オーディション 教師、両親編

  オーディションシリーズはこの前の感情編で終わりにしようと思っていたのですが、 先生と親御さんの目線からも見なければいけないトピックだと思ったので もう一つ書きます。 (んでもって番外編も書いちゃいましたので、それは後程・・・)   オーディションの準備について書いた記事 オーディションに失敗したとき 理論編 オーディションで失敗したとき 感情編   バレエ学校入学のためのオーディションであろうが、 カンパニーのためのオーディションであろうが。   これは、オーディションされる側と、する側の2つだけしか存在しません。 教師、親、というのは、 オーディションの前後は関与できても オーディション最中はどうしようも出来ません。   オーディション前:無駄な期待をかけない 誰々ちゃんは上手くいったから。 去年は10人受かったから コンクールで下位だった子も入っているから なんて、勇気や自信を出してもらいたくてかける言葉は役に立ちません。   ダンサーにオーディションは付いて回る、というのは シリーズで何度も書きましたが、 審査される、という事に慣れてもらう事、 オーディションという「経験」を勉強してもらうのが目的です。   よって、オーディションへのメンタル準備や、…

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オーディションでうまくいかなかったとき 理論編

オーディション、ということは、全員が全員、スポットをもらえるわけではないですね。   それは理屈では分かっているけれど、 いざ、自分が落とされた立場になると難しいもの。   毎年、バレエ学校ではかなりの人数を落とします。 その様子を見ていて気が付いたことは、上手な子が必ずしも受かるわけではないということ。   私も2016年冬期バレエ講習会のオーディションで、何人かNo,といわせてもらいました。 ごめんなさい。   その中には、将来の才能がある若いダンサーもいたし、 ある程度踊りが完成しているであろう、という人もいました。 ということで、オーディションで落とされる理由を考えてみました。 規格外 一番最初にくるのが、これ。 規格外。   どういうことか?というと、バレエ団は特に決まった見た目、というのがあります。 こうやって書くと、体重の事かしら?って思われるけれど、体重は変えられるのです。 それよりも身長。   コールドバレエでは一人だけずば抜けて大きい子や、小さい子は使えません。 大きい子の例として、私と同期だった女の子。 175cm以上の長身に、すごく大きな足のサイズで、ポワントで立つと180cmを超えてしまっていました。   すごく上手でね、ローザンヌでも決戦に行ったりしたけれど、役をもらうのが難しかったみたい。 彼女はそのあと、コンテに強いカンパニーに変更し、 男の子が踊る役を初めて女の子が受け持つ、などという活躍をしています。  …

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ロシア人だからターンアウトができる? ワガノワバレエの秘密

  先日、Facebookで気になるポストを見たので、 そのあと研究していました。   「ロシア人だからターンアウトができる」 そーなのか? そんなに簡単に一括りができるのか?? ロシア人というホモセピアンは股関節の作りがそんなに違うのか?   ターンアウトができるようになる秘密を知りたい! ということで深く見ていきましょう。   ここで指すロシア人はたぶん1.435億人の人口は指さないだろうね。 普通のおっちゃんもターンアウトができるのだろうか・・・? おっちゃんダンサーで有名なトロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団は ニューヨークが拠点だが・・・   さて、ロシア人ダンサーというと 私たちの頭に浮かぶものって 「あの」ワガノワバレエですよね。   だから、たぶんここらへんのダンサーを指すのでしょう。 では、観察。   ワガノワバレエ アカデミーは約300年の歴史を誇る名門校で、 素晴らしいダンサー、教師、振り付け家を毎年数多く出している学校です。 なーんて今さら私に言われても仕方がないですね笑   生徒たちは基本的に10歳で入学…

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ダンサーのリハビリって何?

*この記事の前にリハビリの前に知っておきたい事をこっちで読んでね。   リハビリって言葉を聞いたことがないダンサーはいないと思いますが、では意味は?と聞くと、たぶんみんなちょっと困っちゃうよね。 ここでは「リハビリ」という言葉を紐解いていきましょう。   本題に入る前にマメ知識。 Rehabilitationの日本語がリハビリテーション、しかも日本人らしく?短くするとリハビリになります。 私の住んでいる国、オーストラリアも文字を短くすることで有名なのですが、英語の場合Rehabilitationを略するとRehab、となりますので、 リハビリは和製英語なんだと覚えておくと、留学先でのコミュニケーションが上手くいくと思います。 スポーツ医学でのリハビリの定義 Clinical Sports Medicineによると A dictionary definition of rehabilitation is the “restoration to a former capacity or standing, or to rank,…

