レッスン中は気をつけていても、ふとした瞬間に日頃の行いが見えてしまう。
例えば、レッスンが始まる前のちょっとした時間、休憩中、クラスが終わってホッとした時・・・
姿勢や正しい筋肉を使う時もそうですが、ずっと意識し続けることは不可能だからこそ、
体の使い方も、考え方も習慣化させていく努力が必要なんですよね。
聞きたい人はこちらから(読みたい人はスクロールしてね)
みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
ダンサーズライフサポート、通称DLSは”生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンを「当たり前」に。”を合言葉に、
元オーストラリアの政府認定バレエ学校専属セラピスト兼、セミプロフェッショナルレベルのダンサー向けエクササイズ、解剖学とケガ予防のクラスの講師を担当してきた佐藤愛が、
大好きなバレエを心ゆくまで続けたいダンサー、バレエの先生へ情報をお届けしています。
先週に引き続き今日のポッドキャストでも、2023年3月中旬から行われていた来日セミナーで感じたこと、見てきたことなどをお届けする赤裸々日記兼レポート的なポッドキャストをお送りします。
今日のテーマは「日頃の行いが覗けちゃう時間」ということで、ワークショップで見えた点だけでなく、休憩時間にみんなが何をしていたのか、どんな会話をしていたのかを密かに観察して分かったことをお届けしようと思います。
日ごろの行い、っていうと何それ?って感じに聞こえますが、レッスンでどんなことを注意されるのか、常日頃何を考えているのかなどのことです。
でもその前に。
2023年のセミナーは終わってしまいましたが、DLSには英語でいうエバーグリーン、常にいつでも申し込みが可能な勉強の場所があります。
毎週日曜日朝9時に、オンラインで私と一緒にダンサーに必要な解剖学とエクササイズを学びながら、バレエ上達を目指すボディコンサークル、
毎週水曜日朝8時に30分だけ、エクスプレスにエクササイズができて、シャキッと一日をスタートするだけでなく、週の半ばで体の声を聴く時間を作る佐藤かんなさんのボディコンエクスプレス。
いつでも、どこからでも勉強したいダンサーのケガ予防や解剖学、レッスンプランが学べるDLS教師のためのライブラリなど。
勉強したいダンサーやバレエの先生が、勉強したい部分をいつでも手に入れられる場所をDLSは提供しています。
どんなことがあるのか覗いてみたい人はwww.dancerslifesupport.comをチェックするか、
気になったクラスの詳細が必要だったらお気軽にhello@dancerslifesupport.comにメールして、このクラスの詳細を教えて、とご連絡くださいね。
では、いっくらセミナーや講習会で気合を入れていても、日ごろの行いが垣間見えちゃうよね、と私が思った瞬間をお話していきましょう。
現地セミナーとオンラインセミナーの大きな違いは、会場に集まるということ。
つまりセミナー5分前にzoomのボタンを押す、という短い時間ではなく、10-20分前から会場にいる姿が見えるし、休憩時間にカメラの前からいなくなるのではなく、会場にいる様子が見えます。
当たり前っていえば当たり前なんですが、こういう「オフ」だけど見えている場所で、日ごろの行いが見えるなと感じました。
例えば、セミナー資料にすでに書き込みがあって、クラスが始まる前に読んでいる姿があったり、
近くに座っている人に自分から声をかけて、自分にとって勉強しやすい環境を整えている姿も見えます。
ギリギリまで携帯でSNSを見ている人もいたし、だれが何を忘れたのかもしっかりと見えてしまうのが現地セミナーですよね。
もちろん、ゲストとしてエクササイズクラスを担当してきた講習会のバレエレッスンを見学していたときは、レッスン前に生徒たちがどんなことをしているのか? ?もじっくりと観察してきました。
ストレッチしているか、ウォームアップしているか?はもちろん見ますよ。
そしてがっかりしますよ。
だけど、ストレッチはしていないけど、一緒のスタジオから来た子たちと円になっておしゃべりしている姿が見えたり、
ずーっと何かにとりつかれたみたいに、カッサっていうのかな?なんだかマッサージの道具みたいなので足をずーっとマッサージしている子、つま先を10分以上ストレッチしている子、鏡のほうを向いてぼーっとしている子など。
おしゃべりしている姿が問題なのではありません。
クラスの合間にぼーっとしていても休憩時間なんだから問題ないです。
ウォームアップしていなくても、私のクラスの場合、エクササイズクラスなので問題はありません。
じゃ、何がみえるか?というといつもの習慣が見えるんですよね。
レッスン前に自分の体の調子をチェックしたり、これから勉強することを予習するのではなく、
ずっとSNSをスクロールしているのが普通なんだろうな、とか、
クラスが終わった後に、忘れ物についてアナウンスがあってもやっぱり忘れ物をする姿を見ると、
席を立つ前に、確認するという行動をしないのかな?とか、
周りの人とおしゃべりに夢中になって、忘れちゃうのかな、とか考えてしまうわけです。
これが子供だったら、せっかく仲良くなってきて、お話したい気持ちはわかるけど、
大人の場合は、もう少し周りが見えていたほうがいいんじゃないかなと感じたりしました。
「大人の場合」というと、年齢で許される行動があるって分けるのはおかしいように聞こえるかもしれないけれど、
やっぱり人生経験というか、社会人として身についているべきことというんでしょうかね。
それが中学生とは違うんじゃないか?と思ってしまいます。
が、どうなんでしょう?皆さんはどう思いますか?
