エビデンスベースの指導や、解剖学を基盤としたレッスン。
既にケガを予防する方法が分かっていて、人間の体の構造が分かっているのに、
それを無視して踊り続けるダンサーたち、指導者たち。
DLSの夢は、解剖学レッスンが「普通でしょ?」となる事です。
生徒達の将来を考えること、バレエの枠を超えた、人間としての将来を守る事。
2023年からスタートする、ライブラリにかけた夢についてお話したポッドキャストです。
聞きたい人はこちらから
みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、ダンサーズライフサポートドットコムのブログ音声バージョン
プラスポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。
そういいつつ、最近はブログ音声バージョンはお送りしていませんよね。
来年はブログを定期的に書くことに戻ろうかとも思っているのですが、このポッドキャストがブログ+ポッドキャストの両方をやってくれているので、
色々と落ち着くまではこの形で行こうかな?なんて考えています。
何が落ち着くまでか?
2022年終わりから2023年のクオーター1はかなり色々あるんです。
2022年も十分色々あっただろ!とDLSチームから突っ込まれそうですね。
先週のポッドキャストでお話したように、今週はライブラリについてお話していきたいと思います。
ライブラリとは何か?の話に進む前に、2021年に出された昭和音楽大学バレエ研究所、全国調査から数字をご紹介しようと思います。
この調査によると、日本のバレエ教室の数は4260個、バレエ生徒数は25.6万人、これは、日本人500人の1人がバレエを習っているという計算になるようです。
バレエ教師の数は1万3千人と書いてありました。
この数字を聞いて、多いと思うか、少ないと思うかはその人によると思うのですが、
私はガッカリしました。
バレエ人口に対してガッカリしたのではなく、自分に対してガッカリしたのです。
2021年から毎月行ってきた教師のための月一勉強会に参加してくださっている先生たちの数は、一番多い時で110人くらいでした。
平均は50人くらいで、バレエ教師だけでなく、ほかのダンスの先生や、治療家、トレーナーさん達も受講してくれています。
ポッドキャストエピソード373は、私にとってとても大切なエピソードなのですが、そこでバリュー、価値観についてお話しました。
DLSの創立者である私のバリューは、Happy Dancingです。
「幸せに踊ること」がダンサーにとって一番大切な事(=バリュー)だと思っているからです。
そして、
痛みをプッシュして踊る、はHappy Dancingではないため、ダンサーにケガをしないで踊る知識や、早く上達するヒントを。
そして、先生方へはエビデンスベースの指導や、ダンサーに見られやすいケガの予防法、など
Happy Dancingの環境作りを提供出来るように、というゴールをもってセミナーを行っています。
オーバーストレッチや無理なダイエット、
誰が言い出したか分からない1000回エシャッペや、文字通りバレエ生命をかけた発表会、
お衣装様の方がダンサーより偉くて、ゲストパートナーは生徒を罵倒し、
それが普通でしょ?という世界を変えるために、この活動をしています。
「それが普通でしょ?」を変えるためには多くの人数が必要です。
エビデンスベースが普通になるためには、大多数がエビデンスベースのレッスンをする必要があるからです。
なのに、1万3千人いる日本のバレエの先生のうち、DLSを知っている人はどれくらいいるのでしょうか?
知っているだけでなく、学んでみようかなと思ってくれた人はどれくらいいるのでしょうか?
手元の月一勉強会データによると…普通どころか、ツチノコと同じレベルですよ。
噂に聞いたことがあって、ごく一部の人の目撃情報はあるけど、みたいな。
この事実に凹んでいた時に気づいたこと。
それは、DLSの月一勉強会は受講しづらいという事実でした。
まず、教師のためのバレエ解剖学講座モジュール1&2を受けていなければ、参加資格がありません。
このセミナーに参加していない人、参加出来ない人も多いでしょう。3日間あり、日本時間で行われていますし。
そしてその後に、勉強したいトピック、生徒に関係するトピックは1年に1度しか回ってこないし、
ビデオ視聴のオプションはあるけど、2週間だけ。
これでは、セミナーがある時間の朝に指導をし、
夕方は自分の家族のお世話があるというようなバレエ教師だったら受講するのがとても難しいのが分かります。
将来は先生になりたいな、と思っている学生ダンサーが受講する事は出来ません。
もちろん、オンラインになって勉強しやすくはなっていますし、
勉強する時間を作るのは、結局のところ本人がどれくらい勉強したい意識があるか?に大幅に左右されるのは知っています。
でも、バレエ人口の97%が女性だという今回の調査を見て分かるように、
バレエの先生たちの多くは、妊娠、出産、子供の世話から、家族の介護までやらなければいけないと
日本社会のプレッシャーがある人達であるのも事実です。
このギャップを埋めるためにはどうしたらいいのか?
