よくお悩み相談のメッセージが届きます。
悩みや不安に対する解決法として、問題の可視化から行動へと進む4つのステップをご紹介しました。
バレエダンサーを目指す人や、将来に迷っている人に向けて、効果的なアドバイスが満載です!
考え込んでしまい前に進めない時に、どうやって一歩を踏み出すかを知りたい方におすすめの記事です。
Transcript
元、石橋を100回くらい叩いてから渡るタイプの佐藤愛です。
インスタライブに移行する前、DLSはFBライブを行っていました。
レコーディングは今でもDLSのYouTubeチャンネルに残っていますが、
様々なゲストの皆さんに参加してもらったシリーズ「愛さんとティータイム」もありましたよね。
ティータイムシリーズを知っている人は、
DLSマニア認定です。おめでとうございます。
ニューヨークで活躍している
コンテンポラリーダンサーの武島アイカさんにゲストで来てもらった回で、
石橋を100回くらい叩いてから渡るという話をしました。
何事もスピーディーにこなす印象があるようで、
「石橋は100回くらい叩いてから渡るよ」とお話したら驚かれたのを覚えています。
2023,4年の来日セミナーでも、
参加者の皆さんの数名から、行動力についてなど聞かれることがあったのですが、
ここ数年で分かったことがあるんです。
それは、私は頭の回転が早いということ。
そしてそれは、頭がいいとは言っていません。
ただ、回転が早いんです。
無駄なことも含め、色々と竜巻のように考える癖がついています。
効率が悪いとも言えます。
1つだけ、大切なことを理解して、それについてじっくり考える方が
頭が良い人の行動だと思うのですが、
心配性でもあり、石橋を叩きたい私としては、
考えられる全てのシナリオを準備したいらしく、
バックスバニーのように、足は猛スピードでぐるぐるしているけど、
同じ場所に居続けるみたいな感じ?
そういうところがあるなぁ、と自己分析をしております。
そういう脳みそだからか、
喋るのが早いのは皆さんご存じだと思うし、
頭から出てくるアイデアを文字にしないといけないから、
タイピングもかなり早い方だと思っています。
しかも元治療家ということは、指の力が強いので、
無駄に力強いタイピングというか、
キーボードが壊れるんじゃないかと思うような音を立ながら
カフェや図書館でお仕事をしております。
私はノイズキャンセリング機能のついたイヤホンをしているけど
まわりの人は煩いと感じるかもしれませんね。
だから日本の静かな図書館には行けません…
前に進めない時は、問題の可視化をしよう
バックスバニーのように、色々と考えてしまって前に進めない…
そういう問題を抱えていた私が行きついた対処法は、4ステップになっています。
- 問題の可視化
- 確率の計算
- 対処法の準備
- 行動
です。
バレエが大好きで、プロダンサーになりたい!
だけど、学校の友達は受験の勉強を始めてるし、
まぁまぁ踊れるけど、
体型がとってもバレエ向き!と言える感じじゃないし。
大きなコンクールに出たこともなければ、
海外留学出来るだけの英語力があるかも不安…
プロダンサーになるって難しいことだって聞いているから
やっぱり趣味の範囲に留めておいて、勉強に専念した方がいいのかな…
でもバレエは好きだし、憧れのバレエ留学は諦めたくないな…
と考えているダンサーがいて、
毎日進路と将来について悶々としているとしましょう。
レッスンで上手く踊れた日は、よし、プロダンサーを目指そう!と思うけど、
SNSを見て、同い年の細くて、上手な子がYGPの決戦で踊っているビデオを見たら
一気に気持ちがなえる。
そんな子がいたとしたら、
まずは問題の可視化からスタートしましょう。
簡単な言葉にすると、全ての問題を書き出して、見えるようにするってことね。
今さっきお話した例だと、
- ずば抜けた体型ではない
- 凄くテクニックがあるわけではない
- コンクールの入賞歴がない
- 英語力が少ない
- 本当にバレエがしたいのか分からない
という問題が見えました。
ここでは心配事全てを書き出す必要があるので、
終わったと思ったら、2-3日、時間を置いてあげます。
人間の脳みそは、考えている時ではなくても問題解決をしています。
なのでお風呂に入っている時とか、歩いている時、
寝る直前とかにアイデアが浮かんできちゃったりするわけです。
なのでちょっと待ってみたら、追加点が出てくるでしょう。
例えば
- 友達とは違う生活が不安
- 親からの「将来どうするのよ」というプレッシャーがある
- バレエの先生は留学について分からないと言っている
などが出てきたとします。
最悪ケースが起こる確率は?
