時は2016年末。「ダンサーが正しく腕立て伏せをするために」という記事を書きました。
理由は、フォロアーさんからの質問で
腕立て伏せをやれといわれたが、正しくできない。
変な筋肉がつくのが嫌、どうすればいい?
という質問があったから。
その記事では
- どうして腕立て伏せが大事か
- 「正しい」腕立てって何?
- 変な筋肉がつくって何!?
をお話しました。
覚えてる?
んで、そのあとの記事で
「壁を使った腕立て伏せ」ということでポーデブラと上半身強化についてお話しました。
そこでは
腕立て伏せの原理を説明した後、
- 壁プランク
- 壁腕立て伏せ
- 壁片手プランク
を説明しました。
今日は壁腕立て伏せのハイトチェンジ、つまり高さを変えていく方法をお話しましょう!
そっちに行く前に上の2つの記事、そして肩甲骨が飛び出てしまう!という危険性をお話した記事も読んでおいてください。
全部無料なんだから、えーとか言わずに、バレエノートもってリンク先に飛んでくださいませ。
今月(2020年7月)はDLSボーイズ月間です。
このエクササイズは男の子たちがエキストラでレッスンの前後にやるにはもってこい!
壁腕立て伏せレベルでは、パドドゥの強さは作られません。
でもその前段階として上半身を鍛え始めるためにはもってこい!
もちろん女の子がやっても「変な筋肉笑」はつきませんのでご心配なく。
- 強い背中
- コンテのフロアワーク
- 回転に振り回されないポーデブラ
- 下半身ばかりに頼って体の筋力バランスが悪くなるのを改善
などでも有効ですよ。
壁腕立て伏せ 難易度低め
これは前の記事にで紹介したのと同じですが、
全身写真を使ってみていきましょう。
体が直立に近ければ近いほど、難易度は簡単になります。
(だから正しいアライメントで踊ると無駄に筋肉や体力をつかずに踊れるのよ)
肩の前に手を置きます。
- わきを潰す癖がある
- 腰を反らしてしまう
などの問題がある場合、すこーしだけ手を高くしておくと、体幹をまっすぐにする感覚が分かりやすいかもしれません。
ここは、ダンサーズチョイスで。
肘を曲げていきます。
肩甲骨が少し出てもいいですが、寄ってこないようには気を付けること!
できるのであれば、スフィンクスのように肘の高さまで下がってみましょう。
写真の彼のように肩甲骨が大きく飛び出してしまう場合は、この高さではなく上の写真までで練習を続けましょう。
肩甲骨が出てしまう理由には、肩甲骨周り+肩周りの筋力不足のほかに
- 肋骨をキープしておけない
- 胸椎が硬い
というものがあります。
3月29日に行った愛さんとエクササイズ(インスタライブの後、YouTubeに上がっています)でやっている
四つん這い胸椎回旋からセラバンドで胸椎のリフトの練習をやっておいてくださいね。
チェック項目
- かかとから頭の先までのバレエスタンスがどの角度でもキープ出来ていること
- 動きは肘関節から。肋骨が先に壁のほうに動いたり、骨盤を後ろに引いて戻ってきたりしない(代償運動がない)
- 目線が下がらない(頸椎が落ちてしまう原因に)
ここに行けない人用プラン
- 四つん這い胸椎(プリエ本・ライブ)
- 四つん這い肋骨リフト(ライブ)
- 菱形筋エクササイズ(立ち方本)
- プランク(膝つき・膝なし)
- タオルストレッチ(立ち方)
壁腕立て伏せ 難易度高め
ここまでできた人は腕の高さを低くしてみましょう。
つまり、壁腕立て伏せと床腕立て伏せの間みたいな角度を探すってことね。
注意すべきことは上と一緒。
ここでは、トレーニングの原則の1つである「オーバーロードの原則」(こちらの記事で説明済み)を考え、
- 床でやるには強さが出来ていない
- 床でやるスペースがない(ツアー中、女子がポワントレッスン中など)
- 床で出来ない(手首の屈曲角度が床のほうが大きくなるので、痛みがある、オグズッドでひざをついた腕立て伏せを避けている、衣装を着ている舞台袖のウォームアップの一環など)
という人には使えますね。
もし壁腕立て伏せをレッスンのウォームアップにいれよう、と思っている素晴らしい先生がいたら
ウォームアップタンジュの時に
- 6番(もしくはパラレル)カフライズ
- 壁腕立て伏せ(好きな高さを選んでもらう)
などを取り入れるのはすんげーいいアイデアだと思います。
特に借りスタジオで、早くからスタジオを借りることが出来ないのであれば、
ウォームアップをしっかりと振付に取り入れてください。
(詳しい説明はSafe Dance Studioセミナーでお話しています)
この先はどうする?
そこまである程度できるようになったダンサーはどうするか?
特に男性ダンサーで、パドドゥや難易度の高いジャンプをやっている場合、これくらいのレベルでは足りません。
年齢も実力もバレエ学校レベル(14,5以上)であれば、留学を考えているならば
- パドドゥクラスも毎週入ってくる
- キャラクターやコンテでフロアやパートナリングが入ってくる
のを仮定してこれ以上の準備が必要です。
床での腕立て伏せを今はやっておいて、
たくさんのパドドゥエクササイズをこれからもアップしていきますのでStay Tuned!
何で難易度の高いジャンプだと上半身の強さが必要かって?
男性ダンサーの難易度の高いジャンプは
- 空中での回転
- ピルエットなどの後にジャンプに入る
という動きが含まれるため、遠心力に引っ張られない強い上体が必要不可欠なんですよ。
応用:ルルベの高さも一緒にやっちゃおう
壁腕立て伏せの応用として、ルルベでやってみるというのもアリ。
ただし、これはかなり高いルルベになるため、
- 外反母趾が痛い
- 種子骨がいたい
- 足首付近に痛みがある
人達はやめてください。
写真を見てわかるように、体の高さとルルベの高さが反比例しているのが見えますね。
これは静的ストレッチではなく、ダイナミックストレッチにもなりますし、
体全体の筋肉も使っています。
(そして難易度が高いので長時間その姿勢にいることは不可能なはず)
こういう”ストレッチ”だったら、問題なく出来るってわけ。
ストレッチの種類や、時間、エクササイズ全体を見て柔軟性向上を考えてよ!
(教師講座の柔軟性セミナーでもお話してるね!)
足首の後ろ側の痛みがない人に限り、こちらの親指ストレッチをレッスン後やウォームアップの後に取り入れることは出来ます。
足首付近の痛みの場合はこのストレッチは辞めて、プリエ本になるミッドフットマッサージなどを選んでくださいね。
写真や文字だけでなく、エクササイズを実際にやってみて、正しくできているか確認もできる
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Happy Dancing!