • 体をスクエアに、真っすぐに、と言われたときは、鼻、剣状突起、おへそ、恥骨結合が一直線になっているかをチェック

 

いかがでしょうか?

バレエの注意がより具体的に分かるようになったかな?

胸椎と肋骨は運命共同体

胸骨もとっても大事なんだけど、肋骨と胸椎が運命共同体だっていう理解があると、踊り方が変わると思います。

 

肋骨は胸椎についているって話したじゃない?

つまりね、肋骨が前に押し出されていたら、胸椎のカーブはなくなってしまうし、

胸椎のカーブが大きすぎて猫背になっている場合、肋骨も一緒に後ろに引っ張られてしまいます。

 

胸椎って背骨の中で一番動きづらいって説明したよね?って事は

  • 胸椎の柔軟性が上がれば、肋骨の骨たちも動きやすくなる。

その逆もしかり。

  • 肋骨を動かせば、胸椎の柔軟性、つまり背骨の柔らかさに影響する

 

背中を柔らかくしたい!と思っているダンサー達はエビぞりよりも、呼吸をした方が効果的だってことです。

(呼吸筋という沢山の筋肉たちを使う事もできるし、深い呼吸は副交感神経優位にするので、筋肉、神経、筋膜も柔らかくなるし)

 

肋骨が動きやすくなってどーするの?と思った人へ。

  • 肋骨が動きやすいと呼吸がしやすい(肺のキャパが上がる)
  • 上体を動かしやすい(ポーデブラやエポールマン、体の方向がより正しくしやすくなる)

っていうメリットがあったら踊りやすいと思いません?

 

その他に、背骨のカーブを引き伸ばす=レッスンでの引き上げだけど、背骨を伸ばそう!とすると後ろに反ってしまう…という悩みがあるダンサーは

  • 肋骨と骨盤を遠くに引き伸ばす

というイメージを持った方が背中フォーカスではなく、体全体を長く使うイメージがしやすいかもしれないね。

肋骨は開くのか?閉まるのか?

レッスン中に肋骨を閉めないで!と言われるダンサー達の疑問として、

肋骨って開くのか?

っていうのがあると思うんだけどどう?

 

肋骨は動くよ。

動かないと、肺が大きくなったり、小さくなったり出来ないからね。

息を吸うと胸骨は斜め前に持ち上がるし、下の方の肋骨(仮肋)は横に広がるのね。

気づいた?言葉の中に開いた、というのがないの。

 

レッスン中に肋骨を閉めて、と言われる場合は、一つ上のポイントの、「胸椎と肋骨は運命共同体」という言葉を呪文のように唱えてくださいませ。

つまり、胸椎の場所が間違っていると、肋骨に影響されるってわけ。

 

この部分の説明は長くなってしまうので別途「肋骨を閉める!ってどういうこと?」という記事で説明しています。

 

今日覚えておいてほしい事は

肋骨は動いていいよ。

肋骨が開いて見える理由は背骨、つまり立ち方にあると思うから、そっちを見直してね。

ってこと

肋骨を閉めると痩せるのか

この質問があったから、2013年に書いたこの記事を2020年に大幅加筆修正したのよ。

ま、元記事が2パートに分かれていたりと、読みづらかったというのもあるんだけどさ…

 

世の中にはどうしてそうなるのか?と思う情報が沢山あります

そのうちの1つは、肋骨を締めてくびれを作るとか、痩せるとか、代謝を良くするとか、そういった類。

 

肋骨、特に仮肋は横に開かないと呼吸出来ません

よって肋骨の下の部分をタオルだったり、ベルトだったりで閉じても痩せません。

  • 腹筋はその部分についています
  • 横隔膜はその部分についています

→呼吸で筋肉を使いたかったら、腹筋やコアの一部である横隔膜にアクセスしたかったら、肋骨を自然のデザインに反して使う意味がございません。

 

  • 肋骨と胸椎は運命共同体です

→呼吸のためにも、背骨の柔軟性のためにも、呼吸をサポートする数多くの筋肉を使うためにも肋骨にある、自然の動きを止めてはダメでございます。

 

なんでそんなバカな事が言われるのか?考えられる仮説も一応書いておくね。

  • 肋骨が開いてしまう理由の1つである、腹筋を鍛えて、上体が後ろに反るのを防ぐのであれば、

正しい姿勢を保つという意味、アライメントを正しくするという意味で体のラインは変わるかもしれません。

 

  • 肋骨の下の方にタオルやベルトをすると、胃を圧迫する事になるので、強制的に食べないようにしているのかもしれません。

 

1つ目だったら、肋骨どーのこーのでなく、正しく立ってくださいませ。

そのためにスタンス本を書いてありますから。

 

2つ目だったら、摂食障害助長行動ですし、子供、他人にやらせたら体罰の類に入ります。

お、いいアイデア、と少しでも思ってしまった人は、考え方を変える必要があります

摂食障害専門の染原ふみさんのサイトで勉強してきてください。

 

仮にね、くびれを作るのがゴールだったとしたら

  • 腹筋群を呼吸で使い(筋肉使用)
  • 横隔膜や筋膜の関係で、内臓の動きもよくし、胸椎の柔軟性にも影響させ
  • 深呼吸することで、副交感神経優位にすることで、体のストレスレスポンスを止める

方が効果的な気がするんだけど?

側弯症と肋骨

側弯症の子は肋骨のサイズが違う可能性があります。

なぜか?というとAgain、肋骨と背骨は運命共同体だから。

背骨に影響する側弯症は、肋骨にも影響していきます

 

側弯症軽度の場合、背骨の湾曲に気づくよりは

肩の高さや肋骨の出っ張り具合が気になる事が多いので、知っておくと便利かもしれません。

 

また、背骨は自分で見えづらいので意識してエクササイズするのが大変でも、肋骨ならば3Dで見られるので、側弯症リハビリでは使われることが多いですね。

(呼吸も側弯エクササイズの一つとして使われるよ!)

 

側弯症についてはこちらの記事で説明しているのでそっちも読んでね。

側弯症とエクササイズについての説明はダンサーの腹筋事情eBookでも1チャプター使って書いてあります。

指導者勉強用のクラスでは、レッスン構成や言葉がけなど、教師のための月一勉強会・第2回側弯症にてレッスン指導についてお話しします。

 

*eBookやセミナーの売り上げが、このような無料ブログ記事のサポートになります。

いつも応援ありがとうございます!

まとめ:肋骨についてダンサーが知っておきたい事

肋骨の大切さ、テクニックへの影響、立ち方への影響が分かったかしら?

ダンサーがストレッチするのが好き足首、股関節と比べると地味ですが、テクニックに直結している部分でもあるので、

まずは骨をイメージして、レッスンの時の注意に当てはめてみてくださいね。

 

Happy Dancing!

ai

 

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