その次に、それらの問題が起こる可能性を考えてみます。
今回私は、分かりづらい将来についてを例にとってしまったため、
最悪ケースが起こる確率というのを考えるのが難しいですが、
- 大問題!
- ちょっと問題!?
- そんなに問題じゃないかも?
の三段階評価をしてみましょう。
ずば抜けた体型ではない
→愛さんはダンサーは体型じゃないって言うけど、
やっぱりプロダンサーさん達は細くて素敵だから、ちょっと問題?
凄くテクニックがあるわけではない
→オーディションやコンクールを考えたらテクニックは大問題だよね!
コンクールの入賞歴がない
→日本の小さいコンクールはそんなに大事じゃないけど、
留学許可が出るような大きなコンクールは大切かも。
そうはいっても、日本でオーディションも行われているから
ちょっと問題?程度かな?
英語力が少ない
→バレエは言葉が不要な芸術です♡といっても
バレエ学校生活するなら言葉が分からなかったらダメでしょう。
だから、英語力は大問題!
本当にバレエがしたいのか分からない
→気持ちのアップダウンがあってよく分からない…だからこれは問題なのかも分からない。
友達とは違う生活が不安
親からの「将来どうするのよ」というプレッシャーがある
→不安やプレッシャーはあるけど、オーディションに受かったり、留学許可がでたら
この部分は問題じゃなくなるし、受験する場合も落ちることがあるわけだから、これはそんなに問題じゃないな。
バレエの先生は留学について分からないと言っている
→サポートしてくれる先生がいないのは大きな不安だけど、
先生とちゃんとお話はしていないから、まだ分からないな。
こうやって考えてみると、
- 大問題!は2つ
- ちょっと問題?は2つ
- そんなに問題じゃないな?は1つ
- まだ分からない、は2つ
ありました。
どうでしょう?
「どーしよう、どーしよう」と悩んでいる時と比べると
ちょっと頭の中が整理されてきましたよね。
何をすればいいか分からない時は、分けて考える
- 将来どうしたらいいんだろう
- 進路はどうしたらいいんだろう
という答えを出すのは難しいです。
当たり前だよね、大きな決断だし、遠い未来だし。
そういう質問に対し、
「迷ってるんじゃなく、行動しなさいよ!」
と言っても上手くいきません。
何からしたらいいのか分からないんだから。
だからこそ、何をすればいいのか分からない時は
さっきやったように問題を見える形にして、確率を考えてみます。
そしたら、次の行動も見えてくるよね。
大問題!となっていた部分を1つずつ見ていきましょう。
まずは英語力。
留学したいのなら、海外で働きたいなら、
英語力は必要です。
もしかしたら、英語が分からなくても気持ちで通じるよYAY!
みたいなコメントを見ることがあるかもしれませんが、
留学生を受け入れているバレエ学校で10年以上働いて、
しかも留学生を送り出す方もやってきた身として、
バレエ留学は、ワーキングホリデーみたいな感じの留学と違うと理解する必要があります。
バレエ留学のゴールは、
海外を体験し、異文化に触れて、自分を探す旅ではないんですよ。
バレエ学校は職業訓練校です。
レッスンはプリエ、タンジュ、ジュッテ…など日本でやったことが含まれています。
古典バレエのバリエーションは不変です。
なのに、どうして留学するか?
それはその環境で、同じ志のクラスメイトから刺激をもらい、
豊富な指導経験と知識のある先生たちからのアドバイスを受けるためでしょう?
