ダンサーが体の声を聞かないといけない理由

  昨年からオンラインで継続しているボディコンサークルでも ブログ記事でも私はよく「体の声を聞く」という話をします。   でも「体の声を聞く」っていったい何を指しているのでしょうか? フィーリングワード?(何かの比喩?イメージだけ?) 本当に聞こえるの? 何の事を言っているの?(3年石の上に座って瞑想必要?) 才能が必要??   ダンサーに必要(だと愛さんが再三言っている)な体の声を聞くという意味を今日は考えていきたいと思います。   体の声とは? 「体は声を発するか?」と聞かれたら答えはYESです。 皆さんが喋る時に使う筋肉はのどの中にありますよね? 発音を左右する口の形や舌の場所なども筋肉だから、喋ることも筋肉を使う運動の一つになります。   だから歌手は歌を歌うためにトレーニングしますし、ウォームアップしますよね。 長くDLSをフォローしてくださっている人ならご存じのように、私はメルボルンにあるパフォーマー専用クリニックで働いていた為、 そこでオペラやミュージカルシアターの人達と仕事をする事もありました。   Vocal unloading というテクニックは、歌を使う時に使う筋肉の治療の一種。 Vocal hygineというのは声をいいコンディションで整えるために行う日々のケア。 大きな公演が続いた後は、voice rest、声を休めるという日を作るように説明されます。 でも「体の声を聞いて」というのはここじゃないんだよね。  …

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DLSポッドキャスト epi389 ダンサーは「ありのままの自分」でいいのか?

ありのままの自分を好きになろう!というメッセージは、ありのままの自分「のままでいい」とはちょっと違うと思っています。 「嫌いな自分を変える」という気持ちが原動力なのではなく、もっとポジティブというかニュートラルなところから、 ダンサーが現在進行形で自分を成長させるためにはどうしたらいいか?を考えてみたポッドキャストです。   読みたい人はこちらから   聞きたい人はこちらから   !!ポッドキャストの購読方法!!     DLSのYoutubeチャンネルには過去のポッドキャストだけでなく、ビデオブログやインタビューなども発信しています。 チャンネル登録をお忘れなく!  

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2021 オニカツまとめ!

  オニカツを知らない人のために。 オニカツとは、鬼の佐藤愛と朝活しよう!という事で、毎月15日…あたりに行われているインスタライブの事です。 をオープニングに2021年にスタートした新企画「オニカツ」のゴールは 毎月テーマに沿ってバレエ解剖学とエクササイズ、レッスン上達法をお話する事で 教師のためのバレエ解剖学講座参加者たちなら、復習に。 ボディコンサークル参加者なら、予習に。 そして DLSセミナーに参加したことがない・参加出来ない人達には情報を伝えるために。 2月から11月の間、行っていました。   来年からはフォーマットを変えて、質問箱に届いた中からトピックを選ぶ形になるため、 2021年版が一気にチェックできるよう、まとめブログを作りました。   このページには、それぞれのテーマのオニカツビデオ+関連動画(バイトサイズ)やポッドキャストのリンクも付けてありますので、 興味があるところだけ、自分の一番頭に入りやすい形(文章・音声・動画)で勉強してくださいね。 *まだバイトサイズがアップされていない回もあります。今後のアップをお楽しみに♡ 目次 スクエア(体幹・上半身の強さ) 背中の柔軟性 背中とポーデブラの繋がり レッスン中の骨盤の安定 ストレッチとリリースの違い 内転筋 勉強・レッスン上達方法 ハムストリングス エクササイズとレッスンのバランス 2021年の総集編  スクエア(体幹・上半身の強さ)  …