エビデンスベースのレッスン、HappyDancingをより手軽に、
つまり言い訳をなくして勉強しなければいけないような環境にするため、私ができる事は何か?
その答えがバレエ教師のためのライブラリです。
2023年1月1日より、今まで行ってきた月一勉強会のクラスたちが、オンデマンドで、
2時間ビデオではなく、10分ちょっとにカットされ、
音を出せないような待合室でも勉強しやすいように、字幕を入れて、
既に勉強した人達が復習しやすいようにクイズや、過去の授業のQ&Aビデオもつけて、と
イメージ的にはネトフリのようにエピソードが見られるようなプラットフォームを作りました。
このケガだけ勉強したいのよ、という人のための1クラスパスから、
3ヵ月会員、そしてすべてのボーナスがつく1年会員と、エントリーの壁も低くしました。
過去に、教師のためのバレエ解剖学講座を受講していなくても参加出来るようになりました。
もちろん、解剖学の大切さは全てのクラスでお話しているし、クラス自体は、モジュールを受講しているという想定の元進めているのですが、
DLSではないところで解剖学を学んでいる人たちもいますよね。
バレエ学校の授業があったとか、治療家なので大学で勉強してあるだとか。
日本のバレエの先生たちにとって、エビデンスベースのレッスン指導が当たり前に出来たら。
そうすれば、そこに通っている生徒さん達のバレエ歴、年齢、そして巷で言われる恵まれた体とか、バレエ向きの体なんてものに関係なく、
バレエという芸術に向き合いたい人達をサポートする事が出来るのではないか、と思っています。
現時点で、ライブラリには7,8クラスあり、今後も増えていくのですが、1クラス10本以上のビデオと資料やリソース、クイズがついてくるんです。
なので、100近いビデオにアクセスできる、という規模で動いているので、まぁ大変ですよ。初めてだし。
だけど、夢は壮大に。ステップは確実に。
ライブラリを通じて、2023年により多くのダンサーをサポートしていけるように願いながら毎日机に向かっています。
ライブラリの申込は12月24日より。
クリスマスイブから今年中に1年会員になってくださった方にはクリスマスプレゼントワークショップが付きます。
DLSセミナーも先行予約もつくので、今後、何の勉強しようかな?で悩むことはなくなるでしょう!
詳細が欲しい人は、インスタアカウント、@dancerslifesupportにDMしてくださいね。
パン屋さんは小麦粉買わないで仕事が出来ませんよね。
パンが売れないから、小麦粉買えないんだ、ってしたらお店つぶれますよね?
だってパンを売るためには、パンを作らなければいけないから。
バレエの先生たちは、知識を売っています。
バレエだけじゃないか、先生は知識を売っています。
生徒が少ないから、勉強しないんだ、ってしたらスタジオを経営していくことは難しいと思います。
だって、ご近所のスタジオよりいいものを提供しないと生徒を維持する事は出来ないはずですから。
会社で先輩に教えてもらえたり、研修に行けたりすることがなく、
個人で運営しているスタジオだったら特に、自分をアップデートしていく努力を続けなければいけないですよね。
もちろん、このポッドキャストを聞いてくださっている皆さんなら、そんなことは言われなくても分かると思うので、勉強しろよ!ではありませんが、
ライブラリが皆さんにとって、必要な情報を手に入れることができ、
検索したり、質問したり一緒に勉強出来る場所になりますように。
今日も最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました。
来週のポッドキャストでは、調査の中でもう1つなんだって!と思った数字があったのでご紹介します。
Happy Dancing!