ウエイトトレーニングとダンサー

*この記事は2017年に書かれたものをよりわかりやすく、出典元のリンクを増やし2021年に大幅編集しました。   ウエイトトレーニング、っていうとダンサーは怖がっちゃうかもしれないですよね。 筋トレをしたら太くなるとか、身長が伸びなくなるとか…   年々、多くのバレエ学校やバレエ団がウエイトトレーニングを取り入れているのを見たことがあると思うし、そういうものがSNSにシェアされているのも見ていると思うけれど、 ダンサーには筋トレが必要ない(やったら太くなる系) 筋トレしたら身長が伸びなくなるから辞めたほうがいい という考えはまだ根強く残っている気がします。   今日はそんな古い常識と考え直し、21世紀に対応出来るダンサーとウエイトトレーニングについて考えてみましょう。   ウエイトトレーニングって何? Clinical Sports Medicineによると Resistance training (also known as weight training or strength training) involves using resistance to…

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レッスンしてるのにエクササイズも必要?

3月も目の前、DLSでサークルも始まるので、今日はボディコンディショニングをテーマにお話していきたいと思います。 ボディコンディショニングって言葉を聞いたことあります? この言葉は知らなくてもダンサー用エクササイズとか、トレーニングとかならば聞いたことがあるよね?   週の半分以上レッスンに通っている子は多いと思うんだけど、レッスンのほかにエクササイズをしなければいけないの?(そんなこと聞いたら、怠けてるって思われちゃうかな…?)という疑問を胸に、 ダンサーのボディコンディショニングを考えていきましょう。   ボディコンディショニングとトレーニングは違うの? まずはここ。 エクササイズ トレーニング ボディコンディショニング これらって何をさしているの?一緒じゃないの?   短い答えは…きっと一緒笑 長い答えは 「ボディコンディショニング」の中に「トレーニング」があり、その中に「エクササイズ」がある感じ。   ボディコンディショニングとは体(Body)を調整する(conditioning)すること。 厚生労働省によると 体力 精神 技術 医療 栄養 環境 の要因から総合的にアプローチし、競技の際に能力を最大限に発揮できるようにコントロールしていくこととあります。   なのでパフォーマンス向上のために、 日々のレッスン…

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個別オンラインセッション 悩めるダンサー向け

  バレエダンサーは早い段階で自分の将来の方向性を決めなければいけないことがありますよね。 学校の先生はもちろん、親もバレエの世界は分からないから留学についてや就職など相談しづらい…という事がありませんか?   また、ケガをしているダンサーは、リハビリやレッスンの受け方を治療家の先生たバレエの先生に聞いても「自分で考えて」とか「痛くない範囲でやってね」と言われてしまい、どうしていいのかよく分からないなんてことはありませんか? 早くケガから復帰するためには、今できることがあるはずなのに…   そんなダンサーのために、ケガとの向き合い方や、リハビリエクササイズの準備、将来の相談など、 個別ではないと相談出来ないダンサーの悩みを相談できるように個別オンラインセッションが出来ました。 対象者 中学生以上のダンサー 未成年のケガの相談の場合は、相互理解やお家で出来ることなどをお話するため、保護者に同伴をお願いする場合があります。 中学生の場合、保護者の同伴が絶対条件になりますのでご注意ください。 *先生が相談したい場合は、教師、治療家・トレーナー用のセッションをチェックしてください。   セッションでお話出来ること プロダンサー、バレエ学校生徒で怪我の治療は受けているけれど、バレエ専門のリハビリが受けたい バレエが大好きだけど、将来や進路で悩んでいる ケガから早く復帰するためのレッスンの受け方や日常生活で気を付けることなど、アドバイスが欲しい   セッションでカバーできないこと ケガの相談の場合、治療や診断、医療アドバイスは出来ません。 すでに診断されている怪我で、バレエに復帰するためのリハビリや、生活生活で気を付けること、レッスンの受け方や、ケガとの向き合い方などをお話することになります。 オンラインセッションなので「こんな痛みがあるんです、どうしたらいいですか?」というような質問にはお答えできません。   セッションの前に確認してほしい事 病気のため、すでにカウンセリングやセッションを受講している場合、心理士やカウンセラーの人にセッションを受けることを相談してみてください。   *こんな事を相談したいんだけど、申し込んで大丈夫?と思った人は事前に hello@dancerslifesupport.com…

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2021年冬セミナー スケジュール発表!

