レッスンで使う音楽。
素敵な音楽を使うと心が弾むし、
聞いた事がないCDはレッスンが新鮮になりますよね。
だけど、こういうメンタル的な事以外に音楽選びはもっと難しい。
これについて1月のバレエ講習会を行ったときにたくさん質問されました。
バレエ講習会をしたときにどうやって、選曲しているのですか?と。
そして今年の名古屋でも。
なので記事にしちゃいましょう!
レッスン中に使う音楽は、とっても大事です。
以上!
それじゃー意味がないので。
何で大事なのか?
へんな注意は無視できるし、
難しい振付はアレンジできるけれど、
レッスン場で流れている音楽は無視することが出来ないのです。
絶対的なパワーがあるわけですよ。
このパワー、上手く使ってあげると踊りを助けることになります。
だけど失敗するとダンサーのテクニックに響きます。
ほんとよ、これ。
テクニックが少し劣っていても、音楽性があるというのはプラスです。
そして踊っているときの音楽性、って育てられるのです。
踊っているときの音楽性って、
動いているときに音にあわせて踊る
って事でしょう?
ということは運動能力なんですよね。
だから小さい時から育ててあげたいエリアなんです。
たとえ彼女たちがバレエダンサーにならなかったとしても、
絶対にマイナスにならないでしょう?
そっかー大切なのか。
だけどどうやって選ぶの?
ということで、色々な落とし穴を見たあとに、
選曲のヒントを見ていきましょう。
落とし穴その1 知っている音楽
ウォーキングに行くときに音楽を聴いていると、それに気をとられて
あっという間に時間が過ぎていた、
ってことありません?
または、運転しているときにCD聞いていると飽きない、とか。
これがね、いけないところなの。
何故かっていうと、エクササイズ(レッスン)に注意を払っていないって事になるから。
それじゃあ何のためにレッスンしているのか分からないですよね。
よって教師として音楽を選ぶとき、
生徒が集中し易いものを選んであげるという配慮が必要です。
このエリアだけは生徒は逃げられないから!
音楽選びには気をつけてあげましょう。
例えば
ジブリとか、ディズニーをアレンジしたもの。
これね、辞めたほうが無難。
大人でも、タイタニックのテーマ曲が流れたら、
最初に頭に浮かぶことはタイタニックなんですよ!
4羽の白鳥のイントロを聞いただけで体が動くとかそういう感じで、
音楽と感情は強く結びついているから
生徒が集中できるわけないじゃない!
特に子供だったら。
特にレッスン全てが映画の曲だったら、考えている事は雪アナかもよ。
振付けとか、注意とか、let it go!されちゃ困るんです。
落とし穴その2 アレンジしすぎている音源
テンポのとり難いものは上級者には素敵です。
が、
音どおりに踊れない子達がクラスにいる場合は避けましょう。
音のとり方をしっかり指導していない先生が多いことに驚きます。
これは振付の一部。
だから、この子は音楽性がない、という前に
しっかりと音のとり方を教えているのか注意して見ましょう。
そうするとテクニックと音の取り方が自然と身に付いてきます。
例えばデベロッペであげるあしをいつのカウントであげるのか?
が体に入っていれば、グズグズ軸足を探している暇がなくなるから
否応なくからだが強くなります
(アダージオについての記事はこちら)
また、ジュッテで強く足を出し、強く5番に戻してくる。
という練習が出来ている子は、
アレグロで強い足を使えるようになるのです。
落とし穴その3 音楽をダンサーに合わせてテンポ調整
殆どのスタジオで音楽のスピードを変えられる機材があります。
これ自体に問題はなくって。
難しい振付を始めたときに、最初はゆっくりから始めたいかもしれないし、
同じ振付でもテンポを変える事で難易度を変えたり。
ただ、普通のレッスンをしている時に、
それはどうだろう?
音にあわせて踊ることもテクニックのひとつだし、
早く動く筋肉を鍛えるには、早く動く練習をしなければいけない。
ゆっくりな音楽だったらそれに耐えられるだけのキープ力、
そしてバランスを崩しても、その音楽を使い切るだけの応用力が必要。
生オーケストラはいつも同じテンポではありません!
バレエ学校での最終試験で、パキータのソロを踊ったのですが、
ピアニストがイタリアンフェッテのところで急にゆっくりになってしまって!
でもその音どおりに踊れないと意味がないんですよね。
学校公演のオケも時々酷いテンポだったり、
オーボエのソロで失敗したり笑
生舞台ですから、何があるか分からない。
それに対応できるように準備したいですよね。
落とし穴その4 レッスン中に音楽への注意がない!
注意されなくて出来るなら、皆プロになっています。
プロになってもダメだしされるんだから。
としたらね。
音楽に対しての注意がないっておかしくないですか?
確かに。
テクニックは大事だけど、テクニックが出来ても音にあってなかったらバレエじゃない。
32回転回れても、音にあってなくって、
回転全てが均等に動いてなかったら
見ていて歯がゆくなりません?
それと一緒。
バレエのテクニックを練習する、というのは
振付家の意図に沿って(レッスンの場合教師)、音楽に合わせて、舞台に使える
テクニックを練習する。
って事だから。
- 8カウント目でピルエットから5番ポジションに下りるのか。
- 8カウント目でピルエットのルティレをキープするのか。
- 7カウント目で4番ポジションに下りて、8カウント目で後ろ足をタンジュデリエールに伸ばすのか。
正解・不正解を探しているのではなくって、
上に挙げた全ての音のとり方で、違う練習をしている、っていう事は頭に入れておきたいですよね。
分からない人のために。
- 回転コントロール、軸足、ジェスチャーレッグのコーディネーション
- 回転コントロール、軸足、ジェスチャーレッグのキープ力
- 回転コントロール(速い回転)、次の動きに繋げる重心移動
生徒に足りないエリアを考えたら、レッスンプランが作りやすくなるでしょう!
ヒントその1 CDどおりに音楽を使わなくてもいい!
たくさん音楽を変えてあげたいけれど、バレエのCDって高い!
そうなんですよね。
だけど、ゆっくりタンジュの音楽をプリエに使うことも出来れば、
アダージオにも使えるし、
カフライズのようなレッスン中強化エクササイズのときのBGMにもなる。
そしてポワントレッスンの最初のほうに行うウォームアップルルベにもよく使えますよ!
フォンジュのエクササイズをプチバットマンの音楽で行うと
もちろん動きが早くなります。
早い動きでフォンジュ=片足ルルベが出来なければ
ジャンプやセンターで使えません。
このようなこともバーレッスンで練習しておきたいですよね。
センターのグランアレグロは他の音楽に比べて長くなっています。
これを使ってグランバットマンを行ったら、体力をつけるだけでなく
ダイナミックな動きの練習も出来ると思いませんか?
グランアレグロって大体ドラマチックな音楽ですから。
out of boxな考え方をしていきましょう。
ヒントその2 最近のツール、iTuneやアマゾンをチェック!
最近はCDひとつ買わなくても1曲ずつ聴いて、選んで、購入することが出来るんですよ。
知っていましたか?
そうすれば、今のCDコレクションに足りないエリアだけ買出し、
とか、
発表会に向けての特別練習用、
とか購入できるわけです。
上に挙げたアレンジの難しすぎる曲。
これも1つくらい購入しておいて、
普通の音楽とアレンジ曲で同じ振付をおどってみたらどうでしょう?
音楽によってどれだけ踊りが変わるのか?
を体験するいい練習になると思いますよ。
Happy Dancing!