DLSポッドキャスト epi447 ハイパーモビリティ(HMJ)とは何?

体が柔らかい=恵まれている、健康、と考えている人達が多いバレエ界ですが

関節過度可動性とはどういう状態なのか、知っていますか?

 

ケガの治りが遅いとか、トレーニングをし続けないと、関節を守ることが出来ないとか、デメリットもたくさん存在します。

だからといって、ハイパーモビリティが悪、ではありません。

 

正しい情報を知って、メリットとリスクをしっかりと理解すること。

それが、「バレエ向きの体」を作ってくれるよ、というメッセージを込めたポッドキャストです。

 

 

聞きたい人はこちらから

 

みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?

ダンサーズライフサポート、通称DLSは”生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンを「当たり前」に。” を合言葉に、

元オーストラリアの政府認定バレエ学校専属セラピスト兼、セミプロフェッショナルレベルのダンサー向けエクササイズ、解剖学とケガ予防のクラスの講師を担当してきた佐藤愛が、

大好きなバレエを心ゆくまで続けたいダンサー、バレエの先生へ情報をお届けしています。

 

 

今日のポッドキャストでは、DLS教師のためのライブラリ内の一部、ハイパーモビリティとは何か?を説明したセクションをお届けします。

 

ハイパーモビリティというのは、二重関節なんて日本語で言われることのあるもの、と説明すると想像しやすいでしょうか?

ポッドキャストを長い間聞いてくれている人達なら既に知っているとは思いますが、

最近DLSユニバースを見つけたよという人達のために。

 

 

DLS教師のためのライブラリとは、2023年1月からオープンしたオンラインプラットフォームで、

誰でもどこからでも自分のペースで勉強出来る、バレエの先生サポートコンテンツです。

バレエの先生用ではありますが、バレエ以外の先生や自分が踊っている人、保護者、大人バレエトレーニーでも勉強できます。

 

自分のケガを理解するために1クラスだけ購入して1か月間で勉強することも出来るし、ライブラリ内にあるすべてのコンテンツにアクセスし、継続して学ぶために3か月会員や1年会員というオプションもあります。

1年会員は、コンテンツへのアクセスだけでなく、3か月に一度、シークレットライブという名前の、リアルワークショップもついてきます。

予算やゴール、自分の学びたい内容に合わせて、選んでもらえるようになっているという事ね。

 

今日からスタートした教師のためのバレエ解剖学講座モジュール1&2などのリアルタイムで勉強するセミナーや、

来週から行われる来日セミナーには参加出来ない人達もいますよね。

海外に住んでいる人はもちろんですが、地方でも春休み中の旅費、宿泊費をカバーするのが大変という人もいるだろうし

子供が小さいからセミナーにいけない、なんて人もいるでしょう。

 

勉強したい人達が、住んでいる地域や、家族の状況で勉強出来なくなってしまう、という格差を減らすために教師のためのライブラリを作ったのですが、

セミナーの申込などもありまして、最近この話をしていなかったですよね。

 

しかも、最近のポッドキャストではマインドセット的な話をしてきたから今日からセミナー期間は、

私の大好きなバレエ解剖学やエビデンスベースのレッスンについてみていきましょう。

 

ポッドキャストでは音声だけをお届けしますが、ライブラリ内では字幕付きの動画、資料、サポートマテリアルなどもついてきます。

気になる方は、DLS教師のためのライブラリをチェックしてくださいね。

 

では本文です。

 

 

では、何度も言葉に出てきてますが、そのハイパーモビリティとか反張膝、関節過度可動性というのは一体何を指しているのか?

関節過度可動性というのは簡単に言いますと、普通よりも膝が伸びる。普通よりも関節が伸びるということです。

 

もっと難しい言葉で説明しろよ、というような感じもするんだけど、それしか言いようがありません。

ここの括弧書きで書いてあるように、ROM、Range Of Movement、関節の可動域がaverage、普通よりも大きい。

本当にそのまま書いてあるので、それしか説明のしようがないんですけれど、バレエの先生でキーポイントになるのは、その下の部分。”生まれつきの場合もあれば、トレーニングで身につけてしまった場合もある。”

つまり作られてしまった人工的なハイパーモビリティの可能性があるというセクションです。

その他に下に書いてあるように、皮膚、筋膜、靭帯、関節包に影響します。

 

 

ただ膝が伸びました。身体が柔らかくなりました。筋肉ストレッチしました、だけの話じゃありません。

筋肉っていうのは元々伸びるようにできているので、筋肉の伸び方の話をここではしていないんです。

ハイパーモビリティー「J」、最後に付いていますね、ジョイント=関節の話をしています。

皮膚、筋膜、靭帯、その他の部分も伸びてしまう、伸びる場所が増えてしまうということは、関節が不安定になるということです。

元々は関節を守るためにある組織が、守ってくれることが出来なくなってしまうというシチュエーションに陥るということです。

 

 

じゃあ、元々生まれつきの人は、それをどうにかする方法はないのか?そしたらバレエは諦めた方がいいのか?

