ヒストリカルダンスという言葉を聞いたことがありますか?
バレエやキャラクターダンスの基礎と言われる、舞台で踊る人ならば知っておきたい基礎の事だそうです。
ワガノワバレエメソッドと共にヒストリカルダンスを指導している内田愛美さんにお話を聞いてみました。
聞きたい人はこちらから
スクリプト
みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、
ダンサーズライフサポートドットコムのブログ音声バージョンプラスポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。
先週のポッドキャストに引き続き、今週も内田愛美さんのインタビュー抜粋です。
と、その前に。
明日3月14日は東京で行われる2020年春の来日セミナーの申し込みスタートの日ですよ。
体幹を鍛えるスタンスWS、ターンアウトを理解するターンアウトWS、そして強いつま先で踊るためのダンサーの足。
今回のセミナークラスを全て受講したら、この1年何を練習したらいいのかが分かるはずです。
争奪戦の忙しさに耐えるため、このポッドキャストは事前に録音してあるので、先週の名古屋セミナー申し込み状況がよく分からないのですが、
名古屋セミナーで空きがあるクラスは随時申し込み可能ですよ。
さて、今日はヒストリカルダンスについて。
説明などはこのポッドキャストに入っていますのでさっそく音声を聞いてみましょう。
愛:その1年生から3年生のときにワガノワのクラスの過程としてやってるのがヒストリカルダンス?
愛美:はい。
愛:その子たちはポワント履いてる?
愛美:ポワントは履いてます。1年生から。
ただヒストリカルダンスはポワント履かないので普通のバレエシューズ。
愛:じゃあクラシックやってポワントやってでヒストリカル?
愛美:また別のクラスになりますね。
愛:なるほど。そのヒストリカルダンスが4年生以上になるとキャラクターとかロシアキャラクターとかに変わってくるってこと?
愛美:そうです。
愛美:じゃあほんとにキャラクターダンスの基礎がヒストリカルダンスなんですか?それとも別なの?
愛:別のところもありますし、被ってるところもあります。
ちょっとこれは私の個人的な分析ですけどヒストリカルダンスって2つくらい目的があると思っていて、1つはクラシックバレエのために、クラシックバレエが上達するためにやる。
貴族的な立ち居振る舞いとか目線だったり。そういうところを教えるんですけど、もう1つはキャラクターダンスの準備。その2つがあると思っています。
愛:ヒストリカルダンスって私たち最初からそう言っちゃったけど一体何ですかってところに行こうか。その2つに分かれるというけど。
愛美:ヒストリカルダンスはクラシックバレエは貴族の踊りから発展していったと思うんですけど、その貴族の踊りをまずはやる。それがヒストリカルダンスの主な目的なんです。
愛:例えば日本人の子ってバレエの姿勢となるとグッと顎を引いちゃう感じを見てて思うんですけど、アーチを全部つぶしてね。
愛美:そうですね。でもロシア人の子たちって逆に上げなさいって言うんですね。それってヒストリカルダンスによると、昔の貴族はこうやって過ごしていたと。
社交会ではこうやってお話をしたり、顎を上げていたそうです。なのでそれがクラシックバレエにも入って来てるんだから常に上げておくことがバレエの姿勢ですよってそこがヒストリカルダンスとかをやってくるとわかる。
愛:すごい大事だと思う。古典バレエとかも発表会レベルで1幕だけ抜粋みたいな形でやったとしてもみんな練習内容は真ん中で踊る人見て的なことはするけど、外でやるんです人たちは演技しなさいって言われてそれで終わりじゃないですか。
だからどんな踊りでもそうですけどこっち側にプリンシパルたちが回ってきたらみんなして同じことをする。何かが起こったら周りとお話しするけどでもわかってないからそれ以外はそうなっててお話の時間になったらみんなこうやって動くっていう。その部分、その周りの人の練習、貴族的なものにも?
