「基礎って何ですか?」という質問が届きました。
私は、基礎とは、テトリスのように穴が空かないよう重ねていくことだと思います。
4歳の子と中学生で基礎レッスンが違うように、
「レッスンで何をやっているか?」によって「何が基礎か?」は変わります。
無料の「ピルエットの準備 レッスンプラン」ミニeBookで学んでみてくださいね。
聞きたい人はこちらから(読みたい人はスクロールしてね)
みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
ダンサーズライフサポート、通称DLSは”生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンを「当たり前」に。”を合言葉に、
元オーストラリアの政府認定バレエ学校専属セラピスト兼、セミプロフェッショナルレベルのダンサー向けエクササイズ、解剖学とケガ予防のクラスの講師を担当してきた佐藤愛が、
大好きなバレエを心ゆくまで続けたいダンサー、バレエの先生へ情報をお届けしています。
今日のポッドキャストでは「ピルエットの準備 レッスンプラン」ミニeBookを作った裏話をお届けします。
ピルエットの準備と書いてありますが、これって基礎の事を指すんですよ。気づきました?
ピルエットに必要な基礎が身についていると、ピルエットが出来るようになりますよね?
逆にピルエットがアンシェヌマンに出てくるときに、
- 初めてルティレを知った
- 腕の小さな3番ポジションから、腕を開いて、ルティレと同時に1番ポジションに集めてくるというコーディネーションはやったことがない
- フィニッシュの時に、ルティレデヴァンから少しつま先を持ち上げて、デリエールにする事実を知らない
となったらピルエットできないでしょ。
こうやって考えると、ピルエットの基礎というのは、ピルエットの準備と同義語だと分かりますよね。
2023年10月にプレゼントした「脱・つまらない基礎レッスン」は多くの先生が手に取ってくださったようです。
手に取った、と実際にレッスンに取り入れた、は別問題ですが、
300人以上がダウンロードページに到達したのは見えました。
そして複数の先生方から、「基礎は何かも教えてほしいです」という声を聞きました。
eBookをダウンロードしてくださった皆さんなら分かるように、
あの本には基礎レッスン「が」何か、は書いてありませんでしたよね。
理由は、クラスのレベルによって「何が」基礎なのか?が変わるからです。
例えば、
- バレエは週に1度
- 4,5歳のクラス
だったら、
- まっすぐ立つ
- バーに両手を乗せる方法(これ、指導していない人が多いけど!)
- 足の6番ポジション(もしくは両足揃えて立つ、バレエスタンス)や小さな1番ポジション
などが基礎になりますが、
- レッスンは週に2-3回
- 発表会やコンクールでソロを踊ることもある
- 中学生のクラス
だったら、
いくら基礎が大切と言っても「6番ポジションで立ちましょう!」をやっているだけではレッスン内容についていけません。
この子達にとって基礎とは
- 足の全てのポジション
- 様々なポーデブラ
片足バランスはもちろん、ピルエットなども入ってくることでしょう。
たとえまだ、
- ポワントで踊っていない
- グランパドシャのような難易度の高いジャンプはしていない
- 複数回転ピルエットはしていない
としても。
つまり「レッスンで何をやっているか?」によって
「何が土台になっているか?」
言い方を変えると、「何が基礎か?」が変わるのです。
だから、「基礎が身についていない」と言われた場合、
「その踊りを行うレベルに必要な土台が出来ていない」という意味なんですよ。
先生から、基礎が身についていないと言われましたが、具体的には教えてもらえませんでした。
という声も聞きましたから、書いておきます。
時々、先生も基礎が何か分かっていない場合があるし
基礎とは甲を出すこと、180度の一番ポジションが出来ること、と思っている先生もいます。
床で開脚が出来たら、柔軟性の基礎が出来たと思っている人もいるみたいです。
基礎が身についていない!と先生に怒られる生徒の声をよく聞きますが、
基礎レッスンを提供していなかったら、基礎が身についていない原因は先生にあるんですけどね。
もちろん、先生も可哀そうな人かもしれないという話を過去にしましたよね。
先生の先生が教えてくれず、時代的に先生に聞くことはもちろん、オンラインで検索することも出来ず。
仲間がどんどん怪我していって、
ほかの子がバレエを辞めるたびに、「あの子はやる気がない」「あの子はバレエに向いていない」など本人のせいにされるのを小さいうちから聞いていたら、
- 根性でどうにかすること
- 出来ないステップがあったら、生徒のせい
- 痛いのは当たり前
と考えてしまって仕方がないのかも。
いくら勉強していても、3歳から言われ続けた洗脳が、完全に抜けるには
長い時間と、相当の努力が必要です。
その気持ちはよくわかるんだけど、
お金もらって、プロとして指導しているのは自分なんだから
勉強しないと、生徒に合わせる顔がないよ、とも感じます。
ただこの話をすると、長くなりますし、鬼の愛も発動しますから、今日は辞めておきましょう。
さっき使った例をもう一度引っ張ってきましょう。
幼稚園生に求める基礎のレベルと、中学生に求める基礎のレベルは違いますよね。
幼稚園児に180度の1番ポジションは不要です。
でも、5番ポジションを習っている中学生だったら、その前に1番ポジションが出来ていなければいけません。
メルマガでは、基礎とはテトリスみたいな感じ、と説明しました。
テトリス、分かるよね?
