どう踊りたいのか? 表現力セミナ-赤裸々日記

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2017年9月来日は私にとってスペシャルでした。

色々な理由があってスペシャルなんだけれど、そっちはまだ言葉にするのが難しいのでそのうちシェアしていきます。

 

今日は毎回セミナー後恒例の赤裸々日記、第一弾は表現力セミナ―です。

参加出来なかった人達のためにいつかセミナー中にお話した事をシェアしますね。

もちろん、参加してくださった人達は復習のために使って下さい。

 

「真っすぐ立つ」は表現力でも大事

当たり前なんですけどね、真っすぐ立つって「引き上げ」とか「軽く着地」とかと同じように抽象的に使われてしまう言葉だと感じます。

だけどね、真っすぐって自分でチェックできるんですよ。

だから真っすぐ立ちなさいって言われたら「本当」に「まっすぐ」立ってください。

「真っすぐ」を確認している様子。感覚ではなく、骨を正しく並べること(アライメントを正す)事が真っすぐですからね。

10代グループと大人グループ両方でお伝えした事は、腰椎の確認。

ちなみに腰椎自体は「まっすぐ」でありませんが腰椎の生理的湾曲を引きのばすことをバレエの「真っすぐ」と言いマス。

この部分は背骨シリーズでお話したよね、そしてたくさん引き上げについての記事も書いてありますので検索バーに「腰椎」「引き上げ」とか入れて復習してくださいね。

 

そしてこの腰椎のバレエまっすぐを助けてくれる筋肉はもちろんコア。

ほら、コアマッスルシリーズでお話したように、私が指導に使うコアって3つあります。

多裂筋、腹横筋、骨盤底筋群(→コアマッスルシリーズの最初から復習したい人はこちら

 

腹筋エリアはみんな意識しているだろうし、分かりやすいと思うンだけれど、多裂筋はいつも忘れられちゃう可哀想なやつです。

コア=お腹ってイメージが強いんでしょうけど、コア、センター、芯ってものは2Dではなく3Dで考えた方がいいと思うのね。

だって体って、そして踊りって3Dだもの。

 

実際に、多裂筋って触れることができます。

だから初日は特にこの部分を触って確認し、真っすぐ立っているか?を見てもらいました。

下向き腹筋と同じ感覚なんですけどね、そして参加者のほとんどは下向き腹筋を知っていたけど、

間違えて行っていたり、立ったらその感覚がなくなってしまったり。

すごく大事だと思うし、やり過ぎることが出来ないエクササイズなので、「バレエの立ち方できてますか?」ブックにも書いてあります。

 

これが出来ないと表現なんて無理です。

なんでかって?

だってコア、センター、芯、体幹、丹田・・・どんな言い方でもいいけれど、体のベースとなる部分が安定していないって事なんだもの。

強さは生まれないし、舞台でのオーラとか雰囲気だったりも生まれない。

もちろん、テクニックも育ちませんし(だってコアが出来ていない、腰椎が安定しないってことだものね)、

ケガの原因にもなります(ダンサーのケガの多くは…そう、腰ですからね)

 

基礎がなければ表現は出来ない

テクニックの基礎がなければ表現は出来ません。

毎回日本に来るたびに、そしてキッズセミナー(5月)や冬期バレエ講習会(1月)をやるたびに悲しいほどぶち当たるのが、

ポーデブラをしっかりと使えないダンサー

足を出す方向が分かっていないダンサー

 

この2つ。

ポーデブラって「腕の運び」って意味でしょ?

勝手に好きなように動かすことではなく、「運ぶ」場所が決まっています。

ブラバーを通ることが出来ないダンサーの多いこと!

