2年ブランクがあってレッスンに本気で挑むようになりました、という質問をもらいましたので、その子の年齢に合わせてブランクとは何か?を考えてみたポッドキャストです。
そんなに良くない先生に指導されている場合、ブランクがあった方がいいかもしれないよねーなんて言いつつ、日々の積み重ねの大事さは否定できないからどうしようか、って話もしてみたよ。
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みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、ダンサーズライフサポートドットコムのブログ音声バージョンプラス
ポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。
一応毎月最後のポッドキャストではリスナーさんからの質問に答えています。
最近はポッドキャストリスナーです、という人から質問をもらわないのでちょっと悲しいですが、私個人がポッドキャストを聞いている時って移動中だったり、何かをしながらなので、質問があってもわすれちゃうよなーなんて思います。
2日後の9月27日はオンライン学校の解剖学授業3つのうち1つでも受講してくれた人をご招待したQ&Aセッションがあります。
そっちで生、リアルタイムで質問したい人はDLSストアから申し込んでくださいね。
生の質問のいいところは、自裁に動きが見えるっていうのもあり、私が勝手に想像しながら答えなくてすむので、より確実なアドバイスになるところ。
とはいえ、今日の質問はブログ記事にきた中学生の読者さんからの質問を想像を膨らましながら答えていきましょう。
まずは、質問を読みますね。
小学校5年生から中1の夏くらいまであまり本気で練習していませんでした。なので、2年近くブランクがあるようなかんじです。
今は本気で頑張っていますが、まず体もすごく硬いし、正直基礎もあまりできていないと思います。先生に言われたこともすぐに直すことができません。
私はもっと背筋と背中の柔軟性を高め、引き上げができるようになりたいです。何か鍛える方法はありますか?
色々なエッセンスがギュッと詰まっている質問だったの早速ひも解いていきましょうか。
まず2年くらいブランクがあるという事について。
正直、これはブランクではないと私は思っています。
なぜかというと、小学校4年生前でプロになりたい!と思って練習している人はほとんどいないから。
またそうすべきでないから。
DLSではサイエンスを使ってバレエを見てますが、ご存じのように10歳以下はスポーツに特化したトレーニングをしすぎると怪我のリスクが高くなるわけですよね。
もちろん、ここに燃え尽き症候群なども含まれるし、成長期の体に大幅な負担をかけると成長によろしくないとか、成長痛というスポーツ障害になる可能性が大きくなる。
また、いくら本気で練習していたとしても小学校4,5年生では留学も出来ませんし、プロにもなれません。
なので、この質問を読みながら、この人は習い事としてレッスンをしていたけれど最近プロを目指して本格的に努力をし始めた、という方が
ブランクがあった、より正しいのではないかな、って思った。
小学生が将来をまじめに考えていない、と言っているわけではないですよ。
小学生だってすんごくまじめに環境問題や人種差別について考えているというのは、世界各国で行われたデモでも見ましたね。
日本はそんなことないし、バレエは環境に良くなく、多くの人種差別が残っているというのはまた別のポッドキャストにでもしましょうか。
ただ、小学生がダンサーを目指してレッスンをしていたとしても、そうじゃなくって、習い事の一環として楽しくお友達と踊る事にフォーカスしていたとしても、
良い先生についいたらレッスン内容は基礎だろうし、ポワントは履かせていないだろうし、発表会やコンクールのスケジュールもしっかりと年齢に合わせて計算されているはずです。
よって質問をくれた子には全く遅れが生じていないってことなのよ。
逆にいい先生にこの年齢でついていなかった、としたらいくらまじめにレッスンをしていたとしても体を壊す練習をしているだけだから、ある意味まじめにレッスンしてなくてよかったね、って感じ。
体を壊すだけだから。
その次にある、
体もすごく硬いし、正直基礎もあまりできていないと思います。先生に言われたこともすぐに直すことができません
という部分。
誰と比べて体が硬いのか?というのが分かりませんよね。
これがその人を知らないと答えるのが難しいところ。
教師が知っておきたい柔軟性セミナーでもお話しているけれど、体が硬くなる下人はいろいろある。
食生活も、ストレスも、成長期も影響する。
なので、この子が中学生であるという事実を考えて、体が硬いと思っているのはもしかしたら身長が伸びている時期だからかもしれないですよね。
コロナで休みもあったわけだし、メールをもらったのが夏休みだったというのも考えて、たぶん日本の多くの子たちの身長が伸びた時期と重なるはずです。
とすると、体が硬いことに悩む必要は全くないかもしれない。
だけど彼女はこの言葉を最初に並べています。
ということは、本人にとって柔軟性は大きな壁なんでしょう。
正直基礎もあまりできていないと思います、というのはさっきの「体もすごく硬いし…」と言い方が違うよね。
体が硬いのは「絶対!」なんだけど、基礎は完全に出来ていない、1からやり直さなければいけない、とは言っていない。
でも体の柔らかさよりも、彼女曰くのブランクがあった後にそんなに簡単に基礎が出来るはずがないのを考えると、
- 基礎が何か?
