DLS公認インストラクターコースには、コース信条という名前のルールがあります。
ルールと言っても2つだけ。
1つは「First, No Harm」、もう1つは皆さんご存じの「Happy Dancing」です。
3期生募集を記念して、DLSで提供している全てのセミナー、勉強ツールの根っこの部分になっているコース信条をご紹介します。
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みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
ダンサーズライフサポート、通称DLSは
”生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンを「当たり前」に。”を合言葉に、元オーストラリアの政府認定バレエ学校専属セラピスト兼、セミプロフェッショナルレベルのダンサー向けエクササイズ、解剖学とケガ予防のクラスの講師を担当してきた佐藤愛が、
大好きなバレエを心ゆくまで続けたいダンサー、バレエの先生へ情報をお届けしています。
今日のポッドキャストでは、DLSインストラクターコースの信条にもなっている「First no harm」についてお話します。
この言葉を聞いたことがある人も多いんじゃないでしょうか?
まずは、危害を加えない、という意味ですよね。
という事は、危害を加えるか分からないならやらない、リスクが分かっていないなら、正しく行う方法が分かっていないならやらない。
とか危害を加えてはいけないからこそ、しっかりと勉強してから伝える、とも言い換えられるかもしれません。
危害というと、バレエレッスンでそんな危険な事あるの?なんて思いがちですが、実は結構あるんですよね。
その部分を説明した、インストラクターコース3期生の説明会音声をお届けします。
インストラクターコースというのは、調味料だと私は思っています。
どの人が偉いとか、どのクラスが一番いい、体型、テクニックで一番はないです。
例えばジゼルでも、シンデレラでも、「この人しか出来ない」という役はありません。同じ舞台でも、何度も見に行ったりしますよね。
ダンサー一人ひとりの持ち味が違うから、お客さんである私たちは、何度も足を運ぶんだと思います。
インストラクターの私たちがやる事は、素材であるダンサー達に調味料をかけているような感じ。
クライアントの良さを引き出すためにこの仕事をしているんだと私は考えています。
つまりインストラクターコースを受けたからといって、皆さんが同じ形のインストラクターにならなくてもOKだという事を頭に入れておいてください。
実際に1,2期生も全然違う形でお仕事をしています。
自分のスタジオでエクササイズをしている人もいれば、エクササイズクラスはやらないけど、正しくウォームアップとクールダウンは指導したいという人もいます。
自分は現在エクササイズクラスを持っていないけど、代行として入れるようにという人、
もちろん、インストラクターとしてそれだけ、バレエクラスは指導していなくて、エクササイズしか指導しませんという人もいれば、
自分がケガしているから、今後踊って見本を見せられなくなったときに、他の職業があるようにしたいという人もいました。
ということで、コースを受けたら、全員が同じ形、同じように指導しなくていいんです。
但し、誰でもできるよとはいっても、コースの中には絶対に守ってもらいたい2つの点があります。
この2つの点が守れないなら、このコースに来ないでください。
First no harm、まず最初にケガさせるんじゃないよ。
インストラクターの私たちが、人をケガさせるような事は絶対にしません。
ケガしてしまう可能性があることもしません。
分からない事も指導しません。分からないってことは、ケガのリスクも分からないっていう事だから。
なのでまず最初に、絶対にケガさせるような事はしません。
それっていうのはどういうことかというと、
例えば、現在オーバーストレッチのクラスを勉強せずに指導している人だったり、
12歳以下の子供たちなのにポワントクラスをさせてしていたり、小さい子達なのに1年に何度もコンクールに出しているという人だったら、このコースは向きません。
辞めておきましょう。お互いのために。
あと、現在なんで出来ないの!と怒鳴ったり
私もこうやって育ってきたからといって体罰、体罰に見られう事をしたり、言葉の暴力なども向きませんから来ないでください。
発表会前に痩せてねと言ってくる人も辞めてください。
痩せたから、きれいになったね、というのが普通だと思う人も来ないでください。
理由はエビデンスがあるからです。
体罰、言葉の暴力は脳みそを委縮させると分かっているのでやりません。
摂食障害、問題はダンサーに多く、66%くらいの確率でなると言われているため、ダイエットについても言いません。
もしかしたら言っても大丈夫な人がいるかもしれませんが、大多数を見た時に、リスクが高すぎるので言いません。
摂食障害は精神病の中で一番死亡率が高いので言いません。
どうです、通じますか?
