DLSポッドキャスト epi555 発表会前にケガしてる人へメッセージ

今年の来日セミナーも終盤!今回は、バレエのコンクールやストレッチに関する誤解についてお話します。

コンクールに出ることやストレッチをすることが目的になっていませんか?

一度ストレッチせずにレッスンを受けてほしい理由についてもお話しました。

生徒の安全と健康を第一に考えるために、本当に必要なことを一緒に考えてみましょう。

Transcript

今日の夜の飛行機で、明日朝メルボルンに到着する予定の佐藤愛です。

 

そして6日からボディコンサークルがございます!

既に申し込んで頂いてますか?

 

新学期はスクエア確認からスタートするので、

  • セミナーで学んだ知識の復習をしたい人
  • 心を決めて、ボディコン生活をスタートさせたい人

にはもってこいの月間です。

しかも3回だけだしね。

 

さて、今月は皆さんから頂いた質問から

「本番前でケガしている人へお話してください」というテーマを選んで詳しく見ていきます。

 

過去に何度も質問があったらコメントしてね、という

インスタストーリーをアップしてきていまして、

その内容は答えた、答えなかった、個別にDMしたに関わらず取ってあるんですね。

 

そのアーカイブの中から、短いストーリーじゃ詳しく説明出来なかった質問を取り上げて

じっくり、マニアックにお答えしていきたいと思います。

 

でも、本番って何をさすか人によって異なるじゃないですか。

なので、今月は

  1. 発表会本番前にケガしている人
  2. プロダンサーでシーズン中にケガしている人
  3. コンクール前にケガしている人
  4. オーディション前にケガしている人

という種類に分けてみたいと思います。

 

ちなみに、バレエ学校のオファーが来るような国際コンクールは、

4つ目の「オーディション前にケガしている人」に分類してお答えします。

 

だって、ゴールは大きなコンクール1位ではなくて、

そこからバレエ学校への奨学金やら、入学許可やらが欲しいと思うので。

 

また、「ケガしている」という言葉もちょっと曖昧なので、

今回はマメとか巻き爪とかの外傷ではなく、

ダンサーに見られがちな、

  • つま先を伸ばしたり、ルルベにすると痛い
  • ジャンプの着地で痛い
  • 足をあげたら股関節や腰が痛い

など、をイメージしてください。

 

パンパンに腫れた捻挫や、

骨折していたら、もしくは骨折の疑いがあった場合は

舞台に立たないという当たり前のことはカバーしません。

 

とはいえ、それでも本番だからしょうがないって言う人がいるのを知っていますが、

それは子供の場合虐待で、大人生徒の場合は先生によるパワハラになり

犯罪ですからお話しません。

 

まずは先生に相談しよう

今まで一生懸命練習してきて、本番が近いのに痛みのせいで思ったように踊れない。

これって悔しいですよね。悲しいですよね。

 

でもね、発表会にダンス生命をかける必要はありません

 

たとえ先生が本番に出ないといけない!と言っていても、

有名な評論家がお客さんで来ていたとしても、

その舞台に立ったからといって、何か人生が変わることはないです。

 

私も有名な評論家が見に来ている舞台に立ったことがあります。

気に入ってもらえて、ポジティブな意見を書いてくださいました。

打ち上げでも、その人とお話する機会もありました。

でも、それで私のバレエ人生はなーんにも変わりませんでしたよ。

 

でも、舞台に穴を開けちゃう…

その責任感は、素晴らしい。

 

だけど、今後ケガしないように徹底的に体を鍛え、体をケアし、

少しでも痛みがあったら、無理せず調整しつつ、

必要だったら、つべこべ言わず専門家に診てもらう行動力に“責任”を持ってください

 

お金がなくて、時間がなくて痛みを放っておいたとしたら、

責任のある行動とは言えませんからね。

 

皆、喉元過ぎれば熱さを忘れるじゃないけど、

本番が終わったら忘れちゃうんですよ、そういうこと。

でも、そんな話をしても、今の状況は変わらないでしょう。

 

まずは勇気を出して先生に相談し、

  • 今から振付を変えられるか
  • 今から出演する演目から降りられるか

を聞いてください。

 

それが怖いって?

先生に怒られるって?

そういう先生の下でレッスンしても上達しないよ。

 

生徒のことを考えてくれている先生なら

発表会の練習が増えるとケガのリスクが上がることを知っていて

ケガしたときにどうしてほしいか、を保護者も合わせ説明してくれていて

痛みがあると相談したら、親身になって振付を変えてくれるなどして

あなたの健康を第一に考えた発表会への参加方法を考えてくれるはず。

 

だって名前通り、今までの練習してきた成果を「発表」する場所なんだもの。

 

逆にそのような対応が出来ない先生だったら、

生徒の健康より、自分の作った舞台を、生徒のお金を使って、

生徒のコネクションで集めた観客に見せたいだけって分かるでしょう?