今回の来日期間は小学生からプロを目指す20代、そして幅広い年齢層の先生から、70代大人バレエトレーニーまで幅広い年齢層の皆さんとお仕事をしたため、傾向としてみてたことをお伝えすると、
子供たちのほうが、言うことを聞いている&大人のほうが、話を聞いていない
と感じました。
でもね、これはコロナの前から毎回セミナーのたびに感じているから、もしかしたらDLSのセミナーに来る人達がこういう傾向があるのかもしれないです。
- グループで何かをする
- ペアで練習する
とすると、大人たちのほうがうるさいんですよ笑
セミナーでもお話したのですが、セミナー会場で、ペアになった人に「えーわかんない」と言っても解決しませんよ。
だってわからないから、セミナーに参加しているんだから。
相手が分かっていて教えてもらえたらラッキーだけど、お互いにわかんないを繰り返しても前に進めません。
ほかのグループはすでに行動を起こしているんだから。
子供たちの口から「えーわかんない」という言葉は聞きませんでした。
わからないと黙っている、という部分もあるからだとも思うのですが、分からないと、「〇〇するんですよね?」ってすぐに声を上げるのが子供たちのような感じがします。
それでね、大人になればなるほど、巧妙に「必殺 聞こえないふり」という技を身につけてくるなとも感じます。
作業が終わっていなかったり、会話が終わっていないと、「時間です」と言われてもずーっと喋っているんですよ。
聞こえているのは知っています。
だって、その前も同じボリュームで話しているし、マイクを使っているし、この時間になったら終わりというのも伝えているから。
同じグループのほかの人は顔を上げて、目が合っているから。
これも、日ごろの行いなんだろうなと思いながら見ていました。
自分が指導者として、親として、会社員としてとかお仕事の場で、自分の作業をすることはできるし、人に指示を出すことはできるんでしょう。
でも、自分が生徒の立場になったときに、分からないことを確認するために声を上げることが出来ない。
タイムアップだとわかっているけど、続けたい。自分の意見を言い終わっていない。
だから結果として、同じグループやペアの人がどういう気持ちでいるかを考えず、自分のやりたいように行動してしまうんでしょう。
自分のやりたいように行動する、というのは自分勝手ではないことが多くあります。
時間通りに終わらなかった人たちも、ピュアにタスクを完了したいと思っただけでしょう。
「つま先を伸ばせ」と注意され続けて、何をしていいのかわからないから、10分以上座ったままでつま先を伸ばすというか、かかと前、の形になるように手でギューギュー押している子や、
筋肉質だからとか、筋肉を柔らかく使って、と言われ続けて、どっかのステーキみたいにたたく、もむを繰り返せば柔らかくなると信じている子たちもそう。
ちなみにその子にはケガや痛みがないか確認済みです。
でもここで、つま先が伸びない理由は、昨日行ったエクササイズで分かるように、片足になったらガクガクしちゃうほど軸足が弱くて、つま先を伸ばしている余裕なんてないから。
とわかっていたら、彼女がやることは変わったでしょうね。
筋肉を柔らかく“使う”ということが、コントロールの問題だと分かっていたら、トレーニングするでしょうね。
筋肉がいつも硬く“感じる”というのが、成長期の過程だからとわかっていたら、ウォームアップとかバレエノートとか、ほかのことに時間が使えるようになるかもしれないし、
筋肉が硬くなる理由の一つが睡眠や水分補給が足りないからだと勉強していれば、生活習慣に意識を持ってくることができたでしょう。
クラスの前に予習をしておくことで、セミナーの流れがわかりやすくなるとか、言葉に慣れておくと理解がスムーズになるという、学びの基本。
分からないことを質問することは、恥ずかしいことではないということ。
終わらなくても、時間内にどこまでできるかにチャレンジすること。
