発端はこちら。
まずはDLSのオフィシャルインスタの一枚を見てください。
私はこの言葉が好き。
FBでいっぱいもらったコメントでもたくさんの人が共感してくれていました。
が、その一方で「そんなことをしたら燃え尽きちゃうよ」とか「頑張りすぎはよくない」などの意見もあります。
(というのをネットで見ました、というだけで、別にDLSにそういったコメントが来たわけではないよ。)
先日最終学期が始まったバレエ学校で生徒と話していて、これに通じるところがあったので記事にしてみようと思います。
100%でプレーするとは?
2019年春、2018年春、両方のキッズセミナーで「やりきる」とはなにか?をお話しました。
昔記事にした気がするんだけど…私が見つからないということは知らない人も多いと思うのでもう一度。
(ってか、DLSには1000に近い数の記事があるから探すのも大変ですよね。
まとめられるように計画中です…遠い目…)
レッスン中に「やりきる」ことができるもで
- 可動域を使い切る。
- ピルエットなどで回りきる。
というのはすぐに分かりますよね。
逆に「やりきっていない」ダンサーは
アダージョでキープは辛いから「自分があげやすい」ところまでにしておく。
毎回のタンジュでつま先を伸ばし切らない。
ピルエットでちょっとバランスを崩したから、フィニッシュまでやらない。
アンシェヌマンもそう。
バーレッスンの振り付けが終わったら、「はい」とか「反対」と言われるまで動かないはずなのに、
すぐにポジションを崩す。
アレグロも次のグループが始まっていると知っているから、なんとなーく終わらせて、
ダンサーらしくない格好で走っていく。
そのほかにも、その日のレッスンに言われた注意をやり通さない、というのも見られます。
例として
プリエの時に腰を丸めてはいけません。
という注意を最初のスロープリエでもらった、としよう。
言われて、先生が隣に立っているときはやるんだけど、
そのあとのプリエでやっていない。
考えてもいない。
そりゃ、難しいテクニックになったら忘れてしまうよね。
だけと、スロープリエのすぐあと、スロータンジュでさえ忘れていたら?
というか、反対側をやるときに忘れていたら!?
そういったこと、文章にすると当たり前なことだけれど、
実際にレッスンを見学していると(分析していると)、様々なところで見られる「100%でない姿」。
エクササイズもそうです。
メールでOOができるようになるエクササイズを教えてください。
とあった場合、
私の頭の中には、まず最初に「エクササイズでどうこうできるエリアなのか?」というのが浮かびます。
サプリメントとしてのエクササイズ、という記事でも書いたけれど、
最終的にダンサーが上達するためにはレッスンが必要。
ただ、
- レッスンがない日でも上達したい
- ケガしていてその動きができない
- へんな癖がついているのでじっくり修正したい
なんて問題があった時はエクササイズってとても有効です!
だから3冊もエクササイズが載っている本書いているんだから笑
- スタンス本=22個のエクササイズ(+各エクササイズに難易度アップとダウン)
- ターンアウト本=20個のエクササイズ(+各エクササイズに難易度アップとダウン)
- プリエ本(2019年11月1日発売)=19個のエクササイズ(+各エクササイズに難易度アップとダウン)
そして、上達するレッスンというのは基礎をしっかりとやっているレッスンなので
- レッスンの中で難しいテクニックをやっているので、基礎に集中できない
とか
- 発表会やコンクールの練習ばっかりしていて、基本レッスンをしていない
のであったら…スタジオを変えるという選択も頭に入れておいてくださいね。
レッスン内容は個人でどうこう出来るエリアではありませんから。
(先生としっかり相談した上で、というのは言わなくてもわかるよね)
痛みをプッシュして、ケガを無視して、とは言っていない
上の文章でやっていないこと。
それは、痛みをプッシュしてやる、とかケガを無視してやる、ということ。
古い指導を受けてきたダンサーによくあるケースですが、
昭和魂丸出し!って感じのやつね。
- エシャッペ1000回(バレエ学校で見た)
- 夏なのに暖房をつけてレッスン(セミナー参加者に聞いた)
とか、意味がないだけでなく、健康を害するものです。
痛いのに踊り続けるとかもそう。
この記事を書く理由になった会話で、常にどこか痛い、という子がいるという話をしていて。
休める時、例えばホリディとか日本に戻っている時期にも痛い。
のに休んだり、それに対応する治療やトレーニングをしてこない。
痛いです、ってインスタでアップしているのに、普通のレッスンしかしていない。
んで、バレエ学校の生活(毎日踊り続ける)になったら…やっぱり痛い。
そりゃそーだ。
そしてそれは100%で踊るとは言わないのですよ。
なぜか?という説明の前にもうひと種類。
- ケガにつながるストレッチ(無理やり押す、ペアでやるなど)
- ケガしている場所のストレッチ(痛いから、伸ばしておこーっていうやつ。擦り剥き傷を開きますか?)
