人生で初の出版はおめでたムードだったのですが、
2冊目となる「ターンアウトできてますか?」では気に入らないと思う人達の存在に気づきました。
周りから何かを言われたら、どう反応したらいいか?
答えは、意見を聞くべき人と外野意見をしっかりと分けておくこと、かなと思います。
聞きたい人はこちらから
スクリプト
みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、ダンサーズライフサポートドットコムのブログ音声バージョン
プラスポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。
先週のポッドキャストに引き続き、今週も本気でうまくなりたい人のためのダンス解剖学教室シリーズの裏話をお送りします。
かなり時間が経ったから、もう時効だよね?という系の話です。
ターンアウト本の存在を皆さんにお話したのは、2018年1月。
スタンス本の先行予約イベントでのスピーチ一番最後でした。
私にとって初の300人を収納するイベント。
いつもはセミナーで1クラス25-30人、一日数クラス、それを1週間から時には3週間続けているため、
総合的には毎回のセミナーで300人を超える人とお会いしていたのですが、
1回、同じ会場でこの人数の人と出会うのは初めてでした。
そして、そこで泣きました笑
緊張して泣いたのでもなければ、感動して泣いたのでもないです。
家族の話をするセクションがあって、
その時に、会場に手伝いに来てくれていたみやこさんを見て涙が出ました。
親として、300人もの前で、摂食障害やケガの話をしている娘を見ている。
これがどんな気持ちなのか私には到底予想も出来ません。
それは、今現在も同じ。
でも、その会場に来てくれていた、バレエ学校の元生徒の一人がスピーチの後に
泣きながら話に来てくれました。
ちゃんとした会話内容は私と彼女との間のメモリーとして秘めておきますが、要約すると
「私も留学していた時、とても辛かったけど、愛さんもこういう気持ちだったんだと分かって、
その時の気持ちを思い出したのと同時に、一人じゃなかったと思えて嬉しかった。」
という感じ。
正にその時のスピーチ内容、私のマイナスな記憶とあなたのマイナスな記憶は、
数学の方程式のように誰かの将来をプラスに出来る、という話内容のリアリティ版でした。
そのスピーチの最後に、
シリーズ続編であるターンアウト本が8月1日に発売されるよ、と発表したんですよね。
ターンアウト本の裏を見てもらうと分かるのですが、
この本には「制作協力」というところがあって「且股治奈」と名前が入っています。
スタンス本からの学びで、より正確なイラストになるように、
本に載せるエクササイズやバレエのポジションを
ダンサーのはるちゃんに受け持っていただいたんです。
ちなみに、はるちゃんは私のバレエ学校の元生徒の一人で、
今はプロダンサー、そしてDLSの裏で働いてくれている人でもあります。
2冊目で学んだこともたくさんあります。
ずっと応援してくれていた、と思っていた人から、
ブログであなたの本の悪いところを書きますから、よろしく、
みたいなことを言われたのもこの時です。
詳しい話をしてしまうと、その人が誰か、が分かってしまうので割愛しましょう。
もちろん、その人と今はコンタクトはありません。
このポッドキャストのために記憶をよみがえらせていたのですが、
この時期だったか、1冊目だったか。
DLSの初期来日セミナーの背中を押してくれた人達の一人から、
「OO先生は、本を出すと新しい情報を入れられないから書かないって言ってたわよ」
と言われたことを思い出しました。
OO先生というのは、私が子供だった頃、バレエ解剖学を使ったレッスンで有名だった人で
この言葉を言っていた方は、どれだけOO先生が素晴らしいか、
OO先生から学べていた時期が恋しいという事を何度も口にしていたので、
もしかしたら、その先生に全く及ばない私が、本を出すことに対しての警告だったのかもしれません。
当時私は、「本も新しい情報が出たら新版を出せばいいし、eBookのデータは簡単に変更できるんですよ」的な答えをした気がします。
その方とはパンデミックもあり、もう何年もお話していませんので、本心は分かりません。
会ったとしても、あの時こんな事言っていた理由は何ですか?なんて聞かないでしょうけどね。
でもさっきお話した、はるちゃんを始め、
ターンアウト本の先行予約イベントのサポートに入ってくれていたDLSの裏のボス、ひとみさんも現在進行形でDLSの夢をサポートしてくれています。
DLS内だけでなく、スタンス本と、ターンアウト本が出たからこそ、行う事が出来た
DLS公認スタンスインストラクターも第二期生が続々と卒業しています。
何を言われても、続ける事。
もちろんそれは、大切なフィードバックを聞かず、裸の王様になれ、という事ではありません。
生徒さんやスタッフの声、家族の意見を無視しろという事でもありません。
この人達は、私たちの大切な人達なんだから、意見も大切に扱いたいでしょう?
