前回、ポワントで立つって事はポワントで踊るってことではないですよってお話ししました。
そしてその理由を説明するために、まずはポワントで立つということを分析してみました。
今日はその続きで、立つだけじゃ踊れないってところを見ていきます。
まずはポワントで踊ったことのない人のためにビデオを見ながら動きを見てみましょう。
ちょっと長いけれど、ポワントだけのレッスンを見たことがない人向けに、2015年のワガノワバレエ4年生の試験を見てみます。
どうでした?
- ポワントで立つためには、普通に立たないといけないんです。
- ポワントで立ったらね、降りてこないといけないんです。
- ポワントで踊ってもね、ずっとつま先立ちしてるわけじゃないんです。
ポワントで立つためには、普通に立たないといけない。
フォンジュからのルルベだろうが、ピケだろうが色々な方法でポワントに立つことが出来るけれどその前提は普通に立つことです。
ポワントという固い靴の中で、裏についているソールの面積で、立つことが必要です。
つまり裸足とか、バレエシューズで立つとは違う、「ポワントでフラットで立つ」っていうことが必要なんです。
これが出来なければ、ポワントに立てるわけがありません。
でしょ?
ジャンプの前にプリエができていないと飛べないでしょ?
ピルエットの前にプレパレーションがしっかりとできていないと回れないでしょ?
それと同じね。
ポワントで立ったらね、降りてこないといけないんです。
当たり前なんだけど、ポワントはいて踊っている皆様、胸に手を置いて考えてください。
電車に乗っていようが、パソコンの前だろうが、胸に手を置いていますか?
そして自分に聞いてみましょう。
「ポワントから降りてくる練習をどれだけしたことがありますか?」
あら、心臓が早くなっちゃった先生、
しまった、レッスンでやったことがない…なんて!?
どんな踊りでも、たとえバリエーションの音が終わる部分がオンポワントでも。
降りてこないといけないんです。
でしょ?
そこがしっかりと出来なかったら、全速力で走っている車をブレーキ無しで止めようとするようなもんですよ?
交通事故ですよ?
ちょろちょろ走ってる、なんてレベルではなく、高速を全速力で走っているイメージです。
前回考えたように、ポワントで立つってすごくエネルギーのいることなんだから。
死にますよ?
もちろん、踊ってて死にませんけど、ケガしますよね。確実に。
ポワントで踊ってもね、ずっとつま先立ちしてるわけじゃないんです。
ってことは、つなぎのステップを含め、歩くとか、走るとか、そういう部分の練習も必要なわけです。
それに加え、ポワントシューズになったからといって、ジャンプしないわけではないし
ポワントになったからこそ、より強く伸ばさないといけないジェスチャーレッグとか
空中でのポワント、つまりつま先を伸ばす動きも練習しなきゃいけないですよね。
これら3つの点がしっかりとできていないと、ポワントで踊れません。
しかもこの3つの点はポワントで踊り始める「前に」できていなければいけないです。
もしくはセンターにくる前に。
だって、ポワントに立つ前、立ったあと、が出来なければ安全に踊れるわけがないでしょう?
そしてずっと両脚を地面につけているわけではないからつま先が地面から離れる練習もしなきゃ。
なのでね、ポワントにあこがれている皆様、ポワント上達を考えているダンサーたち。
ポワントはただ立てばいいだけじゃないんですって、ちゃんと理解しておいてね。
アクセル踏めば車の免許がとれるわけじゃないんですから。
年齢が幼いまま、焦ってポワントを履くことの危険性は既にお話ししましたよね。
ポワントにあこがれている皆様、素敵に踊ることを考えながら、パート1と2でお話した部分を練習してくださいね。
Happy Dancing!