毎月最後の金曜日は、リスナーさんからの質問に答えています。
今日の質問はまだブログに書いた事のない、だけど(残念ながら)目にする事が多いダンサーと煙草についてをとり上げました!
辛口度はいたって高めだけど、悲しい事実もあるので、色々な面からバレエ界の喫煙を考えてみましょう。
聞きたい人はこちらから
<スクリプト>
みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?
DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、
ダンサーズライフサポートドットコムのブログ音声バージョンプラスポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。
すべてがうまくいくと、今日メルボルンに帰ってくる日です。
今回は声が出ていますように、そしてすべてのセミナーがうまくいきましたように。
今日は本当は愛さんとティータイムに来ていた質問なんですが
こちらで取り上げようと思うトピックがありましたのでこちらでご紹介させてもらいます。
では質問です。
ダンサーと喫煙です。
私はバレエを習い始めて丁度2年くらいで、2回ほど発表会を経験しました。
発表会ではプロのゲストダンサーの方を数人呼ぶのですが、結構なヘビースモーカーでした。
練習やリハーサルの様子を見るに、多分、2時間、、
タバコなしでは持たないのかなという印象でした。(軽いカルチャーショックでした。)
ダンサーの方々の経歴は華やかで、海外留学はもちろん、海外のバレエ団で踊っていた方や、国内でも有名なバレエ団でソリストを踊っている方もいます。ダンサーになるためには、まず「細胞レベルで健康である」という愛さんの論理から言うと、喫煙は当然、NGだと思うのですが、
実際にバレエでは、喫煙はどのように考えられているのでしょうか?教育面での喫煙の扱われ方も気になります。
興味本位の質問なので、いつか時間成るときにでもお答えいただけると嬉しいです。
しょうこさんありがとうございました。
これねー時々聞かれる質問なんです。
だからここで一気に答えます。
どうしてダンサーが煙草?
まずね、タバコを吸うという行為を、健康だからこそお金儲けができるという職業の人が行っている事自体、バカだと私は思います。
でも、ロイヤルの若い男の子たちも吸っているのを知っています。
なぜか?
ここに少しダイブしてみましょう。
海外組、特にロイヤルのように有名バレエ学校から有名バレエ団に入った、ラッキーな子達、
そしてその時話した子たちの中で大きな怪我を学生の時にした人はいませんでした。
なので、私の勝手な過程ですが、
今までじぶんの健康を考えてきていないんじゃないかな、って事。
真面目じゃないって言っているわけではないです。
すごくハードワーキングな子たちでした。
ただ、自分の体がずっともつ、ある意味過剰に信用しすぎちゃっているのではないか?と思います。
そして、学生時代、遊びに行くとかという生活とはちょっと離れた、
特殊な生活をしてきた子たちにとって、
タバコを吸う事はクールで、大人な感じがするのかもしれません。
面白い事に、同じ条件で踊っている子で、学生時代大きな怪我を繰り返し、
カンパニーにいる子は吸っていませんでした。
それ以外はほぼ同じ条件、同じ仲良しグループの一人。
その子の方が少し周りより歳が上、だというのも書いておきます。
怪我を体験したから、健康、というもの大事さがわかったのかもしれません。
ちなみに日本ダンサーの場合、ここでいう日本ダンサーというのは、
日本で踊ってきて、ローザンヌとかそんなに上手レベルじゃないけど、
男性ダンサーは必需だからプロになった、というような人達は、
喫煙者が多く見られると感じます。
もちろん、私が日本にいた時だから20年近く前だけど。
今は違うのかな。
でも、このメール質問を読むだけでは、まだ同じような状況がある気がしますよね。
なぜタバコを吸うのか?というのはやっぱりかっこよさからだと思うのです。
バレエという、なんだか女の子っぽいことをしているから、というのもあるかもしれないし、
憧れの男性ダンサー、もしくは先生が吸っていて、かっこよくて真似したというのもあるでしょう。
ストレッチも、変なダイエットも、怪我に対しての考え方も。
ダンサーは勉強してこないことが多いので、結局周りの憧れの人の真似をします。
そして、ここに行き着くんじゃないか?と思う。
