DLSポッドキャスト DLS11周年秘密エピソード

2024年8月1日にDLSが11周年を迎えたことを記念したボーナスエピソードです。

DLSを始めた当初を振り返り、思いつきで始めた初めての来日セミナーや “Happy Dancing!”の大切さについてお話しました。

また、DLSを続けてきた中で辛かったことやそれでも続けてくることができた理由についてもお話しました。

Transcript

このエピソードをリアルタイムで見つけてくださった皆さんこんにちは、11歳になったDLSの佐藤愛です。

 

ボーナスエピソードを見つけてくれたということは

DLSポッドキャストに登録してくださっているか

YouTubeでチャンネル登録と通知オンにしてくれているというサインですから、

改めましていつも応援ありがとうございます、とお伝えさせてください。

 

メルマガやSNSでも投稿しているのでご存じだとは思いますが、

DLSは今日、8月1日に11周年を迎えました。

 

DLSがDLSになる前の話

2012年5月、高校の部活仲間の結婚式で一時帰国するから、という簡単な気持ちで、

それこそDLSが出来る前に、まだリニューアルされていなかった新宿村スタジオの小さなスタジオを

出来る限り費用を抑えるために時間ギリギリでレンタルし、

受付に妹、参加者の一人に母がいた「ダンサーのためのボディコンディショニング」クラスがDLSの種になりました。

カッコよくババーン!とはじまったわけではございません。

 

バレエ留学のあとに治療家の勉強、バレエ団の研修やバレエ学校の生徒治療と解剖学授業の講師…

全てにおいて、体を使う仕事を選んできたため、

最初に作ったセミナー資料はまー読みづらい。

 

今でこそマーケティングやら、ブランディング、デザインの勉強を少しかじっていますが、

当日は皆が嫌いとデータさえ出ている、明朝体とパワーポイントで作った資料でした。

 

バレエ学校の元生徒や、バレエ学校の先輩、

バレエ学校とつながりがあったバレエスタジオの先生や生徒さん向けに作った1クラスと、

妹の会社にあったダンスサークルの皆様が来てくれた1クラスの計2つ。

 

クラスの最後の挨拶中、レンタルの時間を気にした妹が

ソフトボールの空気をシューっと抜き始めるという、

シュールなというか、アンプロフェッショナルな形でのセミナーを終えた時、

参加してくださった方々が「役に立った」とか「うちのスタジオで生徒向けにやってほしい」と言ってくれたんです。

 

世の中、いい人たちがたくさんいるんだよね。

それを聞いた当時の私は、DLSのブログをはじめようと思いついたのです。

当時に戻って聞いてみたいよ、何をどうすると、ここからブログをはじめようという考えに至るのか。

 

2013年にスタートした裏話

マニュアルの、冬になるとエンジンがかかるか分からないある意味毎日スリルのあるおんぼろ車に乗って、

バレエ学校や、自分で一部屋借りてスタートしたクリニックの道中、

ワードプレスやブログの作り方のポッドキャストを聞き、

休みの日や仕事終わりにドメインを購入したり、ワードプレスをいじったりしつつ、ブログを書いて、

5つくらいの記事と共に2013年8月1日にDLSが始まりました。

 

www.dancerslifesupport.comというドメインをもともと購入する予定ではなかったんだけど、

欲しかった「ダンサーズサポート」がもう売り切れだったから仕方なく選んだ、というだけ。

今ではDLSと略して呼べるのでとってもラッキーだったと思います。

 

ブログの終わりの閉め言葉を探していて

最終的にはHappy Dancing!という言葉を選んだんだけど

他にどんな候補があったのか、今では覚えていません。

 

ただ、私自身バレエが楽しくって、レッスンが待ち遠しくて!と思っていた時代から

真剣にバレエをやりたいと思えば思うほど、つらいもの、痛いものになっていく過程で

「楽しく踊り続けること」にあこがれを持っていたのだと思います。

 

今ではHappy DancingはDLSの土台だし、

DLS公認スタンスインストラクターコースの信念にもなっています。

 

楽しい環境は成長に不可欠

マズローの欲求5段階説をご存じでしょうか?