 

いやいや、そんなことはなくて、筋肉を強化することで関節をコントロールするということは出来ますが、

 

筋肉というのは

①エネルギーを使うものである。

②使わなかったらなくなってしまうものである。

という組織。

 

靭帯は

①エネルギーは使わないものである、そこにもう組織として存在していたら。

②その子がなくなっちゃうことはない。

ということで、靭帯の方が楽ですし、長持ちします。

 

例えばバレエをやめて、この後、エクササイズはそんなにしないで会社にお勤めになりました。となった時にも安全に生活が出来ます。

ハイパーモビリティをバレエ界だけで見た時とすると、バレエ界では「恵まれた身体」と言われがちですね。

彼女はつま先が伸びるから、膝が入るから、脚が高く上がるから、なんていう感じで。

 

ただしケガのリスクは非常に高いです。コンクールで、特にちっちゃいコンクールでは、点数になりがちです。

どこまで脚が上がるからとか、バレエのラインだからとか、ちっちゃい子でポテンシャルがあるから、なんていう風に見られることがあって、点数が先に付いてきます。

よって、そのような子たちは褒められるから、居場所があるから残る。バレエ界や新体操界ではそのような子たちがたくさんいて、そのような子たちがケガをして、大人になった時に、ある程度体が大きくなった時にやめていく、という問題につながっていくわけですね。

 

 

皆さんもスタジオを経営していると、見たことがあると思います。

ちっちゃい時にスタジオに入ってきて、何でも結構そつなくこなせてしまって、ああこの子すごく才能があって、教え甲斐があるな。難しいことも出来ちゃうし、トゥシューズに立つのも簡単だし。

ちっちゃいうちはコンクールとかでも点数が付いてたんだけれど、ある程度の年齢になってきたらちょっとこう、他の子たちより落ちていく。

ジャンプ力が足りなかったり、踊りがちょっとギクシャクするなんていう問題が見えてきて、で、”女性らしい身体”になってきたから「ダイエットしなさい」なんて言われてくる。

で、ケガして結局やめてしまいました。「あーもったいなかったな」ってバレエの先生たちが思う。

 

それの理由がここにあって、「体が柔らかい=才能がある」ではない。っていうことをあまりよく知られていない人たちもいらっしゃるからという問題がありますね。審査員とかも含めて。

 

ただし高いレベルで戦う時、つまりバレエ学校の長く続くオーディションだったりとか、もちろんバレエ学校に入った後に6ヶ月に一度だったりとか、1年に一度やってくる試験、公演回数をこなす、もしくはオーディションツアーに回る、などという踊る回数が増えてくる、つまりケガしてたらチャンスを失う。

というようなところでは、問題になってきます。バレエ学校には入れるんですよ。コンクールで入賞するというのも出来るんですよ。

ただ、じゃあ、カンパニーに入りました、カンパニーで上まで行きましたか?っていうところで見ていくと…うん。

 

ハイパーモビリティーの他の情報として、バレエの先生として知っておきたいのは、「ケガの治りが遅い」とも言われている子達が多いということ。

つまり、ケガしました→ケガのリスクはすでに高いです→レッスン見学します→筋力落ちます→関節のコントロールも難しい→またケガをします…

という負のサイクルにはまってしまうと、このような子達はケガを繰り返してきてます。

最初は足首が痛くてちょっと休んだと思って、レッスンに復帰したら、今度は膝が痛くなってきてで、膝のテーピングしながらレッスンをして、でもって股関節も実は痛かったんだよねっていう話が出てきて…みたいな形で、掘れば掘るほどケガの歴史が出てくるみたいな感じですね。

 

もしかしたらこのクラスを受講されている皆さんの中にも、自分がそれに当てはまると思ってしまった人もいるかもしれません。

大体、バレエの先生の残ってる人たちは、このエリアに入る人達たちなんで。

 

「私、身体硬くて脚は上がらないけど、バレエの先生になろう」っていう人たちはほとんどいないので、皆さんの中は、まぁほとんどがハイパーモビリティーのエリアに入ってくると思います。

最初にお話ししましたが、ハイパーモビリティーはYES・NO、あります・ありませんではなくて、どれくらいのレベルのハイパーモビリティーか?があるので、この後出てきますが、病気のために一番上のレベルのハイパーモビリティに行く人もいれば、他の子よりちょっと体が柔らかいねっていうところの子たちも存在します。

 

 

いかがでしたか?

反張膝、膝が過伸展してしまうダンサー達をどう指導するのか?そして、その逆の膝が伸び切らない子達はどうすればいいのか?

を勉強するクラスの一部だったため、難しい内容だったかもしれません。

 

でも、こんな内容をライブラリではカバーしているんだなと思っていただけたら幸いです。

教師のためのライブラリには無料のサンプルページもあります。

どんな内容なのか見てみたい、システムをチェックしてから会員になりたいという人は、まずはサンプルページからスタートしてみてくださいね。

 

今日も最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました。

また来週のポッドキャストでお話しましょう。

 

Happy Dancing!

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