煙草と学生ダンサー
先ほどあげたロイヤルのおとこのこたち、
うちのバレエ学校のガラパフォーマンスでゲストにきてくれた人達なんですけどね、
生徒の前では絶対に!吸っていませんでした。
私が見たのは、パフォーマンスが終わり、打ち上げパーティーの後だけです。
同じくゲストでロシアの男性がきてくれたのですが、彼は生徒の前で吸っていました。
前に東京バレエ団のゲストを呼んだ時も、
男性ダンサーは生徒たちがいるところで吸っていました。
ここが意識の違いなんじゃないかな、と思う。
最終的に、じぶんの健康はじぶんが管理します。
特にタバコを吸う年齢になったら。
でも、タバコほど、体に悪い、と世界各国、様々な研究グループから言われているものはありませんよね。
だから、自殺行為だと私は思いますし、実際にそうです。
ただ、その時、若い世代、自分に憧れている子たちを考えてあげられるか?で
どれだけいいダンサーか?がわかると思う。
だって、ダンサーは芸能人みたいなものですからね、フォロアーが増えて、チケットが売れるというのが大事なんです。
その際、子供たちを大事にして、考えてあげられないというのは、
オーディエンスを考えていない、自分勝手なダンサーだと思うのです。
同じく、怪我して舞台に立ち、100%で踊れないというのも、
自分が怪我のリハビリをしてこないから、だったら観客への甘えであり、
プロではないと私は思います。
煙草がストレス解消!?
ここら辺で教育面について、と私のタバコについての考え方ですが、
もう一つ、バレエ界では?と言う質問の所に最後お答えしましょう。
ストレス発散でタバコを吸うんだよねーと言うバカがいたら、殴ってあげてください。
これね、すごく古い嘘なんです。
昔、戦時中、海外では軍人のストレス解消、
そして軍人を持つ家族がストレス発散のために、タバコがお医者さんから進められていた時期がありました。
これは、マーケティング、つまりタバコ会社が売りたかったから、だとわかっています。
そこから、タバコ=ストレス発散という考えが作られたようです。
血管の萎縮とか難しいこと、専門的なことを言わなくても、簡単に考えてください。
体で考えると、体を害するもの=ストレスです。
それを入れているんだから、ストレス発散の逆でしょ!
ただ、中毒にはなります。
つまり止められなくなります。
止められない、と言うところに、中毒にかかっているものを入れると、
欲しい欲しい!と言う気持ちをストップできるので、
ストレスが発散されたように感じます。
だけど、それは
ストレスというのがあって、タバコを入れた
のではなく、
タバコ中毒がストレスになり、中毒として欲しているものを入れたら落ち着いた、
と言うだけです。
だからね、バカなの。
煙草とダイエット
ただし、世の中にはこうやったバカっぽい意見の他に、悲しいケースもあります。
女性ダンサーの場合、ダイエットにいいから、と言われて吸い始める子たちもいるという事実です。
本当に悲しい。
無理なダイエットの一つで、じぶんの健康を害することで、
求める体型になるという摂食障害的な部分がタバコに出ていると言う問題です。
思ったよりも、こういう子たちはたくさんいます。
私が知らないと思っているダンサーたちも実はたくさんいます。
知っているけど言いません。
なぜか?
だってそれは、摂食障害、つまり体へのイメージに関することで、
それは専門的なカウンセリングが必要だから。
私の場所ではないんです。
そういう子たちに私ができることは、
- トレーニングで体は変わるということ。
あなたはあなたで十分である、ということ。
無理なダイエットは必要ないということ。
それをしっかりと頭に叩き込むことなんです。
どうでしょうか?
答えになったかしら?今回の文章も長いし、みんなに読んでもらいたいものなので、
エピソード217のページにスクリプトを貼っておきます。
どうぞシェアして、読んでください。
多くの子たちに事実を知ってもらうこと。
それは怪我だろうが、テクニックだろうが、このようなタバコ、
生理などあまりみんなが話しづらいトピックを取り上げることだと私は思っています。
今週のポッドキャストはここまでですが、私に聞いてみたいことがあったら、hello@dancerslifesupport.comにメールくださいね。楽しみにしています。
ではまた来週のポッドキャストでお会いしましょう!
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