忙しい年末、来年の準備に追われがちなこの時期だからこそ、「ゴールを明確にすること」の大切さをお話します。
来日セミナー準備の裏話を交えながら、私のリフレクション方法や次の一歩の踏み出し方をご紹介。
モチベーションの源泉や具体的な行動リストの作り方は、是非参考にしてね!
一緒に未来の方向性を明確にして、新年を迎えましょう!
Transcript
皆さんと同じように、年末がバタバタしているDLSヘッドクオーターのメルボルンより佐藤愛です。
発表会を見る人達は当日会場に行けばいいけど、
発表会に出る人達は、その前からいっぱいリハーサルをしてますよね?
そして、発表会を作る先生たちは、生徒達の知らないところで、長い間準備をしているでしょう?
会場探しから、衣装の発注に必要なサイズチェック、音源の変更から、振付など。
そんな感じで、DLSもライブラリスタートとか、来日セミナー発表などの前に
長い間準備をしているのです。
たしかに、今は2025年3月に行われる来日セミナーの申込が1月中旬から始まるから、
その準備を頑張っているところではあるんだけど、
そういう、忙しい時期に忘れてはいけないことが2つあります。
1つ目、来日セミナー「が」ゴールではないということ。
確かに来日セミナーに向けて準備をしていますが、
DLSのゴールは来日セミナーを成功させることではないんですよ。
うーん、成功させるって言い方は私は嫌いです。
「発表会を成功させたいです」って形でよく聞く言葉だけど、
成功って何をもってして言うんだろうか?という定義がよく分からないまま、
雰囲気で使っている人達が多い気がします。
間違えないことが成功なんだろうか?
だったら、仏頂面で振付さえ間違えていなければ、発表会成功なんだろうか?
誰一人かけずに舞台に立つことが成功なんだろうか?
だったら、痛みをこらえ、ケガを悪化させながらでも舞台に立つことが成功なんだろうか?
って感じでね。
最終目的はなんだっけ?
話がずれました。
皆さんがこのポッドキャストを聞いてくださっている時、
私たちは裏で来日セミナーに向けて準備をしていますが、
DLSのゴールは来日セミナーを成功させることではありません。
DLSのゴールは生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンが「当たり前に」なることです。
そして、来日セミナーは多くの人達に
安全や健康とレッスンがどのようにつながるのか?を
体験してもらう、勉強してもらう場所の「1つ」なんです。
2つめの忘れたくないポイントは、
誰の為にやっているのか?ということ。
参加してくれる人達にとって、短い時間かもしれないけど、
- バレエ人生が変わるような場所
- 今までの悩みがふっとぶ場所
- 目から鱗がバサバサ落ちて、新しい視点でバレエと向き合えるようになる場所
を提供するためにやっています。
やっぱりビジネスなので、多くの人達に参加してもらいたいという気持ちはあります。
特に「当たり前」を作るためには、
バレエ界の過半数の人達が、エビデンスベースのバレエレッスン、
解剖学に沿った指導、健康と安全を考えることが
結果として、その人のポテンシャルを一番発揮できる状況だということを理解してもらう必要があります。
だから人数、マンパワーが必要だと思っています。
でも、たとえ参加者が5人だけだったとしても
その人達にとって今後のバレエ人生が変わるような体験をしてもらえたら
多分周りのバレエ関係者にも少なからずポジティブな影響を与えることが出来ると思うんだよね。
運営側をやっていると、目先のゴールに引っ張られがちです。
セミナーの内容や準備とは別に、スタジオレンタル費+交通費、旅費だけでも、半端ない額になりますし、
来日セミナー中にDLSが止まってしまうわけではないので、
チームの皆にお給料を支払えるだけの売り上げがなければいけません。
そのため
- 年末年始の休みの前に来日セミナーの準備終わらせなきゃ
- チケットが全部売れるように宣伝しなきゃ
ってプレッシャーを日々感じているのが正直なところ。
でも、何のためにやっていて、どのゴールがあるからやっているのか?を考え続けないと!
自分自身に毎朝考え直すように𠮟咤激励しています。
ゴールを明確にしよう!