 

もっと早く相談してよ!とは言われるとは思いますよ。

他の人に迷惑がかかるのは事実ですから。

でも、痛みをこらえて踊って、舞台の上で動けなくなってしまう方がもっと迷惑です。

 

自分で出来ることを徹底する

私個人は、痛みがあったら舞台に立つべきではないと思います。

だって、舞台は1日だけど、健康は一生だから

 

とはいえ、今回が最後の舞台で、受験のためにバレエを辞めますという子もいるかもしれないし、

どうしても偶数でないと振付が成り立たないから、

立っているだけでも大丈夫だから舞台に出る必要があるってなったとしましょう。

お医者さんに診てもらって、骨折はしていないし、組織に大きな問題はない。

「舞台の後にちゃんと休むなら、気を付けて踊ってもいいよ」と言われたとしましょう。

そうなったら、次に行うことは、徹底的に健康になることです。

 

  1. しっかりと寝る
  2. たくさん食べる

この2つは、DLSポッドキャストを聞いている皆さんなら知っているように、

  1. 体を修復する材料を取り入れること(食べる)
  2. 体を修復する時間をあげる(寝る)

となります。

 

そして、ケガしている部分に負担をかけないように生活します。

  • エレベーターを選ぶ
  • 車でお迎えに来てもらう
  • ぺったんこ靴ではなく、クッション性のあるランニングシューズ

おしゃれは舞台での責任をとってくれません

 

必要最低限のリハーサル参加と、その分筋力体力を落とさないように

  • エクササイズを週に何度も受ける
  • 水泳など、ケガしている箇所に負担がかからない運動を選ぶ

のも忘れずに。

 

もちろん、ケガの部分だけでなく、新しいケガを防ぐためにもウォームアップは徹底して行います。

この時、踊れないのに食べたら太っちゃうんじゃないか?という考えが頭をよぎったら

私は、摂食問題があるんだという自覚に使ってください。

 

今その問題に対応する時間はないと思いますが、

発表会が終ったら、そのエリアをタックルする必要があると思います。

 

特に発表会前に減量してたり、ダイエットしてたりしてケガしたのであれば、

それは軽く踊るための努力ではなく、ケガするレシピです。

 

舞台に立つことがゴールならば、

そのゴールに、科学的根拠と共に向き合いましょう。

体型のことを言ってくる先生やゲストのダンサーがいた場合、

発表会が終わったら、別のスタジオに移動しましょう。

Again、生徒の健康を第一に考えてくれている先生なら、絶対に言いません。

 

へんな情報を見ない、聞かない、取り入れない!

焦りから、ネットで変な情報を検索して真似したり、

シップとか、テーピングとか見様見真似でやらないこと。

舞台まで時間のない、今必要なのは焦りではなく、精密な計画性です。

そういうことが自分で計算出来ないなら、プロに頼ってください

 

トレーナーにプログラムを作ってもらったり、

ケガしたところに負担をかけないでレッスンに参加する方法を先生に聞いてください。

私がバレエ学校にいた10年以上、専属治療家としてこのようなプランを作るのも私の仕事でした。

 

なので、

  • このケガなら、これくらい時間がかかって、これくらい動ける
  • この痛みなら、この動きをこうやって変更して、このエクササイズでカバーする

など分かりますが、バレエ学校ですら、バレエの先生はこの仕事はしません。

 

なので、信頼できる治療家・トレーナーとの連携が大切だと思います。

 

そういう人がいない場合、

DLS公認スタンスインストラクターのデータベースをチェックしてみてくださいね。

また、教師の為のライブラリにも、ダンサーに見られやすいケガの情報がたくさん載っています。

 

見つからない人や、どれを受けたらいいのか分からない人は、

hello@dancerslifesupport.comにメールか、

インスタのDMで相談してください。

 

ケガについての相談は、法的な問題上お答えできませんが、

リソースはどこですか?という質問だったら

この動画と、この記事と、ポッドキャスト…というようにお答えすることが出来ます。

 

ポジティブ思考を忘れない

ケガして、思ったように踊れなかったら。

舞台に立てるか不安だったり、先生に「どうして早く言わなかったの!」と言われてガッカリしたら。

気持ちが落ち込んで当たり前です。

 

でもね、ネガティブな気持ちでは、ケガの修復に良い事はありません。

すぐにポジティブ思考になれ!と言っているわけではないですが

昔ブログでも書いたSelf Pityに気づいたら、次の2つの行動をとりましょう。

 

1)今の気持ちを書き出す

日記でもバレエノートでも、媒体はなんでもいいですが、紙と鉛筆かペンをお勧めします。

いつもは行かないようなカフェに行って、

いつもは太っちゃうからなんて馬鹿なことを言っていた飲み物を頼んで、

YouTubeからプレイリストを探して、映画の中の一人になった気持ちで、

今の心境を書き出します。

 