外面がいい、という言い方が正しいかは分かりませんが、私も昔家族からの意見は耳ちくわ。
右から左に流すか、うるさいなーと思っていたけど、
絶対に私の人生の中で関わる道がない人からの意見に一喜一憂していました。
その考えが変わったのは、初めてDLSフォロアーさんではなく
一般の人からアマゾンレビューでネガティブな事を言われたこと。
今でもアマゾンに行けばコメントが残っていると思うんだけど、
簡単に言うとこの本は良くない、この人のブログにはこんなことが書いてあって、
「甚だしい間違いだ」と書いてありました。
ここで悲しんで、もう次の本なんか書かない!と夕日に向かって走ったら
悲劇のヒロインになれたのかもしれませんが、
分析型の私は、このレビューがとっても面白かったんです。
ブログを読んで、私のことを知っていて、しかも内容が間違っていると思っていて。
そのくせ、本を自分のお金で買って、自分の時間を使ってアマゾンにレビューを書いているこの人、
なんて暇なんだろうと思ったのを覚えていますし、どこかのライブでもお話しました。
ブログやSNSで私に直接、間違っているよと連絡をくれられる場所があったり、
自分のホームとなるプラットフォームで、自分の意見として書いているのではなく
敢えてアウェイの、ちらっと見えるくらいの距離感という言い方で通じます?
それで意見を言う人もいるんだよね、と大きく学べました。
もしかしたら、最初に出会ったネガティブなレビューがこれくらいだったのは、
私にとってラッキーだったのかもしれません。
小さなケガのうちに、ケガとの向き合い方を学んでおけ、という感じで。
表に立って赤の他人から何か言われてくるという不安と戦うためには何が必要か?
私の場合は、日本を代表するアイドルグループ、嵐の櫻井さんが「外野の言葉はシカトしろ」と謡っていたので、
心の中で団扇を振って、この言葉を繰り返しています。
ちなみにこのフレーズが入っている歌は、attack it!というのですが、
最近よくある、意味なく放送禁止用語が羅列しているだけの曲ではなく、
オラオラ系なのになんだかきれいな言葉遣いが多いjpopやkpopのラップが好きな私が一番大好きな嵐の曲でもあります。
この曲が好きな人、お友達になりましょう。
最近よくある、なんて使うと年を感じますかね。
ではもう一つ、最近あった、年齢を感じる話を一つ。
スタンス、ターンアウト、プリエ本の特設動画サイトで
モデルをしてくれたバレエ学校の生徒達も、大人になり自分たちで選んだ道を進んでいます。
そのうちの一人、さくらちゃんは家も近いため、この前夏休みにお茶してきました。
その後、もう一人のモデルの子とシティでキャッチアップをするんだ、と教えてくれた後に、
留学先やオーディションで出会ってきた世界各国の
心身共に健康であることの大切さを知らないダンサーたちがどれだけ多いかという話をしてきました。
結局は、踊れなければダンサーになれないんだよね、という話です。
踊れなければ、というのは、どれだけ足が上がるかとか、
コンクール経歴があるか、甲が出るか、膝が入るか、などではなく、
踊ることが出来る頭と、体がなければということ。
こういう話をした後に、彼女が
「大人と、こういう話が出来るのが嬉しい」と言ってくれたんです。
そこで、あーそうだ。
私は大人だったんだ、と思い出しました。
年齢を重ねることが悪いとは、一度も思った事がありません。
DLSを始めたころは、20代だったから年功序列の日本のオーディエンスの前で
甘く見られるのが嫌で、敢えてプロフィール写真などでは大人に見えるように、とリクエストもしました。
最近は、早く白髪が増えて憧れのシルバーヘアか、
ブリーチなしでピンクヘアにできる日が来るのを楽しみにしています。
ターンアウト本の帯に書いた「あなたのターンアウトは絶対に上達する」というメッセージは
本の前からセミナー会場などでお話していたのですが、
こういうコンセプトを話すたびに、多くのバレエの先生方、大御所と言われる方々から
「愛さんは若いからね」
みたいに言われるのがとても悔しかったんです。
若気の至り、みたいに言われているような気がして。
「本気でうまくなりたい人のためのダンス解剖学教室」シリーズのビジョンは
体の構造を無視せず、理論的に、エピソード423の言い方ですと「ロジカルな」トレーニングとレッスンを行えば、
”絶対に”上達するということ。
ケガを無視したら、レッスンを休まなければいけないか、100%で出来ない、
もしくは痛みを庇う癖がつくために、
”絶対に”短期間ではうまくはなれない、ということ。
そして「そうは言っても、そんなことをしていたら生徒が辞めていってしまうから無理よね」とか
「とはいっても、SNSで有名なOOさんがこうやってたから、やるべきじゃない?」
という人達の言葉と戦う必要はないけれど、シカトしておいて、
自分の選んだアリーナで、自分のリングで戦う事。
そして、自分の選んだアリーナにその人達が足を踏み入れる事があったら、
その時に、彼らの考えを変えられるだけの実力をつけるように自分を磨き続ける事。
大人になったからこそ分かる、自分にとって本当に大切な人や聞くべき意見。
なによりも、リングに立って戦っていない外野の言葉はシカトしていいんだという事。
それをターンアウト本の出版工程で学んだと思います。
では、3冊目には何を学んだか?
それはロジカルなトレーニングの前に健康という土台が必要だという事の再確認だったのですが、
その話はまた来週のポッドキャストでお話しましょう。
Happy Dancing!
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