昔、ダンサーによくみられる疲労骨折について書きました。
でも気づいたら、ちゃんとした骨折(疲労骨折がちゃんとしていないわけじゃないっす!そっちのほうが厄介だというのはもう書いたね。)
について書いていないので、こちらでご紹介します。
怪我のデータベースみたいな感じで必要な時に見てみてください。
というのは、ぽっきり折れた、というときは自分でも(周りでも笑)分かるので、ブログ見てあーしよ、こーしよ、っていうのはないと思うんですよね。
この記事を読んでいる人で、骨折の疑いがあるんだったら、すぐに病院行きなさいよ?
自分で判断できるなんて思うなよ?
骨折の種類
ぽっきり折れる骨折を完全骨折といいます。
レントゲンで見てもぽっきりがしっかりと見えます。あるいみ清々しいです笑
ひびが入った、という状況を不全骨折と言います。
「大丈夫、大丈夫、ひびがはいっただけだから」なんて言っていたら、
痛いところ、蹴りにいきますよ?
そして、前に勉強した疲労骨折は同じところに負担がかかるため疲労骨折、といいます。
もちろん、疲労骨折の中でも完全にぽっきりとか、ひびとか度合いはいろいろですが、全部まとめて疲労骨折でいいです。
(別にみんなに診断してね、っていうためのブログではなくって、お医者さんから言われた言葉を理解しやすくする、っていうのがゴールですから。)
踊りという職業と骨折
踊る、というのはたとえそれがモダンダンスだろうがヒップホップだろうが。
人と人がすごい勢いでタックルする!という動きはないはずです。スポーツと違ってね。
時々リフトから落とされて骨折だとか、
リフトが下手で肋骨が折れました、ってのはあるよ。
でもこれらはかなーりレアだし、やった瞬間分かるものです。
(あ、でも肋骨は分からないかも…ロミジュリのバルコニーシーンのリハが続いて痛いなーと思ってたら折れてたらしい、とかはあるみたい)
だから、ダンサーとして知っていなければいけない骨折は疲労骨折だと私は思います。
ダンサーの卵の骨折
幼少期の骨折は普通の骨折と違うのでここに少しだけ書いておきますが、
前提としてそのような子達が「疲労骨折」になるくらいレッスンをするわけがございません。
そのような子達がポワントで捻挫したとか、パドドゥで失敗したとかもありません。
昔の記事にも書いたし、ダンサーの卵サポートセッション、通称卵の日セミナ―でもお話していますが、
10歳まではバレエに特化しすぎた動き(180度のターンアウトやポワントワーク)はすべきでないって言っています。
ケガのリスクが高まることがスポーツ医学で分かっているからです。
だから、ワガノワも10歳以上がスクールに入学するんでしょうね。
だからこの記事をネット検索してきたお母様方で、
小さな子供が「バレエによる」「レッスンから」の疲労骨折がある場合、もしくはレッスンが原因の慢性のケガがある場合、
それはスタジオを変えた方がいいシグナルだと私は思います。
子供の場合、骨がまだ柔らかいので(骨が固まることを骨化―こつかといいます。だからポワントをはやいうちに履いたら、足が変形するんです)ぱきっと骨折しないケースがほとんどです。
それを若木骨折とか言います。
他に子供に見られるのは隆起骨折(りゅうきこっせつ)とかいう種類もあります。
このような骨折はたぶん(と祈っています!)、レッスンの「中」ではおきません。
体育の授業でとか、遊んでいるときに、とかだと思います。
その場合はレッスンでリハビリが必要!なんてわけではありませんからご心配なく。
しっかりとケガが治り、レッスン以外でも体を動かしている健康な子であれば、
そして年齢に合わせたレッスンをしているスタジオであれば
そのような骨折の後にレッスンに戻ってくるための特別トレーニングは必要ありません。
→子供の骨盤の成長とむりやりストレッチやターンアウトがダメな理由
キーワード別にみる骨折とバレエ復帰
ただし、
- 中学生、
- 部活でケガ
- ポワントで踊る作品のある発表会前
とかのキーワードがかぶった場合、バレエでケガしたわけではなくても特別トレーニングは必要になってきます。
発表会の振り付けというのはレッスンでやっている事と違う、という前提があるのと、
ほとんどのスタジオの場合普通のレッスンをスキップして発表会練習に時間をかけるので、ゆっくりレッスンに復帰するための体を戻してくるということができないからです。
発表会に出なければいけないのならば、そこはいいトレーナーさんとの連携が必要。
ここら辺はリハビリの記事を参照にしてください。
- 高校生
- 疲労骨折
- コンクール直前
というキーワードだった場合、コンクールはやめなさい。
前のブログ記事に戻りますが、疲労骨折の理由はテクニックの悪さです。
だからね、コンクールなんて言っているレベルの踊りじゃないわけよ。それよりも徹底的にテクニックを直しなさい。
たとえ日本のコンクールで奨学金がでるんです!という場合でも、
留学するまでにそのケガとテクニックが100%治るという保証はないんです。
だからね、海外で言葉が通じず、レッスン量が増えた時に「必ず」戻ってくる痛みになりますよ。
そして、だからこそコンクールに出場する時は、その前にゴール設定をしっかりとしておく必要があるんです。
そうすれば、ケガしてコンクールできなくて悲しい!だけで終わらないから。
あぁ、これだけ個人レッスンが重なると、ケガする体なんだな、と理解したこと自体がゴールになっているはずですから。
精神的にもこちらの方がよっぽどいい。
- ローザンヌとかYAGP(14,5歳以上の場合に限る)決戦!
の場合は、もしかしたら色々と考えなければいけないかもしれません。
そこでつかめるチャンスを逃すのはもったいない場合もあるからです。
そうしたら、
- 振り付け変更
- テーピングをはじめとする外部からのサポート
- 徹底的な他の部分の強化(によってケガしている部分の負担を減らす)
などを考える必要があります。
そして、
- 決戦終了後のリハビリプラン
も「行く前に」決定している必要があります。
そうすれば時間を無駄にせず、留学の準備ができるからです。
だからこそ!
その前にケガしない体を作るのが大事なんですけどね。
疲労骨折の予防や、どのように対処したらいいか知りたい人は
DLS教師のためのライブラリにある「疲労骨折:慢性・オーバーユーズのケガ対応方法」で
もっと深く学びましょう。
練習すればするほど、上手になると思っている人や、
ただ休めばケガは良くなると思っている先生は絶対に受講してください。
Happy Dancing!