- 知識のないストレッチ(レッスン前にやる、伸ばしたいところが伸びていないやつなど)
これらも100%で踊るとは言いません。
DLSブログではストレッチについてはたーっくさんお話しているので、
昔の記事のリンクをここにはると、それだけで目次みたいに長くなっちゃうから割愛しますが、
気になる人は検索バーで「ストレッチ」と調べてみてください。
しっかり休む、計画的に休む、も100%プレーする、と同義語
痛いのにプッシュしているのは、どうして100%にならないのか?
それは痛い=100%で踊っていないからです。
でしょ?
痛いところを庇って、100%の力を出していますか?
痛いところを放っておいて、次の日も100%で踊れると思いますか?
ストレッチで筋出力を一時的に低下させてレッスンする=100%ではない。
ケガの可能性があるストレッチをしている=100%で踊れないように、自分から努力しちゃっている。
つまり、100%でプレーするということは、100%でプレーできるようにケアしたり、メインテナンスしたり、努力することを指すのであって、
100%でプレー出来ない可能性を作っている時点で、それは100%のプレーとは呼べなくなるわけさ。
それを日々やっている上で、
舞台のアドレナリンや雰囲気、
照明、衣装、音響さんのサポート
お客さんのパワーや、舞台に一緒に立つダンサーたちの力が合わさって、
練習以上のものを生み出す(100%プラスα)、っていうことをこの言葉は指しているのだと私は思います。
ということは、
- 舞台前に体調を崩さないように、しっかりと栄養を取ろう
- 足首の調子がよくないから、ターンアウトは減らすけど、その分上半身は誰よりも意識しよう
- 今月はゲネプロや場当たりが続き、床が固いところでの練習が続くから、レッスンではアレグロはマーキングに変えて、スタジオの端で筋トレしよう
というものは、一見休んでいるように見えるけど100%プレーするということなんです。
100%プレーのために、「今日できる100%」をやっているということだからね。
まずは、知識。次は練習。
- 早いタンジュやジュッテではつま先を伸ばさず、
- 毎回ジュッテの高さなら、確実にジュッテの高さ、グランバットマンの高さなら、そこまで使い切らず、
- 私、体が硬いんだーって言いながらウォームアップの代わりに床でストレッチする。
これは完全なる「自分の首を絞める」シナリオだってことが分かりました?
こうやって説明されたり、勉強したらあーそうだよね、ってなるよね。
だから100%で踊るためにまず最初に必要なのは知識だと私は思っています。
だからブログやポッドキャスト、SNSや本など様々な形で皆さんシェアしているのね。
そこから先は自分の練習が必要になります。
100%プレーするための練習、ってこと。
- まずは1つのことにフォーカスし、1週間やってみる。
- 次はその1つ+新しいものをやってみる。
- 日々の生活を見直し、スケジュールを立てる。
この3つが出来たら100%プレーすることが可能になりますよ。
例えば
- 今週はタンジュで指を地面から浮かさない、と決める(できていない子の方が多い!)
- 来週はタンジュから確実にポジションに戻ってくる、というのもやる。
- 指を丸めてしまう癖が分かったので、レッスンに10分早く到着し、親指エクササイズシリーズ(スタンス本)をウォームアップに取り入れる。
えー!?これだけ?って思うかもしれないけど、
それに加えて、レッスンでは振り付けや、その時に言われた注意を忘れないようにする、などをやっているわけだからね。
それを忘れて、1つ「だけでいいよ」とは言っていません。
プリエ本にはジャンプができないときのエクササイズがたくさん載っているので、
- ルルベやジャンプをすると足首が痛い。
- でも何をしたらいいのかわからない。(ルルベとジャンプをなくしたらレッスンできないんじゃないの?)
という子はそっちを手に取ってください。
Happy Dancing!