さっきお話した、来日セミナーや発表会の例とおなじように、
ゴールを明確にすること、最終目的はなんだったかを忘れないようにすることは大切ですよね。
今月のポッドキャストでは、私がどのように1年のリフレクションをして、
来年のゴールを設定し、ビジネスを運営しているのか?をお伝えしています。
そして、エピソード538では、
2024年の大きな学びは、「ゴールが明確でなかったことだった」と皆さんにお話しましたよね。
ゴール通り、実りある1年になったんですよ、色々達成することが出来ました。
だけど、実りあるってどういうこと?どんな種をまきたいの?など
具体的に行動や、KPI(キー・パフォーマンス・インディケーター)を決めていなかったので
満足感が少なく、OOしなきゃ、XXしなきゃという焦りがたくさんあった年でもありました。
1人で深くリフレクションをしていると、
ゴールを明確にしなかった問題点は、私だけではなくチームにも影響したのではないか?と考えつきました。
トップにいる人がクリスタルクリアに、つまりピッカピカに、誰も見間違えないような目的地を提供出来ないと、
下にいるチームは、どこに向かっているのかが見えずにモチベーションをキープするのが大変かもしれません。
ある程度ゴールが分かっている私でさえ、
満足感が少なく、毎日やる事に追われていたら、
チームはもっとそれを感じるでしょう。
ゴールが明確になると、内在的動機も生まれやすい
エピソード529で、モチベーションには2種類あるよってお話したよね?
- 外在的動機:つまり外側からくるモチベーション
- 内在的動機:つまり自分の中で生まれるモチベーション
そして、両方大切ではあるけど、研究によると世界トップといわれる人達は全員 内在的動機があるそうです。
ゴール、進む方向が決まっているか否かは、周りの人達からは見えません。
でも、自分がどの方向に努力しているんだ、というのが分かると内在的動機になります。
特に日々同じような作業をこなしていて、
別にお客さんから「ありがとう!」と毎日言われるわけではない
有名人でもなければ、大きな会社でもないオンラインビジネスのDLSでは
外在的動機はほとんどありません。
県長さんから表彰されるわけでもないし
雑誌やテレビへのオファーが来るわけでもないし
参加者から感謝の気持ちをもらうわけでもありません。
毎日セミナーしているわけではないから。
だからこそ、内在的動機がとても大切になってくるんですよね。
生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンが「当たり前に」なるように
自分たちで決めたゴールと目的に向かって、
一歩ずつ進んでいると感じられた時、きっと「今日もよくやった!」と言えるんでしょう。
でもね、一歩ずつ進んでいると感じるためには、
一歩ずつ進む方向や行動が決まっている必要があるんですよね。
さっき発表会の例を使ったから、また発表会を考えてみようね。
発表会の外在的動機とは、
- スタジオで全幕をやる
- 自分が主役を踊る
- 有名なゲストダンサーに来てもらう
などでしょうか。
内在的動機とはなにか。
これは私が決めてあげることはできません。
点数、お金、名声などではなく、
本人がどう感じるか?何を大切に考えているか?によって変わるからこそ、
内在的な動機なんですもの。
先生によっては、
今年の発表会は、夜遅くまでのリハーサルをなくし、日々のレッスンと発表会リハーサルの両立をとりました。
そのように大きくスタジオ方針を変えても、生徒達が輝く舞台を保護者に見てもらうことが出来ますように。
というのは内在的動機になるんじゃないかと思います。
ダンサーだったら
いつもは発表会前に腰が痛くなるけど、
今回はリハーサルと自分の体のケア、そしてトレーニングを徹底し、痛みなく踊り切ること!
なんて子もいるかもしれません。
舞台を見ている側としては、本人の痛みは見えないし、同じように踊っているように見えるけど、
本人にとっては、明確な目的、動機があったのだもの。
実は今使った2つの例、過去から学び、自分の中でのゴールが決まっていたの、聞こえました?
