セミナーのフィードバックシートに書いてあった事。
背骨のカーブの大切さはわかりましたが、平らになってしまった背骨カーブは元にもどるのでしょうか?
答えは…その人によります。
では今日のブログはここまで!とは出来ませんから、まずは背骨のカーブについてお話していきましょう。
背骨はまっすぐであり、まっすぐでない
なんだそれ?って感じだよね。
背骨は後ろから見たらまっすぐになりたいけど、横から見たらまっすぐではありません。
だって背骨にはカーブがあるからです。
背骨にはセクションごとにファンシーな名前があって
- 首の部分、頭蓋骨の下から7つの背骨を頚椎
- 肋骨がついている胸の部分12個を胸椎
- そして腰の部分の5つの骨を腰椎
と言います。
ファンシーな名前だけでなく、このセクションごとに形もサイズも少しずつ違うし、動き方やカーブの方向も違います。
この部分はインスタライブで行っていた4パートに分かれてお届けしたバレエ解剖学入門編でお話しました。
何がなんだかパルプンテな人は、ここにリンクをつけておきますので、私がオレオを叩いているシーンと共にお楽しみください。
背骨カーブには個人差がある
バレエを長年やっている人、特に背中をピーンとさせるのが正しいと習ってきた人達の中には、
背骨のカーブが全くなく、背中がまったいらになってしまっている人達がいます。
これをストレートネックだとか、ストレートバックだとか言いますが、それは今日は放っておきます。
でも、もともとの背骨カーブというのは個人差があるのね。
鼻の高さや身長、5本のゆびのうち、どれが一番長いか?なども含めて人には骨格の違いがあります。
たとえ妹や弟でも、同じ親から生まれても違います。
個人差っていうのは悪いことではなくて、It is what it is。
つまりよくもなければ悪くもない、ただそうだという事実があると思ってください。
よって背骨のカーブも元々カーブが大きい人もいれば、少な目な人もいます。
教師のためのバレエ解剖学講座でもお話していますが「これが正しい背骨カーブ」と考えないように。
筋肉のサイズによってカーブの「見え方」も違います。
年齢によっても違うというのもこちらに記載しておきましょう。
赤ちゃんには背骨カーブがなくて当たり前ですし、成長と共に育っていきます。
足のアーチもそうなんだけどね、体って成長するんだよ。
妊婦さんだったら赤ちゃんの大きさに合わせてカーブが変わります。
(そりゃそうだ、と思うでしょ、でも昔うちの子O脚なんですとバレエの先生に相談されたんだけど、
子供の年齢聞いたら2歳とかあって。それがトラウマになっている…)
背骨カーブはなきゃ困る
確かに背骨カーブを引きのばすことで重心の位置が高くなり、カーブの方向が変わる部分にかかる負担が減るので背骨のケガも減るんですが、
カーブがなくなってしまうと危険でもあるんです。
だってさ、進化の過程でカーブが無駄だったらなくなってくるはずなのよ。だけど残っている。
カーブに理由があるから。
その理由は背骨がばねのようにが衝撃緩和になり、ジャンプしたり走ったりしても背骨のてっぺんについている脳みそに打撃がいかないようになっているのね。
だからアレグロで安全に着地するためには、しなやかな背骨が必要で、
しなやかな背骨っていうのは背骨のアーチがあり、それがちゃんとファンクションする、
つまり伸ばしたいときは伸ばせるし、柔らかく使いたいときは動くようにすること。
足のアーチもそうだけど、土踏まずを上げておけばオッケー!ではなくって、
プリエの時はアーチが落ち、ルルベの時はアーチが上がるという動きがなければいけないの。
背骨も一緒。
背骨カーブの影響はそれだけではありません。
頚椎、つまり首の部分の背骨カーブがなくなったら首周りの筋肉が緊張し、肩のラインにも影響します。
胸椎、つまり肋骨の後ろ側のカーブがなくなったら、肋骨が前に押し出されてしまうので、優雅に上半身が使えませんし、
肋骨の後ろ側が緊張してしまうため、うまく呼吸が出来なかったり、呼吸の度に肩やおなかがプカプカ動いてしまってみっともない。
腰椎のカーブがなくなると腰椎の一番したについている骨盤にも影響するので、タックで踊ることになり、大腿四頭筋に無駄な力が入ってしまいます。
そう、背骨カーブがなくなるという事は、レッスンで注意される問題、
- 首に力を入れないで
- 肋骨を閉めて
- 骨盤を正しいところにキープ
などが出来なくなってしまうという事なんです。
平らな背骨カーブは直せるのか?