残念ながら、世界情勢と参加者の健康を考え、この冬のDLSセミナーもまだ全てオンライン形式のセミナーとなりました。   皆さんの顔を直接見て一緒に大笑いしたり、休憩時間に小話したり、 何よりも、2015年から毎年行っていた冬期バレエ講習会で、ダンサー達と濃い時間を過ごすことが出来ないことがとても残念ですが、 年末年始の忙しい(そして交通費・旅費が高い!)時期に、オンラインだからこそ参加できるという人、オンラインだったから受講できるクラスが増えた人など、 メリットもあると思っています。   今回初公開のクラス、オンラインに変更されたので大幅アップデートがあったクラスなど、 ラインナップもかなり新鮮になっていると思うので、怒涛の2020年の終わりと、フレッシュな2021年のスタートを鬼の愛と一緒に過ごしたい方はぜひチェックしてね。   また、2020年がタフだった人達のためにスカラシップオプションも制作しました。 皆さんが応援してくれて、コロナ渦中オンライン変更してでもこのように活動出来ているDLSが、 少しでもダンサー達への恩返しになっていたら嬉しいです。   DLS応援アイテムを購入してくれた人達のサポートがあってこそ、このようなスカラシップを作る事が出来ました。 応援アイテムも新しく増えているので、セミナー参加はしないけど、ちょっと応援してみよっかな、と思った方はそっちものぞいてね。 オンラインセミナー スケジュール 2021年冬のオンラインセミナーは全日程終了しました。 ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。 次回は2021年春(4月下旬~5月上旬)に開催の予定です。   12月26日(土) スタンスWS Day1 & Safe Dance Studio パート1 12月27日(日) スタンスWS Day2 & ダンサーの足インテンシブ Day1 12月28日(月) スタンスWS…

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DLSポッドキャスト epi324 ポワントに必要な精神年齢

IADMSによるとポワントを安全にスタートできる年齢は12歳程度だそうです(出典) でも精神年齢はどうだろうね?ポワントのリボンがレッスンしている途中で緩んでくる…という質問をもらったので一緒に考えてみましょう。   聞きたい人はこちらから   スクリプト みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか? DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、ダンサーズライフサポートドットコムのブログ音声バージョンプラス ポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。   10月最後のポッドキャストでは、久しぶりに皆さんにいただいた質問にお答えしていきます。 今日はポワントのリボンが踊っている中で緩んでくるという質問について。 だけど、タイトルは「ポワントに必要な精神年齢」になっています。 どうしてか?っていう疑問を胸に置きつつ質問を読んでみますね。   リボンが、レッスンしているうちに緩んでくるのは何が原因でしょうか。 リボンを付ける位置をかえて、少しは改善したようですが。   バレエの先生からの質問、そしてポワント選びセミナー受講者の方からの質問でしたので、そのクラスでお話した事と一緒に見ていきたいと思います。   ご存じのように、ポワントを履く年齢というのは12歳くらいから。 理由は体の成長、特に骨の成長を考えてという事で、全体重をかけて体がデザインされていない部分、つまりつま先の先っぽに立つためには骨がある程度出来ていなければいけない、 というまー地球に重力があるならば絶対に避けて通れない問題によって。 それだけでなく、レッスン回数なども影響してきますよね。   普通のルルベが出来ている人しかポワントシューズは履いて踊る事が出来ません。 だってルルベを通過して、次のレベルに行く動きなんだものね。 ルルベよりも重心の位置は高くなるし、フットの部分の可動域は広くなる。 大きく動くという事は、それだけの強さも、体のコントロールも必要。  …

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平らになってしまった背骨のカーブは取り戻せるのか?

  セミナーのフィードバックシートに書いてあった事。 背骨のカーブの大切さはわかりましたが、平らになってしまった背骨カーブは元にもどるのでしょうか? 答えは…その人によります。 では今日のブログはここまで!とは出来ませんから、まずは背骨のカーブについてお話していきましょう。   背骨はまっすぐであり、まっすぐでない なんだそれ?って感じだよね。 背骨は後ろから見たらまっすぐになりたいけど、横から見たらまっすぐではありません。 だって背骨にはカーブがあるからです。   背骨にはセクションごとにファンシーな名前があって 首の部分、頭蓋骨の下から7つの背骨を頚椎 肋骨がついている胸の部分12個を胸椎 そして腰の部分の5つの骨を腰椎 と言います。   ファンシーな名前だけでなく、このセクションごとに形もサイズも少しずつ違うし、動き方やカーブの方向も違います。 この部分はインスタライブで行っていた4パートに分かれてお届けしたバレエ解剖学入門編でお話しました。 何がなんだかパルプンテな人は、ここにリンクをつけておきますので、私がオレオを叩いているシーンと共にお楽しみください。     背骨カーブには個人差がある バレエを長年やっている人、特に背中をピーンとさせるのが正しいと習ってきた人達の中には、 背骨のカーブが全くなく、背中がまったいらになってしまっている人達がいます。 これをストレートネックだとか、ストレートバックだとか言いますが、それは今日は放っておきます。   でも、もともとの背骨カーブというのは個人差があるのね。 鼻の高さや身長、5本のゆびのうち、どれが一番長いか?なども含めて人には骨格の違いがあります。 たとえ妹や弟でも、同じ親から生まれても違います。…