1943年に心理学者マズローが提唱した人間のモチベーション、ニーズに関する考え方で、

今では心理学だけでなく、学校などの教育の場や、病院など医療の場でも使われています。

生徒のモチベーションを理解し、保つためや、患者のニーズを理解するために使われるってことね。

 

名前通り「ニーズには5段階あるよ」という理論です。

 

私はニーズのピラミッドと呼んでいるんだけど

一番最初、土台となるところは「生理的欲求」で食事、睡眠、休息などが含まれます。

 

その次が「安全」

 

これらが満たされていなければ、いくら才能のあるダンサーでも

いくらバレエ向きの体を持っているといわれるダンサーでも

一番上にある「自身の持っているポテンシャルを最大限に生かす」に行きつかないですよね。

 

もちろん、エピソード443でもHappy Dancingの信条をお話していますよね。

楽しくないと踊り続けることはできない。

 

これは、バレエだけでなく勉強やスポーツでも同じだと思いますが、

楽しくないと続かない

 

楽しいとは「楽」ではないし

いつでも簡単なことをしていると飽きます。飽きるという感情は楽しいではない。

だけど、痛い、つらい、怖いという環境では踊り続けることはできない。

だからこそ、長く踊るためにはHappy Dancingが必要だと私は考えています。

 

だけど、プロダンサーは楽しいだけで踊ってないでしょう?

と思う人もいるかもしれません。

確かに、仕事になると責任もあるし、毎日同じことを繰り返していたら飽きちゃうかもしれません。

 

でもプロになるために長い間努力が必要だと仮定したら、

その長期に渡る、挫折もたくさんある学生期に楽しくなかったら続かないでしょう。

 

また、職場という考え方を使ってみると

パワハラ上司がいたり、職場環境が良くない会社に長くいたいと思う社員はいないでしょうね。

最悪、そのような環境にいることで鬱になり、社会復帰が難しくなってしまうという人もいるでしょう。

 

と考えるとだよ、やはりHappy Dancingは大切だと思うのです。

バレエだけじゃなくてもね。

 

長く続ければ嫌なヤツとも出会う

Happyが大切だと言いますが、仕事にすれば、そして長く続けてきたらいつもHappyではいられないですよね。

 

私も

  • 本に誤字脱字が見つかったり
  • OKを出した案件がうまくいかなかったり
  • チームメンバーがミスを連発したり

したら常にハクナマタタでいられるわけではありません。

 

人とかかわる仕事なので

  • 一方的にライバル心を押し付けられる
  • 勝手にセミナー内容やeBook内容を盗まれて、使われる
  • 裏でグチグチ言われる

なんてことは体験してきました。

 

実はね、一番辛いのはこのような文句を言ってくる人たちではないんですよ。

こういう行動をしてくる人たちはネタに出来ます。

 

1冊目のスタンス本が出た時にもお話したんだけど、

アマゾンでネガティブなレビューがあったのね。

でも内容を読んでみると、この人私の隠れファンじゃん!って思える感じだったんですよ。

本の内容が良くないという話の後に「ブログでもXXと書いてあってはなはだしい間違いだ」って。

 

あのね、ブログ読んでるって書いちゃっているし、

しかもかなり古い記事を持ち出しちゃっている時点で、

この人、昔からブログを読んでて、「はなはだしい間違い」だけど読み続けて

本を出したら買ってるんだよ?

しかも時間をかけてレビューも書いちゃってるんだよ?

面倒な隠れファンでしょ?

 

裏で文句を言ってくる人も

真正面から言えるだけの勇気がなく、裏で誰かのことを蹴落とすことで

自分が高い位置にいられると思ってしまっている可哀そうな人達なわけ。

 

きっと子供の時に親から周りと比べられてきたのかなとか、

自分には価値がないという劣等感があって、誰かを下げることで

安心するのかなとか。

 

心理学をかじっている私にとって、このような行動は研究材料になってしまうんですよ。

もちろん、最初にその話を聞いたときは腹が立つんだけどね。

 

DLSを辞めようと思うとき

それよりも、11年やってきて辛いことはバレエ界が変わらないこと。

数日前に

「久しぶりに昔いたバレエ団のリハーサルを見に行ったら

両足疲労骨折の女性ダンサーがもっと痩せないとリフト出来ないといわれていた」

という話をDMでもらいました。

 

