2020年1月に行われた佐藤愛著「プリエ使えてますか?」イベントのQ&Aセッションより、
舞台後のアイシングについてどう思うか?という質問に答えた部分を抜粋しました。
最新のオーストラリアバレエ団のメディカルチームの様子もお話しています。
聞きたい人はこちらから
スクリプト
みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、ダンサーズライフサポートドットコムの
ブログ音声バージョンプラスポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。
今週も引き続き、プリエ本先行予約イベントからのQ&A音声をお送りしようと思います。
イベントに参加した人達はご存知のように、私のトークとふみさんのミニワークショップ、そしてQ&Aとこの無料イベントは3時間以上にわたるビッグなものだったんですよ。
たくさん勉強することがあったので、Q&Aの細部まで覚えている人もいないかなとか、
Q&Aの部分はスライドがなかったので「こんな話を聞いたんだけど、肝心なところを忘れちゃった…
なんていう人もいるかなと思って、ポッドキャストでもお送りしております。
今日はイベントに来てくださっていた海外で踊るプロダンサーからの質問で、舞台の後のアイシングに対してどう思うか?という話をピックアップしました。
ケガのアイシングではなく、セルフケアのアイシングって事ね。
ではイベント音声です。
この前、11月かな、オーストラリアンバレエ団の近くでカンファレンスがあって
そのイベントの一環として新しくできたオーストラリアンバレエ団の医療チームの施設を見学できるっていうのがあったんです。
6畳間くらいかな、の真ん中にどーんとジャグジーが置いてあってそこで自分が好きなように冷やせると言うシステムがありました。
そこのトップでやってる人が説明していた内容を、私はそのままお伝えしますので私の責任ではありませんということはお話ししておきましょう。
そして私の知識ではありませんというのを先にディスクレイマーとしてお話ししておきます。
今、怪我の後に冷やすか冷やさないか問題が結構大きくて、
炎症は体が出してるサインだから冷やさない方がいいんじゃないかグループと、
いやいやそれでもそこから生まれる二次災害、痛みから来る物、かばってしまう物、挟まってしまう物とかを考えて冷やす方がいいのではないかというので結構論争が起きてはいます。
しかし、ふみさんのスライドにもあったけどまず最初に炎症というのがあって、その次、その次っていうリカバリーのポジションがあるので、
アイシングをどのペースでやるか、どのタイミングでやるかとかにもよって変わってきちゃうのでセオリー的な話になることは思っておいてください。
冷やした方が気持ちいいんだったら冷やしてください、と彼女は言ってました。
なぜならダンサーは、ふみさんは何度も言葉にしてるけど、自分の体に対しての意識がすごく強く自分の中の感覚をすごく信じてるところがあります。
もしそれでその後踊りやすいと感じるのであれば、(アイシングを)やって怪我することはないので
その冷やす行為で怪我がひどくなるということは、水風呂を含めて、ない。
それで気持ち的にリフレッシュされるのなら。
筋肉って使うとそこに血流が行くので熱く感じますし、パンパンにも感じますし、
それを水圧や温度で調節することで、自分がその後気持ち良くなれるのであれば、
動きやすくなったから、その後のリカバリーのエクササイズに行けるのであれば、やっても全然問題ないってことにはなります。
ただその施設が特に舞台裏であるってかなり恵まれた環境になるので、そんなこと言ってもできません!って人達がたくさんいるのは事実です。
例えば交換浴とか、もう絶対に体にいいとわかっている物をホテルとか環境がないところでやるのであれば、ぜひ皆さん100均に行ってでかいゴミ箱を買ってみてください。
でかいゴミ箱で、ふくらはぎくらいまでかかるやつにアイスウォーターと氷と水入れたやつ。
両足は多分入らないと思うんだけどね、片足ずつだとは思うんだけど。
片方の方にあったかいやつっていうので交換するっていうのは効果があります。
ただあったかいのに入れると新しい怪我の人はひどくなるので、冷たいだけ、というシチュエーションはあるから、
- 自分がどういう状況にいるのか、
- どんなレッスンをしたのかもしくはどんな舞台だったのか、
- その日の舞台の感じ、量
とかによっても変わってきちゃうのでちょっと言いづらいところはありますが
やってるカンパニーがあり、理由があるのも知っています。
ただ1つその時にスー(メディカルチームのトップ女性)が言っていたのは「2人1組じゃないと入れないルームになってる」とは言ってました。
安全面、誰かが見てないといけないので、水風呂で完全に首まで入ると。頭まで入れちゃいけないというのもあるし。
そういうメディカルサイドで誰かそういうふうにしてくれてちゃんとモニターしてくれる、もしくはお友達が見ててくれる、ケータイいじってるじゃなくて。
なんていうふうにならないと、そこまではいけないかなとは思います。
自分でできるというレベルだとゴミ箱これかなという感じはしちゃうのでそれが1番みんなが実用的かなとは思うけど。
答えになっていたら嬉しいです。
いかがでしたか?
話に出てきたゴミ箱を使ったアイシングというのが、私がバレエ学校の舞台裏でやっていたものです
でもね、オーストラリアバレエ団の舞台裏でも昔は大きめのごみ箱だったからね。
自分のいる環境で出来る限りのケアをするってことが大事なんだと思います。
例えば、このポッドキャストを聞いてくれている人で、将来オーディションツアーにいこうと思っている人がいるとしましょう。
オーディションツアーっていうのは、1つだけのオークションでなく、いくつもを学校やカンパニー回るって事ね。
いつコールバックがくるか分からないし、いつもと違う床だし、オーディションって一日が長く、ツアーだから夜行バスや安い国際線で国を回るため移動も心地よくない。
そんな時に自分のホテルで出来ることとしてごみ箱っていうのを覚えておいてみてください。
ホテルでは無料で氷をくれるところもありますし。
もちろん、使う前はちゃんと洗ってね。
今できることを100%でする、今のシチュエーションで出来ることをする、というのはこのプリエ本イベントでのテーマでした。
アイシングもそうだけど、レッスンがない、シーズンがキャンセルになった、お家から出られないなど、そういうシチュエーションにいる皆も、私も、
今できることを100%でやっていくしか、前に進む方法はないですよね。
今できることって踊ることではなく、バレエ解剖学や栄養、表現力について学ぶ事だったとしても、その知識は無駄になりませんよね。
確かに、体をつかった爽快感や、友達と一緒に舞台をつくる楽しみなどは感じられないかもしれません。
かわいい衣装もないかもしれない。
踊りが好きで好きでたまらない子にとってはとても苦しい時期だと思う。
でも同時に、世界各国のプロダンサーも同じ状況にいて、自分達に出来る最大限をやっているんだ、ってことは忘れたくないですよね。
文字通り、世界各国で皆一緒に、このシチュエーションを乗り越えていきましょう。
スケジュールが変わり、時間が出来たので私と一緒に勉強していきたい人は、DLSのオンラインセミナー詳細をサイトからチェックしてくださいね。
来週は、イベントでもらった進路相談系の質問を2つシェアします。
ではまた、来週金曜日のポッドキャストでお話しましょう。ハッピーダンシング、佐藤愛でした。
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