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DLSポッドキャスト epi319 ブランクからバレエ復帰するときに

  2年ブランクがあってレッスンに本気で挑むようになりました、という質問をもらいましたので、その子の年齢に合わせてブランクとは何か?を考えてみたポッドキャストです。 そんなに良くない先生に指導されている場合、ブランクがあった方がいいかもしれないよねーなんて言いつつ、日々の積み重ねの大事さは否定できないからどうしようか、って話もしてみたよ。   聞きたい人はこちらから   スクリプト みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか? DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、ダンサーズライフサポートドットコムのブログ音声バージョンプラス ポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。   一応毎月最後のポッドキャストではリスナーさんからの質問に答えています。 最近はポッドキャストリスナーです、という人から質問をもらわないのでちょっと悲しいですが、私個人がポッドキャストを聞いている時って移動中だったり、何かをしながらなので、質問があってもわすれちゃうよなーなんて思います。 2日後の9月27日はオンライン学校の解剖学授業3つのうち1つでも受講してくれた人をご招待したQ&Aセッションがあります。 そっちで生、リアルタイムで質問したい人はDLSストアから申し込んでくださいね。 生の質問のいいところは、自裁に動きが見えるっていうのもあり、私が勝手に想像しながら答えなくてすむので、より確実なアドバイスになるところ。   とはいえ、今日の質問はブログ記事にきた中学生の読者さんからの質問を想像を膨らましながら答えていきましょう。 まずは、質問を読みますね。   小学校5年生から中1の夏くらいまであまり本気で練習していませんでした。なので、2年近くブランクがあるようなかんじです。 今は本気で頑張っていますが、まず体もすごく硬いし、正直基礎もあまりできていないと思います。先生に言われたこともすぐに直すことができません。 私はもっと背筋と背中の柔軟性を高め、引き上げができるようになりたいです。何か鍛える方法はありますか?   色々なエッセンスがギュッと詰まっている質問だったの早速ひも解いていきましょうか。   まず2年くらいブランクがあるという事について。 正直、これはブランクではないと私は思っています。 なぜかというと、小学校4年生前でプロになりたい!と思って練習している人はほとんどいないから。 またそうすべきでないから。…

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顎を食いしばってしまうダンサーへ

何を隠そう、私も歯を食いしばる癖があります。 別に何か重いものを持ち上げているわけではないんだけど(持ち上げるもので一番重いのはうちの大きな方の犬、カヤック。18キロ…) 癖なんだろうね。 こうやってブログを書いていたり、インスタストーリーを作っていても、気づくと顎を食いしばっている。   顎を含め、首回りに力が入ってしまう理由はこの記事で説明しているのでそちらを読んでください。 今日は「どうして?」の部分ではなく「じゃ、何をしたらいいの?」の方に行きたいと思います。   *なんで歯を食いしばる、ではなく顎をと書いているかというと、 質問をくれた人がそのような言い回しだったからです。深い意味はございません。 顎を食いしばる筋肉、咬筋 噛む筋肉と書いて咬筋(こうきん)。 こいつが歯を食いしばる原因となっております(下のイラストの赤い部分) エラが張る、なんていうのもこの筋肉が成長してしまうから。 By Kevjonesin - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=26222892   ここにボトックスを打って、緊張を和らげる事で顎が開きやすくする、という人もいます。 特にボーカル系で問題がある人や、オペラ歌手など顔の筋肉の柔らかさがパフォーマンスのクオリティに影響する人達。   ボトックス、というのはねぇ、しわ取り剤じゃないんですよ。 ボツリヌス菌の毒素なの。 筋肉を収縮させないように、つまり麻痺みたいな感じにさせる効果があって、…

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