時間の関係上、先生の例だけ見ていきましょう。
過去の失敗は、発表会前にリハーサルが必要だからと、みんなが集まれる休日全てにリハを入れて、
日々のレッスンでは振付が間に合わないからバーレッスンまでやったら、
センターなしでポワントに履き替え、リハーサル。
ちゃんとできるまで繰り返すから、レッスン時間通りに終わることがない。
という指導をしていたこと。
そして、DLSでそのような練習時間、内容では生徒のケガは増え、体への負担も大きく、
発表会では疲れ切ってしまい力が出しきれない。
そういう舞台練習が多いから、学校と両立出来ないと感じ、生徒が毎年発表会の後に辞めていく…
という問題に気づいたとします。
発表会後、すぐに次の舞台のことを考えるのではなく、
リフレクションをする時間をとり、指導者としての自分を成長させるために勉強しました。
そして、今回の発表会では練習時間ではなく、質にフォーカスして、
同じような完成度の舞台を作り、ダンサーのケガを防ぐだけでなく、
保護者にも結果を見てもらうことをゴールに掲げたとしましょう。
舞台を見ている側は、違いは分からないとは思いますが…
外からどう見えるかは置いておいて、
このようにリフレクションをしてみると、どういう行動をとればいいかが見えてきますよね。
- 1年のレッスンプランを見直すこと
- 振付で必要なパをレッスンに取り入れること
- 時間を延長しないように、タイマーをかけて徹底すること
- 先生が焦らず、何がゴールなのかを毎日考えること
- 古い習慣に引っ張られないように、忙しくても勉強する時間を欠かさないこと
- 自分が作りたい舞台ではなく、生徒達が日々の努力を発表出来る場所を提供するように振付を吟味すること
など、クリアに考えることで、不安が減り、努力の方向性が見えてきますよね。
いつもだったら
「振渡しの日なのに、また全員そろってない!」
とイライラするかもしれないけど、
「全員は揃っていないけど、必要なパは練習しているから、
場所の確認は、来週でも大丈夫」と言い聞かせることができるし、
時間通りにレッスンを終わらせられたから満足!」
と感じることもできることでしょう。
もしかしたら、時間通りに終わったから、10分残って自主練していく!なんて子も出てくるかもしれません。
先生に怒られてやるより、自発的に練習した方が上達するに決まっています。
休日返上でのリハがないということは、休日にしっかりと休めます。
そうするとケガのリスクはもちろん減るけど、授業中に居眠りしないで済むとしたら、
成績に影響せずに、発表会を迎えることが出来るのかも。
そうしたら、バレエと学業の両立が出来るって証拠だから、
試験期間や受験期でもバレエを続けてくれる子が増えるかもしれません。
行動が起こせなかったら、勉強が必要な証拠
1年の抱負を立てる人はたくさんいると思います。
発表会毎に、目標を立てる人もいると思います。
でも、行動に起こせない、行動が続かない。
結果、ゴールや目標を忘れてしまったり、諦めてしまう。
今月のポッドキャストで順番に宿題をやってきているように、
リフレクションで学んだこと+テーマを決めたこと
=あなたがとるべき行動リスト
になるのではないでしょうか?
愛さん、DLSからもらったシートも使って、
今年のリフレクションもしたし、今年のテーマも決めたけど、
自分のゴールやテーマに向かって、どんな行動をとればいいのか分からない…
そう行きついた人がいたら素晴らしい!
やりたいことは分かるけど、やり方が分からない場合、
とるべき行動は1つだけです。
それは勉強。
軸足のターンアウトをキープして踊りたいけど、
どうやって練習したらいいのか分からなかったら、
ターンアウトのエクササイズクラスや、ダンサー向けエクササイズを学べばいいのです。
長年悩んでいる、アラセコンドに足を挙げると痛くなる股関節が良くなってほしいけど、
どうやったら良いのか分からなかったら、
ダンサーの股関節について学べばいいんです。
ケガせず、スタジオにいる生徒達を指導したいけど、
年齢も経歴もバラバラで、どうしていいのか分からないなら、
全員に共通である、人間の体、つまり解剖学を学べばいいんです。
勉強する→試してみる→リフレクションしてみる
これの繰り返しが上達だし、目標に向かって歩く方法でもあります。
もちろん、“過去から学ぶ”リフレクションは大切ですよね。
「軸足のターンアウトをキープして踊りたいけど、
どうやって練習したらいいのか分からない。」
人を例にとると
「レッスンは長年受けているし、お家でストレッチも頑張っている。」
という現状を見つめる必要があります。
同じことをしていたら、同じ結果しか出ないのだから、
まだやったことがない
「ターンアウトの強化エクササイズを学んでみよう」と行きつくわけ。
もしかしたら同じ理由で、
「ターンアウトについて解剖学的に理解を増やそう」と行きつくかもしれないよね。
後悔と学びの違い
結局、出来ないものには理由があります。
2024年の私では叶わなかった夢があるとするじゃない?
そしたら、2024年の私のままではやっぱり2025年も叶わないのですよ。
私が変わらないと、私の未来も変わりません。
過去から学ばないと、失敗は後悔になってしまいます。
でもね、過去から学ぶと、失敗は学びになるんですよ。
是非、今年が終ってしまう前に、過去から学びましょう!
今週の宿題は
- 12月のポッドキャストエピソードの宿題2つをちゃんとやる。
もうやってある人は、再度見直して、追加点や変更点がないかを見てみる - DLSメルマガで配った、リフレクションシートもやってみる
12月1日のメルマガでお配りしましたが、まだ登録していない人は、
インスタDMでリフレクションシートください、って教えてくださいね。 - どんな学びがあったかを書き出し、行動リストを作ってみる!
それらが出来たら、来週、今年最後のポッドキャストでは、
行動リストをエリア別に分けて、より分かりやすく、確認しやすいスマートゴールの形にしていきましょう。
では来週、今年最後のポッドキャストでお会いしましょう。
Happy Dancing!