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ダンサーサポートと代行サービス

11月からDLS公認インストラクターコース第二期生(通称小鬼)が必死で勉強しています。 今日はそのグループでもお話した、指導&サポート、と代行サービスの違いについて書いていきたいと思います。   バレエの先生達に向けて書いていますが、保護者の皆さんも同じことが言えると思うし、指導&サポートを受ける側になるダンサーも知っておいてほしい事です。 自分のシチュエーションに当てはめて聞いてくださいね。   指導とサポートとは? 指導者という言葉はDLSでもたくさん使うのですが、意味を再確認してみましょうか。 (昔、暇なときに辞書を読むのが好きだった少女愛は、今でも定義が大好きです)   いつも通りデジタル大辞泉で見てみると、 ある目的・方向に向かって教え導くこと。 と書いてあります。 柔道の”指導”はバレエと関係ないのでここでは飛ばしていきましょう笑   DLSの名前にも入っている、サポートとは何でしょうか? 支えること。支持・支援すること。 だそうです。   ということで、 バレエの指導者は、バレエ上達、留学、などその子のゴール、スタジオのゴールに向かって、教え導く人。   バレエ教師を含むけれど、それ以外にもインストラクターや保護者は ダンサーと彼らの夢を支援する人。 となります。   そりゃそーだ、って? 代行サービスとは何? では代行サービスとはなんでしょうか?  …

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ギプスでレッスン参加するときに気をつける事

  先月ボディコンサークルに参加している子が捻挫でギプス、ちょっと前に同じくサークルメンバーの教師の方が骨折でギプス。 その人達とメールでやり取りしている中で、ギプスしてレッスンする事について書いてないよねと気づきました。   という事で今日の記事は、DLSキッズから成長してきたKちゃんと、最近出会った(とは言ってもまだオフラインでお会いしたことはないけれど)宇宙人Sへお届けします。   *今日お話するギプスは足首周りにつけていると思ってください。 手、腕の場合はレッスンではあまり影響がでない 腰や大腿骨など大きな骨(骨の塊)の場合は、レッスン参加すべきでない という事で飛ばしていきます。   →テーピング、サポーターについての記事 ギプスの役割と種類 ギプスの役割はケガした部分を固定する事です。 当たり前っていえば当たり前なんだけど…   固定する事で組織修復をもくろんでいるため、「動かさない」がカギになると思ってくださいね。 よってこの記事でレッスン参加についてお話していくけれど、 ケガした部分を安全に動かす方法 をお話しているのではなく ケガしていない部分の筋力を落とさないためにはどうするか? ケガしていても指導しないといけない場合、一番いい方法は? を考えていきます。   ギプスにも種類がありますが、ダンサーにとってどのギプスが効果的か?を話している訳ではないので飛ばしていきましょう。   但し、 ギプス=完全に動かさないよう固定するもの サポーター=少し動きがあるがケガしている組織を補助する為に使うもの となるため、くれぐれも…

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結果が出なくて落ち込んでいるダンサーへ

*この記事は2015年に書かれたものを、より深く、読みやすくなるよう2021年にリライトしました。   最近、私の受け持っているダンサーたち3人が対面しなきゃいけないことがあって、それを考えてたらこの記事であげている考えにたどり着きました。   一人目:1年以上のけがが治らない。 スペシャリスト、手術医、スポーツドクター、フィジオ、カウンセリング…全部やっているのに中々結果が出てこない。   二人目:三角骨除去の手術失敗。 神経にダメージができ、それに関わる筋肉が委縮。 最初に約束されていた「バレエに戻れる日」が大幅にプッシュバックされる。   三人目:骨折が7か月たっても治らず。 骨が物理的にくっつくまでは大きな負荷をかけられないため、7か月、友達の踊っている姿を見続けている。   みんなバレエ学校の生徒なので、若い子たち。 いちばん若くて14歳で、こんなシチュエーション、環境、そして悩みと毎日向き合っているのです。 成功、ってなんだろう? 毎日頑張っているのに結果が出ない。 まっすぐな道のはずなのにどうして先が見えないんだろう?   ただでさえ、17,18歳で将来を決めなければいけない、という重圧があるのに、その上に長期の怪我。 リハビリに失敗した、手術に失敗した、などと言葉では表現するので、その反対である「成功」を見てみましょう。   ここでお話している「成功」というのは人生ゲームの成功!とかサクセスフルなビジネスマンとかそういう意味ではなくて、 上手くいっている、目標に向かって進んでいる、とかそういう感じのsuccessだと思ってください。   リハビリの過程を考えても、体の修復を考えても、ビジネスやそのほかモロモロのトピックでsuccessを見てみると、みんなが口をそろえて言う事。 それは成功は一直線ではないという事です。   左がみんなが考える「理想の成功」で、右が本当に起こっていること、もしくは本人が感じる事。…