つまり結果ではなく、工程が大切だとわかっていたら、「必殺聞こえないふり」を何度も繰り出す必要もなかったでしょう。
先週のポッドキャストでお話した昭和のスポ根もそうだけど、意識しているときはできるんですよね。
気を付けていれば、タオルを忘れて帰ることはないでしょうし、前日に再度持ち物リストをしっかりと読んでおいて、忘れ物がないように準備することもできたでしょう。
でも、気が抜けているとき、集中力が切れているとき、だれも見ていないと持っているところ。
そういう時に日ごろ何をしてきたか? の習慣が出てきてしまうんでしょう。
先ほど大人と子供の話をしたじゃない?
大人のほうが子供よりも、長く生きていますよね?
ということは、日ごろの習慣が固まっているとも言い換えることができるのかもしれません。
そういった日ごろの習慣や考え方に対し、疑問をもつようなチャンスが少ないのかもしれません。
そして私たち大人の言動が、子供たちの行動、つまり彼らの将来の習慣を作っていると考えたら、
さっきの話に戻るけど、大人にはもう少しできるようになっていてほしいと思っちゃうんですよね。
だって、多分「かかと前に」と言っていたのは先生なんだもの。
マッサージするといいよということを言ったのも、道具を買ってあげたのも大人なんだもの。
時間が余っていたら、携帯を見て”忙しいふり”をしていたほうがいいというのも、周りの大人を見て学んだのかもしれません。
久しぶりに電車に乗ったら、携帯をいじっている人の数が多くてビックリ。
オーストラリアもそうだとは思いますが。
そうそう、来日期間中フランスにずっと住んでいたお友達が日本に戻ってきたので、ごはんをするチャンスがあったのですが、
彼女がレストランで本を読んでいるのを見て、かっこいいなと感じました。
飛行機の中で映画を見るのではなく本を読んでいたら、CAさんに素敵な人だと声をかけられました。
昔は、本を読んでいたらオタクっぽいイメージがあった気がするけど、最近は簡単にかっこいい人になれるようです。
話を戻して。
「かかと前」という注意がいけないわけではありません。
でも伝えたいことが、ターンアウトだったら、かかとだけ前にと伝えることになるこの言葉でいいのだろうか? と考える必要はありそうです。
体のケアが大切なのも事実です。
でも、これからレッスンだ!というときに、ずーっと太ももだけマッサージしていても、肝心のウォームアップにはなっていなくて、筋肉は温めると柔らかくなるという事実も伝わっていないことになります。
先生方、もし日ごろの注意が正しく伝わっているか? を確認したかったら生徒さんたちがレッスンの外でやっていること、会話内容を聞いてみてください。
発表会前に痩せなきゃ、〇〇ちゃんは体が柔らくていいよね、なんて言葉が聞こえてきたら、どういうメッセージをレッスン中に伝えているのか?を見直してみてください。
バーとセンターの間に休憩時間を取ったら、生徒さんたちはどんな行動をとりますか?
それを見れば、彼らにとってレッスン中の休憩とはどういう意味か、どんなことを考えているか? が見えてきます。
そして、先生が思っているように伝わっていなかったら、伝え方を変えましょう。
もしかしたら、伝える頻度を増やすのかもしれないし、自分の行動を振り返る必要もあるかもしれません。
でも、こういった無意識のスペースで、日ごろの行いや考え方が見えてしまうのは事実です。
観察してみた結果やポッドキャストの感想はhello@dancerslifesupport.comにメールして教えてくださいね。楽しみにしています。
ということで今日のポッドキャストはここまで。
最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました。
また来週金曜日にお話ししましょう。
Happy Dancing!
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