だとしたら、英語力は絶対に必要ですし、
英語力=注意を理解する力と考えた場合、
上達にも影響する事が分かります。
よって、英語を勉強する方法を考えましょう。
文法はそんなに必要ではないかもしれませんが、
会話、特にリスニングは大切だから、それが出来る方法を考えましょう。
- 英語のポッドキャストを通学時間に聞く?
- 駅前留学みたいなところで、英会話のレッスンをつける?
- 英語の授業を多めにとっておく?
- 字幕なしで映画やテレビシリーズを見る?
自分の生活や、趣味、予算に合わせて、行動を考える事が出来るはずです。
もしかしたら、ワールドバレエデーとか、ローザンヌ国際バレエコンクールなどを見て、
レッスン中に言われている注意を聞き取り、
書き出すなんて言うのもいい練習になりそうですね。
もう1つの大問題ポイントはテクニックでした。
そして、良く考えてみると、前に悩みポイントだった体型には
足のラインやつま先、肩から首にかけてのラインが含まれていたと気づいたら
これらは筋肉のつき方と体の使い方の問題だという事にも気づきます。
- 先生に相談して、プライベートレッスンを受ける?
- ダンサー向けエクササイズクラスに参加して、基礎となる体の使い方を学ぶ?
- 週末にオープンクラスを受けにいって、いつもと違う環境やアンシェヌマンに慣れる?
もちろん、自主練も良いアイデアではありますが、
正しいテクニックが分からないなら、練習する事は出来ません。
自己流で踊ることを自主練とは言わないですし、
「大問題!」カテゴリなんだから、ここは信頼できる指導者について学ぶことを強くお勧めします。
もちろん、金銭的な部分が問題になる人もいるかもしれません。
その場合、いつものレッスンを1つ減らして、エクササイズクラスに変更する
などトレードが必要な可能性もあります。
どうしてレッスンを減らしたかって?
だって、同じことをしていたら同じ結果しか出ないから。
つまり、いつも週に4回レッスンしているけど、上達しないなら
何か変えないといけないでしょう?
週に5回レッスンすることが金銭的に無理なら、
週に3回レッスン+週に1回エクササイズクラスにすることで、
いつもと違うことにチャレンジできるよね?
それで求める結果になるか?といったら、100%YESとは言えないかもしれないけど、
違う事にはチャレンジしています。
また、エクササイズクラスで学んだことを
レッスンのウォームアップに使えば、ケガのリスクを下げることが出来るため
レッスンに100%で向かうことができる確立をあげることが出来ますし、
バレエレッスンだと自主練するにもスペースが必要だけど、
エクササイズだったら、家でも出来るはずですから、
レッスンがない日に、スタジオレンタル費をかけずに練習できます。
エクササイズクラスは、殆どのバレエ学校が授業として取り入れているでしょうし、
コンテンポラリーのようにフロアワークが必要な場合、
日々使っていない上半身、特に腕エリアを使うこともできる
エクササイズクラスを受けることで、そちらの準備にもなるはずです。
という考えの元、レッスンを減らし、エクササイズクラスを増やすという選択をしましたが、
ここは自分で考えてくださいね。
同じく、「ちょっと問題」「問題かも」カテゴリで必要な
行動を考えてみてください。
行動にうつさなきゃ、始まらない
ここまで来たら、次に行うことは、「行動にうつすこと」です。
出来ないかなーと考えている事を「夢見る」と言います。
出来るように行動に移すことを「努力する」と言います。
先週のポッドキャストでお話したように、
結果は外的要因が大きいかもしれないけれど、
自分で出来ることを行うのは、自分次第です。
時間やお金に限りがあるのは分かるし、
地方に住んでいたら、オープンクラスを探すことも大変だというのは分かりますが
それでも自分に出来ることはあります。
やり方が分からないから、行動に移せない人達には
今日のポッドキャストでやり方を説明しました。
やり方が分かっても、自分が出来ること、例えば
- 英会話のポッドキャストをいくつかダウンロードしてみる
- 休みの日に映画を字幕なしで見る
- オンラインのエクササイズクラスを受けたいことを両親に相談する
くらいが出来ないなら、
きっとあなたは本気じゃないんだと思います。
さっき、出てきた問題があったじゃない?