辛い、バカだ、どうして私だけ?など思いついただけ書いてみましょう。

最低でも2ページは書きたいところです。

 

2)今できることのリストを作る

日記が終ったら、次は今できることのリストを作りましょう。

  • エクササイズ
  • ケガした部分の勉強
  • ポーデブラや顔のつける方向などのリハーサル、自主練
  • シューズのリボン付け

などでもいいし、

 

  • トレーナーを探す
  • エクササイズクラスに申し込む

などのちっちゃなステップでもOKです。

 

  • 送り迎えしてもらう代わりに、アイロンがけを受け持つ
  • 今のうちに宿題を終わらせて、本番直前に勉強しなくてよい時間を作る

など、バレエではない部分も良いかもしれません。

 

そうすれば、今の自分でも出来ることがたくさんあるって気づくはず。

あなたにとって大切なバレエでも、バレエが100%あなたになることはありません

 

佐藤愛はバレエ習っているかもしれないけど、

佐藤愛はバレエです、にはならないって感じ。分かる?

 

もちろん、バレエが50%を占めているかもしれないけど、

それでも残りの50%はあります。

そっちを考えるのをお忘れなく。

 

今までの練習が無駄になることはない

一生懸命練習してきたのに、バリエーションが踊れなくなった。

皆と協力してきたのに、一緒にコーダに出ることが出来なくなった。

それは、とっても悲しいことだけど、

今までの練習が無駄になることはありません。

 

舞台に立たなかったからと言って、

今までやってきた努力や練習、新しく学んだステップや、役に付いて考えたことは

頭からも、体からも消えちゃうことはないです。

 

このポッドキャストはセミナー前に準備しているので、

真夏のメルボルンにいますが、先週までオーストラリアオープンが行われていました。

途中で棄権する選手もいましたよね。

彼らにとって、全豪オープンは発表会ではありません。

 

オーディションとか、本番とかそういうレベル。

だけど、出場を辞めたり、棄権する勇気が必要な時があります。

 

これ以上ケガを悪化させないためにも、

この次のシーズンに力を発揮するためにも。

 

もちろん、ファンはがっかりしたかもしれませんが

折角ここまで来たんだから、ケガを無視して頑張ればいい!なんて言わないでしょう?

そして、彼らが全豪オープンのために準備してきた練習が無駄になったなんて言わないでしょう?

 

まぁ正確にいうと、世界レベルで、相手の動きをリハーサル出来ないテニスのコート内で起こる急性のケガと

ダンサーがリハーサルでやってきた慢性のケガって種類が違うんですけどね。

でも今は、棄権することは、残念かもしれないけど、悪いことではないっていう話がしたかったです。

 

ケガする前にどうにかしよう

ケガの種類や年齢によって、そして立場によって、

どういうエクササイズと練習量、リハビリプランが必要か?などが異なりますが、

今日お話してきた内容は、どんなケガでも使えると思います。

 

もし、今ケガしている生徒さんがいたら、お友達がいたら

このポッドキャストを教えてあげてください。

誰かの役に立てたら嬉しいです。

 

最後に、発表会が今まで練習してきたことを発表する場所だとしたら、

ケガを予防し、自分の体のケアをするのも練習です。

ですから、先生たちは是非、生徒達が笑顔で舞台に立てるように、

振付だけではなく、舞台への挑み方を教えてあげてください。

 

ダンサー達は、発表会の練習の中に

  • 寝る時間やスケジュールの調整
  • 食べるものを増やしたり、リハが長くても分食出来る準備をしておく
  • 痛みの前に、違和感のうちに、リリースやエクササイズをする
  • 痛みがあったら、信頼できる治療家に診てもらう

なども含まれると覚えておいてくださいね。

 

今年の頭から、バレエレッスンでは今の時代の舞台に求められているレベルの踊りは出来ないとお話してきています。

もし、グランパドドゥや、小作品などを演目に入れたいなら、

先生たちは、その分生徒達の体づくりを徹底してあげてください。

 

出来たら、舞台の振付が始まる前に、

その役に必要最低限の体づくりが出来ているようにしたいところです。

だって振付が始まってしまったら、いつものレッスンより難しいパを、

いつものレッスンより長い曲で踊らなければいけないのですから。

 

バレエダンサーに特化したエクササイズを受けたい人は、DLSのボディコンシリーズへ。

安全に、効果的にエクササイズを指導する方法を学びたい先生は、

DLS公認インストラクターコース5期生の資料希望に登録してください。

5期生は5月中旬よりお申込み開始予定です。

 

では、来週は「プロダンサーでシーズン中にケガしている人」についてお話していきます。

このグループには、バレエ学校でケガしている人も含めていきましょう。

 

Happy Dancing!

佐藤愛

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