脱ダイエット、とかダンサーにダイエットは必要ない、というメッセージを送っていると気になること。
「ダンサーは痩せてはいけないの?」
無理やりストレッチがダメ=柔軟性がいらない、と言っているのではなく、
このエクササイズでは大腿四頭筋が必要ない=大腿四頭筋は抹消すべき!でもない。
ゴールの「ダンサーになる」のために、「エビデンス(研究・理論)」を考えてみよう、というポッドキャストです。
聞きたい人はこちらから
スクリプト
みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、
ダンサーズライフサポートドットコムのブログ音声バージョンプラスポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。
毎月最後の金曜日はみなさんからの質問にお答えするポッドキャストをお送りしております。
今日の質問は、2019年1月13日に行われたターンアウト本先行予約特別イベントの質問箱に入っていたものです。
今月、ダンサーと食事についての記事をピックアップしていたし、
先週の記事の名前は「脱ダイエット宣言」だったから、今日の質問はいい感じの流れになるかなーって思ってピックアップしました。
ちなみに、ターンアウト本先行予約イベントのアンコールと題して、
私とふみさんがプレゼンしたトークを今度は新大阪駅から歩いて3分くらいのところで9月21日に午後4時から行っています。
このポッドキャストは8月に福岡に行く前にレコーディングしているので現時点での正確な数が分かりませんが、
トークイベント興味があったら是非参加してね。
チケットはDLSストアより。ちょっとくらい席を増やせる会場なので売り切れとなっていた場合hello@dancerslifesupport.comにメールしてみてください。
ただ今先行予約中のプリエ使えてますか?も先行予約特別イベントがありますよ。
ただ、トークの内容は毎年違うのね。
しかも正しいスタンスにターンアウトをした脚でプリエをする、という流れなので
イベントのトークも毎年少しずつ難易度が上がるっていうか、専門的になっていきます。
そこでお会いできるのも楽しみにしていますよ。
さてと、質問を読みますね。
はじめまして、
痩せる体より踊れる体。
ダイエットはNGについて、あほな質問で申し訳ないですが、体脂肪率が30とか40%の人に対しても、やせてはダメ、ダイエットはだめ、という意味ではないですよね?お腹がたるんでいてもやせちゃダメなのか、というのが気になって質問してみました。
やみくもなダイエットがNGなことは分かっているつもりです。
ねーいい質問ですよね。
今月のポッドキャストを聞いていて、同じような疑問を持った人もいると思うのよ。
あほな質問って書いてあるけど、素晴らしい質問だよね。
ただ、聞いて分かったように、今日の質問は完全にふみさんの専門エリア。
だから私は栄養管理士としての目線ではお話しません。
当たり前だけどさ、自分が100%分からないことは指導出来ないと思っているから。
ただ、エクササイズやトレーニングで同じような質問を生徒や皆さんからされるので、愛さん流視点でお話します。
- 痩せる体は必要ないって太った体でいなさい、ではないと私は思っています。
- ダイエットは必要ない、って言う言葉はダイエットはダメ、ではないです。
通じる?このニュアンス。
同じことをエクササイズでいいかえてみるね。
- ケガするほどの無理やりストレッチは必要ないって言っても、硬い体で踊れ、ではない。
- ストレッチは必要ない、という言葉イコール、ストレッチは絶対にダメ、ではないんです。
踊るために柔軟性は必要でしょ。
つま先がある程度伸びないと、骨が整列しないから、ポワントシューズで体重を支えることは不可能だし。
だけどね、踊るために必要な事という大前提で行うし、
ストレッチをすれば、痛い思いをすれば手に入るものでもないんですよ。
柔軟性=ストレッチってみんな考えるンだけど、
柔軟性って筋肉の柔らかさかもしれないし、つまり健康な筋肉繊維ってことね。
着地の柔軟性とか、ポーデブラを柔らかく使うことかもしれない。
バレエが視覚芸術、目で見るものだとしたら、柔らかく見せる踊り方が必要であって、体は柔らかく、脚は上がるけど、
舞台の上のお姫さまがケガするんじゃないか?って心配したくないわけよ。
バレエを通じて物語を伝えているんであって、サスペンスやホラーを見に行っている訳じゃないじゃん、私たち。
今日バレエ見たんだよ、
3時間主役の人の股関節が外れるか心配で手に汗握っちゃった。
また違うキャストの股関節も心配したいわー
って感想にならないでしょ、どう考えても!
