腹横筋を勉強していて
「腹横筋はコアの一部」
という一文を読んだ途端、頭がこんがらがっちゃった人も多いかもしれないですよね。
実はコアマッスルは解剖学用語ではありませんし、筋肉の名前でもないんです。
コアマッスルと言って指すものは、その先生やエクササイズ指導によってかなり違うようですし、
バレエの先生の中ではコアと腹筋の違いをあまり考えず注意している人もいるみたい。
ただ、ピラティスなどのエクササイズですと、
コアマッスルは
- 腹横筋
- 骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)
- 多裂筋(たれつきん)
- 横隔膜(おうかくまく)
を指すようです。
横隔膜は皆さんもちろんご存じの、呼吸のための筋肉。
ただし、
- 横隔膜のトレーニングを教えてください
- 横隔膜が弱いから鍛えなさい
- 横隔膜が弱くてケガしました…
というダンサーやバレエ教師に出会ったことがないため、「ダンサーのための」解剖学という目線からは、この筋肉についてお話しないでおきますね。
図左:多裂筋は背骨のすぐ隣にいる子
頚椎1番を除く、全ての背骨たちについています。
図右:骨盤底筋群は骨盤の底にある筋肉群
骨盤の底を覆っている筋肉たちです。
ダンサーとして知っておきたいこと
ダンサーとしてコアマッスルについて知っておきたい事は、
- 腹筋たちは場所は少し違っても骨盤と肋骨をつなげている筋肉たちだったけど、コアマッスルは背中や骨盤の中、肋骨の中にもある。
- コアを考えるのであれば、お腹を凹ませるとか腹筋を強くする、だけではなくて背骨の正しいアライメントや、肋骨と骨盤の位置なども考える必要がある。
- コアのお仕事は体幹を安定させ、背骨を守る
ということだけ。
え?それだけしか教えてくれないの?
って思ったかしら?
確かに今名前を挙げた筋肉たちにはそれぞれ特有のお仕事がありますし、
それぞれかなり違ったお仕事を受け持っています。
(骨盤の底にある筋肉と横隔膜が全く一緒の仕事をするわけがないよね!)
でも、コアマッスルの場所の詳細や仕事の種類をダンサーが知っていてもあまり踊りには役に立ちません。
ここら辺にあるんだなーと知っているくらいでイメージができたら上出来!
バレエの先生は知識として理解しておく必要はあるとは思いますが、
レッスン中に横隔膜や骨盤底筋群を触って筋肉を使っているか?を確認することはできませんし、
腹横筋や多裂筋も衣装によっては見えません。
なので先生方、どこまでやったらOKというのが分かっていないのでしたら、
むやみやたらと
- コアを鍛えろ
コアマッスルが使えてない
と叫ばない方がいいと思いますよ。
コアマッスルはダンサーにとって大事ではない、とは言っておりません。
コアマッスルの仕事は
「背骨、骨盤、肋骨を正しいところに保ってくれる、背骨を守ってくれる」
と理解できたら、
- 正しいところにアライメントやプレースメントをホールドすることが、コアマッスルを鍛えることになる
- コアマッスルが使えていなかったら、アライメントやプレースメントを正すことは非常に難しい
と分かるはずです。
そうしたら、
レッスンでの基礎の大切さがよーくわかるはずですから。
図:コアマッスル3つを表したもの
背中、骨盤、おなか周りを様々な方向から
サポートしてくれているのが見えます。
コアマッスルのエクササイズや、腹筋たちとの関連性をもっと深く勉強したい人はDLSの「ダンサーの腹筋事情」eBookをどうぞ。
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Happy dancing!