180度に開脚した、高いジャンプのグランパドシャに憧れるダンサー達は多いし、
コンクールで踊るバリエーションの多くに含まれるパ。
だからでしょうか、
前後開脚は出来るのに、グランパドシャが出来ません
という悩みを先生からも、生徒からも、何度も聞きます。
このブログではグランパドシャを上達させる方法についてお話しました。
*ここでは日本で良く言われる”グランパドシャ”をお話しています。
正式には
- グラン・ジュッテ・デブロッペ・アン・ナバン(大修館書店 クラシックバレエテクニックより)
- グラン・ジュッテ・アン・デブロッペ(東京堂出版 バレエ用語辞典より)
となっています
グランパドシャとは?
グランパドシャ上達の前に、グランパドシャとは何か?を理解しましょう。
はじめに蹴り上げられる足が、グランバットマンではなく、
デブロッペをするグラン・ジュッテ。
空中で腕をチェケッティ派の第3アラベスクにし、着地の時、後ろに合った足が四番前にシャッセされる場合、
しばしばロシア派のグランパドシャと混同される
バレエ用語辞典より
このパは難易度が高い振付です。
- 年齢が高くなってから練習すべき
- 基礎が出来た人たちが行うべき
つまり、小学生クラスや大人バレエクラスでは指導すべきパではない、という事が分かります。
そんな事ないよ、コンクールとかで見るもん!
と思うかもしれませんから、シラバスやメソッドで年齢を確認してみました。
- RADのシラバスでは14-5歳
- ボリショイ学校のカリキュラムでは現地の6年生=15-16歳
- ワガノワ学校では、早くてもせいぜい1年生なので14-16歳
でグランパドシャが出てくるそう。
大きなバレエ学校にオーディションで入学出来た子や、
シラバスにそってレッスンを続けてきた子達でも、グランパドシャを行う年齢が遅い事が分かりますよね。
グランパドシャという”ジャンプ”
グランパドシャはジャンプです。
どんなジャンプの種類になるか?というと
- 片足で跳び、反対の足で降りるジャンプ
- リープ(移動するジャンプ)
というカテゴリになります。
(ジャンプのカテゴリをもっと知りたい人はこちらの記事も参考にしてね)
難易度が高いジャンプなのだから、ジャンプの基礎が出来ていないと、出来るはずがありません。
ジャンプの基礎をすっ飛ばして、
- 形が似ているから
という理由だけで、床でスプリッツの練習を指導し
なんで生徒達が出来ないんだろう…と悩んでいたら、指導内容を見直してください。
毎晩柔軟してても、グランパドシャが出来ない、というダンサーは
努力の方向性を考え直しましょう。
ジャンプの基礎とは?
ジャンプの基礎って言っても、何を指しているのか分からない人もいますよね。
グランパドシャに行きつく前に、やっておきたいジャンプの基礎はこちら
(リストの順番通り、上から下に向かって難しくなります)
- 両足でジャンプ
- 片足でジャンプ
- 片足で踏切り、反対の足で降りるというジャンプ
- ターンアウト+つま先を伸ばしてジャンプ(両足&片足)
一番下のポイントでようやく「バレエらしい」ジャンプになってきたのが見えました?
ジャンプの基礎が出来ているかテストしてみよう
グランパドシャは難しいから、
その「前」にジャンプの基礎が身についている必要がある。
と分かったところで、実際にテストしてみましょう。
レッスン音楽が8カウントで1区切りなので、2区切り=16回を目安にしました。
実際には、グランパドシャを16回やる事はないでしょう。
でも、レッスンの一番最後であるグランアレグロで出てきますね?
1時間半動いた後にジャンプが出てくるわけだから、体力も一緒に確認しなければいけませんね。
- 両足で、その場でジャンプが、16回出来ますか?
- 片足で、その場でジャンプが、16回出来ますか?
- 片足で踏切り、反対の足で降りるジャンプが、16回出来ますか?
ここまで出来たら、次のレベルに進むよ。
- ターンアウト+つま先を伸ばして、両足ジャンプ×16回
- ターンアウト+つま先を伸ばして、片足ジャンプ×16回
- ターンアウト+つま先を伸ばして、片足で踏切、反対の足で降りるジャンプ×16回
どうでした?
先生を含む、殆どの人が出来なかったんじゃないか、と思ってますがいかがですか?
やってはいけない人
テストはバレエ歴や、年齢に関係なく、誰でもやってもらえます。
が!
足首、膝、股関節、腰エリアのケガをしている人はやらないでください。
これらの関節はジャンプのパワーとなるだけでなく、着地の衝撃吸収をしてくれます。
アクセルが動いていても、ブレーキが効かない車は安全に運転出来ないよね?
だからケガを直すことを最優先して、リハビリを続けましょう。
「リハビリを続けましょう」ということは
「何もしないでお休みしましょう」ではありません。
ケガしている部分に負担をかけないことは大切ですが、
ケガの原因であるテクニックの問題と、体の強さを作らなければ、レッスンに復帰してもまた痛くなりますよ。
ジャンプの基礎が出来ていなかったら、どうする?
16回はおろか、その場で行う片足ジャンプですら、4、5回やったら終わっちゃった…
という現実を見つけたら、
どうしてグランパドシャが出来ないか?が分かったことでしょう。
とはいえ、痛みを押し殺して、必死で毎日16回やってもケガにつながるだけです。
徐々に、確実に、強さを作ってください。
出来ないジャンプのレベルを
- 8回+30秒休憩+8回(1-2週間)
- 8回+15秒休憩+8回(1-2週間)
- 再度16回ジャンプにリベンジ
と進めてください。
例)両足ジャンプはかろうじて16回出来たが、片足ジャンプは完敗だった人は
- 片足ジャンプを8回
- 30秒休憩
- 再度、同じ足の片足ジャンプを8回
を1-2週間続けます。
8回が難しかったら、
- 片足ジャンプを4回
- 30秒休憩
- 再度、同じ足の片足ジャンプを4回
- 30秒休憩
- 同じ足の片足ジャンプ、3セット目
- 30秒休憩
- 同じ足の片足ジャンプ、ラストセット
を1-2週間続けた後、1つ上のプランに戻ります。
レッスンでこれを取り入れたい先生は、年齢や、レッスンの内容(疲れ具合)考慮して
バーとセンターで練習させてあげてください。
ただし、この練習をしている時に「つま先を伸ばして」という注意は、
ジャンプが出来る人だけしか使えません。
つま先を伸ばすだけの距離、体が床から浮かないといけないから。
テストのジャンプは出来るけど、グランパドシャが出来ないという人は
DMしてください。
次のレベルのレッスンプラン+トレーニング内容を作りますね!
エクストラリソース
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たくさんレッスンしているのに、その場ジャンプすら出来ないのか…
とテクニックに必要な筋力不足に気づいた人や、
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Happy dancing!