幼い子供の脚の形、6番ポジションにできないんだよね、というお悩みメールをもらいました。
赤ちゃんの足はまっすぐではないです笑
子供と大人の体は全然違うものですよ。
足のアーチも7,8歳で出来るといわれるし、大腿骨の形も違ければ、骨の数も違います。
だから同じレッスン内容や注意、指導ではダメだよ、という事をお話したポッドキャストです。
聞きたい人はこちらから
<スクリプト>
みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、ダンサーズライフサポートドットコムのブログ音声バージョンプラス
ポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。
毎月最後の金曜日は、ポッドキャストリスナーさんからの質問にお答えしています。
というのはね、メールでの一対一の質問にお答えするのをやめたからなんです。
何故かというと、十中八九相手からの返事がない。
つまり時間を割いて、説明しても、ありがとうさえなし、という事が多いのと、
ケガの質問など、相談する相手が違うだろ、という事や
バレエママからバレエの先生に相談しろよ、というような愚痴メールなど。
残念なががらDLSをやっている5年以上の中で、メール相談にあまりポジティブな経験がないからです。
そしてどうせ時間をかけて返信するならば、その人だけに返信するよりも、
ブログやポッドキャストにした方が、より多くの同じような悩みを持つ人達をサポートできるから、という効率の問題もあります。
なので、去年から愛さんとティータイムというFBライブでの質問応答の場所と、
ポッドキャストリスナーさんからの質問という2か所、
そしてセミナー会場でのQ&Aの時間というところでだけ質問にお答えする事にしています。
今日の質問はポッドキャストリスナーさんからで、未就学児、つまり小学生以下の子供の脚のラインについてです。
ではメールを読みますね。
私は下は3~4歳ほどの未就学児からダンサー※を夢見ているジュニア世代、
そして大人バレエトレーニーさん※まで幅広く指導を担当させてもらっています。その中で、最近とても気になっているのが未就学児の脚のラインについての指導です。
今、指導している未就学児クラスにX脚×反張膝の子供がたくさんいます。
6thポジション(パラレルの内転)で膝が内側でぶつかって
足をそろえることができないあるいは膝を十分に伸ばすことができません。小さな子供たちには複雑なコントロールを言っても理解できるわけもないし、
でも、子供も「膝がぶつかって伸ばせない(´・ω・`)」と困っている顔を見せるし・・・どんな風に指導するのがよいでしょうか?
という事でした。
この質問は先生からでしたが、同じような悩みをバレエママも持っているかもしれないので答えましょう。
まずは解剖学的な部分から。
ブログに何度か出てきますし、スタンスブックにも書いてあるし、教師講座や、卵の日でもお話していますが、
生まれたての赤ちゃんはO脚です。そこからX、Oを繰り返し脚は成長していきます。
なのでね、この年齢の子達で6番ポジションが出来なくても問題ないんです。
だってそれが普通だもん。
ちなみに同じように、骨盤も最初はダックですし、足先の骨は軟骨で、
大腿骨が股関節にはまる丸い部分は子供には存在しません。
子供の体、とおとなの体は違うのです。
だからね、レッスンの内容も、ストレッチも、トレーニングも、
その年齢に合わせて行わないとケガします。
成長を妨げます。
変形に繋がります。
特に小学生中学年までの子達を指導するならば、
そのような生理的な違いの他に、
その年齢の子達が理解できる量、つまり脳みそのキャパシティーも考えなければいけませんし、
レッスンの時間や量も考えなければいけません。
幼稚園の先生になるには、幼稚園教諭免許状という国家資格が必要で、そのために勉強しますよね?
勉強を教えるわけでもなく、3年間しかない幼稚園なのに、
国家資格で知識を統一する必要があるのは、
この時期の子供たちって難しいからではないかな、と私は思います。
なんて偉そうにお話していますが、私はこの分野の必要最低限しか知りません。
だからね、そのような子達の治療やトレーニングはしないし、
DLSキッズでも9歳以下は受付ていません。
なぜか?
それは私の分野ではないから。
そして9歳以下であれば、外部のセミナー参加する意味はないと私は文献や、研究から感じているからです。
さっきO,X,O,Xと成長していくとお話したじゃない?