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バレエ教師の悩み事 生徒との温度差

  今日のテーマ、バレエ教師、と言っているけれど、 子供との温度差、でもいいし、 周りとの温度差、でもいいですね。   将来ダンサーになりたいのならば、もう少し真剣にレッスンしてほしい親だったり、 プロになりたい!って思っているのに、周りは真剣にとってくれない、 なんてシナリオもあると思います。   色々と応用してください。   今回の質問は、スタジオ訪問にお伺いした主催者の方からでした。 私を読んで下さる、ってことは解剖学に興味がある先生、ってことですよね。   だけれど、生徒はイマイチ(どころじゃない!?)大切さを理解していないみたい。。。 どうしたらいいでしょうか?   ってことですね。   この問題には大きく分けて2つの切り口があります。 時間差 理解差   これがあるから、温度差に感じてしまうのだと思います。     時間差   例えば。 教師のためのバレエ解剖学講座に来て下さる先生の中には、…

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バレエ学校から拒否されたら・・・

*このブログは2015年に書かれたものを、2020年5月により読みやすいフォーマットへ編集しなおしました。     ラッキーな事に、日本のバレエスタジオには入学試験というものがありません。 誰でもバレエを始められる、習うことができる…それって素敵★   たとえ将来バレエと全く関係のない仕事に就くとしても、 クラシックバレエの音楽が分かったり、ストーリーが分かったり、そして姿勢が良くなるなんて言われていますよね。     バレエ「学校」は違います。 オーディションがあります。   がしかし、ビジネスとして行っているバレエ学校では誰でもとります。 生徒数=収入 となるからです。 (日本からの生徒はお金になるから、留学しても日本人クラスに入れられて内容は本場とは違うなんてことはよくありますし、International studentsは法的にも現地の子より高い料金を支払わないといけない、となっている国も多くあります。)   ですが、大きなバレエ学校、就職率が高いことを売りにしている学校ではそうはいきません。 オーディションに受かって入れた!としても 留年させられる子 退学を要求される子 というのが出てきます。   子供もそうだけれど、親が慣れていない「拒絶」。 このようなシチュエーションで、親として何が出来るのか? 今日の記事ではダンサーの拒絶について考えてみたいと思います。 バレエ向きな体じゃない、と言われたら? バレエ学校から(オーディションで)「体がバレエ向きでないと言われた」というのが一番多くありますね。  …

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アダージォをアダージォに踊る バレエ用語編

白状しましょう。   バレエを始めたのが6歳。 それから19歳までの13年間、私はバレエ用語なんてほとんど知りませんでした!!   17歳でカナダのウィニペグバレエスクールのサマースクールに参加しているときも 必要だなんて感じたことがなかったですし、 18でACBに来たときもなんだかなーって感じでした。     小さな頃から踊ってきたじゃない? だからステップの名前なんかよりも、動きで覚えていたんだよね。   19歳になるかならないか、あたりのバレエ学校1年目。 ケガをしていた私は暇つぶしに解剖学の勉強を始めました。 (その時の話はここでどうぞ)   当時解剖学なんてしっかりしたものではなかったけれど、 そのクラスの中にステップの名前や動きの理解、というのもありました。   そこで初めてステップの意味を「暗記しなきゃ!」←テストのためにね。 って思ったのがバレエ用語に出会った最初。     その後紆余曲折の果て (p.s.紆余曲折。漢字で書くとこうなんだーなんてヤケに感心してしまった) 気づいたこと。     バレエ用語は大切だ笑…

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ダンサーのケガ:足底筋膜炎

      この前筋膜について記事を書きました。 今日は筋膜の怪我で有名な「足底筋膜炎」についてお話ししようと思います。 (音声で聞きたい人は一番下へ。ポッドキャスト・YouTubeで再生できます。)   ちなみに私のコンピューターは私と同じく日本語が苦手なので あしそこきんまくえん、 とタイプしないと漢字が出てきませんが、   読み方は そくていきんまくえん だそうです。   この怪我が何なのか? という説明よりも ダンサーだったらどうしたらいいのか? 何が原因なのか? にフォーカスをおいていきます。   なぜか? それは他の怪我と同じですが、自分で勝手に診断されちゃ困るからです! インターネットですこし検索すれば、たっぷりいろいろな情報が出てくる事でしょう。   マッサージ、インソールなど、色々なアイデアがあると思います。 ですが、今年の始めにいた生徒のように、 筋膜が痛いのだとおもってマッサージしていたら、筋膜が切れちゃった! という事もありますし、(彼は8週間以上足が使えませんでした。)  …

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