2024年ですら、まだここ。

 

こういうとき、DLSを辞めようかと本気で考えてしまいます。

丸10年やってきても、私の影響力はこれっぽっちで、

世界からデータを持ってきても、出典元のエビデンスをお話しても

一応、ダンス界のベストセラーの本を5冊だしても。

 

「でも痩せてないと軽やかに踊れない」と思っているディレクターがいたり

「そうは言っても、周りもやっているから」と幼い子供にトウシューズを履かせていたり

「先生に言う勇気が出ないから」と子供がつらい思いをしているのに、スタジオを変えることが出来ない保護者がいたり。

特に最後の、自分の子供なのに、ダメだってわかっているのに、行動に移せない保護者が一番パンチが強いです。

 

自分の子供ですらこうやって考える親がいるなら、

他人を教えているバレエの先生や、子供相手ではないディレクターが

ダンサーの安全と将来の健康を考えるわけがないじゃないかって。

 

こういう声を聞くたびに、DLSを続ける意味が見えなくなります。

 

その代わり、私が大事にしている他の事、たとえば環境問題とか貧困層の勉強チャンスだとか、

女性社会自立サポートとかで仕事をした方がいいんじゃないかって思ってしまうの。

 

日本にいる時点で安全な国で、母国語で、義務教育が受けられているわけだし

バレエが出来ている時点で、必要最低限の生活は出来ているってわけだから

10年やってきても、話を聞いてもらえないなら、

そうではない人たちへのサポートをした方がいいんじゃないかって思ってしまう。

 

やりたいことはたくさんあって、

時間は有限で、

インパクトを与えたい社会問題もたくさんあるから。

 

10年バレエを習ったらプロになれるのか?

ボーナスエピソードをやっている理由は、DLSを辞める宣言をするからなの?と思った方、大丈夫。

私の健康や、家族に問題がなければ、形は違うかもしれないけれど、あと9年は続ける予定です。

 

私はバレエを6歳から始めたんだけど、16歳の愛ちゃんが

「10年バレエやったのに、プロになれない!だったら辞めてやる」と言ってたら

鼻で笑うことでしょう。

そう簡単にプロになれると思うなよって。

10年やって、ようやく基礎が出来たくらいだぞって。

 

すごい倍率のワガノワバレエ学校に入れたとしても、8年生まで勉強します。

そうじゃないと卒業さえできません。

 

彼らは毎日、厳格に作られたレッスンプランの元、様々な教科を勉強しながらクラシックも踊っています。

その人たちですら8年かかるなら、10年、

しかも2020年からようやくDLS一本で活動を始めた私なんて、まだまだ足元に及ばないわけ。

だから「10年やってきたのにバレエ界が変わらない!」なんてたわ言を言っている暇はないんですよね。

 

お医者さん関係もそうですよね。

大学で4年、大学院で2年、研修医となって、専門エリアで場数を踏んで

ようやくそのエリアの専門家になれる。

11周年を迎えるにあたって、こんなことをたくさん考えていました。

なんでもかんでも、SNSみたいにスクロールしたら次に進めるわけではないんですよね。

 

  • 早くからポワントを履いても上手になるわけではない
  • 難しい振付のコンクール練習をしたからって上手になるわけではない
  • 床でオーバースプリッツが出来たからって、踊れるわけではない
  • 結果が出ないからって、スタジオを転々としても上達しない
  • バランスのコツ、ピルエットのコツなんてない

全てのおいて、時間をかけて基礎を練習することが達人とか、プロのレベルに到達する秘訣なんでしょう。

それを日々伝えている私も、同じように我慢強く、一歩ずつ前に進んでいく必要があるんでしょう。

そして長く、険しい道だからこそ、楽しいと思えるような

充実していると思えるような環境にいることが大切なんだと思います。

 

11周年イベント

長くなりましたが、DLSが11年やってこられたのも、

この活動をしている中で、楽しいと思えるような仲間に出会えたこと、

やっててよかった、と思えるようなセミナー感想をもらったり

少しずつ世界が変わっていると思えるようなDMをもらったりしているからです。

どうもありがとうございます。

では、また明日のポッドキャストでお話しましょう。

 

Happy Dancing!

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