無理はダメと知っていても、夢を叶えるには努力が必要じゃない?頑張らないといけないよね?
その通りなんですが、「頑張る」と「無茶する」は違います。
その違いを考えてみたポッドキャストを、全国の頑張り屋さんなバレエ先生&ダンサーにお送りします。
聞きたい人はこちらから(読みたい人はスクロールしてね)
みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
ダンサーズライフサポート、通称DLSは”生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンを「当たり前」に。”を合言葉に、
元オーストラリアの政府認定バレエ学校専属セラピスト兼、セミプロフェッショナルレベルのダンサー向けエクササイズ、解剖学とケガ予防のクラスの講師を担当してきた佐藤愛が、
大好きなバレエを心ゆくまで続けたいダンサー、バレエの先生へ情報をお届けしています。
今日のポッドキャストでは、「そーは言っても愛さん、必死で頑張らないと結果は出ないでしょ?」系の質問にお答えしていきたいと思います。
今回が初DLSポッドキャストの方、いらっしゃいませ、そして今日の内容を理解するためには4月21日にリリースされたエピソード453と、先週のエピソード457を聞いていただくといいかなと思います。
ここで待ってます、戻ってきてね。
レギュラーリスナーの皆さんの中には、スポ根がダメというのは分かっているけど「・・・」と思っている人もいるんじゃないかな?と思いました。
- 自分をプッシュしないと、上達しないよね?
- 限界を超えるためには、痛みをプッシュしないといけないんじゃない?
- 夢を叶えるためには、我慢も大事でしょ?
- 必死で頑張らないと結果は出ないでしょ?
という、大きな声では言えないけど、ちょっと腑に落ちていない部分があるんじゃないかなって思いました。
もちろん、このような質問が私の元に届いたわけではありません。
ただ、DLS歴も10年になってくる、貫禄のついた鬼の愛は、地球のどこかで発されているであろう声を聞き取る超能力を身につけております。
なーんてね。
ただ、パラレルユニバースに住んでいるかもしれない、ダンサーとして成功しちゃった愛ちゃんが、その後ろくな勉強もせず指導者になっていたと仮定したら、
こういう質問をしてくると思ったので、今日はこれらを一緒に考えてみましょう。
ご意見その1 自分をプッシュしないと上達しないよね?
短い答えはYES。
トレーニングの原則の一つ、「過負荷の原則」別名「オーバーロードの原則」というのは存在します。
「トレーニングを行うときは、ある一定以上の負荷をかけないと身体は強くならない」という原則ね。
でもね、この言葉って「毎日同じ練習ばかり行っていても、身体がその負荷に慣れてしまい効果が現れにくい」という意味なんです。
なので、プッシュは必要だけど、同じことを繰り返していても意味がない。
つまり毎日バレエレッスン「だけ」でプッシュしても効果が表れにくいという事を覚えておかなければいけません。
また、同じ原則、原理系を使ってディベートするとしたら、
全面性の原則にて、体全体を鍛える必要があるとわかるので、バレエレッスンでは鍛えづらいエリアをカバーするために他のエクササイズを取り入れる必要がある。
個別性の原則にて、その人個人に合わせた内容でなければいけない。
意識性の原則にて、何をしているのか本人が分かっている必要がある、つまり知識がなければ体だけ動かしていても意味がない。
漸進性の原則にて、急に難し事をするのではなく、順序良く、徐々に難易度を上げていく必要がある。
反復性の原則にて、トレーニングを続ける必要がある、つまりケガして、続けられなくなってしまったら、本末転倒だと分かる。
という部分も存在します。
なので、プッシュするというのは
バレエ以外、もしくはよーく吟味されたバレエレッスンを、本人に合わせたメニューで、理解がある中で、コツコツと、続ける必要があると分かります。
出来ない事をただ何度も繰り返したり、エシャッペを1000回繰り返したりではダメってことが分かりますよね。
だから、プッシュの指している意味をしっかりと理解しましょう。
ご意見その2 限界を超えるためには、痛みをプッシュしないといけないんじゃない?
短い答えはNOです。
どんなスポーツでもいいです。世界新記録を出すときの選手は調子がいいですか?調子が悪いですか?
答えは、調子がいい、でしょ?
痛い時、ケガしているときに世界新記録出ます?
でも世界新記録って、今まで考えられていた人間の限界を超えることを指しますよね。
これ。
限界を超えるためには、ベストコンディションで挑む必要があります。
毎日自分の限界に挑戦するという事は、毎日ベストコンディションでいられるように努力する上に成り立つもの。
いくら高級なスポーツカーでも、経験豊富なドライバーでも、限界になる前にタイヤを変えるように、ダンサーも壊れる前に、問題が起こる前に、対処する事が出来て初めて結果がでます。
ご意見その3 夢を叶えるためには、我慢も大事でしょ?
短い答えはYES。
ただ、「我慢する」という動詞は何に対して指しているのか?を考えなければいけません。
ご意見その1にあったように、やりたい、と思っている難しすぎるテクニックではなく、自分のレベルに合わせたレッスン内容を繰り返すという我慢かもしれないし、
ご意見その2にあったように、踊りたい、まだいける!と思っても、体の調子を理解してコンディションを整えるエクササイズを選ぶとか、休憩するとかそういうことも我慢と言います。
短期で得られるものではなく、長期目線でダンサーという職業を考えるのも我慢が必要です。
長期ゴールを考えて、お友達が出ているコンクールにNOというとか、踊りたい舞台だけど辞めておくとか。
もっと簡単な例では、レオタードの新作を買うのではなく、自分の体をケアするところにお金を使うとかね。
そういう感じも我慢だとみると、夢を叶えるために必要だと思います。
ご意見その4 必死で頑張らないと結果は出ないでしょ?
ここらへんになってきたら、「もう愛さん分かったって!」言いたくなりました?
必死という言葉の意味、「死ぬのを覚悟で」やらなくてもいいというのは分かりますよね?
命を懸けた発表会とか、寝る時間を削り、食べるものを削り、命を削る生活は、頑張るとは言わないというの、分かりますよね?
ダンサーが踊る人という意味の言葉であれば、人間として踊れる、つまり動ける体が必要だという事は、何度もお話しているから分かるよね?
でも、私の先輩も、先生が…という声は、457でバックグラウンドをカバーしたからいいね?
じゃ、今日のポッドキャストを終わりにするよ?
最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました。また来週金曜日のポッドキャストでお話出来るのを楽しみにしています。
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