自分の足にあうトウシューズを探しているダンサーはたっくさーんいると思います。
メーカーによって色々あるし、バレエ雑誌や、プロのインタビューを聞いてもたっぷり出てくる名前たち。
海外だけで購入できるシューズだってたくさんあるし、日本だけで買えるものもたくさんです。
自分に合ったシューズを探す、って難しいですよね。
今日はよく見られる3つのフィッティング間違いをご紹介します。
3つ以外にもたくさんあるんだけどね、それはダンサーの足セミナーでお話しています。
かかとが抜けちゃう=シューズが大きすぎではない
かかとの部分にゴムをつけている人、たくさんいますよね。
これはデミを通った時にかかとが抜けない様にするための工夫。
結局、ポワントのサテンって伸び縮みする生地ではないわけで、早い動きなどでシューズが脱げちゃったら困っちゃうでしょう。
ただし、かかとが抜けてしまう=シューズが大きすぎる!ではありません。
その逆が殆ど。
嘘だと思ったら、自分のシューズを足のおおきなお友達に履いてもらってください。
ぎりぎり、足が入るか否かのシンデレラのお姉さん状態になった時に、かかとをみてみましょう。
生地が足りなくて、引っ張られているはず。
そしてその人達に歩いてもらおうとするとかぱっとかかとが抜けるはずです。
トウシューズでは、大きすぎるシューズは一目瞭然ですが、
きついシューズは見落とされがち。
でも、きついシューズの方がケガのリスクが増えます。
生徒の一人で6か月以上親指の痛みが続く子がいました。
毎回、シューズが合っていないよ、といっても「トウシューズフィッターに合わせてもらったから大丈夫」っていうだけ。
ようやく彼女がシューズを変えて1週間後、痛みはもちろんなくなりましたよ。
今でも彼女との笑い話になっています。
足の裏を強くするために固いポワントを選ぶ
足の裏を強くしたいので固いポワントを選ぶというのは、なんだか理にかなっているようでそーでもありません。
まず、足の裏を強くしたいから固いポワントを選ぶ子たちってだいたい足の甲は高いのに使えない子が多い。
足が伸びなくて悩んでいる子はこの後でてくる、もう一つのフィッティング間違いを犯すことがおおいですから。
甲が出過ぎて、もしくは足の裏が弱くて、シューズに乗っかってしまう子がいた場合、
固いシューズを履くと引き上げて立っている様に「見えます」。
だけど、ポワントがすぐにダメになります。
あー私、足が強いからすぐにシューズが潰れちゃうのね。
ではございません。
間違ってます。
本当に足の裏が強ければ、柔らかいシューズでも自分の力で引き上げていられます。
しっかりとデミポワントを通り、柔らかくジャンプの着地ができます。
ただ、甲が出過ぎてしまう、シューズに乗っかってしまうという子たちにいきなり柔らかいシューズをはかせるとケガをしますのでそういう子たちには敢えて固いポワントを選びます。
そして、徐々に柔らかくしていきます。
つまり、最初は松葉づえみたいに固いシューズを補助に使い、
自分で立てるようになったらもう少し柔らかいシューズを選ぶのです。
もちろん、ただレッスンをしていれば足が強くなるのか?といったらそうでもないですから、
足先のエクササイズや脚全体の筋力アップを一緒に行う必要があります。
甲が出やすい子=靭帯が緩い子なので、体全体がぐにゃぐにゃなケースがほとんどですからね。
そっちを鍛える必要がありますし、場合によっては強くなるまでポワントを履かせないこともあります。
もちろん、これは生徒の場合。
プロの場合は踊り、役、舞台の素材や振り付けによってシューズを選びます。
生徒の場合、足を強くするのが目標です。
固いシューズ「だけ」に頼っていたら、強い足は育ちません。
*ただしカンパニーダンサーでプリンシパルだったら1回のパフォーマンスでポワントがダメになる事があるようです。
でもそれは、プロくらい踊っている事だったからね。
つま先が伸びないから3/4シャンクを選ぶ
上で書いたケースの逆です。つま先がきれいに見えないから3/4シャンクを履く。
この言葉の意味が分からない人はダンサーの足セミナーに参加してください。
このシューズ、成長過程の子たちには特に危険ですが、どうして危険なのか?はセミナーでお話ししましょう。
今日のフォーカスはフィッティングの間違いだからね。
つま先が伸びない理由は何でしょう?
恵まれていないから、なんて言ったら殴りに行きますよ?
つま先が伸びない理由は星の数ほどあります。
そのうち、自分でどうしようも出来ないのは2-3個です。
残りの人達(つまりほとんどの人)は
- 伸びる足をしているのに使っていない
- 使い方を知らない
- 使うだけの強さがない
ひとたちです。
それと、3/4シャンクがどう関係するのか?
つま先を伸ばすだけの力がない子たちに、力を使わずつま先の伸びて見えるシューズを与えると、それで満足しちゃうからです。
また、強化が必要なのにそれが出来ていません。
甲が出過ぎてしまう子たちだけがシューズに「乗っかる」わけではありません。
甲が伸びなくてもシューズに乗っかることは可能です。
3/4シャンクでは乗っかって踊っていても見えづらいし、感じづらいです。
3/4の方がきれいにつま先が伸びるからオーディションやビデオ撮影ではそちらを履くけど、
普通レッスンではフルシャンクを履いています、というダンサーはたくさんいます。
3/4にすると足首の後ろ側が詰まった感じになったり、痛みができたりするダンサーもいます。
もちろん、年齢と足首の形で3/4が必要な子もいますが、そういう子たちはだいたい18,19歳以上。
これは骨の形成スピードやその他の関節、ケガの歴史を考えた上で答えがでます。
まとめ
ちょっと長くなってしまいましたが、よく見られる3つだけ今回は記事にしてみました。
他にも、外反母趾だから先の細いシューズを選ぶ弊害だとか
シューズの紐をきつく結び過ぎてしまうところから来るケガだとか、
ポワントをしっかりと合わせるだけで防ぐことのできるケガや痛みはたくさんあります。
ポワント選びも大事。
だけど履いている自分もどうにかならないと、シューズだけが踊ってくれるわけではないから覚えておいてね。
Happy Dancing!