ロジカル=「論理的な・合理的な・理にかなった・筋の通った」
バレエ上達も、ケガ予防も、柔軟性向上も、全て人間の体の話なので、合理的な方法があるんです。
それを無視すれば、絶対にケガするし、上達もしません。
ロジカルな考え方やバレエ解剖学が、本を手に取ってくれたダンサー達に少しでも伝わったら嬉しいな、という気持ちを込めたポッドキャストです。
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みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、ダンサーズライフサポートドットコムのブログ音声バージョンプラス
ポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。
今月のDLSポッドキャストは「解剖学バレエ・レッスン」をテーマにお送りしておりますが、
楽しんでいただけていますでしょうか?
今日のお話は、18歳の愛ちゃんエリアになります。
バレエ学校の2年間のうち、最後の方は、バレエの先生になるんだろうなと漠然と考えていました。
結構これも、当たり前、的な?型にはまった道ですよね。
留学の後、もしくはバレエ専攻な専門学校に行ったら、先生になるみたいな。
なので2年生の後半チャンスがあったので、校長先生の作ったバレエシラバスの資格を取りました。
ケガしているときに勉強した解剖学が、お?面白いじゃんと思ったのと同じように、
バレエへの情熱がケガやボディイメージのせいでなくなっていた当時、
バレエシラバスってスゲーと思ったのを覚えています。
何がスゲーなのか?というと、
理にかなっているという事。
私は、DLSフォロアーさんご存じのクリスティン・ウォルシュ先生、
通称校長先生、が作ったワガノワメソッドをベースのシラバスを勉強しました。
他のシラバスを勉強した人達が同じ経験をしたか分かりませんが、
私はラッキーなことに、シラバスを作った本人の直接の言葉や指導の様子を見つつ、
シラバスを学ぶことが出来たんですね。
もちろん、その後もバレエ学校の講師として彼女の指導を見たり、意見を聞いたり、
オーディションに立ち会って、彼女のダンサーの素質を見極める方法を学んだりできました。
彼女がシラバス指導の時によく使う言葉で「it’s logical」というものがあります。
理論的なのよ、という感じでしょうか。
頭使えば分かるでしょ、とでも言うのでしょうか。
バレエ学校で解剖学をかじった時も、その後しっかりとTAFEで学んだあとも、
この「ロジカルでしょ」という言葉、シチュエーションをたくさん見てきました。
- このポジションが、このパになって、この振り付けのこの部分になる
- この筋肉が、この関節にかかって、この動きを作り、このテクニックを上達させる
このロジカルな部分が、意味が分からないケガに悩まされ、
いくら食事量を減らしても痩せない、
痩せたいという意思はあるのに食べることを辞められないというような、
意味の分からない精神状態だった私にとって、光でした。
→詳しく18歳の愛ちゃんストーリーを知りたい方は愛さんのバレエ留学記へ
ちゃんとロジカルな世界がある。
「解剖学バレエ・レッスン」の連載をしていた時、読者の人からの質問に毎月Q&Aコーナーで答えていました。
その質問の多くが、バレエの先生も思っているんじゃないかというような内容。
もちろん、指導者として口には出来ないだろうけど、
とはいえ、非常識な事を生徒に言う先生たちはまだまだ多くいるようなので一概には言えませんが、
DLSポッドキャストを聞いてくれている人達なら言わないであろう事。
だけど、きっと心の中で思っているんじゃないかな、というような事。
その質問の1つは「どうして日本人はターンアウトが苦手なの?」というものでした。
まずは、本に載せたクララ世代の答えを音読し、
その後にもう少し「ロジカルでしょ?」部分を見ていきましょう。
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Q: どうして日本人はアン・ドゥオールが苦手なの?
A: 日本人だからアン・ドゥオールが苦手というのはまちがいです。
日本人と海外の方の股関節に骨格的に大きな差はありません。
ではなぜ、よくそういわれるのかというと、
私たちがバレエの世界で目にする海外の方たちの多くが、むずかしいバレエ学校の試験を突破し、訓練を受けてきた人たちだからです。
逆にいうとアン・ドゥオールできない人は入学試験で落とされているんです。
ただ、人種に関係なく、股関節が開きやすい人と開きにくい人はいますし、
人間はみな45〜60度程度しか股関節は開きません。
それをバレエダンサーは訓練で少しずつ開いていくんです。
日本人だからとあきらめず、毎日の訓練で少しずつ理想に近づけていきましょう。
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子供達への説明ではこう答えましたが、大人だったら理論的に考えてほしい追加情報は
日本人という人種と日本人という国籍は一緒ではないということ。
例えば私は、日本人という人種と国籍の両方を持っています。
8月の9周年スペシャルでDLSポッドキャストに来てくれたふみさんは、
ご両親が共に日本人なため、日本人という人種ですが、オーストラリアという国籍を持っています。
同じようにご両親が海外から移住してきた人で、お子さんが日本でパスポートを取ったら、
日本人という国籍になりますし、
私も、オーストラリアの市民権を取れば、書類でnationalityと聞かれたらオーストラリアン、と書くことになります。
また、日本人パスポートは返さなければいけません。
ということで、ロジカルな目線で見ると、
日本人だから、という見方は出来ない。
じゃ、東洋人といういい方は出来ますか?と思う人がいるかもしれませんが、それは人種です。
広辞苑によると
「東洋とは、トルコ以東のアジア諸国の総称。 特に、アジアの東部および南部、すなわち日本・中国・インド・ミャンマー・タイ・インドネシアなどの称」
と書かれているようなので、
アジア諸国の人間はターンアウトが苦手、とかなり広い人達をさす言葉になりますね。
地理的な事、人種と国籍、辞書の定義なんて考えなくても、
バレエではターンアウトをしなければいけない。
フィギュアスケーターだったらスケート靴を履かなければいけない、とか
サッカーだったらキーパー以外はボールを触ってはいけない、
みたいなルールという意味でね。
ということは、苦手、得意と関係なく
練習しなければいけない、ってなりません?
私アラベスク苦手なの、で放っておかないでしょうし、
苦手だったら練習しろよ、と思うのと同じように。
だからこういう考え方や言葉を放つ必要はないという事が
ロジカルに考えると見えてくるのです。
もちろん、全てがロジカルなわけではないですよね。
ロジックがまだないような、つまり研究がもっと必要なエリアもあるだろうし、
どうしても目が離せない存在感があるダンサー、というようにロジックでは語ることが出来ないようなエリアもあるでしょう。
でも、私がロジカルな答えにホッとしたように、
どうして思ったように踊れないのか?と悩んでいる人たちにとって、バレエ解剖学の世界がヒントになっていたら嬉しいです。
このような世界があることを、多くのダンサー達に教えてあげるために、
ぜひこの本を買ったらアマゾンでレビューを書いてください。
知識があると、救えるダンサーズライフがたくさんあると私は思っています。
一緒に夏にエアコン使わないとか、エシャッペ1000回とか
全くロジカルではない話が努力と思っている人たちの考え方を変えていきましょうね。
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