パンデミックとダンサー DLSポッドキャスト epi293

 

新型コロナウイルスの影響で、今週来日セミナーをオンラインセミナーに変更した連絡を出したDLS。

今日は久しぶりに「おしゃべりポッドキャスト」として佐藤愛がパンデミックとバレエについて勝手にお喋りしています。

専門家の意見ではありませんが、海外のバレエ学校の生徒達やダンサー、そして日本の状況などを見ながら勝手に感想をお話しています。

 

聞きたい人はこちらから

スクリプト

みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?

DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、ダンサーズライフサポートドットコムのブログ音声バージョンプラス

ポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。

 

この前BGMなしの特別ポッドキャストをお送りしたの、聴いていただけましたでしょうか?

もしくはインラスやFBライブで見てくれた人もいるかもしれませんし、メルマガ号外で見てくれた人もいるかもしれません。

最近忙しくってそんなチェックしてません、という方のために。

DLS春の来日セミナーは新型コロナウイルスの研究内容が発表されたため、今回はオンラインセミナーに変更もしくは、クラスのキャンセルとなりました。

 

もうすでに申し込んでくれている人達の元にはメールが届いていて、説明や返金手続き、オンラインセミナーに変更などをお聞きしていますが、セミナー申し込みをされた方で、まだhello@dancerslifesupport.comからのメールが届いていない方は迷惑メール、受信設定をご確認の上、DLSに連絡してください。

設定をチェックしてもらわないと、こっちからメールを何度送っても届かない事があります。

特に今回のメールは長くてリンクなどもついているため、届かない人もいるかもしれないので、ちゃんと確認してくださいね。

 

オンラインセミナーに変更だけではなくクラス増設もありますので、一番早いセミナーは来週末、春休み中に、ダンサー向けにスタートしますよ。

4月3日はダンサーの表現力を学ぶオンラインワークショップ、4月4日は上達するバレエノートの書き方ワークショップ

レッスンの回数が減っても、お家で自主練しないといけなくなっても、これらのクラスでお話することは出来ます。

そして表現力だってダンサーには大事だし、先生に言われた注意を理解し、自分でエクササイズスケジュールを作る方法や体の声を聞く力もダンサーだったら無駄になることはありません。

クラスの詳細はサイトでチェックしてくださいね。

 

さて、今日のトピックはパンデミックとダンサーということで、久しぶりのおしゃべりポッドキャストです。

まず、パンデミックというのは、感染症、伝染病の世界的な大流行を指す言葉だそうです。

パンデミックの前はエピデミックでしたね。

これは今までは流行がなかった地域にある種の感染症が見られる予期せぬ状況で、一定の期間に限られた現象だそうです。

つまり、エピデミックで予期せぬ広がりが、世界範囲で広がるとパンデミックになるってことみたいですね。

 

ダンサーの仕事はこれに大きく影響されました。

急いで日本に帰らないと、次にいつ帰れるのかが分からないよ、といわれたり、学生寮が閉まるから全員出ていかなければいけなかったり。

もしくは、すでに国のロックダウンや地域のロックダウンが起こっていて、お家から出るのを禁止、もちろんスタジオに行けないし、バレエレッスンも受けられないという状況になった人も多くいるみたいです。

ツアーカンパニーはキャンセルだし、大人数が集まるシアターも閉じました。

つまり、ダンサーの仕事はストップしたんです。

 

当たり前っていえば当たり前かもしれませんね。

オーストラリアでもノンエッシェンシャル、つまり不必要なっていうとおかしいけれど、最低生活に必要でないビジネスは全て閉まりました。

日本はというと、このポッドキャストをレコーディングしている3月24日では今後規約が緩んでいくみたいですね。

外出している人達がたくさんいるのもSNSで見ました。

他の国とは逆の動きをしていて、ビックリしていますが私はこのエリアの専門家ではないので、そーなんだ、と思っているという事だけお話しておきますね。

 

DLSのセミナーがキャンセルになった理由の一つは新しいリサーチからなんですが、それが空中でもコロナウイルスは3時間生き延びることができる、という事。

でもリサーチが出る前は触らなかったら大丈夫みたいな時期もありましたよね。

今回の新型ウイルスっていうのはまだ人類が出会ったことがないので、リサーチや文献もあまり数多く存在しません。

ただ、残念ながら感染者が増えていくため、その分データも集まりつつあるそうです。

 

話がダンサーからずれましたが、バレエをはじめ、芸術は生活に必要最低限のものではありません。

食事、水、今の時代だったらネット、もちろん医療機関。

学校でさえストップしたのを見て分かるように、芸術は人間が平和で余裕がないと仕事として成り立たないって事ですよね。

昔、DLSでは踊れる幸せ、という記事を書きました。2014年の飛行機事故の記事です。

そこの一部を読みますね。

 

戦争が起きたら、真っ先にお金を使われなくなるのがアートの世界。

ダンサーとして生活が出来るのも、レッスンにいけるのも。

これって全て平和だから出来ること。

 