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貼るホッカイロつけて踊ってます?

この前「湿布とダンサー」という記事を大幅アップデートしたので、今日は貼る使い捨てカイロをつけて踊っているというダンサー目撃情報について書いていきます。 長い文章は読みたくないから結論だけ教えてくれ!! という方のために、最初に言っておきますね。   ホッカイロ貼って踊るんじゃないよ。 以上。   ではここから先は細かく見ていきましょう。   体を温める事は大切 レッスン前に体を温める事、リハ中に冷やさないという事は安全に踊るためにも非常に大事です。 でもそれは、1か所を温める事ではなく、体全体を温める事をさします。   そのためには、ウォームアップ、つまり体を動かすことで血流を使い、隅々まで温めるという作業が大切なんですよね。 →ウォームアップについてはこちら   ウォームアップはただ体を温めるだけではなく、 その日の体の調子を聞いて、レッスン内容を考える 左右差、日常生活でついた癖をリセットしてレッスンに挑む 関節を動かし、関節包の中で滑液を出したり、筋膜や腱などのコラーゲンを柔らかくしておくなど物理的に体の組織を柔軟にする なんて効果があります。   今書いたものは、貼る使い捨てカイロではできません。   レッスンの後に保温をするのであれば、サウナパンツなど保温用素材(熱を作るものではなく、熱を貯めるもの)がいいはずです。 ただし、サウナパンツで踊るんじゃないよ? サウナパンツについてはこの記事で説明しているので、まだ読んでいない方はどうぞ。     汗は体を冷やすもの…

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ダンサーは「ありのままの自分」でいいのか?

2021年3月から始まったボディコンサークル(毎週日曜日の朝に行われているボディコンディショニングクラスのこと)も両グループ合わせて50回を超えました。   パンデミックになってからバレエ学校生徒(+卒業生)達にオンラインでエクササイズクラスは提供していたんだけど、それは私の元生徒達。 性格も、レベルも分かっている子達を相手にしていたので、ボディコンサークルを始める時は大丈夫か心配はしていました。   でも継続してみたら バレエ歴(バレエ歴5年から何十年もやってきた人たち) 年齢(13歳から大人まで) スタジオ(同じスタジオからの参加者はゼロ笑) 地域だけでなく国境も超えて 皆がオンラインでエクササイズをしても効果があるんだということを再確認!   特にボディコンでは 毎クラス後に参加者からのフィードバックをもらっている フィードバックであった悩みや問題に個別に対応している 毎月最後のクラスの後にQ&Aがあり、本音を聞ける という環境を作ったので、一方的に受けるだけになりがちなオンラインクラスの壁を超えられたかな?と思っています。   でも、面白い発見もありました。 私が画面で見ている様子と、本人の思っている事がずれている事があるということ。   テクニックやエクササイズが正しく出来ているか?という部分ではないですよ。 それ「を」学ぶためにボディコンサークルがあるので。   そうではなく、メンタル的な部分っていうのかな? 今日はその部分を紐解いていきたいと思います。   ダンサーに見られがちな考え方の癖「自己憐憫」についてはこちら ありのままの自分、でいいのか? 映画Frozenが流行った事もあるのかもしれませんが、「ありのままの自分を好きになろう」というメッセージが主流になって久しいですよね。…

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