「隣の芝生は青く見える」ということわざについて考えてみました。
他人のものが自分より良く見えるという意味ですが、
本当に大切なのは他人と自分を比較することではなく、
自分自身の行動に焦点を当てること。
自分も努力を重ねれば、青々とした芝生を手に入れることができます。
自分の庭に水をやり、自分の夢に向かって行動を起こしましょう。
Transcript
お庭の芝生が青々しているメルボルンより佐藤愛です。
乾燥大陸とも言われるオーストラリアのメルボルンがあるビクトリア州は、
夏になると乾燥がより一層激しくなります。
あまりにも乾燥してしまって、山火事になるくらいです。
なので、夏場の芝生は茶色いんですよ。
逆に今現在、つまり冬は青々としています。
写真だけで見ると、あれ、5月くらいかな?と思ってしまうくらい。
さて、今日のポッドキャストでは、
「隣の芝生は青く見える」ということわざについて考えていきたいと思っています。
実はね、このことわざは英語でも100%一緒なんですよ。
The grass is always greener on the other side of the fence
と言われます。
ご存じのように、隣の芝生が青く見える時というのは、
自分よりも相手の方が良く見える場面ですね。
でも、自分自身というより
自分が持っているモノと相手が持っているモノを比較するときに使われます。
モノと言っても、物理的なモノでなくても良くて
家族、環境、体型、スタジオなんてものが含まれます。
ただ、自分の努力と相手の努力を比べて
「隣の芝生は青く見える」とは言わないので分かるように、
自分自身、自分が起こさなければいけない行動などには使われません。
しかも自分とそう変わらないレベルの人との比較の際に使われるそう。
つまり、プロダンサーや古くから有名なバレエスタジオに向けては使われず、
自分のクラスメイトや近所のスタジオに向けて使われるということですね。
だからこそ、「隣の芝生」なんでしょう。
比較対象は国立公園の芝生ではないということ。
なんで今日はこの話をしているのか?というと
実は6月のポッドキャストでは「自分の行動の大切さ」を
裏テーマにしてお届けしてきたからなんです。
グローバルなバレエ界で方向性が変わっている、
体型やストレッチについての考え方を例にとり、
指導者としての責任や勉強を続ける大切さと共に、
行動を起こすのは大先生ではなく、自分自身だという話をしました。
IADMSの資料と共に、トウシューズは12歳からだと言われている事実を
バレエの先生はもちろん、ダンサーや保護者など
皆さんに知ってほしい事をお伝えしました。
もちろんここでも、自分の行動についてお話しましたよね。
何かイベントがあったら、省みて次の行動に繋げること。
ちなみに、このエピソードの後に、資料をダウンロードして読みましたか?
特に「そうは言っても、そう簡単にスタジオを変えられないわよ」と思っちゃった方や
「そうは言っても、早くからポワント履けた方が上手な証拠じゃないの?」と思っちゃった方。
今すぐ考えは変えなくてもいいけど、
調べてみる、理解しようとする行動を起こしました?
そして、先週のエピソードでは「北に向かう話とバレエ人生を豊かにする3点」として
- お互いの意見の中で真ん中を探すこと
- 今の環境で最大限の努力をすること
- 休暇を大切にすること
をお話しました。
全て、自分の行動です。
相手に任せるのではなく、環境を言い訳にするのではなく、行動。
しかも、休暇も行動の1つだと分かってくれていたら嬉しいです。
隣の芝生は青く見える時、
つまり自分と同じレベルだと思っていた人が、
- 良い役をもらえたり
- 上手になったり
- いいチャンスを掴んだとき
同じエリアにあるバレエスタジオの
- 生徒さんが留学したり
- スタジオのポジティブな口コミを聞いたり
- 自分の生徒が移った時
色々と言い訳するのは簡単だと思うんですね。
- OOちゃんは細いから
- XXちゃんは、元々甲が出るから
- 先生のお気に入りだから
もしくは
- 私は、バレエ向きの体型じゃないから
- 私は恵まれてないから
など。
でも、その人が持っているものではなくて、
その人の行動を見てみたらどうだろう?
レッスン回数が2回のあなたと、3回に増やした彼女だったら、
彼女が上達して当たり前かもね。
だって練習回数が増えているんだから。
レッスン回数を増やせないなら
その分お家で出来る努力が必要なんじゃないかしら?
その分1回のレッスンでしっかりと集中し、
- ウォームアップ、クールダウン
- 先生に言われたことを全部メモ
- 分からない部分をまとめておいて先生に聞く
などの行動が必要なんじゃないかしら?
隣の芝生は青く見えるけど、
水をあげた芝生は青くなるんですよ。
メルボルンの冬の芝生の様に。
相手を羨ましがるのではなく、妬むのではなく、
自分の庭に集中し、お世話をしてあげる。
あの人が出来たら、私も出来るはず!