そして残念ながら指導者を見ていると、ポーデブラが正しく出来ていない人が多いのも事実です。

ポーデブラを直す。癖になる前に下手な使い方をしないで欲しいな。腕をキープすることで背中も強くなるし、軸も取りやすくなるし、舞台でも光ることが出来ます。んでもってポーデブラやり過ぎでケガしませんから。

腕の1番ポジションが高すぎ、長すぎ、低すぎ…

そこが決まらなかったら回転系はほとんど失敗しますよ。

だって普通回転系の練習を始めるときって、腕は1番ポジションで回転するんだもの。

 

また、アンファセでタンジュデヴァンをしたら、何となく脚を体の前に出すって分かっていても、

クロワゼになった途端、ぜーんぜん違う方向に脚を出す子達も多くいました。

クロワゼになった途端、腕の2番ポジションが体の後ろに逃げちゃってたり、顔の方向が変わっちゃったり。

体の「方向」が変わっても、腕の「ポジション」は変わりません…

 

ほら、脚の高さと関係なく、ピケアラベスク(1番)で斜めに進みたいときに、

前の腕を斜めに出さなかったら(=肩の前、体のまえではなく、腕が外れてしまっているって事ね)斜めに進めるわけがないじゃない!!

 

基礎っていうと皆のなかで「ターンアウト」とか「引き上げ」を連想しやすいし、それも確かに基礎の一部なんだけれど、

体の方向、手の方向、首の方向…

こういう部分って初心者でもできるし、ケガしていても復習できるし、

ケガしていようが、ブランクがあろうが練習できる部分なんですよ。

そしてポーデブラをやって疲労骨折とかないからさ!!

 

DLSを読んでいる人だったらしっかりと練習してほしいです。

ほんとーに!!

それが出来ないと舞台でバラバラに見えたり、踊りが汚いとか、クリアではない、とか言われてしまうンですよ。

 

どう踊りたいのか?をしっかりと理解する

この部分は10代ダンサークラスで何度も、何度もお話しました。

 

どう踊りたいの?

これは抽象的な質問ではありません。

デベロッペデヴァンだったら、

  • どこまで高く脚を上げたいのか?
  • 軸足はどうしたいのか?
  • つま先はどうしたいのか?
  • バーの手はどうしたいのか?
  • 顔の向きはどうしたいのか?

 

もちろん、ここに解剖学的な事を含めてもいいですが

(例:肋骨の向き、背骨、骨盤etc)

そういうの知らなくてもみーんながやりたいデベロッペデヴァンってありますでしょ?

 

軸のひざ曲げたい、って人いないじゃない?

だったら伸ばしなよ。

 

バーの肩が力んじゃやだよね?

だったらリラックスさせて。

 

ここらへんは言われたら皆できるンです。すぐに。

そう、意識が抜けているだけなんだもの。

 

確かに、自分が思っている高さまでまだ脚が上がらないかもしれない。

ターンアウトをキープするのが大変かもしれない。

だけどさ、顔を横にしっかりとつける、ってのはできるでしょ?

どういう風に脚をあげたい?という質問のあと、他の子達が助けてくれたらトレーニング無しでその夢が達成できました。って事はできる体なのね。なのにやってないのね!

自分が、どのように踊りたいのか、

どのように音楽をとり、どの雰囲気で踊りたいのか。

どこを見せ場にして、どこを大きく動きたいのか?

 

これが頭で分かっていなければ、実際にできるわけがありません。

頭で分かってても出来ないことっていっぱいあるでしょ?

だけど最初にイメージできないと、動けないよ。

結局さ、頭が指令を出して動きをつくるんだから(なれるまでは・・・ね)

 

解剖学的に踊るっていうのは、もしくは安全に踊るっていうのは

考えないで踊る、とか頑張らないでやる、とかじゃないのよね。

筋肉も脳みそも、音楽性も表現力も…使わなかったら育ちませんから。

 

表現力は練習すべき!

バレエ教師の方から質問にくるものナンバー1は「表現力までやっている時間がない」というもの。

これね、嘘です。

だって、表現力って別に時間をかけなくてもできます。ってか、レッスンの一部なハズです。

 

  • レッスンの中でしっかりと音を取る。
  • 目線を正しいところにつける。
  • ポーデブラを正しく動かす。
  • 体の方向を正しく。
  • 音楽に合わせて踊る。

 

これってレッスンでしょ?

そしてそれが表現力の基本です。

 

バーのルティレバランスができないとセンターのピルエット2回転に進まないように、

上であげた表現力の基本ができないと、キャラクターになって踊ることはできません。

(表現しようとして、基礎がずれたらそれは表現ではなくなるからね)

 

参加者ダンサー達がそんなことをこの3日間を通じて感じてくれたら嬉しいです!

 

Happy Dancing!

 

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