ダンサーは一般人を超越した身体能力が必要じゃない。
だって白鳥になってみたり、100年眠っていきなり立ちあがったり、死んだはずなのに戻ってくるし、
呪いの方法は踊り殺せーっていう世界にいるんだものね。
だからそれが出来るだけの体力、筋力というのもが必要です。
実際に研究で、ふくらはぎのストレッチをレッスン中に禁止し、
カフライズで鍛えたら、ダンサーの肉離れや足首のケガが劇的に減った、と分かっているほど、強い体とケガ予防は繋がっています。
だからダンサーとして舞台に立ちたかったら、長く健康に踊りたかったら、
そういうトレーニングをしてきた人達が残っていくから、そういう体にみんななっていくのだと思う。
細さを追い求めて、その結果がいいダンサーになる、のではなくて
いいダンサーになる、ケガせず、全てのチャンスを無駄にせず活躍する、というゴールを追い求めると、その結果アスリートな体になっていく、ということね。
でも努力って影で行うものでしょ。
バレエ学校の扉や、ダンサーのプライベート生活は外にいる私たちには見えないでしょ?
でも目に見えるのは、細いダンサー。
だから細さを求めてしまう。
これをうまく使っているのがマーケティングです。
肌のきれいな女優さんを使っている化粧水を見ると、皆この化粧水欲しいって思うのよ。
でもさ、化粧品メーカーがわざわざ肌荒れしている人を選んで、
「この化粧水使って1年たったら戻ってきて下さい」
っていわないよね?
バレエ用品も、素敵なダンサーが新商品を宣伝しているとするじゃない。
でもさ、よくよく考えたら新商品なんでしょ、新しいんでしょ?
ってことは、そのダンサーが学生時代にはなかったんだよね?
ということは、
- その新商品がダンサーを作ったのか、
- 商品を「売りたい」イメージに合うダンサーを選抜したのか?
どっちだと思う?
ストレッチもそうなんだけど、体の柔らかいダンサーがスプリッツ、前後開脚しているとしよう。
でもさ、彼女がそれをやったから、前後開脚ができるようになったのかな?
それとも、関節の可動域がすでに広いから、前後開脚したらきもちいストレッチ程度にしかならないのかな。
トウシューズ履いて踊るためにデミポイントシューズで練習する。
その前にフラットシューズでしっかりと踊る。
物事には順番があります。
スプリッツするためには、その前の段階のトレーニングが必要。
それはなにかな?って考える必要がある。
そこにマーケティングの知識もいれて、プロが撮影したものだったら、誰かがこのポーズしてください、ってリクエストがあったのかな、
そういうイメージモデルだったのか、バレエ上手=スプリッツできるっていう会社側のイメージなのかなって考えないと。
バレエ解剖学でも同じ事が言えるンです。
大腿四頭筋を使い過ぎない、って先生に言われると大腿四頭筋はダメなんだってなる。
この筋肉は「このステップの時に」使いません、という注意なのに
バレエやるンだったらこの筋肉は抹消しなければ、とやっきになる。
ダメとは誰も言っていないのよ。
やせちゃダメって誰も言っていない。
ただね、痩せることに執着したら、踊れる体にはなれませんよ、というのは事実。
体の声を聞いて、へんに我慢したり、偏った食生活をしなければ、
そしてプロダンサーレベルになれるようにレッスンの回数や、エクササイズの量、リハーサルをこなしていけば、
自然とそういう体になっていくでしょ?って話。
正しく、タンジュ、ジュッテ、ルルベラン、としたら股関節の可動域をトレーニングしている事になるし、
ウォームアップでストレッチは意味がないと研究で分かっているんだから、
レッスン前や途中に床でぎゅーぎゅ―ストレッチする必要ないでしょ?ってこと。
硬い筋肉には理由があるんだから、その理由、例えば弱い筋肉は硬くなりやすいとか水分不足だと筋肉が膠着するとか、
しっかりとウォームアップやクールダウンをしないと次の日に疲れやすく、体が重く感じるだとか、
そういったものを考慮せず、ストレッチで解決できると思っているのが問題なのよってこと。
どんどん例が出ちゃうね。どう?通じた?
でも、素晴らしい質問。
そしてみんなの前でしたくない質問なのに、勇気を出して質問箱に入れてくださってどうもありがとうございました。
9月21日に大阪で行われるターンアウト本アンコールイベントにも質問箱が設置されています。
私とふみさんの話を聞きたい人は是非そちらへ、そして質問箱にいれてくれた質問はこうやって私や彼女のブログでとり上げられるか、
二人でおこなうフェイスブックやインスタライブでとり上げていきたいと思っています。
今日のポッドキャストはここまで。また来週金曜日にお会いしましょう。
ハッピーダンシング佐藤愛でした。
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