- 自分がどこまで出来ているのか?
- 今何が必要なのか?
があまり明確でないのかもしれないね。
だから先生に言われたことも直せない。
だって自分が何をやっているか?何が正しいか?が分からなければ修正することも出来ないからね。
そして最後の「背筋と背中の柔軟性を高め、引き上げができるようになりたいです」
柔軟性を高めても引き上げが出来るわけではないんだよね。
背筋を鍛えても引き上げが出来るようになるわけでもない。
もし彼女が猫背や肩が前に落ちる、日常生活からタックに悩んでいるんだったら確かに、
背筋を鍛え、背中の柔軟性を高めるとよりよい立ち方が出来るとは思うんだけど、
そういう中学生の女の子って少ないというのを考えて、そして柔軟性を最初に口に出したところを考えて、
彼女が悩んでいるのは
- アラベスクの高さとか、
- ストレッチでエビぞりなどが出来ない、
- カンブレが出来ない
とかそういうのなんじゃないかなと勝手に想像しました。
嬉しかったことは、彼女はストレッチの仕方を聞いてきたのではなく鍛える方法はありますか?と質問をくれたところ。
鍛えなければいけないことはわかってくれているみたいなので、
ブログのコメントでは私の3冊から背中を鍛えるエクササイズ達と背骨を柔軟にするエクササイズ達を選んでリストを作ってあげました。
ま、ポッドキャストでエクササイズの名前を羅列しても役に立たないと思うので今日はその部分はカットします。
もしこのポッドキャストを聞いてくれている人の中で、
ブランクがあった生徒がレッスンに復帰してきたとか、
大人になってバレエ再開しました、とか
プロを目指して最近やる気がアップしている生徒がいる、という人がいたら考えておいてほしいこと。
それは、ブランクというのは悪いことではないってことね。
先ほどの例みたいに、悪い先生についていたら体が弱い時期に悪い指導をたくさん受けなくてよかったのかもしれないし、
ブランクがあったからといって、レッスン内容にあまり変化がないかもしれない。
過去を振り返ってあー、出来なかった、あー間に合わない、周りと比べて遅れてる、と考えてしまう人がいるのであれば、
2年前からやっていたからっていって、貴方が思ったように上達しているとは限らないというシンプルで痛い事実を頭に入れておきましょうよ。
やる気が出たのが今日だったら、今日から再スタートすればいい。
確かに日々の積み重ねが大事だけれど、過去に戻る方法は人類はまだ見つけていないので、それを悩む必要はないのです。
それよりは、いま。これから。この時間をどう使うか?
なんじゃないかな、と私は思っています。
最後に、バレエに遅れというものはないと私は思っています。
プロと仕事をしていても、ここが出来ない、あれが出来ないと悩んでいる人がいるように、一生追及するものではないかな。
追及がなくなったらバレエから離れていくんじゃないかな、と思うと、
別に今遅れていると、周りの子たちと比べたり、不安に思う事は、建設的ではないんじゃないかなと。
それは私の勝手な考えなので、コロナのせいで遅れが出来てます、発表会に遅れが出てますと言っている人が沢山いることも知っています。ま、それは別のポットキャストで。
という事で今日のポッドキャストはここまで。
来週は10月、怒涛の2020年もあと2か月となりました。
今、これから、この時間をどう使うか?それを考えながら、また来週のポッドキャストでお会いしましょう。
ハッピーダンシング、佐藤愛でした。
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