それが実際に起こったのが、このパンデミックだったのではないでしょうか。

憧れのバレエ留学をしたのに急遽帰国。

ようやく仕事が見つかったのに舞台が延期。

個人で活動しているフリーランスダンサーや、スタジオオーナーさんも経済的打撃を受けています。

 

DLSも、です。今回の来日キャンセルでオンラインクラスには変更したものの、それでもキャンセルしなければいけないクラスが出ています。

実技はオンラインでは指導できないので、エクササイズクラスやバレエクラスはなくなりました。

もちろん、これらのクラスが汗だったり、呼吸だったり、他のダンサーとの至近距離だったりが起こりえるクラスで、皆手は洗うけれど、友達とぶつかった肩とか、シェネの時の見えない細かい汗だとかは飛び交います。

それが3時間空中にいるかもしれないって分かったらやっぱりセミナーは不可能だな、と考えたうえでの発表でした。

 

確かにこれは経済的な負担ではあるし、すっごく忙しくもなったんですが、それと、人の命、まぁ命っていうと大げさと思われるかもしれないので、健康としておきましょうか。

誰かの健康を害する可能性があるならやりたくない、ってことよ。

DLSのコンセプトで、私が常にお話している事。

 

今回のパンデミックで発表会が延期になったり、コンクールがお客さんなしで行われたり、いろいろな動きがあります。

その中で「これだけ頑張ってきたのに出来なくで可哀そう」とか「これだけ練習してきたのだからコンクールに出させてあげたい」とかという言葉がありました。

うーんと思ってみていたんだけど、ポッドキャストリスナーさんの中にはサンクコストファラシー(Sunk cost fallacy)というのを聞いたことがある人いますか?

これは心理学の話になるんだけど、人間は損をしたくないんだよ。

そりゃそうだよね。

今まで多くのリソースを投入したものに対して、何とかして成果を上げたいという一心で、より多くのリソースを投入する人間心理の罠を指します。

コンクールを例でとると、長く練習をしてきた、つまり自分の時間と労力というリソースを投資してきたのに、出来ないと悲しいから、リスクが高いと思ってももっと投資していくってこと。

つまりコンクール出場することで、何とかして成果を上げたいという人間心理なんです。

言葉にあるように罠、よくないことなんですけどね。冷静さをなくしてしまうとも言えます。

 

逆に、お金を払ってセミナーに参加すると、その分の成果を見たいから予習もやるし、当日も頑張る。

ただ、同じ情報でも、無料だと後でにしようとか、集中しなかったり本気にしなかったりする。

お金払っていないので、損しないじゃん?無料ポッドキャストだと。

だからながら作業で聞いてもいいわけよ。

これがお金を払って買った音声セミナーだったら、座ってメモをとりながら聞くんだよね。

なーんて。今ながらで聞いていた人達はびくっとしたかしら?

 

悪い事じゃないですよ。

こういう心理的な動きを理解して、自分を良い方向へ導くことができるんだったりいいけど、その判断材料が損得だけではなくって、生徒やダンサーの健康や将来まで考えてくれるといいんだけどなぁと思いながら今回のパンデミックとダンサーやバレエ界の動きを見ています。

 

でも、様々なカンパニーやダンサーが無料で情報を提供してくれていて、お家にいてもネットのおかげでエンターテインメントを手に入れることが出来ていますよね。

これって10年前だったら無理でしたよね。

日本でスマホという言葉が使われるようになったのは2008年にアイフォンが上陸してかららしいですが、日本のスマホは2011年にドコモが作った、なんて情報を読みました。

本当に最近の話なんですね。

昔だったら、戦争に出向くことで、みんなの将来や未来を守るという考えかもしれないけれど、今回人類の歴史で初めて、お家にいることがほかの人の命を救う行動になっています。

そしてスマホのおかげで家の中にいながら、外の世界とつながっている事が出来ます。

パンデミックで、私たち個人が出来るのは出来る限り外出を減らして、体の弱い人達や、医療関係者が健康でお仕事が出来るサポートをすることだとWHOが言っていました。

よく分からない私はそうなんだ、と勝手に思っています。

 

そして、それくらい我慢してみんなでやってあげましょうよ。

イタリアでは、患者さんを助けていたナースがコロナで命を落としました。

健康でお年寄りでなくって、みんなの為に力を注いでくれた人です。

 

もちろん、そのレベルでのサポートはDLSは出来ません。

だからこそ、今回のセミナーをオンラインに変えることで、皆さんやご家族、そして周りの人達の健康を守りつつ、だけど勉強が出来る場所を提供していきたいと思いました。

 

ということで、いつもとちょっと違った感じのポッドキャストになりました、いかがでしたでしょうか。

ここでお話したことは、私の勝手な考えです。

スタジオを閉じろとか発表会をやってはいけないという事ではなく、海外から日本を、そして世界を見ながら思った個人的な意見をお送りしているだけですからご了承ください。

また、来週からは普通のポッドキャストに戻りますのでご心配なく。

あ、でも普通じゃないかも。

プリエ本イベントの音声をお送りするので楽しみにしていてくださいね。

そしてオンラインセミナー達でお会いできるのも楽しみにしております。

ハッピーダンシング佐藤愛でした。

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