仲間がいるからできる事 冬期来日赤裸々日記

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1月末までのセミナ―の他に、家族で沖縄に行っていたとかがあったので、

いつもの来日期間よりもかなーリ長く、先週末ようやくメルボルンに帰ってきました。

 

ということで!いつも通り赤裸々日記形式で2019年最初の来日セミナ―の様子をお送りします。

 

参加は始まり

カレンダーの都合上、今年の冬期セミナ―は1月2日から始まりました。

いつもは1月3日からなので、1日だけ早かったの。

でもその一日って大きいでしょ。

だって、地方の人は特に1月1日の午後から東京入りして、2日からの勉強・バレエに備えなければいけなかったので。

 

そのせいか分かりませんが、今回の冬期バレエ講習会、そして教師講座に集まった人達は、

心構えが今までのグループよりも高かった気がします。

 

心構えが高いというのは、別に上手である、とか頭がいい、とかそういう事じゃないです。

 

冬期バレエ講習会の最終日にはすべての先生と一対一の時間を作りました。

エクササイズ、クラシック、ポワント、コンテ。

それぞれのクラスを指導してくれた講師の人達から直接

「そのクラス」の様子をコメントしてもらえるなんて、とっても豪華でしょ?

 

それだけでなく、ディレクターとして私と、ゲストとして最終日「だけ」みた人からの視点もコメントをもらえる形にしました。

 

講習会に「参加する」だけで上達はないと思うのね。

参加した「あと」学んだことをどうやって今後に生かしていくか?

ここが上達のカギだと思うのですよ。

 

教師講座も同じで、3日間の講座で解剖学が分かるわけでも、

ましてやバレエレッスンに使えるようになるとは思っていません。

でもね、そこで学んだ事を「セミナ―後」に生かすから、身につく

 

だから教師講座はセミナ―後1年のFBサポートがついて、継続してもらえるようにデザインしてありますし、マスタ―クラスをやっている理由もココ。

 

参加しました=スタート地点に立ちました

だと思うのね。

そこから先、勉強した内容をどう使うか?は本人次第なのは大人も子供も一緒。

 

答えに固着しない事

冬期バレエの後にあった反省会で、私はこんな質問をしました。

  • この5日間で自分なりによくできたところは?
  • 逆に、改善点・もっと練習が必要だと思った部分は?

 

この質問にしっかりと答えられる子達は、5日間学んだんだなーと思います。

出来たところ、できなかったところ。

冷静に見る目、というのはバレエダンサーにとってとっても大事。

 

逆に答えられなかった子もいましたよ。

面白い事に、答えられなかった子達は5日間を通して成長があまり見られなかった子達でした。

私だけの意見でなく、スタッフ総勢で統一しちゃった笑

 

もちろん、シャイで話すのが苦手、という子もいるじゃない?

時間をとって私と面接がある「前に」考えをまとめて書きだしてもらったりもしたし、

言葉が出ない、うまくセンテンスに出来ないというのはボディランゲージで分かります。

 

素敵な言葉を発していたとしても、その内容が薄っぺらいものだったり、

その後、具体的には?と質問したら答えに詰まる、というのもありました。

 

先生が聞きたいであろう「正解」の答えを言う事に慣れてしまっている子。

これは一番危険です。

 

人の顔色を伺う、という言い方ではないかもしれないけれど、

自分の考えではなく、「ほかの人から見た正解」を探してしまう癖は成長を止めます。

 

  • 教師講座もそう。
  • O脚はこれをやる。
  • タックの子にはこれをする。

では生徒を見る事は出来ないでしょ。

 

だって、O脚にもいろいろな種類があるし、その子の年齢やバレエ歴、ケガの有無などによってやらなければいけない事が変わってくる。

もちろん、将来プロを目指すのか、楽しみとして踊り続けるのかでも答えが変わる。

目の前にあるダンサーの体を毎回フレッシュな目で見られなければ、

つまり、先入観をもって指導してしまったら、それは意味のないレッスンになってしまう。

 

難しいけどね、DLSのセミナ―にリピーターさんが来てくれるので、

私もここに気を付けないとなーと思いながら指導しています。

去年と比べて、という比較材料にはなるけど、

こういう子である、という先入観は危険だよね。

 