ブロックがちゃんと重なれば、上部にスペースが生まれる。
上手く重なっていなければ、どんどん問題が積み上がっちゃって、ゲームオーバーになる。
どっちの方が長くゲームを続けていられるか?
もちろん、地道にブロックを並べて列を消していける方なんですよね。
なので、11月のプレゼントは「ピルエットの準備 レッスンプラン」ミニeBookなんです。
回転の指導の「前に」やらないといけない部分を
1つのアンシェヌマンにまとめました。
1つのアンシェヌマンなら、レッスンに追加しても時間に影響しないはずです。
無駄なストレッチを辞めて、
意味の分からないリンバリングの代わりに
どうしてこの振付を練習するのか?が
先生も、生徒も分かっているものを追加してください。
生徒が何のためにやっているのか?が分かると上達が早まるというのは、
トレーニング原則の1つである「意識性の原則」にもあるとおり。
すでにピルエットを練習している人、練習させている先生は
- ピルエットの動足のつま先は、どの道を通るのが正しいか説明出来ます?
- 腕を1番ポジションに集めるタイミングはいつでしょう?
- 回転が終わって、腕を開くタイミングは?
を説明出来ますか?
頭で分かっていても、できない事ってあるじゃない?
股関節からターンアウトを保つ、と分かっていても
踊っていると忘れてしまうみたいな感じ。
ということは、頭ですら分かっていなかったら
多分出来ないですよ。ね?
すっごくいいレッスンを受けてきたダンサーを除いて。
時々、よくできたレッスンプランを小さいうちから習ってきた人は、
勝手に基礎が身についているので、気が付いたら回れるようになっていた、という人もいるんですが、
そういう人はDLSをフォローしていないと思うので割愛します。
今回のeBookは、自主練にも使いやすくなっています。
先生が勉強してくれないスタジオに通っていたら、自分でやってください。
テトリスのブロックがかなーり積み上がっちゃっている人でも
お家で、椅子や壁を手に、地道に練習する事が出来ます。
メルマガ登録をしてある人は、11月15日にお送りしたメールからダウンロードしてくださいね。
見つからない、まだ登録していないという人は、
このポッドキャストのブログバージョン、www.dancerslifesupport.com/episode484
からリンクを探すか、
hello@dancerslifesupport.comにピルエットeBookください、と教えてください。
ということで、今日のポッドキャストはここまで。
基礎とは、つまらない繰り返しではなく、やりたいステップの準備なんだ!と分かってくださったら、
そして基礎はテトリスみたいに、穴が空かないよう、重ねていく行為なんだ
と理解してもらえたら嬉しいです。
来週は、発表会を成功させる秘訣をお届けしますのでお楽しみに…
Happy Dancing!
佐藤愛
!!ポッドキャストの購読方法!!
DLSのYoutubeチャンネルには過去のポッドキャストだけでなく、ビデオブログやインタビューなども発信しています。
チャンネル登録をお忘れなく!