もちろん、脚の形に遺伝は影響しますが、
生活習慣要因、と呼ばれる、日常生活での癖っていうの?使い方っていうのも大きく影響します。
つまり、脚の形が成長しきっていない時期に、
難しいテクニックやバリエーションを踊ると、成長が止まってしまう、とか変形してしまう、という事が多くあります。
私は小学校2年生からポワント履かせてもらってたんだよねーと自慢げに言う人がいたら、
ご愁傷さま、と思ってあげて下さい。
彼女が習ってきたスタジオの先生は圧倒的に勉強不足です。
先生の勉強不足、というのは、厳しい言い方をすると仕事に対して甘い考えをしている、とか
生徒のことを考えていない、と私自身は思います。
もちろん、先生だって人間だから、家族がいるし、スタジオ経営していたらそんなに簡単に勉強できない、というのも分かります。
だけどね、お金ないし、時間ないし、でも子供がすきだから大学いかず幼稚園の先生になりました!
というところに子供を預けますか?
開業するまえにやっておくべきこと、って結構あると思うンですよね。
どんなビジネスでも。
バレエスタジオ運営、というのもビジネスで、お金をもらっているのだから、それなりに経営の勉強やビジネスモデル、そして提供しているサービスについて知っていないと。
衛生管理について知らないお弁当屋さんでお弁当買いたくないでしょ?
さ、解剖学の話からビジネスの話にいってしまいましたが、
メールにもあった、「どんな風に指導したらいいですか?」という部分にいきましょう。
正直、答えられません。
なぜならば、どのようなレッスンをやっているのか?によって左右されるからです。
クラスに5-6人しかいなくて、先生の目が行き届きます、っていうスタジオもあれば
幼稚園のように10人以上幼児がいて、先生とアシスタントの人がついている、なんてところもあるし、
バレエスタジオだけど、体作りにフォーカスしているのでレッスン内容はプリエとタンジュくらいしかやりません、というスタジオもあります。
バレエリトミック、というバレエの動きを取りいれているけれど、幼児のために特殊に作られたメソッドなんかも日本には存在します。
年長さんからプレコンクールなんかに出させるスタジオもあります。
だからこのメールだけでは判断しづらいですが、レッスンのゴールはなにか?をしっかりと定める必要がある、というのは年齢に関係なく言えることです。
それと、どうしてもアドバイスを!となれば、
指導する時に着目すべき部分は膝、つま先など体の一部ではなく、彼らの胴体、体の方向、ジャンプ力や運動能力などの方がいい気がします。
私の持っているACBシラバスでは幼児の試験内容は音楽に合わせてスキップできる、とかインプロで好きなように踊れる、とか斜めに動く、とかですもの。
そして、そのようなレッスン内容が、子供の運動能力を作ったり、ケガ予防になるというのも分かっているのですから。
どうでしょうか?答えになりましたか?
最後にね、このポッドキャストを聞いている長年DLSフォロアーさんだったら、
こんな質問して!子供の体と大人が違うのは当たり前じゃない!?
って思う方もいるかもしれません。
でもね、知らない人が存在するというのが事実で、
そういう人でDLSを知らず、貴方はO脚だから、と3歳児にいう先生も存在するのです。
だから、質問をくださった方、敢えて匿名で出させてもらったけど、今からでも勉強は遅くないです。
指導している子達のために、頑張って勉強してあげてください。
私たち教師が勉強すればするほど、happy dancingを増やせるはずですから。
という事で今日のポッドキャストはここまで。
また来週お会いしましょう!happy dancing、佐藤愛でした。
※DLSでは、バレリーナを「ダンサー」、大人でバレエレッスンを受けている方々をトレーニー「トレーニングする人」と呼んでいますが、ポッドキャスト音声内、フォロワーさんからの質問は「バレリーナ」「大人バレリーナ」のままとなっています。ご了承ください。
!!ポッドキャストの購読方法!!
DLSのYoutubeチャンネルには過去のポッドキャストだけでなく、ビデオブログやインタビューなども発信しています。
チャンネル登録をお忘れなく!