と他人の成功から勇気をもらって、自分のモチベーションに変える。
これが隣の芝生が青く見えた時の考え方だと私は思います。
ご近所のスタジオの生徒さんが増えていたら
自分の「芝生」にはどんな水をあげているだろう?と考えてみましょう。
生徒が少ない事は悪い事ではありません。
ビジネスクラスは、エコノミークラスより席が少ないの。
- より快適に過ごせるスペース
- 個人的にサポートしてくれるCAさん
- 席に置いてあるアメニティ
そういったサービスが出来ないかしら?
- グランアレグロはソロで広々スペースを使える
- 毎月成長した様子をお伝えするフィードバックをメールする
- 生徒が自由に読める本棚
などは、今すぐスタジオで出来るサービスじゃないでしょうか?
ちなみに私は、3年以上行っているボディコンサークルは
毎月ダンサーの悩みやテクニック向上につながるテーマがあり、
どんなレベルでも選べるエクササイズの応用の仕方をクラス全体で伝えています。
それが提供内容。
でも、それ以外にも参加者の皆さんで
フィードバックシートをクラス直後に書いてくれた人達には
個別にお返事、質問回答、アドバイスをしています。
1ヵ月パックで参加の方は、
毎月最後のクラスに45分の質問コーナーを無料でサポートにつけています。
それをしないとビジネス失敗するよ!と言っているわけではないですが
「エクササイズクラスを提供する」
は、いろんな人がやっているでしょう?
オンラインでしかレギュラークラスを提供出来ない私の環境は
現地で指導できる先生たちと比べると、
あまり魅力的でないと感じる人もいるかもしれません。
だからこそ、私が出来る「水をあげる行動」を探すことが大切だと思っています。
- バレエダンサーだけと10年以上仕事をしてきたから分かる、テクニックの悩みやよく注意される点
- バレエ学校指導、バレエ団研修、本の出版と10年の来日セミナーで培ってきた豊富なエクササイズ応用方法
- 治療家として勉強し、実際にダンサーのリハビリで使ってきた解剖学やエクササイズの知識
- ブログ、ポッドキャスト、書籍出版で練習してきた文章力
などは、私の「水」だと思っています。
ここで、
OOさんはスタジオの立地条件がいいから
XXさんはコンクールで賞をとった生徒がいるから有名なんでしょ
なんて言っていたら、
相手の芝生だけを羨ましがっていて、肝心の自分の芝生には水をあげていませんよね。
先生だけでなく、ダンサーも保護者も同じです。
バレエのことが分からないけど、娘が真剣なのでDLSのポッドキャストとインスタで勉強しています
という保護者さんからDMをもらったこともありますし、
DLSで勉強してから、勇気を出してスタジオを変えました
という方もいました。
これらも自分の芝生に水をあげる行動ですよね。
ただ、保護者の場合は1つ注意。
「子供の為にやってあげる」は水をあげる行動ではありません。
愛する子供でも、あくまでも他人。
自分の芝生に水をあげるというのは、
自分自身の行動だという事を忘れないでくださいね。
もちろん、それは未成年が夜遅くまで遊び歩いているのを
放っておくことではないですよ。
それは育児放棄でしょうから。
なんでもやってあげますよ!ではなく
自分の夢なら、自分でなんとかしなさいよ、でもなく。
一緒に頑張る方法を探したり、
彼らを遠くから見守っているけれど、進む道が間違っていたら教えてあげて。
昔、ダンサーの卵セミナーをやっていた時に使った言葉では
「自分の子供の一番のチアリーダーになってください」
でした。
先生になる必要はないし、放棄する必要もないけれど、
その子が辛い時、諦めそうな時に、
リーグの外から大声と笑顔で応援してくれるチアリーダーとして
いつも試合から目を離さないであげてくださいね。
最後にダンサーへ。
自分で行動を起こさなければ、
周りがいくら応援してくれても、素晴らしい環境にいたとしても
ぜーんぶ無駄です。
さっき例に出した、ボディコンサークル。
クラスの後のアナウンスやZoomチャットに
「本日中にフィードバックフォームに記載してくれた方には個別にメッセージを送ります」とお伝えしています。
でも、このオファーをとるか、とらないかは本人次第。
- ここが出来なかった
- このアドバイスが欲しい
などを伝えなければ、私がサポートする事は不可能ですね。
他の子は毎週フィードバックで、変化や感想を書いていて、
それに対して私がクラス内でコメントしていたら
OOちゃんは細いから、愛さんのお気に入りなんだよ
ではありません。
その子は、時間をとって行動を起こしていただけです。
隣の芝生を羨ましがるのではなく、自分の芝生に水をあげましょう。
- 自分の夢のために勉強しましょう
- 自分の努力の方向性を確認しましょう
- 自分のために踊りましょう
隣の芝生が青く見えた時は、
この環境で、そのような結果を作ることが出来るという証拠。
証拠を胸に、自分の足で前に進んでいってください。
毎週のポッドキャストが、皆さんが前に進む勇気の1つになりますように。
このエピソードが役に立ったよ!という人は
バレエ仲間、生徒さん、保護者のライングループなどで
教えてあげてくださいね。
生徒の安全と将来の健康を第一に考えるバレエ界になるよう、
DLSポッドキャストをサポートしてくださると嬉しいです。
Happy Dancing!