成長過程であれば、エクササイズやレッスン、そして日常生活で意識することで
自然なカーブに戻す事が出来るかもしれません。
でも、大人で、しかも長年そういう癖がついていたら直すのはかなり難しくなります。
でも不可能ではない。
そして側弯症もそうだけど、完璧に修正するのがゴールではなく、
踊りで使えるようにする、より安全にする
というのをゴールにするならば、気づいた今日からやっておきたいです。
ただ、先ほどお話したように個人差があるものだというのをしっかりと頭に入れておいて、
- たくさん曲がっていれば曲がっているほど素晴らしい!
でもなければ
- いい姿勢!というのは背骨がまな板みたいにまっ平になる事でもない。
という知識はしっかりと頭に入れておいて。
そしてすぐには結果が出ないというのもどこかに貼っておいてください。
長年の癖なんですからね。
背骨を柔軟にしてカーブを蘇らせるエクササイズ
まずはエクササイズだけ羅列するね。
- ブックオープナー
- 弓と矢
- 四つん這い胸椎回旋
- タオルリリース
- 鼻サークル
- ちっちゃいコブラ
- 左右のバランスを整えるエクササイズその1(座る方)
- 骨盤の前の三角形ファインダー
- 腰方形筋ストレッチ
- ソフトボールリリースおなか
- ソフトボール腸腰筋
- 腸腰筋プル
クララ連載に載せたロールダウンも効果的だし、上半身ケアクラスでやった動きもぜひ追加してくださいませ。
…
ってエクササイズの名前だけ見ていても「どうしてそれが背骨のカーブと関係するのか?」と思うよね。
背骨の回旋で平らな背骨に息吹を与える
- ブックオープナー(S)
- 弓と矢(S)
- 四つん這い胸椎回旋(P)
首の緊張をとって頸椎カーブをリバイブさせる
- タオルリリース(S)
- 鼻サークル(S)
背骨の伸展と側屈でよりカーブを動きやすくする
- ちっちゃいコブラ(S)
- 左右のバランスを整えるエクササイズその1(S)
腰椎も忘れずに動かしてあげる
- 骨盤の前の三角形ファインダー(S)
- 腰方形筋ストレッチ(S)
腰椎から骨盤をサポートする腸腰筋と仲良くなる
- ソフトボールリリースおなか(T)
- ソフトボール腸腰筋(T)
- 腸腰筋プル(T)
エクササイズのやり方説明は本でやっているので割愛しますが、一応かっこ書きで出典元をつけました。
- S-スタンス本
- T-ターンアウト本
- P-プリエ本
まとめ:背骨カーブは取り戻せるのか?
この質問の答えは「その人による」。
年齢やどれくらい長い時間まな板背中で過ごしてきたか?にもよるし、
痛みを避けるため背骨を固める癖がついている場合、原因を取り除かないとどうしようも出来ません。
また、ここで挙げたエクササイズを毎日行う事が出来る努力が出来る人なのか?にも左右されます。
体の硬い人、というイメージって背中が猫背だと思うんだけど、まな板背中でも硬いんですよ。
背骨の柔軟性はデベロッペの高さににも影響するので、ここであげたエクササイズ達、ぜひ3週間ほどやってみて感想を教えてくださいませ。
Happy Dancing!