ちびっこダンサーのボディコンディショニング!? 

    ちびっ子ダンサーを教える先生から質問がありました。   「幼い年齢の子達はどんなコンディショニングをしたらいいでしょうか?」   これってちびっ子の多い生徒を教えている先生方は頭を悩ませるところですよね。 今日はこの部分を考えていきましょう。   どの年齢から腹筋を!? という事は生徒の個人差がありますから言えませんが、 大体の流れとして・・・という事はお話できます。     この記事は、私の考え、そして私のボスである校長先生(この記事参照)の 教育論を使って書いています。 どの角度から見るか?によって多分色々な意見があるでしょうが。       私の考えからすると特定なリハビリ、コンディショニングを考慮したほうが良い子達は、 12、3歳以上だと思っています。 これは年齢的に、体の小さな動きを理解し、考えることが出来る、という事のほかに、 体が成長期に入り、様々な壁が生まれる頃だからです。   成長痛に代表されるように、体の痛み。 一時的な柔軟性の低下。 体のコーディネーション力の低下(急激な身長の伸びにより、重心が変わるから) などの上に、 筋力低下が出てくるのもこの時期。…

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留学したいダンサーへのアドバイス:練習量を考えよう

先日、日本から3ヶ月間だけ留学しにきている、という女の子の治療をしていました。 ケガの原因はいきなり練習量が増えたこと、と正しいテクニックが身についていないこと。   話を聞いたら、日本では毎日踊っていたけれど1時間程度のクラスだった、という事。 そしていきなりバレエ学校の最終学期で一日5時間踊り、 たくさんのリハーサルが続けばそりゃあケガもするでしょう・・・   でもそれって結構当たり前ですよね?日本だと。 学校が終わってレッスンに来るから一日2時間踊れるといいくらい。 そして毎日レッスンがあるスタジオも少ないから週に4,5日踊れるといいかな?   バレエ学校留学を希望する子は殆ど、 「バレエ漬けの生活がしたい!」 って思っていることでしょう。 宿題とか、試験とかで休まなくてもOKで、バレエに集中できる。 朝から晩まで踊っていたい!!   その気持ちは分かりますが、日本のレッスンからいきなりバレエ学校へジャンプしてしまうと 練習量の差で体にガタが来ます。   オーディションを夢見る子達へのアドバイス、ということで今日はその練習量の差を考えて見ましょうか。         最初にあげた日本のレッスンを計算すると 1日2時間程度×4日=週に8時間。   バレエ留学で一般的なフルタイムプログラムになると・・・ 1日6時間程度×5日=週に30時間。…

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貧乏ダンサーの節約術 どこでセーブしどこで使うか?

  まぁ、なんてトピックでしょう!!   これはこの前2人のダンサー兼バレエ教師とお話していたときに出てきたトピックです。 (音声で聞きたい人は一番下へ。ポッドキャスト・Youtubeで再生できます。)   「レオタードって高いよね」 「トウシューズも高いよね」 「レッスン費って高いよね」   なんて色々。     バレエスタジオ経営者でなければレッスンを教えるのっていいお金にはならないし (将来バレエの先生になりたーい!って思っている子達、今からお金を貯めておくんですよ笑)     バレエダンサーとして舞台に立っていてもお給料は悪い。 バイトする時間も体力も限られているし、   発表会のときはただ働き。   留学したらしたで、お金がかかるし、 舞台代、生活費、オーディション費、交通費、ビザ・・・   上げればキリのない出費ったら。       んで、考えてみたダンサーのための節約術。…

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正座はダンサーの膝を出っ張らせるのか?

*この記事は2014年8月に書かれたものを、2021年により分かりやすくなるように編集しました。   サイトのお問い合わせフォームより質問メールが来たのですが、いくら返信してもエラーになってしまうので、こちらに(勝手に)載せてしまいます。   もしこの記事を読んでいる、海外にバレエ留学したい(バレエ団オーディションをしたい)と思っている子たちがいたら、 もしくはそういう子たちを育てている先生がいたら覚えておいてください。   日本の携帯キャリアメールは海外ではアドレスが存在しない(エラーになる)事があります。 資料が添付されたり、URLがついている場合、受信設定を見直さないとメールが届かない事があります。   このエリアはこちらの記事に既にまとめてありますが、せっかく努力してオーディションしたり、バレエ留学の許可が出たのに メールが届かないという問題が起きたら悲しいじゃないですか。 貴方から返事が来なかったら「あ、この子は興味がないんだ」と思われてしまうし、書類提出の締め切り日を過ぎてしまったら終わりですよ。 気をつけてくださいね。   正座の話からずれた! まずは頂いた質問を読みましょう。   はじめまして。 いつも、小学4年生の娘のことで、勉強させていただいてます。娘はバレエを始めて三年になります。 トゥシューズ、体のゆがみのことなど気になっていたので、とてもためになるお話をいつも真剣に読ませていただいています。 バ レリーナにとって正座はよくないと聞きますが、どうして良くないのでしょうか?解剖的にはどうなのですか? また、あぐらは?我が家では座卓で食事をしてい ます。 補助椅子を使い、背筋をのばして座ったり、足をのばして座ったり、脚や膝に負担がかからないようにと気をつけていますが、やめたほうがいいのでしょうか? 娘はとてもやせているので膝や肘がとても目立ちます。 素人の質問ですみません。よろしくお願いします。 正座を解剖学的に見てみよう 正座とは解剖学的に何か?…

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バレエコンクールの善し悪し あなたのゴールは何ですか?