「本当にバレエがしたいのか分からない」
バレエ学校で働いていた時、残念ながら何人かの生徒達は、
バレエがしたい子達ではありませんでした。
バレエが楽しかったのは嘘でないと思う。
ただ、勉強するより、踊っている方が楽だし、楽しいから、という気持ちで
バレエ学校を選んでしまったんだと思います。
そして受かったんだから、それなりに踊れた子達です。
でも、学校生活はつまらなさそうだし、
先生にはいつも怒られるし。
そういう子達は、卒業する前に辞めていきました。
さっきも言ったように、バレエ学校とは職業訓練校だからです。
地元のスタジオで、家族が見てくれる発表会で踊りましょう!
というレベルではありませんから。
そういう人達を見てきたからこそ、
鬼の愛としてお伝えすると、本気じゃないなら来ない方が良いよ。
心が辛いだけだから。
生徒の1人に、バレエがやりたいか分からず、1年休みをとった子がいました。
膝の手術をしたばっかりだったのもあって、踊らない生活をしたんです。
そして、やっぱりバレエが好きなんだ!と気づいて
バレエ学校にやってきた子がいました。
彼女は20歳くらい。
周りは16歳の子もいたくらいだったので、焦りがあるのは見えました。
でもね彼女、卒業後、カンパニーには入らなかったけど、
ヨーロッパで行われたいくつかのバレエプロジェクトに出演し、
フリーランスダンサーとして仕事をしていましたよ。
出来るか出来ないか、ではなく、
やるか、やらないか。
この言葉はワガノワバレエ学校に留学していた友人ダンサーから聞いて以来、
何度もDLSでお伝えしています。
もし「やる」と決めたんだったら、DLSには多くのダンサーサポートがあります。
ダンサーのために作られたオンラインエクササイズクラス、
ケガで悩んでいるなら、ダンサーに見られやすいケガの説明と
レッスンでの対応方法をお話したライブラリクラス。
どういうケガをしているかをメールで教えてくれたら、
該当するクラスをお知らせしますよ。
プライベートレッスンをつけてくれるかもしれない
全国津々浦々の小鬼たちの連絡先がリスト化されています。
2024年も終わりがチラチラ目に入るようになりましたよね。
今から何かをスタート出来たら、
年末には目に見える変化があるはずですよ!
応援しています。
最後に、今日のポッドキャストの最初に
「“元”石橋を100回くらい叩いてから渡るタイプの佐藤愛です。」と言いました。
なんで元なのか、というと、
私が早く行動が出来れば出来るほど、サポート出来るダンサーが増えるからです。
ポッドキャスト500回記念エピソードでもお話しましたが、
「Bマイナスで出せ」というのはDLSの隠れモットーのようになっています。
Bマイナスというのは、点数で言うと70点くらいのこと。
詳しくは、エピソード500を聞いてください。
なんでもall or nothingで考えがちなダンサーや先生たちに伝えたい。
完璧に勉強することが出来るスケジュールや、
忙しくない時は来ないでしょう。
全てに満足する踊りは出来ないと思いますが、
だからこそ日々練習し、舞台に立ち続けるように、
完璧を待つのではなく、行動に移すことが大事だと私は思います。
今日お話した悩み解決法も、
行動が最後のステップになっていたでしょう?
私も、本当なら石橋を100回叩きたいところですが、
「現役の時に知りたかったです」という声を聞かないように
「ケガする前に勉強しておけばよかった」というメールを読まないように、
日々行動に移すようにしています。
お互い、行動を起こす勇気を持ち続けましょうね。
今日も最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました。
もし、周りに悩んでいるダンサーがいたら、このエピソードを教えてあげてくださいね。
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どうぞよろしくお願いいたします。
では、また来週のポッドキャストでお話しましょう。
Happy Dancing!