今回感じたのは、

他の人からみた正解を言うダンサーは、一見いい生徒に見えるという事。

だけど他の子達と比べて上達は遅れるという事

そして、たぶん考えない大人に育っていくんだろうな、という事。

だって考える力は練習だからね。

→考える力

→上手な子と上手になる子の研究

 

そして考えない大人がバレエ教師になった時。

Happy dancingとは程遠いレッスン内容を指導することになるんだろうな。

 

雑誌でみたストレッチとか、

むかーしからのレッスンとか。

そういうのが無くならない理由は、「これが正しいのである」という考えがあるからでしょ?

(そして、疑問を持つこともなく、エクストラで勉強することもない人達がいるからでしょ?)

 

今回バレエダンサーを目指す子達を見て、そのすぐ後にバレエ教師のクラスを指導していたら、

その繋がりがよーく見えました。

子供は大人の背中を見て育つんだなーって。

 

相手の立場に立つ

毎回冬期バレエ講習会では言うんだけど、そして記事にもしているけど。

コールドができなきゃ、プリンシパルは無理。

皆が同じ振り付けで、同じカウントで踊っていたら、絶対に揃う。

 

今回もこの部分は大きな課題でした。

体の方向、腕の通る場所、そして指導者がそこまで口にしているか?という現実。

 

それ以外にも、自分の順番が終わった後に、そこに立っていたら邪魔でしょ?とか

バーの足に投げてあるタオル、タンジュの時に邪魔になるでしょ?とか

そういう部分もあった。

 

前の人に揃えるという事は、前の人がタイミングを取りやすいようにする努力をする。

センターで2列ならば、後ろの人が踊るスペースがあるのかを感じてあげる。

つまりは、相手の立場に立って考えるという事だよね。

 

大人もそう。

ペアになってやってみましょう、という事がDLSのセミナ―には多いのだけど、

その時に、相手に聞こえるように喋っていますか?

率先して声をかけたり、話しやすいように挨拶したりしていますか?

コミュニケーションが日本語でとれなかったら、英語では不可能というのは留学を目指す子達には覚えておいてほしい。

→会話力と英語力

 

そして指導者ならば、常に相手の立場(=生徒の立場)になって考えられなかったらそれは自己満足であることをお忘れなく。

 

別に相手の立場に立つって、そんな偉そうなことじゃなくって

あれ?今の通じていないみたいだな、もう一回言ってあげよう。とか

彼女は後ろを向いているから、聞こえづらいはず。もう少し近くで喋ってあげよう。とか。

この人一人だから、声をかけようとか。

それだけ。

 

でもこれってスタジオ内の雰囲気をよくするために大事でしょ?

特に先生が気づいてあげなければいけない部分じゃない?

それができると、ケガや進路について相談してくれる子供たちになると思うんだよね。

 

このempathyって舞台に立つ人にはとても大事よ。

表現力だって、その役の気持ちになるというのが必要なんだから。

バレエ「団」=人の集まりですからね。

 

上達が遅い人の共通点も発見!

今回の来日で

自分で考えられない+他人の立場になって上げられれない=上達が遅い人

という方程式をいつもより強く感じました。

 

そしてそれらを学んでいない大人から指導された場合、生徒たちは出来ない

というのも感じました。

 

確かにさ、ワークショップで2人組になるとき、大人の人達は学生とペアを組みたくないっていうのもよくわかるよ。

恥ずかしいとか、できないとかもあるかもしれないし、

勉強していないでしょ、って決めつけているところもあるかもしれない。

 

でも、先生だったら、とってもいいチャンスじゃない!

自分が指導している子と同年齢の子達と一緒に練習できたら、

スタジオで使える点がたくさん見えるはずだもの。

この言葉は通じる、これは分かりづらかったみたい。

話した時に彼らが使うボキャブラリーを聞いて、あーこうやって思っているのね、と分かるとか。

 

ダンサーも同じ。

自分「から」やっていかないと上達しません。

冬期バレエ講習会では、毎日英語で注意事項をひとりずつ名指しで紙に書き、張り出しておきました。

 

難しい単語も入っていたし、手書きの英語は読みづらいです。

あえて。

誰が質問にくるかな?と思っていたのさ。

友達同士で話すきっかけにもなりやすいかな、とも思って。

 

質問に来た子は5日、20人以上中2人。

 

他の子達は読めたのだろうか?