愛美:にももちろんなります。というのはヒストリカルダンスで1番最初に教わるのがヒストリカルダンスのポールドブラというのがあって、2人でやるとして、手をつなぎながらポールドブラをやるんです。そのときに会話をするように手をつなぎたいからその辺の体の使い方とかを教わるんですね。そういうのももちろん舞台でそのまま使えますよ。
愛: 日本人だから苦手だみたいなことよく聞くんですけど、オーストラリアでうちのバレエ学校で全幕ものやってたときはほんとに周りのコーティエたち、貴族の人たち、宮殿にいる人たち、もしくは呼ばれてくるゲストの人たち、お母さんたちお父さんたち含め、が品がないとか動きが雑だとかもしくはつまらなさそう、座り方が雑みたいなそれをいっぱい毎年ダメ出しされるんですよ。
だから海外の人で別にこうやってやってるわけじゃないから。それは別にお国柄なわけじゃなくて話によると練習から来てるみたいですけどね。
愛美:練習で知ってるか知らないかただそれだけですよね。
愛:難しいことじゃなかったりしますもんね。テクニック的にも。
愛美:1回知ってしまえば自分であとは練習するだけなのでできちゃうというところはあります。
愛:なるほどね。キャラクターとの違いは?
愛美:キャラクターとの違いはそこまで詳しくはないんですけど、ヒストリカルダンスの中でもキャラクター的な動きをしたりロシアンダンスとかをやったりとかもするので。
愛:それはキャラクターシューズでやるの?フラットで?
愛美:フラットで。普通のバレエシューズでやります。最初の子たちは。おそらく7年生とか8年生になってくるとキャラクターシューズのようなものを履いたりとか。
愛:ほんとにそれはYouTubeで見てもそこで習ったキャラクターの先生に習っても同じ音楽で同じ振り付けで常にやるっていう伝統的な誰々先生から教わってきてずっと一緒というのはバレエ学校でもやりました。
私はキャラクターからしかやってないんですけど嫌いでしたね。
愛美:嫌いなんですか笑
愛:まず第一になんでそれがあるのか分からなかった。大事だというのは今でこそわかります。
ヒストリカルダンスのそれもすごくよくわかるんですけど、でも真ん中で踊りたい真ん中の練習をさせてくれよって。クラシックのテクニック的に派手なものとかもそうだし。
大人になってというか、指導者になってというかもしくはたくさんいろんな舞台を見たり、プロのダンサーの人と会話をしていたらそこにいける人はほんとわずかでその前のところで役として渡されるわけじゃないですか。
その前のところがどれだけできるかによって自分が昇格できるかが決まるわけだから。その周りをどれだけやってるかって今ではわかります。若気の至りというやつですね。
キャラクターシューズで足踏むのとかあるじゃないですか。自分のことを踏むわけですよ。硬いヒールで。
愛美:でもキャラクターの方が難しい気はします。ヒストリカルが好きだからというのはあるかもしれないんですけど、もっとバレエに近い感じはしますね。
愛:お話聞いている限りではそれだったら舞台で使えるなとか子供でもだからやってるのねみたいなつながりが出てくると思う。
そのヒストリカルダンスを今年の2020年のDLSキッズであゆみさんが今回クラシックのクラスを指導していただくことになっていて、いつもやっている最後のセクションでヒストリカルダンスの味見というか体験をやってもらうという感じで。
年齢的にはキッズに来る子たちが10〜14歳までなのでちょうどそのワガノワの最後のところに当てはまるくらいかなと思うんですけど。そのときに学べたらすごくいいですよね。
愛美:そうですね。あとはそれだけじゃなくて空間把握とかもすごく大事なので。
愛:へえ!何をするんですか?自分が舞台に対してどこ向いてるかということ?
愛美:例えばポロネーズとかで1列になって行ったりするじゃないですか。その時の間隔ですよね。前を見てるけど、もしくはお客様を見てるけど実はこっちにもアンテナを張ってるとかそういうのを訓練する場でもあるので、そこもぜひ学んでもらいたいと思います。
いかがでしたか?
毎年キッズだけでなく冬期バレエ講習会を指導していても、ダンサー達が上半身特にポーデブラを知らない。
人と一緒に群舞で踊る方法を知らない。
これって大問題です。足を上げる高さには指定があったり、プロダンサーでもその人の個性により違います。
だけどプロダンサー全員、たとえそれがコールドでも、ユースカンパニーメンバーでもポーデブラは絶対にできます。
プロと踊るチャンス、舞台に立つチャンスはコールド、もしくは貴族などその他大勢役から始まります。
人と揃える、舞台で歩いたり、演技する。それが出来なければチャンスを掴めないってことなんです。
バリエーションがいくら踊れても意味ないの。趣味バレエではなく職業としてダンサーを目指すならば、一番必要な事を学んでほしい。これはDLSセミナー全てを通じて皆に知ってもらいたいと思っている事です。
ではこの春、ゴールデンウィークにちゃんと踊れる、ちゃんと世界レベルで役に立つダンサーづくりをしていきましょう。
Happy Dancing! 佐藤愛でした。
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