(音声で聞きたい人は一番下へ。ポッドキャスト・Youtubeで再生できます。)   先週末、メルボルン最大級のバレエコンクールファイナルが終わりました。   ballet teacher's workshopと呼ばれるこのコンクールは、 小さい子から一番上のメープルプライズ、と呼ばれる子達までカバーする大きなコンクールです。   この一番上のレベルの子達ではじめてバリエーションを踊ることができます。   そう 15歳以上で。   そのほかのレベルでは先生が振り付けした創作クラシックを踊ります。 12歳以下のレベルではトウシューズは禁止されています。   コンクールに出ることはいいことです。   舞台度胸もつくし、コンクール自体ではなく、ゴールを持って練習すること。 同じ年齢層の子達に感化されること。 自主練に責任を持ち、レッスンで習ったことのないステップも勉強。 踊りの心や観客に伝える、と言うことも勉強しますね。   発表会を毎年行うことができないような小さなスタジオの場合、とってもいい舞台経験になります。   ただ、メルボルンで大きなコンクール、 といっても世界レベルで見ればあまり意味がないコンクールです。   意味があるのは世界的に本当に大きなものだけでしょう。…

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ボディコンディショニングプランの作り方 ベース作り

    ボディコンディショニングって、とっても大事なんですよーという話は、 既にこの記事でしてあります。   大事なのはわかったけれど、何からやればいいのやらさっぱりです。 周りにバレエを知っているトレーナーさんがいません。 一人だけど何をしたらいいの?   なんて思っている人いませんか?   ほかには 腹筋も背筋も毎日やっているけれど、それでも効果が出ない。 だとか インターネットで調べたエクササイズ、プロのダンサーがやってます、って言ってたけど私にあってるのかな? だとかって声もありますよね。   そんな声にお応えするために、今日から何回かに分けて 私流のエクササイズプランの作り方の説明をしていこうと思います。   (音声で聞きたい人は一番下へ。ポッドキャスト・YouTubeで再生できます。)   プランをつくる前に、まずは目標を決める 目標がないと成長が見えません。 目的地が決まっていなかったら最新のカーナビを持っていても意味がない。   目標(バリエーション、発表会など)を分析し、 それに合わせて何の練習をしていけばいいか考える力はとっても重要です。   難しいパを知ることで、ボディコンディショニングでその弱点を強化できるし、…

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二重関節っていったい何?

二重関節という言葉はバレエを含め、体の柔軟性が必要なスポーツを行う人たちなら知っているでしょう。 今日はその言葉について、お話ししようと思います。   まず最初に。 二重関節、という言葉は解剖学用語でも、医学用語でもないそうです。   私は解剖学を英語で勉強したので二重関節とはdouble jointed となりますが、これも医学用語ではありません。 つまり解剖学的に、医学的に見た時に二重関節の人間とは存在しません。   ですから、「彼女は二重関節だから脚があがるんだ。わたしは無理」というのはお門違いもいいところです。 そんな事を言っている暇があるのなら、ストレッチに励みましょう。   ではいったい全体、二重関節ってなんなのさ?   という事ですよね。   二重関節というのは関節過度可動性という症状の事です。 そう、症状なの。   もともと生まれ持って体の柔らかい人っていうのは存在します。 また、年齢によって体の可動域=柔軟性も変わります。   赤ちゃんの体が柔らかくってお年寄りの体が固い、というのは簡単に理解できるでしょう? 妊娠中の女性もホルモンの関係上体が柔らかくなりますしね。   では「体の柔らかい人」と「関節過度可動性」の人の違いは何でしょう?   関節過度可動性は、遺伝であることが多いです。 なぜならこの可動域を決めるもの、それは靭帯だったり、骨の形だったりするからです。…

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思春期のダンサーとケガ:研究結果と私たちが学ぶべきこと。

  今日の記事は先日オーストラリアの新聞に載っていた記事を読んで考えたものです。 かなり辛口になってしまいました… まずは記事を日本語訳してみましょう。   バレエはフットボールよりもタフだ! *ここでのフットボールはオーストラリアンルールのフットボールです。 ラグビーみたいなコンタクト競技です。選手は記事の写真みたいにマッチョ、筋肉ムキムキです。 バレエは思春期の子供にとって他のマッチョなスポーツよりも危険だ。 Sports Medicine Australia(スポーツ医学研究所)の研究によると、 若いダンサーは他のスポーツ選手に比べてケガのリスクが高く、75パーセントのチャンスでケガをすると分かった。 厳しいトレーニングの量と成長期、これらが若いバレエダンサーのひどい、 時にはキャリアを辞めざる得ないケガに繋がる、とMonash大学の研究家Christina Ekegrenは話します。 「過去の研究ではダンス、特にバレエは若い子供たちにとって、身体的に過酷な運動の一つだと分かっています。殆どのダンサーは1週間に6日のレッスンを行っています。」 という記事。 ここから学べることは何か?というのをダンサー、ダンサーを持つ両親、そしてダンス教師の目線から見ていきましょう。   ダンサーが学ぶべきこと それは、バレエはただの遊びではないということ。 ごめんね、夢を壊すような事を言って。   このサイトを読んでくださっている子達は、プロを目指している、そしてある程度年齢がいっている、と思っています。 5歳が勝手にインターネットサーチをしないと思っているので。   プロのダンサーになりたい! というのは素敵な事。 そしてDLSではその為のサポートをたくさんしているつもりです。…

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