*このブログは2013年に書かれたものを2020年に大幅加筆修正しました。
骨盤:テクニックの発祥地でもお話したように、骨盤は人間の土台です。
その理由は、
- 内臓を守り
- 上半身と下半身をつなげるカナメになり
- たくさんの筋肉たちの付着部分でもあり
- 新しい命が育つ場所でもありますよね
でしたね。
今日の記事は骨盤記事の続編なので、そっちを読んでいない人は先にどうぞ。
大丈夫、このページはいなくなりませんから。
読んでくれた人の中には、言ってることは分かるけど…
- 骨盤の事を知らなくても、皆踊っているでしょう?
- だから、知らなくても大丈夫なんじゃない??
- エクササイズも地味だし(汗かかないし?)
って正直思っちゃった人もいるでしょうね。
でもね、骨盤っていうグラマラスではない部分の問題は、体の全てに影響しちゃいます。
ドミノ倒しってあるじゃない?
あんな感じで、一度倒れたら最初に戻らないと修復できなくなります。
Domino 1 腰椎のカーブ
覚えてます?
骨盤は寛骨×2と仙骨でできた骨の塊だったよね?
背骨の記事で勉強したように、仙骨は第5腰椎の下にある骨。
骨盤がズレる
→仙骨がズレる
→その上に乗っかっている腰椎も一緒にズレる
Domino 2 腰椎から胸椎へ
腰椎に影響するってことは、その上に乗っかっている胸椎にも影響します。
腰椎自身5つしかないんだから、すぐに影響しちゃうんだろうな、っていうのは簡単に考えられますよね?
Domino 3 胸椎と肋骨は運命共同体
肋骨の勉強をしたときにもお話したけれど、胸椎は肋骨がついている部分でしたよね?
ってことは
- 肋骨のプレースメントにも影響
- 呼吸に影響
- 肋骨についている筋肉(下に行けば腹筋、上に行けば首の筋肉、後ろに行けば背筋)に影響する
- 肋骨の上に乗っている肩甲骨にも影響し、結果肩関節にも影響する
Domino 4 胸の上には首がある
骨盤と首、そして頭蓋骨というとかなーり離れた位置にあるような気がするけれど、
結局体は繋がっているのよね。
先ほど首に力が入るって話が出たけれど、首が緊張すれば
- バレエダンサー特有の美しい首のラインは崩れる
- スポットは自由につかない
- ポーデブラで必要な目線と腕の動きのコーディネーションも失われる
なんて表現力やテクニックに影響する問題がたくさん!
アラベスクの足は高く上がっているのに、妙に首に力が入っていたり、
頭の位置が正しくないダンサーって見たことありません?
そうなっちゃう理由の1つに、骨盤ドミノ影響があるってことね。
Domino 5 骨盤=股関節を作る骨
骨盤の勉強をしたときに寛骨臼(かんこつきゅう)っていうのがあるって勉強したよね?
股関節っていう関節は、骨盤のソケットと大腿骨の骨頭のボール型になっている部分が合わさってできる関節。
だから、骨盤のプレースメントは、股関節にダイレクトに影響します。
股関節に影響するっていう事は
- ターンアウト
- デヴァン
- アラセコンド
- デリエール
- プリエ
- ルティレ…
あーめんどくさい、股関節を動かす全てのバレエステップに直接影響してくるって事でございます。
Domino 6 大腿骨周りの筋肉に影響
- 軸足の膝が伸びない
- 重心がズレる(片足でバランスがとれない)
- いくら柔軟しても、踊りの中でターンアウトがキープ出来ない
このような問題は骨盤のプレースメントから来ている可能性が非常に高いのね。
もちろん、骨盤が重心のセンターという事もあるけれど(丹田がどーの、とか言いますよね)
- 膝を伸ばす筋肉である大腿四頭筋、その後ろでペアになって働いてくれるハムストリングス
- 片足バランスで必要な中臀筋と内転筋のバランス
- ターンアウトを作る外旋六筋
- アラベスクの高さでも、ジャンプの着地でも必要な大臀筋
これらの筋肉すべて、骨盤から大腿骨についている筋肉なんです。
筋肉のスタート地点である骨盤がズレたら、筋肉を効果的に使う事は不可能になります。
Domino 7 不必要な筋肥大
筋肥大っていうのは筋肉が大きくなる事。
それ自体は悪いことではありませんし、強くなるためには筋肉が大きくなる必要はあります。
でも「不必要な」とついた場合は…文字通り必要ない、ってこと。
筋肉がバランスよく働いてくれているって事は、誰か一人に頼り切っていないってことなのね。
この説明はオンライン学校の太もも周りの筋肉と仲良くなろう、でお話しているので飛ばすけれど、
前モモばっかり太くなっちゃうよ、と悩んでいるダンサーは骨盤の前の三角形を確認する癖をつけてみて下さい。
日常生活でもね。
Domino 8 ケガの可能性もアップ
アライメントの大切さをお話した記事でも書いたけれど、正しいアライメントで踊る理由があるわけで、
骨盤のプレースメントも同じく理由があります。
特に股関節と腰のケガってダンサーではすごく多いでしょ?
両方のカギになっているのも骨盤なんですよ。
- 慢性腰痛で現役ダンサーでも朝ベッドから起き上がるのが辛い。
- 股関節関連のケガがあり、だましだまし踊っている。
そんなの悲しいでしょ?
まとめ:骨盤のドミノ倒しを止めるために
コアマッスルも、ターンアウトの筋肉も、脚を上げる筋肉も、軸足の筋肉も骨盤についています。
上半身と下半身をつなげるリンクである骨盤を無視して、ドミノ倒しの途中から立て直そうなんて不可能です。
ラッキーな事に、私たちには骨盤のプレースメントを簡単に確認する方法があるじゃないですか。
そう、三角形。
その他に坐骨の方向を意識して踊るっていうのも素晴らしく効果的です。
だって坐骨も骨盤の一部だものね。
- 踊っている時に骨盤を固定しろ!と言っているわけではありません。
- 骨盤が大事だからって固めるように意識、でもありません。
ただ真っすぐに立っている時には白紙に戻ってこられるように、レッスン中も日常生活も考えてみてくださいね。
Happy Dancing!