絶対にダメだよ、と言っている事には理由があって、
その理由は私たちが守ってあげたい生徒さん達を傷つけてしまうかもしれないという事。それはやりません。
私たちインストラクターのコースはケガしている子達をサポートしたり、上手になりたいと思っている人達を悩みを解消したり、彼らの好きな事を長く続けていられるようにサポートすることが役目で、
私たちが彼らの夢を閉ざしてしまうような行動はしません。
このコース信条は最初にお話していることで、ビジネスを行っている私にとって、来ないでねと何度もいうのはおかしいと思うのですが、皆さんに理解して頂けたらとても嬉しいです。
私の為ではなく、皆さんの生徒の為にもそうですし、頑張って勉強してくれた1,2期生の人たちの為にも、みんなのためにもです。
2つめの点。
Happy Dancing、よく分からないけど、愛さん良く言ってるよね、という言葉もひとつの信条です。
今お話した事にも被ってきますが、彼らが長く踊り続けられるようにサポートするというのが、私はインストラクターのそしてバレエ教師の仕事だと思っています。
楽しくなかったら続きません。辛かったら辞めます。
なのでビジネス的な面もそうかもしれませんし、ダンサー達の夢を守るためもそうかもしれませんが、
楽しくなければ、続かないというと頭に入れておいてください。
ただ、「楽しい」って「楽」という漢字を使うので、楽しくだけしてたら、上達しないでしょって思う人もいるかもしれません。
ラクにしてください、とは言っていません。
筋肉は不可をかけなかったら成長しません。
脳みそもチャレンジしなければ成長しません。
ただ、楽しいと思ってくれなかったら、努力するのが楽しいと思ってくれなかったら、
ちょっと出来るようになるのが嬉しいと思ってくれなかったら、たぶん生徒は続けてくれません。
痛かったら楽しくないです。ですよね?
いかがでしたか?
ライブの音声なので噛んでいる部分もありましたが、リアルさが伝わるかなと思ってそのままにしました。
ポッドキャストリスナーさんのために最後に追加情報を。
バレエの世界は過酷で、楽しく踊ろう!だけを言っていても上手くいかないでしょ?と思っている方。
私もよく分かります。
自分自身の経験もそうですし、10年以上バレエ学校で、生徒を送る側を行ってきました。
努力し続けても結果が見えない子、あと少しのところでケガ、本人は続けたいのに親がリストラでバレエ学校を継続できない、などは何人も見てきました。
甘い世界だとは言っていません。
でも、というかだからこそ、私たちサポートする側が厳しくしなくていいんだと思うんです。
サポートが仕事なんですから。
特に日本のダンサー達は、海外留学を一度は体験すると思います。
そうやって外にはばたく前に、大切な卵を温めて育ててあげる必要があると思うんです。
割れてしまった卵は、ダンサーにはなれません。
愛情と、甘やかしはちがいます。でも厳しさと恐怖におびえながらのレッスンも違いますよね?努力と痛みも違いますよね?
そういうこと。
3期生申込は今月末で終了です。
私たちと一緒に、生徒の安全と将来の健康を第一に考えるのが当たり前になりましょう。
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3期生まではコミットできないけど、勉強を続けたいという方は、春のセミナー申込も行われています。
バレエ解剖学の基礎を学びたい方は教師のためのバレエ解剖学講座モジュール1&2を、
一度佐藤愛に会っておこうという方は、そしてシューズ選びから、強いつま先、トウシューズで踊れる強さを作るエクササイズを一気に勉強したい方はダンサーの足セミナーをどうぞ。
今日も最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました。
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