読めたとしても、これで解釈あっていますか?という質問はないのだろうか?

もしかしたら、更衣室の中で話し合ってたのかもしれません。

写真とってり、メモしていた子達もいたから。

 

ただ、全員が全員読んでいるとはいえない事は、最終日の反省会での会話で分かっています。

 

あとね、毎回繰り返しになってしまうけど、親「が」申しこんだ子達って成長が遅い。

予習してきていないケースも多いし、なにかを「してもらう」という事ばかりに慣れているからかも。

 

周りの人の影響を侮るなかれ!

一緒に勉強する仲間の影響ってすごく大きいですね。

一緒に踊るグループで腕やカウントを「一緒に」確認していた子達と、

一人で自習をしていた子達。

最終日で違いがありました。

 

反省会でも「自分ではやっているつもりだったのに、足りなかった」という言葉を何度も聞きました。

講習会をしていると参加者の練習量の違いが見えます。

頑張ってるつもり、というのはね「普段の環境」にいると気づかないんだよ。

 

エクササイズ系のワークショップもそう!

  • 終わってボーっと座っている人、
  • 他の人と話して確認し合う人、
  • 他の子が注意されているのをメモっている人、

などなど。

 

実際に、講習会の後お母さんの中では

こんなにバレエに没頭した姿を見るのは初めてでした。

と感想をもらいました。

 

でもさ、DLSの「プロ育成」セミナ―に申し込んでくる前だって彼女はバレエ大好きだったんだと思うよ。

没頭のレベルが違うっていうのに家族ぐるみで気づいてくれたら嬉しいです。

だって、留学ってこういうものだから。

 

毎日踊り、毎日課題が出る事が楽しいと思えるか、疲れるからサボりたいと思うか。

そこがバレエ留学の成功を握るカギになるんです。

今回の反省会で、こんなにバレエだけに没頭出来て幸せだった、と泣き出した子達が数人いました。

 

10代で、幸せで涙がでるってすごくないか!?

でもその感謝の気持ちや、踊れる幸せっていうのを舞台から、観客に伝えるのがダンサーの仕事なんだよね。

 

  • 周りが頑張っていると、自分も頑張れます。
  • 周りが愚痴っていると、自分も愚痴ばっかりになります。
  • 先生が愚痴っているところの生徒さんは、愚痴っています笑

親がスタジオや先生の文句ばかりいうところも、子供と話すと同じトーンで会話をする。

人の影響って大きいんだって。

 

だからね、上手になりたかったら、上手な人達と一緒にいなさいね。

 

解剖学を勉強するのだって同じ。

私たちの頃はねぇーという先生、うちは田舎だからねぇ、と話す人はリピーターとして戻ってきませんし、ペアワークになると出来てない。

地方かどうか関係なく、お金もかからないFBグループでの復習も…やらない。

つまり自分の責任でどうにかなる部分が出来ていない

 

私の代で変える!とか、うちはやります!!というところの先生たちは、

その強い決心が態度や質問、目の輝きなどでで見えます。

 

例えば、クラスの後に書いてもらうフィードバックシート笑

自分で言葉を紡げる力って指導者にはすごく重要だよね。

それで食べているんだから。

 

それが子供のお遊戯会のフィードバックみたいな人(いるんだって!!)は、

考える力が足りないんだろうなぁと思いますよ。

 

あ、別にセミナ―内容を褒めているか、どうかじゃないっす。

じゃなくて、自分で今過ごした2時間だろうが、4時間だろうがを振り返り、

言語化できる力、それって考える力でしょ?

 

2019年、考える力と相手の立場に立つ気持ち、ぜひ育ててみてください。

難しくないです。

なんでだろーとか、どーしてだろー?と頭をひねっていればいいだけですから。

ぼーっと生きてるんじゃねーよ!とNHKに怒られないためにも必要です笑

 

Happy Dancing!

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